Windows Live フォトギャラリー 2011 徹底活用 第 2 回写真の修整 デジタル写真をもっと美しく 本テキストの作成環境は 次のとおりです Windows Vista Home Premium Windows Live フォトギャラリー 2011 画面の設定 ( 解像度 ) 1024 768 ピクセル 本テキストは 次の環境でも利用可能です Windows Vista の各エディション Windows 7 の各エディション 本テキストは 2010 年 12 月の時点で提供されている Windows Live フォトギャラリー 2011 にもとづいて執筆しています
1. 写真修整の基礎知識 3 2. 写真修整機能 7 3. まとめ 18 4. 課題にチャレンジ Windows Live フォトギャララリーで写真の修整 マイクロソフト社が提供ししている無料の写真整 理 編集ソフト Windows Live フォトギャラリー 2011 ( これ以降 フォトトギャラリー と記述し ます ) を使用した写真の修修整方法を学習します こんなことができるようにななります フォトギャラリーを使用しして 撮影後の写真をよ り美しく修整できるようにになります レッスン項目 1. 写真修整に必要な基礎知識識を学習します 2. フォトギャラリーに備わわっている写真修整機能を使用して 撮影後のの写真をより美しく 修整する方法を学習しますます 3. レッスン内容をまとめますます 4. 課題にチャレンジしてみまみましょう 前提となる知識 Windows Vista の基本操作がができることを前提としています 使用するパソコンに マイクロクロソフト社の Windows Live のサイトからフフォトギャラリーをダ ウンロードおよびインストーールしておいてください フォトギャラリーのダウンロロードおよびインストールの詳細については Windows Live フ ォトギャラリー 2011 徹底活用第 1 回人物タグ を参照してくださいい [ ピクチャ ] フォルダーに [ 写真の修整 ] という名前のフォルダーを作成成し そのフォルダー に修整用の写真を保存しておおいてください 本テキストで使用しているササンプル写真は以下のページからダウンロードドできます http://ec.nikkeibp.co.jp/m msp/pod/ 目次 19 レッスン内容 レッスンの準備 - 2 -
1 写真修整の基礎知識 写真撮影時の設定のポイントは 明るさ 色合い ピント の 3 つです きれいな写真を撮影するには 撮影時にこれら 3 つのポイントが適切に設定されている必要があ ります 最近のデジタルカメラの多くは 明るさ 色合い ピント をカメラ自体で判断できるよう になっています いわゆる フルオート撮影 などと呼ばれる機能です しかし デジタルカメラで捉えることのできる被写体の明るさや色合いは人間の目ほど繊細では ないため フルオート撮影機能を利用しても 撮影後により自然な明るさや色合いとなるよう修 整が必要になることがあります まず フォトギャラリーで写真修整を行う際に必要な写真修整の基礎知識を解説します (1) 明るさ ( 露出調整 ) デジタルカメラには レンズを通して入ってきた光の量を電気信号に変換する撮像素子と呼ばれ る電子部品が搭載されています その電気信号はデジタル情報に変換されたのちメモリーカード に記録され写真となります レンズを通して撮像素子に適切な量の光が入力されたときに 自然な明るさの写真が撮れます 適切な量を超えた光が入力されたとき ( この状態を 露出オーバー といいます ) には 写真が 白っぽくなり 逆に適切な量に満たない光しか入力されなかったとき ( この状態を 露出不足 といいます ) には 写真が暗くなってしまいます 適切な量の光を撮像素子に供給するために必要なのが 露出設定 です 絞り と シャッター スピード を調節することで 自然な明るさの写真を撮影するために必要な露出を得ることがで きます しかし 常に適切な露出で撮影できるとは限りません そこで 撮影時に露出オーバー や露出不足となった写真の明るさを撮影後に調整する作業が必要となります フォトギャラリー では 露出の調整 という機能を使用して 撮影後の写真の明るさを調整することができます ( 露出の調整 機能は 極端な露出不足や露出オーバーには対応できません ) 撮影時または撮影直後の露出状態は ヒストグラム によって確認できます 多くのデジタルカ メラに搭載されるようになった ヒストグラム とは 写真に含まれる明るさの度合い ( 輝度レ にすることができます ベル :0~255) をグラフ化したものです 風景や屋外での人物撮影などの一般的な写真のヒストグラムは山の形になります たとえば 山 の頂点がヒストグラムの中央付近にあれば適正露出の写真 右側にあれば露出オーバーの明るす ぎる写真 左側にあれば露出不足の暗い写真 というようにヒストグラムの形を露出設定の目安 - 3 -
暗 暗い写真 明 (2) 色合い ( 色調調整 ) 暗 適正露出 多くのデジタルカメラは色合いを正しく表現するために オートホワイトバランス という機能を搭 載しています ホワイトバランス (White Balance) とは 屋外や室内などの色温度の異なる場所に おいて 白色を正しく映し出すように補正する機能のことです 日本語では 白色補正 といいます ( 色温度とホワイトバランスの詳細は 次ページの スキルアップ を参照してください ) ホワイトバランスは日中の太陽光を基準にしているため 晴れた日の夕方では赤みが強くなったり 日中の日陰では青みが強くなったりします そのため 正しい色合いで撮影するために撮影場所や撮 影時間によっては ホワイトバランスを手動で設定することも必要となります フォトギャラリーでは 色の調整 という機能を使用して 撮影時に補正できなかった色合いを 調整することができます デジタルカメラのホワイトバランス機能表示例オートホワイトバランス太陽光曇り空日中の日陰蛍光灯白熱電球マニュアルホワイトバランス 明 暗 明るすぎる写真 明 - 4 -
スキルアップ 私たちが日常見ている物体の色は 光源からの反射光によるものです 光源とは 屋外では 太 陽の光 室内では蛍光灯や電球などの 明かり がそれに当たります 光には 色温度 と呼ばれる尺度が決められています これは光源が発している光の色を定量 的な数値で表現するものです ( 単位は絶対温度の K: ケルビンを用います ) 色温度が低いほど赤みが増し 高いほど青みが増します デジタルカメラは 人間の目のように優れたホワイトバランス機能を持っていませんので 撮 影時の光源に合わせたホワイトバランスの設定が必要となります ホワイトバランスは日中の太陽光を基準にしているため 晴れた日の夕方では赤みが強くなったとはいっても 光源の色温度を測れる器械を持ち歩くこともできませんので デジタルカメラり 日中の日陰では青みが強くなったりします には 撮影時の色温度を感知しホワイトバランスを調整するオートホワイトバランス機能が搭色調補正機能によって 赤みや青みのバランスを調整して適切な色合いを再現することができま載されています す デジタルカメラに搭載されているオートホワイトバランスの機能は おおむね次のとおりです あらかじめ太陽光をはじめとする数種類の光源の下で測定された白色情報をデジタルカメラに 記憶させておきます 撮影時にデジタルカメラに内蔵されたセンサーを使用して光源がどのようなものかを判断し 記憶している白色情報の中から最も近いものを選び より自然な白の色合いの撮影ができるよ うに調整します この機能のことをオートホワイトバランスといいます しかし 数種類の光源での白色情報しか記憶していないので それ以外の光源の下での撮影で は 適切なホワイトバランスが設定できないことがあります 次の図は デジタルカメラのオートホワイトバランスが働く範囲の概略です 範囲外での撮影 では 写真が赤っぽくなったり 青っぽくなったりします また 範囲内にあっても 光源が 複数の場合は オートホワイトバランスが正常に働かないことがあります この場合 手動で ホワイトバランスを調整する必要があります 青みが増す色温度白赤みが増す 色温度とホワイトバランス テレビの画面 曇り空 日中の日陰 太陽光 白熱電球 日の出 日の入り前 注意 : オートホワイトバランスの仕組みや機能する範囲などは デジタルカメラのメーカーおよび機種によって異なります オートホワイトバラ ンスが機能する範囲 - 5 -
(3) ピント ( シャープネス ) 一般的にはオートフォーカス機能で撮影することでピンボケは防止できます しかし オートフ ォーカスで撮影しても くっきりとした写真にならないときがあります そこで多くの写真修整ソフトに搭載されているシャープネスという機能を使用すると 少しだけ ピントが合っていない写真をくっきりとさせることができます ( 使用するソフトウェアによっては アンシャープマスクともいいます ) シャープネス (sharpness) とは 被写体の輪郭部分の階調の差 ( コントラスト ) を高くする ことで 写真の鮮明さ ( シャープ感 ) を強調する機能のことです スキルアップ シャープネス設定前 シャープネス設定後 RAW( ロウ ) 形式とは 主にデジタル一眼レフカメラに採用されている静止画ファイル形式で CCD などの撮像素子が得た電気信号をそのまま記録する形式です フォトギャラリーで RAW 形式を読み込むには 使用しているデジタルカメラメーカーが提供し ているフォトギャラリー対応の RAW 形式読み込みプログラムを組み込む必要があります なお フォトギャラリーで RAW 形式を読み込めるようになっても修整作業はできません 修整 作業をするには RAW 形式に対応した専用のソフトウェアが必要です RAW 画像の利点 撮像素子が得た電気信号をそのまま記録しているので画像の劣化がほとんどなく 写真細部 の描写も JPEG 画像より優れています 専用のソフトウェアを使用することで 露出やホワイトバランスの詳細な調整が可能です RAW 画像の欠点 撮像素子が得た電気信号をそのまま記録するため 一枚あたりの画像容量が JPEG に比べて 数倍になります RAW 形式 - 6 -
2 写真修整機能 フォトギャラリーを使用して 前項で解説した写真の 明るさ 色合い ピント の修整を 行う方法を解説します (1) 写真の修整順序 写真を修整するときは次の順序で行うことをおすすめします Step 1 明るさ ( 露出調整 ) Step 2 色合い ( 色調調整 ) Step 3 ピント その理由は 全体の露出が適切でない ( 写真が暗すぎる または明るすぎる ) 場合 適切な色合 いを判断するのが難しくなるからです そのため最初に露出を調整することで 写真の修整で最 も重要な色合いの調整を 適切な露出のもとで行えるようにします これから解説する写真の修整方法は フォトギャラリーのプレビューウィンドウか ら修整したい写真をダブルクリックして開くと表示されるリボンの [ 編集 ] タブの [ 調整 ] グループのある [ 微調整 ] 機能を使用します [ 微調整 ] をクリックすると写真の右に情報ウィンドウが表示されます 情報ウィンドウには 明るさ 色合い ピント の修整に必要な機能が表示されます - 7 -
修正後に [ 編集 ] タブの [ ファイルを閉じる ] をクリックすると [ 変更内容は自動的に保存され ました ] というメッセージのダイアログボックスが表示されます そこで [OK] ボタンをクリックすると修整結果が自動的に保存されます 写真の修整結果を保存すると 最初の状態に戻せるように修整前の写真が自動的に保存されるの で 納得のいく結果が得られるまでさまざまな修整操作を行うことができます 一般社団法人 ICT 能力開発協会事務局を取るか山根を取るか (2) 最初の状態に戻す 写真を最初の状態に戻すには 写真をダブルクリックして表示して [ 編集 ] タブの [ 最初の状態に戻す ] ボタンをクリックします [ 最初の状態に戻す ] ダイアログボックスが表示されるので [ 最初の状態に戻す ] ボタンをクリ ックすると 写真が最初の状態に戻ります - 8 -
(3) 露出の調整 [ 露出の調整 ] をクリックすると 写真の明るさやコントラストなどを調整するスライダーとヒ ストグラムが表示されます 1 明るさ 写真の明るさは [ 明るさ ] のスライダーを動かして調整します スライダーを左方向へ動かすと写真が暗くなり 右方向へ動かすと明るくなります 写真を暗くする 明るさの度合いはヒストグラムで 確認できます 写真を明るくする - 9 -
操作のポイント パソコンごとに画面の明るさや色合いの設定が異なるため 画面に表示される写真の明るさや色合 いもテキストの操作結果とは微妙に異なります スライダーの位置は使用するパソコンに合わせて調整してください 使用例 1 明るすぎる写真を適切な明るさに調整します カメラの自動露出機能によって 実際よりも明るく撮影された写真は [ 明るさ ] のスライダー を左に移動することで実際の明るさに近づけることができます 使用例 2 暗い写真を適切な明るさに調整します カメラの自動露出機能によって 実際よりも暗く撮影された写真は [ 明るさ ] のスライダーを 右に移動することで実際の明るさに近づけることができます - 10 -