水 ) 融雪用水 植樹帯散水用水 道路等の清掃 散水用水 農業用水 工業用水への供給 事業場等への直接供給などがある 下水汚泥については バイオマス ニッポン総合戦略や京都議定書目標達成計画など 地球温暖化対策を推進することが求められている その有効利用量は平成 22 年度に約 78% に達したが

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公共下水道 私たちは 日常の生活や社会生活の活動のなかで たくさんの水を使っています ここで使われた水をそのまま自然に流し続けると 川や海は汚れを増していくこととなり やがて生活に必要なきれいな水が欲しいときに 手に入れることがむずかしくなってしまうようになります 必要な水を いつまでもきれいなまま

質問1

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令和元年 8 月 23 日九州地方整備局 記者発表資料 九州の下水道整備状況について ( 平成 30 年度末 ) 平成 30 年度末の九州の下水道整備状況を取りまとめました 下水道の整備状況 平成 30 年度末の九州の下水道処理人口普及率が67.2% になりました 昨年度から0.5% 増 (H29

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( 様式 1) 1. 対象地区の概要 1 本市の地勢 習志野市は, 千葉県北西部に位置し, 首都東京と県庁所在地の千葉市のほぼ中間付近に位置する 対象区域内の高低差は 12m~30m あり, 比較的高低差の激しい区域である 2 対象地区 習志野市の下水道計画区域は, 津田沼, 高瀬, 印旛の 3 処


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バイオ燃料

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社会資本総合整備計画 ( 防災 安全交付金 ) 計画の名称 計画の期間 計画の目標 命と暮らしを守る安全 安心な施設づくり ( 下水道 ) 平成 27 年度 ~ 平成 31 年度 (5 年間 ) 平成 29 年 3 月 13 日重点配分対象の該当 下水道管路及び下水道施設の長寿命化 耐震化を図り安全

目次 下水道全般 1~2ページ Q 下水道とは何ですか? なぜ必要なのですか? Q 下水道にはどのような役割がありますか? Q 下水道にはどんな種類があるのですか? Q 水の循環とは何ですか? Q わたしたちが生活で使う水の量は 一人一日当たりどれくらいですか? Q 生活で使って汚れた水はどこに行く

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

2

事務連絡 平成 29 年 4 月 3 日 各都道府県財政担当課各都道府県市区町村担当課各指定都市財政担当課 御中 総務省自治財政局公営企業課 平成 29 年度における東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について 東日本大震災に係る災害復旧事業等については 平成 2

Microsoft PowerPoint -

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目次 安全で快適な生活環境の確保をめざします 1 下水道の役割 1 下水道のしくみ 2 下水道事業の財源 2 排水設備 3 町の指定工事店で 4 排水設備工事完了までの流れ 4 水洗便所改造等資金融資あっせん制度について 5 融資あっせん申し込み方法について 6 浄化槽転用雨水貯留施設設置補助金制度

3. 下水道の整備状況平成 30 年 3 月 31 日現在 県内では 20 市町のうち 11 市 6 町で公共下水道事業が実施されており 17 の市町で供用されています しかしながら 愛媛県の下水道普及率は 53.7% と全国第 38 位となっており まだまだ遅れています 瀬戸内海や宇和海などの豊か

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2) 管理数量 下水道 終末処理場には汚水と雨水用の施設があります 管理数量は次のとおりで す 表 2-26 下水道 終末処理場の管理数量 施設名種別数量備考 下水道 ( 汚水 ) 下水道 ( 雨水 ) 汚水管きょ下水道終末処理場中継ポンプ場汚水低地排水ポンプ雨水管きょ雨水低地排水ポンプ雨水ゲート

農業集落排水事業の現状と展開方向

Microsoft Word - P20~P21 処理施設


いる この中で 自然と共生した持続可能な循環型社会の推進 に向けては 地球温暖化をはじめとした環境問題は年々深刻さを増す中 東日本大震災で改めて 自然 がかけがえのない大切なものであること 私たちも生態系の一部として 共生 していることを痛感したところであり これを教訓として 豊かな水と緑が育む自然

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

Microsoft Word _【案】66-3記載例(旅館業(住宅宿泊事業限り))

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発刊にあたって 発刊にあたって 山形市長佐藤孝弘 山形市の下水道 ( 汚水 ) は 昭和 40 年に供用を開始して以来 50 年にわたり 市民生活に欠くことのできない重要な都市基盤として さまざまな課題を克服しながら 施設の整備拡張を図り 現在では市内のほとんどの家庭において下水道をご利用いただける

中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書【神奈川県】

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再販入札⇒先着順物件調書

2 都市計画法第 34 条第 11 号に係る区域指定の許可基準について 都市計画法の趣旨 施策の方針市街化調整区域において, 市街化区域に隣接又は近接し, 一体的な日常生活圏を構成している市街化の進行した一定の区域を条例で指定し, 予定建築物を周辺環境と調和する用途に制限することにより, 許可の対象

横 浜 市 排 水 設 備 要 覧

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

資料5 汚濁負荷量の状況

p00-00_6-1(修正済み)

Microsoft Word - 表紙.doc

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1 終末処理場 名 称 五所川原市公共下水道五所川原市浄化センター 位 置 青森県五所川原市字幾世森地内 処理方式 標準活性汚泥法 処理能力 全体 千立方メートル / 日 今回 千立方メートル / 日 1 終末処理場工事内容 種 別 建築工事 ( 改良 ) 汚泥脱水施設 機械

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

資料4 国土交通省資料

名 称 最上川流域下水道置賜浄化センター 位 置 山形県南陽市宮崎地内他 処理方式 標準活性汚泥法 処理能力 全体 20.2 千立方メートル / 日 今回 20.2 千立方メートル / 日 土木工事 ( 耐震 ) 流入渠施設 土木工事 ( 更新 ) 沈砂池施設 土木工事 ( 更新 ) 最初沈殿池施設

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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下水道 アンケート調査(配布用)

条例施行規則様式第 26 号 ( 第 46 条関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 平成 30 年 6 月日 長野県知事 様 提出者 住 所 東御市下之城畔 ( 法人にあっては 主たる事業所の所在地 ) 氏 名 川西保健衛生施設組合長花岡利夫 ( 法人にあっては 名称及び代

Microsoft Word - 条例.doc

平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

PPP/PFI方針案

( 注 )(1) 1 の 2 の施策を推進するために必要な 農地の確保の方針 は 市町村全体における農業の健全な発展に向けた農地の確保の取り組みについて記載する (2) 農地の利用の方針 は 農業 農村の復興マスタープラン及び復興関連施策の事業計画 工程表等を踏まえ 被災農地の復旧 復興による農地の

01〔物件明細〕【高架下②】(摂津市鳥飼本町).xlsx


参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23

工業地域用途地域の一つで 主として工業の業務の利便の増進を図る地域のこと 住宅や店舗は建てられるが 学校や病院 ホテルなどは建てられない 高次都市機能行政 教育 文化 情報 商業 交通 レジャーなど都市自体が持つ住民生活や企業の経済活動に対する各種のサービス機能のうち 受益圏が広域にわたる質の高い機

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

附帯調査

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提言書(第4章)

事業番号 復興交付金配分計画総括表 基幹事業名 ( 単位 : 千円 ) 基幹事業効果促進事業 配分額配分額 事業別配分額 31,374, ,408 A-1 公立学校施設整備費国庫負担事業 ( 公立小中学校等の新増築 統合 ) 49,782 93,288 A-2 学校施設環境改善事業 (

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

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Microsoft Word - ①ビジョンⅠ-Ⅳ.doc

生駒市水洗便所改造資金融資あっせん要綱


事業者のみなさんへ

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

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Microsoft Word パブコメ資料_案.doc

規定により公示した区域下水道 ( 組織 ) 第 4 条法第 7 条ただし書及び令第 8 条の2の規定により 下水道事業に管理者を置かないものとする 2 法第 14 条の規定により 下水道事業管理者の権限を行う市長の権限に属する事務を処理させるため 上下水道部を置く ( 重要な資産の取得及び処分 )

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

1 貴重な自然環境を継承するため 保全活動に取り組みます 指標目標の推移 指標目標 米代川やきみまち阪 風の松原などの豊かな自然を他に誇れると思う市民の割合 ( 市民意識調査 ) 松くい虫被害量 計画策定目標値 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H19 年度 (H

企画書ヨコカラー

1 処理区内人口 2,874 人 2,594 人 2 水洗化人口 2,874 人 1,740 人 3 水洗化率 (3=2 1) 100% 67.1% ( 資料 : 平成 23 年度小諸市調べ ) 2. 公共用水域の保全汚水処理施設で処理された水は 農業用排水路に放流され 地区外の河川に流れ込んでいる

水洗化のしおり(磯分内処理区)

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

H29 審議会次第

(2) 市原市における区域設定の考え方本市においては 更級地区における商業集積や沿岸における工業地帯の形成等 これまで特色ある土地利用展開を行ってきた経緯を踏まえ 居住誘導区域の設定に合わせ地域の特性に応じた区域を設定します 市原市における区域設定の考え方 市街化区域 1 居住誘導区域 2 一般居住

Microsoft Word - hyou1.doc

活性汚泥の固液分離を促進するバクテリアの分離とその利用 宇都宮大学院工学研究科  物質環境化学専攻  教授  柿井 一男

下水道計画に用いる諸元は 原則として計画策定時点の諸元とする 計画人口については 近年の人口減少傾向を踏まえ適切に考慮する なお 確定した開発計画等がある場合は それを考慮する (4) 小規模下水道の特性や地域特性 一般に流入水の水量 水質の年間変動 日間変動が大きい 維持管理が大中規模の処理場に比

第1章

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第 3 章福島市下水道事業の現状と課題 第 1 節 福島市下水道事業の現状と課題総括 第 3 章 福島市下水道事業の現状と課題 福島市公共下水道は 安全 快適な市民生活と地域環境の保全を目的として整備され その機 能を維持しています 今後も下水道サービスを維持 向上させるためには 下水道施設整備のほ

スライド 1

第1 機構・組織・人員及び予算

目次 Ⅰ 背景 目的 1 Ⅱ 運用指針 1 1 基本的事項 2 2 対象地の要件 3 3 対象地の区域 4 4 地区施設等に関する事項 5 5 建築物等に関する事項 6 Ⅲ 附則 6 別表 -A 対象地区の要件 7 別表 -B 建築物等の制限 8

( 真岡市 ) 区分 平成 12 年 平成 22 年 増減率 耕地面積 8,600ha 7,175ha 17% 農家戸数 5,056 戸 4,355 戸 14% 農業就業人口 5,598 人 4,800 人 14% うち 6 5 歳以上 2,484 人 1,808 人 27% ( 割合 ) (44%

Transcription:

第 2 章下水道の概要 1. 下水道の役割下水道の役割は時代とともに変遷している 19 世紀までは雨水の排除による浸水防除 汚水の排除による住宅地周辺環境の向上がその大きな目的であった 19 世紀初頭の水洗便所の発明以来 便所の水洗化による居住環境の改善も目的のひとつに加えられた さらに下水道が処理施設を有するようになり 水質汚濁防止に有効な施設として水質保全の役割を担うようになった また水循環の中で極めて重要な施設と認識され 清浄な自然を守るとともに都市内の水質源としても大いに期待されている 現在の下水道のもつ役割には次のようなものが挙げられる (1) 周辺環境の改善人々の生活や生産活動に伴って生ずる汚水が速やかに排除されず住宅地周辺に滞留すると 悪臭や蚊 ハエの発生源となるだけでなく伝染病の発生の可能性も増大する 下水道の整備により汚水は速やかに排除され周辺環境は向上する (2) 便所の水洗化水洗便所は文化のバロメーターとも言われ 快適な生活と良好な環境のための重要な要素である 個々の住宅においてし尿をくみ取り便所に貯蔵しておくことは衛生的でなく 悪臭などにより不快感を感じるが 下水道が整備されることにより水洗便所に改造でき衛生的で快適なくらしができる (3) 雨水の排除 ( 浸水の防除 ) 雨水を速やかに排除し浸水の防除を行うことは 下水道の重要な役割のひとつである とくに都市部においては 市民の生命と財産を守ると同時に交通等の都市機能確保の上からも必要欠くべからざるものである 洪水の氾濫対策としては 河川の堤防の強化や河道の拡幅といった河川事業等により対策が講じられているが 市街地に降った雨水すなわち内水の氾濫対策としては下水道による対策が不可欠であり 両者の適切な施策のもと効率的な浸水対策を講じることが重要である (4) 水質の保全生活排水や工場排水が直接 河川などの公共用水域に排出されると 水質汚濁が進行する 下水道は汚水を収集 運搬 処理するので 河川等公共用水域の水質汚濁防止に重要な役割を果し 豊かな自然環境の保全に大きな役割を果たしている (5) 資源の循環利用下水処理水は量 質とも日々安定した形で発生しており 飲料水並みの水質を必要としない用途への水資源として また快適な水環境を創造するための原水として積極的に利用していくことが望ましい 利用用途は多岐にわたるが 代表的なものとしては 水洗トイレ用水 環境用水 ( 修景用水 親水用水 河川維持用 3

水 ) 融雪用水 植樹帯散水用水 道路等の清掃 散水用水 農業用水 工業用水への供給 事業場等への直接供給などがある 下水汚泥については バイオマス ニッポン総合戦略や京都議定書目標達成計画など 地球温暖化対策を推進することが求められている その有効利用量は平成 22 年度に約 78% に達したが 23 年度には東日本大震災の影響により埋立処分や場内ストックが増えたため 55% まで減少した 汚泥中のバイオマス利用率は 23 年度末で 24% であり 下水汚泥の持つ有機物そのものの利用はあまりされていない状況にある 循環型社会への転換 低炭素社会の構築が求められており バイオガス化 汚泥燃料 緑農地利用といったバイオマス利用が推進されている 2. 下水道のしくみと種類 (1) 下水道のしくみ下水道は排水設備 管渠 ポンプ場 終末処理場から構成されている 1 排水設備排水設備は 台所 風呂場 便所から生じた汚水や住宅内に降った雨水を管渠に排除するための施設で 土地 建物等の所有者及び管理者が設置するものである 2 管渠管渠は 道路などの地下に網の目のように埋設され 家庭や工場などから排出された汚水や集水桝を通じて集まった雨水を おもに自然流下によりポンプ場や終末処理場に運搬する役目を果たしている その途中には 管渠内の点検 修理及び掃除などのため 多数のマンホール ( 人孔 ) を設けている 3 ポンプ場ポンプ場は 管渠で自然流下できない部分を補うため 汚水をポンプで揚水して送水するための中継ポンプ場と 大雨の時などに雨水をくみ上げ河川等に強制的に放流するための雨水ポンプ場とがある 4 終末処理場終末処理場 ( 浄化センター ) は 下水を処理して水を浄化するための施設である 集まった下水はまずゴミや砂を沈砂池で除去した後 沈みやすい浮遊物を沈殿池で除去する ( 一次処理 ) 次に微生物反応を利用して生物学的に有機物除去を行い 清澄な処理水を消毒して公共用水域に放流している ( 二次処理 ) なお 一次処理及び二次処理では十分に除去できない有機物 浮遊物 窒素 りん等の除去を行う処理場もある ( 高度処理 ) 5 下水の排除方法下水を排除する方法としては 汚水と雨水とを別々の管渠系統で排除する分流式と 汚水と雨水とを同一の管渠系統で排除する合流式とがある 本市は分流式を採用し整備している 4

5

(2) 下水道の種類 一般に 下水道 と言われるものは 下水道法上の下水道より広義に理解され ている場合もあり 次のように区分される ( 狭義の ) 単独公共下水道 公共下水道 流域関連公共下水道 下水道 下水道法上の 公共下水道 特定環境保全 自然保護下水道 下水道 公共下水道 農山漁村下水道 ( 国土交通省所管 ) 簡易な公共下水道 特定公共下水道雨水公共下水道 流域下水道 都市下水路 下水道類似施設農山漁村集落排水処理施設 ( 農林水産省 環境省 総務省所管 ) コミュニティプラント浄化槽等 1 公共下水道ア公共下水道公共下水道は 主として市街地における下水を排除しまたは処理するために地方公共団体が管理する下水道で 終末処理場を有するものまたは流域下水道に接続するもの ( 流域関連公共下水道 ) であり かつ汚水を排除すべき排水施設の相当部分が管渠である構造のものをいう イ特定環境保全公共下水道公共下水道のうち市街化区域以外の区域において設置されるもので 自然公園の区域内の水質を保全するために施行されるもの ( 自然保護下水道 ) または公共下水道の整備により生活環境の改善を図る必要がある区域において施行されるもの ( 農山漁村下水道 ) 及び処理対象人口が概ね 1,000 人未満で水質保全上とくに必要な地区において施行されるもの ( 簡易な公共下水道 ) を特定環境保全公共下水道という ウ特定公共下水道公共下水道のうち特定の事業者の事業活動に主として利用され 当該下水道の計画汚水量のうち 事業者の事業活動に起因しまたは付随する計画汚水量が概ね 2/3 以上を占めるものを特定公共下水道という エ雨水公共下水道雨水公共下水道は 下水道法の改正 ( 平成 27 年法律第 22 号 ) によって 雨水の排除のみを行い 汚水の排除及び処理を行わない公共下水道として新 6

たに規定されたものである 2 流域下水道流域下水道とは 専ら地方公共団体が管理する下水道により排除される下水を受けて これを排除し及び処理するために地方公共団体が管理する下水道で 2 以上の市町村の区域における下水を排除するものであり かつ終末処理場を有するものを言う 流域下水道の事業主体は原則として都道府県であり 幹線管渠 ポンプ場 終末処理場が流域下水道事業として建設 管理されている 3 都市下水路都市下水路は主として市街地内の雨水排除を目的とするもので 開渠を原則とする下水道であり 開渠の内のり径が 50cm 以上かつ集水区域面積が 10ha 以上 200ha 未満のものを原則とする 4 下水道類似施設ア農山漁村集落排水処理施設 ( 農林水産省補助事業 ) 農山漁村集落排水処理施設とは 農山漁村の小集落における生活環境を改善するために実施する排水処理施設を総称したもので 1,000 人以下の小規模集落で実施されている イコミュニティプラント特定の集合住宅や団地を対象として市町村の単独事業で実施されている ウ浄化槽等公共下水道や特定環境保全公共下水道 農山漁村集落排水事業以外の区域において水洗化を図る場合に設置し し尿 生活雑排水を含めて処理するものとして実施されている 公共下水道 浄化槽等 集落排水 7