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一九二〇 経過的セーフガード措置 とは 第六 三条(経過的セーフガード措置の実施)2に定める措置をいう 第六 二条世界向けのセーフガード1この協定のいかなる規定も 千九百九十四年のガット第十九条の規定及びセーフガード協定に基づく締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない 23に規定する場合を除く

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目次ページ一概説 一1協定の成立経緯 一2協定締結の意義 一二協定の内容 一1TPP協定の組込み 一2特定の規定の適用の停止 二3効力発生 二4脱退 二5加入 二6協定の見直し 二7正文 二8附属書 二三協定に関連して締結された二国間の行政取極 一二四協定の実施のための国内措置 一四(参考) 一六

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2 第五条関税の撤廃第六条輸出税第七条輸入及び輸出の制限第八条蒸留酒の地理的表示の保護第九条物品の貿易に関する小委員会第十条統一規則第十一条定義第二節衛生植物検疫措置第十二条権利及び義務の再確認第十三条照会所第十四条衛生植物検疫措置に関する小委員会第十五条第十五章の規定の不適用第三節強制規格 任意規

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

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平成 30 年 1 月から 6 月までの名古屋税関における知的財産侵害物品の差止状況 輸入差止件数は 936 件で 前年同期比 30.4% の減少となったものの 6 年連続で 900 件を超えました 輸入差止点数は 14,893 点で 前年同期比 46.2% の減少となりました 知的財産侵害物品の輸

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Web 解説 TPP 協定 ver.3 (2016/9/26) 12 ビジネス関係者の一時的な入国 武川丈士 * I. 概要 # 1. 第 12 章本則 A) 適用範囲 (12.2 条 ) 本章の適用範囲は 各締約国の ビジネス関係者 の他の締約国の領域への 一時的な入国 に影響を及ぼす措置について

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EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA

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四六八4一の品目の関税の基準税率及び当該一の品目の引下げのそれぞれの段階における暫定的な関税率を決定するための区分については 次編第B節の欧州連合の表及び第三編第D節の日本国の表において当該一の品目ごとに明示する 5この附属書の規定の適用上 基準税率 とは 次編及び第三編に別段の定めがある場合を除く

71 平成 27 年度の SBS 米の輸入入札状況 ( 単位 : 実トン ) 全体 丸米 砕米 入札回数輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量輸入予定数量応札数量落札数量 第 1 回 (27 年 9 月 16 日 ) 4, ,000 2, ,000 2


1.EPA の輸出創出効果と課題 (1) 日本の EPA の現状 分類 EPA 締約国 地域 ( 発効月 ) 発効済み (13 協定 ) 交渉中 (10 協定 ) 2002 年シンガポール (11 月 ) 2005 年メキシコ (4 月 ) 2006 年マレーシア (7 月 ) 2007 年チリ (

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韓 EU FTA の対象は 工業製品や農産物など商品貿易にとどまらず サービス取 引 知的財産権など広範な分野を含んでいる 工業製品については 一部の例外を除き 韓国 EU ともに原則 5 年以内の関税撤 廃を目指す 韓国側は 協定発効後 3 年以内に工業製品の 92%( 輸入額ベース ) 5 年以

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ASEAN 包括的投資協定 (ACIA) 修正議定書 ブルネイ ダルサラーム国 カンボジア王国 インドネシア共和国 ラオス人民民主共和国 マレーシア ミャンマー連邦共和国 フィリピン共和国 シンガポール共和国 タイ王国 およびベトナム社会主義共和国の政府 東南アジア諸国連合 ( ASEAN ) の加

EPA 経済連携協定とは ①物品関税の削減 撤廃 ②サービス貿易の自由化 ③投資環境の整備 ④知的財産の保護 ⑤ビジネス環境の向上に関する協議の場の設置 等を規定し 幅広い経済関係の強化を目的とする二国間又は多国間の国際協定 国 地域の間の経済関係を強化し 貿易 投資を促進 1

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目 次 Q1 TPP 協定は日本にとってどういうメリットがあるのですか? Q2 TPP 協定で利益を受けるのは輸出関連の大企業だけで 地方の中小企業にはメリットがないのでは ないですか? Q3 政府の情報開示は不十分なのではないですか? Q4 政府が行った経済効果分析では 我が国のGDP

データバンク 2006 年 1~9 月の日本の対 CIS 主要国貿易統計 1. ロシア /92 2. ウクライナ /94 3. カザフスタン /95 4. ウズベキスタン /96 5. アゼルバイジャン /97 表 年 1~9 月の日本の対ロシア NIS 諸国輸出入通関実績 ( 単位

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日本 ベトナム経済連携協定 (JVEPA) (2008 年 12 月 25 日署名 ) 目次日本 ベトナム経済連携協定の概要 ベトナム側の市場アクセス改善の概要 日本側の市場アクセス改善の概要 物品一般ルール 原産地規則 税関手続 衛生植物検疫措置 (SPS) 強制規格 任意規格及び適合性評価手続 (TBT) サービスの貿易 自然人の移動 知的財産 競争 ビジネス環境の整備 協力 外務省 1 2 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 9

交渉の経緯 2005 年 12 月交渉立ち上げのための共同検討会合の開始を決定 ( 首脳会談 : 東アジア首脳会議 ) 2006 年 2 月 4 月 2 回の共同検討会合を開催 2006 年 10 月正式交渉開始決定 ( 首脳会談 ) 2007 年 1 月 ~ 2008 年 9 月 9 回の正式交渉会合及び 6 回の中間会合を開催 2008 年 9 月大筋合意 2008 年 12 月署名 ( 日本側外務大臣 越側商工大臣の会談 ) 日本 ベトナム経済連携協定の概要 日本 ベトナム経済連携協定 (EPA) の意義関税の撤廃 削減 サービス貿易の自由化及び関連分野の連携強化を図ることにより 日 ベトナム間の貿易の拡大 投資活動の促進及び経済関係全般の強化に貢献する ベトナムにとっては初めての二国間 EPA 皮革 履物 4.0% 魚介類 11.6% 有税 33.6% 繊維衣料製品 11.9% その他無税 8.3% その他有税 2.5% 水産加工品 3.4% ベトナム 日本 6,104 億円 化学農林繊維衣料工業水産品製品製品 4.4% 2.5% 3.7% 2006 年財務省貿易統計 電気機械 18.8% 無税 66.4% 石油 燃料 17.0% 一般機械 6.2% 雑品 5.5% 日本はベトナムからの輸入の約 95% を10 年間で無税に 日本 ベトナム経済連携協定の各分野の要旨 日本側の市場アクセス改善 鉱工業品 : ほぼ全ての品目については即時関税撤廃 農林水産品 : 農産品では ドリアン オクラ 冷凍ほうれん草 スイートコーン 天然はちみつ ( 関税割当 ) 等の農産品 合板等を除く林産品 えび えび調製品 冷凍たこ及び冷凍たちうお等水産品のアクセス改善 ベトナム側の市場アクセス改善 鉱工業品 : ボルト ナット ギアボックス エンジン エンジン部品等の自動車部品 熱延鋼板 亜鉛めっき鋼板及び冷延鋼板等の鉄鋼製品 フラットパネル DVD 部品 デジタルカメラ カラーテレビ等電気電子製品 部品のアクセス改善 農林水産品 : 切花 りんご なし みかん 太平洋さけ等のアクセス改善 往復貿易額の約 92% を協定発効後 10 年間で関税撤廃 ベトナムは日本からの輸入の約 88% を 10 年間で無税に 自動車 3.5% 鉄鋼 鉄鋼製品 7.4% 電気機械 7.7% 一般機械 8.1% 有税 53.8% 繊維衣料製品 8.8% 参考 :16 年以内では約 93% が無税に その他有税 7.8% 日本 ベトナム 5,460 億円. 化学工業製品 10.5% その他無税 1.1% 一般機械 16.7% 無税 46.2% 電気機械 8.8% 鉄鋼 鉄鋼製品 7.3% 化学工業製品 5.9% 精密機械 3.6% 金属製品 ( 除く鉄鋼 ) 2.8% 2006 年ベトナム貿易統計 税関手続 : 税関手続の簡素化の促進 水際取締に係る当局間の協力の促進 衛生植物検疫措置 (SPS): 情報交換 科学的協議及び協力に関する議論などを行う協議メカニズムの設置 強制規格 任意規格及び適合性評価手続 (TBT): 技術的協議及び適合性評価の結果受入れ促進等を行う協議メカニズムの設置 自然人の移動 : 特定の分野についてそれぞれ定める条件に従って自然人の入国及び滞在を約束 サービスの貿易 : サービス貿易の一層の自由化を目的とした基本ルールの強化 知的財産 : 知的財産保護制度の効率的かつ透明な運用を促進 競争 : 競争の促進及び競争政策の強化等についての協力の促進 協力 :8つの分野において協力を促進 ビジネス環境整備 : 相手国に進出した企業が直面する様々な問題を解決するための仕組みを設置 1

ベトナム側の市場アクセス改善 自動車部品 鉄鋼 電気電子 鉱工業分野 分野 ギアボックス ボルト ナット ブレーキ 熱延鋼板 冷延鋼板 カラーテレビ 品目 エンジン エンジン部品 亜鉛めっき鋼板 フラットパネル DVD 部品 デジタルカメラ 現行関税率 10-20% 5-20% 3-20% 10% 0% 3-7% 5-12% 40% 3% 10% 10 年間で関税撤廃 5 年間 ( 一部は 10 年間 ) で関税撤廃 10~15 年間で関税撤廃 10~15 年間で関税撤廃 現行関税率で固定 15 年間で関税撤廃 10 年で関税撤廃 8 年間で関税撤廃 2 年間で関税撤廃 4 年間で関税撤廃 主要な日本側関心品目を例示 交渉の結果 農林水産分野 品目 現行関税率 交渉の結果 切花 30% 協定発効時に関税撤廃 りんご 20% 10 年間で関税撤廃 なし 25% 10 年間で関税撤廃 みかん 30% 10 年間で関税撤廃 太平洋さけ 30% 10 年間で関税撤廃 2

日本側の市場アクセス改善 鉱工業分野 ほぼすべての品目につき即時関税撤廃 農林水産分野 主要なベトナム側関心品目を例示 分野 農産品 林産品 水産品 交渉の結果 ( カッコ内は現行関税率 ( 一般特恵税率を含む ) ) ドリアン (2.5%) オクラ (3%) は即時関税撤廃 冷凍ほうれん草 (6%) ピーマン (3%) は 5 年間で関税撤廃 スイートコーン (6%) カレー調製品 (3.6%) は 7 年間で関税撤廃 煎ったコーヒー (10%) 緑茶 (17%) は 15 年間で関税撤廃 天然はちみつ (25.5%) は関税割当を設定 ( 枠内税率を12.8% とする また その枠については 1 年目の100トンから毎年 5トンずつ拡大し 11 年目及びそれ以降は150トンとする ) トマトソース (17%) は 5 年間で関税率を半減 ( 合板等を除く ) 林産品 (0-6%) は 即時 ~10 年間で関税撤廃 えび (1-2%) 及びえび調製品 (3.2-5.3%) は即時関税撤廃 冷凍たこ (5%) 及び冷凍たちうお (3.5%) は 5 年間で関税撤廃 3

物品一般ルール 原産地規則 物品の市場アクセス交渉の結果を円滑且つ効果的 に実施するために 様々なルールを規定 産品が協定に基づく関税上の特恵待遇の対象とな る原産品であるか否かを決定するルール及び原産 地証明のための手続等を規定 物品一般ルール章の要旨 関税の撤廃 引下げの履行両国間で取引される物品の分類方法内国民待遇の付与非関税措置の導入禁止等関税撤廃 引下げを理由とする輸入急増の際の救済措置として 二国間セーフガードを規定 EPA 特恵待遇の対象となる原産品のルール 原産地認定基準 完全生産品 ( 例 : 日本で収穫 採取された植物 ) 原産材料のみから生産された産品 実質的変更が行われた産品 ( 例 : 輸入材料を用い 日本で40% 以上の付加価値が加えられた機械類等 ) 積送基準等 原産地証明のための手続 原産地証明書の発給 税関手続 原産地証明書の真正性の確認等 税関手続章の要旨 税関手続の透明性の確保及び簡素 調和化 ( 情報通信技術の活用 国際基準の採用等 ) や 不正薬物 知的財産権侵害物品の水際取締等の分野における税関当局間の協力 情報交換 について規定 4

衛生植物検疫措置 (SPS) 人 動物又は植物の生命又は健康を保護するために 必要な措置である衛生植物検疫措置に関する両国間 の協力及び連携を強化 強制規格 任意規格及び適合性評価手続 (TBT) 生命又は健康の保護 環境の保全等を目的として設定されている産品の特性 生産工程及び生産方法についての規格に関する両国間の協力及び連携を強化 SPS 章の要旨 衛生植物検疫措置に関する照会のための 照会所を双方に設置 衛生植物検疫措置に関する情報交換 科学的協議及び協力に関する議論など を行う協議メカニズムを設置 TBT 章の要旨 貿易の促進を目的に 強制規格 任意規格 及び適合性評価手続に関する情報交換や既 存の相互承認の枠組みへの参加の拡大を 含む協力を推進 技術的協議 適合性評価の結果の受入れ の促進などを行う協議メカニズムを設置 ベトナムの食品衛生管理及び動植物検疫に係る 能力向上のための技術協力の実施 ベトナムの基準認証分野にかかる能力向上の ための技術協力の実施 5

サービスの貿易 自然人の移動 両国間におけるサービスの貿易の促進及び それらにかかる両国間での基本ルールの強化 サービス章の要旨 サービスの貿易の一層の自由化を目的とし個別分野の自由化について約束 サービスの貿易について二国間で協議を 行う場を設け 第三国のサービス提供者等 と同等の待遇を得るようにする機会を確保 主に短期の商用訪問者や企業内転勤者等の相手国 への円滑な入国 一時的滞在及びそれに必要な 手続等の透明性の確保 自然人の移動章の要旨 入国及び一時的な滞在に必要な手続等の透明性を確保 現行の入管制度の範囲内で IT 技術者及び入国先の看護師国家資格を取得した者の入国及び一時的な滞在を相互に約束 投資 協定の中で投資章は設けていないが 既に締結 済みの日ベトナム投資協定 ( 高水準の自由化と 保護を規定 ) を準用する調整規定を設置 ベトナム人看護師 介護福祉士の将来における受入れの可能性については 協定発効後に継続して協議 ( 遅くとも協定発効後 2 年以内に結論 ) 6

知的財産 競争 特許 意匠 商標 著作権及び関連する権利 植物の新品種 不正競争の防止等 両国間の貿易及び投資の流れと 自国の市場の効率的な機能を円滑化 知的財産章の要旨 競争章の要旨 知的財産の十分 効果的かつ無差別的な 保護の確保 ( 内国民待遇 最恵国待遇の 原則に基づく知的財産の保護 ) 知的財産分野での協力及び協議メカニズム 透明性 無差別待遇 手続の公正な 実施の原則に基づいた反競争的行為 に対する取組により競争を促進 知的財産関連手続の簡素化 透明化 知的財産の保護の強化 競争政策の強化及び 競争政策の執行における協力 権利行使の強化 7

ビジネス環境の整備 相手国に進出した企業が直面する様々な問題を協議し解決するための 仕組みを設けることにより 投資 ビジネス活動を円滑化 ベトナム政府 情報提供 / 苦情 照会 協議の要請の送付 勧告 ベトナム側連絡事務所 合同委員会 ビジネス環境の整備に関する小委員会構成構成 : 両締約国の代表 必要に応じ関係団体を招請 勧告 日本側連絡事務所 情報提供 / 苦情 照会 協議の要請の送付 日本政府 日本政府が指定する当局又は団体 ベトナム政府が指定する当局又は団体 苦情 照会 協議の要請 苦情 照会 協議の要請 苦情 照会 協議の要請 苦情 照会 協議の要請 日本の企業等 ベトナムの企業等 既存のフォーラム ( 日越共同イニシアティブ等 ) も適宜活用 8

協力 農業 林業及び漁業 運輸 貿易及び投資の促進 環境 両国の経済連携強化 のための協力の促進 中小企業 裾野産業育成支援等 情報通信技術 人材の管理及び養成 観光 9