事例 2-2

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7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

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理科科学習指導案

理科学習指導案

指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

Taro-(HP)指導案(改訂).jtd

とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

6年 ゆで卵を取り出そう

決するための学習の見通しをもたせ, 単元を貫く課題を意識させ, 目的意識をもたせた授業を展開していきたい 本単元では, 理科での学習内容が日常生活で見られる事象に関連することに気付かせたい 日常生活の事象から酸とアルカリの性質を粒子で考え中和反応をイオンのモデルと関連付けて理解させたい それを通して

群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

英語科学習指導案

見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

Taro-22 No19 大網中(中和と塩

( 高等部 )( 自立活動 )学習指導案

いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

Microsoft Word - dainityu.doc

FdText理科1年

FdData理科3年

(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

Microsoft Word - 社会科

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

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第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

質問 2 1イオンには大きさがあると思いますか あると思う人は どれくらいの大きさだと思いますか ある 35 人 ない 5 人 すごく小さい 12 人 原子サイズ 6 人 目に見えない大きさ 5 人 原子より小さい 2 人 種類によってちがう 2 人 分子サイズ 1 人 分子の 10 分の1 1 人

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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2 原子やイオンのつ 3 原子が電気的に中性 3 原子の構造について くりに関心をもっ になる理由を 原子 説明している て説明を聞こうと の構造から指摘して 4 陽イオンや陰イオン する いる の違いを説明でき 4 イオンは原子が電子 イオンをイオン式で を失ったり 受け取っ 表している たりして

ア 単元の指導内容と身に付けさせたい力 この単元では, いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液に は 1 酸性 アルカリ性及び中性のものがあること 2 気体が溶けているものがあること 3 金 属を変化させるものがあることなど 水溶液の性質や働きについての考えを児童がも

Microsoft Word - 小学校第6学年理科指導案「水溶液の性質」

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

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小学校理科の観察,実験の手引き 第5学年A(1) 物の溶け方

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

FdData理科3年

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

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3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

2年D組 理科学習指導案

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

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Microsoft Word - 05 NO5 習志野四中 安村(物質の溶解)

第 2 学年 4 組理科学習指導案 平成 18 年 10 月 20 日 ( 金 )5 限 指導者坂井輪中学校教諭野上貴浩 1 単元名化学変化と原子 分子 -2 章物質どうしの化学変化 - 2 単元の目標化合, 分解などの化学変化に関する観察, 実験をもとに反応における物質の変化や量的関係を原子 分子

国語科学習指導案様式(案)

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

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高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

第1学年 理科学習指導案

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

FdData理科3年

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数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

理科学習指導案

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

第4学年算数科学習指導案

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

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けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

(2) 単元構想図 単元デザイン 時数と手立て軸 数ねらい 引き出したい学習活動の姿 ICT の活用 カリキュラムマネジメント 疑問や知りたいことを共有する 1 電池のしくみについて 疑問や知りたいことを共有することができる ( 自然事象への関 1 果物電池を作り 電子オルゴールを鳴心 意欲 態度

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理科第 5 学年北広島町立八重小学校指導者岡部良 単元名 もののとけ方 本単元で育成する資質 能力 根拠をもとにした思考 判断 表現力 1 単元について 単元観 本単元は, 小学校理科学習指導要領のA 物質 エネルギー (1) 物の溶け方 物を水に溶かし, 水の温度や量による溶け方の違いを調べ, 物

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第6学年 理科学習指導案

指導案

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木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

に見えない世界の中でどのような化学的変化が起こったのかという推論が必要になる さらに 洗剤などの日常生活用品に付いている 酸性 中性 アルカリ性などの言葉が 初めて学習に出てくることで 実験で扱う水溶液と 生活の中にある様々な水溶液とを関連付けて考えることができるようにしたい そして 水溶液の学習を

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

平成23年度東京都教育研究員  地区発表公開授業

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

2 生徒観本単元までに無機物質として非金属元素の単体と化合物について学習してきた ただ, それまでの物質の変化の単元と違い, 個々の物質についての情報量が非常に多いため, そのつど内容を理解できてはいるが, それを知識として十分に定着させ, 活かすという段階までは達していない生徒が多く見うけられる

Taro-12事例08.jtd

第○学年 ○○科指導計画

画像, 映像などの気象情報や天気と1 日の気温の変化の仕方に興味 関心をもち, 自ら気象情報を収集して天気を予想したり天気の観測をしたりしようとしている 気象情報を活用して, 天気の変化を予想することができる 1 日の気温の変化の仕方を適切に測り, 記録することができる 天気の変化は気象情報を用いて

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事例 5 中学校第 1 学年 組理科学習活動案 平成 20 年 月 日 () 第 校時指導者教諭 在籍生徒数男子 名女子 名 1 単元名身のまわりの物質第 2 章水溶液の性質 2 単元について (1) 教材観本単元は, 身のまわりの物質についての観察 実験を通して, 固体や液体, 気体の性質, 物質の状態変化について理解させるとともに, 物質の性質や変化の調べ方の基礎を身に付けさせる内容である ここでは, 物質を調べるための実験器具の操作や, 観察 実験結果の記録や表現のしかたなどの技能を習得させ, また, 物質をその性質にもとづいて分類したり分離したりする能力を育てる 特に, 第 2 章では, 水溶液中で溶質が均一に分散していることや, 水に対する溶けやすさなどの物質の性質を利用して溶質を再び取り出す方法, また, 酸性 アルカリ性の特徴や, 中和によってそれぞれの性質が打ち消されて塩が生成することを見いださせることがねらいである 自然科学に対する興味を喚起しながら, 調べ方の基本である実験操作や予想の立て方, 結果からの考察のしかたなどを身に付けさせたい (2) 生徒観本校の生徒は, 物質が水に溶ける量には限界があることや, 酸性 中性 アルカリ性の水溶液があること, リトマス紙によって液性が区別できることなど小学校で学習した内容について, 知識としてはほぼ定着している しかしながら, 県内の数多くの小学校から進学してくる本校においては, 行った実験の内容や題材, 授業で扱った発展的内容など, 生徒の経験には量的にも質的にも多少の違いがある また, さまざまな生活体験は, 決して多いとはいえないようで, 実験実技の技能については, 今後, さらに身に付けさせていく必要を感じる また, さまざまなテレビ番組を視聴したり, 科学館や博物館での実験や観察の機会をもったりすることで, 物質の世界に興味をもち, もっと知りたいという関心が高い生徒がいる反面, 理科は嫌いだ, とはっきり発言する生徒もいる 自然科学に対する興味にも個人差があるのはどこの学校でも見られる傾向である (3) 指導観以上のようなことをふまえ, 授業においては, 日常生活で接するような身近な物質や水溶液を使った観察 実験も取り入れ, 時には自作の実験装置なども活用しつつ学習を進めることで, まず, 身近な物質に関する興味 関心を高め, 意欲的に実験に取り組もうとする姿勢を育てていきたい また, 観察 実験の際にはできるだけ時間をかけて, 初めて扱う実験器具や試薬などについては基礎的な操作を習得させるとともに, 環境保全の立場からも, 事故防止はもちろん, 試薬や廃棄薬品の処理についても十分留意する姿勢を身に付けさせたい また, 本単元は, 小学校での学習内容を発展させる学習内容であり, 同時に, この学習内容が高等学校の化学でさらに発展していくので, そのことを十分に意識した授業を展開したい 3 小学校での学習内容とのかかわりと高等学校での学習へのつながり小学校では 4 年生で温度変化とものの体積との関係, 水の状態変化を,5 年生で水に対する物質の溶け方, 再結晶を,6 年生で水溶液の性質, 酸性 中性 アルカリ性を学習している 本単元は, これら小学校での学習内容を定性的におさらいするだけに終わることなく, それら物質の変化が起こるしくみを解き明かす, すなわち, 中学 2 年で学習する原子分子, さらに水溶液中でのイオンの - 1 -

存在で説明できることへつなげることが目標の 1 つである 現在の学習指導要領では, イオンに関する内容は高等学校で学習することになっているが, 新しい学習指導要領では再び中学校 3 年生で学習する内容となる このことを踏まえ, 酸と水素イオン, アルカリと水酸化物イオンをそれぞれ結びつけられるよう, 物質名中の 酸 水酸化物 にふれたり, 若干の化学式をまじえながら理解を深めさせ, かつ, 原子分子の学習へつなげる種まきをしたい 高等学校 ( 化学 Ⅰ) においては, 原子の内部構造にふみこみ, 電子の数によって原子の性質が決まることや, 電子の移動の考え方で化学変化を説明したりするようになる すなわち, 中学校の 3 年間で 見た目が変わる という実際に目で確かめられる現象をとらえることから, 目には見えないがこのときこんなことが起こっている という微視的な見方, そして, 原子 分子という粒子の見方へと移行させ, これらをしっかり身に付けさせる必要がある 身近にあるさまざまな例を扱い, 興味を失わせないように留意しながら, なるほど! と感じさせる授業を展開していきたい 4 単元 第 2 章水溶液の性質 の学習目標物質が水に溶けるようすの観察や再結晶の実験を行い, 水溶液の中では溶質が均一に分散していることおよび水溶液から溶質を取り出す方法を見いだす また, 酸, アルカリを用いた実験を行い, 酸やアルカリの性質と, 酸とアルカリを混ぜると中和して塩が生成することを見いだすとともに, それらの事象を日常生活と関連付けて考察しようとする意欲と態度を育てる 5 単元 第 2 章水溶液の性質 の評価規準 自然事象への関心 意欲 態度 物質の水への溶解, 酸 アルカリ 中和などに関心をもち, 進んで観察 実験を行うとともに, それらの事象を日常生活と関連付けて考察しようとする 科学的な思考 物質の水への溶解, 酸 アルカリ 中和などについて調べる方法を考 えて観察 実験を行い, 事象の生じる要因やしくみを科学的に考察して問題を解決することがで 観察 実験の技能 表現 物質の水への溶解, 酸 アルカリ 中和などに関する観察 実験を行い, 観察 実験器具の基礎操作や記録のしかたを習得するとともに, 自らの考えを加えた観察 実験の報告書を作成し, 発表することがで 自然事象についての知識 理解 水溶液では溶質が均一に分散していること, 水溶液から結晶を取り出すことができること, 酸 アルカリにはそれぞれに共通の性質があり, 酸とアルカリを混ぜると中和してそれぞれの性質が打ち消されて塩が生成することなどを理解する 6 単元の指導と評価の計画 2 身のまわりの物質 第 1 章身のまわりの物質とその性質 (10 時間 ) 第 2 章水溶液の性質 (8 時間 ) 1 物質が水にとけるとはどういうことか (3 時間 ) 2 水にとけている物質はとり出せるか (2 時間 ) 3 酸性, アルカリ性とはなにか (1 時間 ) 4 酸性とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせるとどうなるか (2 時間 ) 本時 2/2 第 3 章物質の姿と状態変化 (6 時間 ) 第 2 章水溶液の性質 の 1 時間ごとの学習活動と評価計画 ( 次ページ ) - 2 -

第 2 章水溶液の性質 の 1 時間ごとの学習活動と評価計画 ( 評価 : 科学的な思考 観察 実験の技能 表現 自然事象についての知識 理解 ) 時 評価規準 関思技知 A B C 間 学習内容 評価方法 心考能理 十分満足できる おおむね 努力を要す生徒へ 満足できる の手だて 1 1 物質が水に溶け 水溶液中の固体の物 水溶液中の固体の物 水溶液中の固体の 少ない分量でくり るとはどういうこと 質をろ過によって取 質をろ過によって手 物質をろ過によっ 返し練習させる か り出すことがで 際よく取り出すこと て取り出すことが 話し合い 固体の がで で 物質が水に溶ける様 子 基礎操作 ろ過 2 実験 4 水に溶け 水に固体の物質が溶 水に固体の物質が溶 水に固体の物質が 演示実験や教科書 る固体の様子 けていく様子を実験 けていく様子を実験 溶けていく様子を の写真を提示しな * 溶ける とは 結果をもとに説明で 結果をもとに説明で 実験結果をもとに がら理解を促す き, 溶けると透明で均 説明で ワークシート, 発表 一であると説明でき る 3 * 溶質, 溶媒, 溶液 純粋な物質と混合物 純粋な物質や混合物 純粋な物質と混合 具体例を挙げ, 理解 * 純粋な物質, 混合 とを分けることがで について, 具体的な例 物とを分けること を促す 物 をあげて説明でがで * 濃度 発表, ワークシート 4 2 水に溶けている物 メスシリンダーの目 メスシリンダーを使 メスシリンダーの 読み方のきまりを 質は取り出せるか 盛りを正しく読むこ って, 物質の体積を正 目盛りを正しく読 説明し, 練習させる 基礎操作 メスシ とがで しく測定で むことがで リンダーの使い方 パフォーマンステスト 5 実験 5 水に溶け 固体の物質の水溶液 温度差や蒸発させる 水溶液を冷却した 操作手順を理解さ た物質を取り出そう から溶質を結晶とし ときの火加減を考え り水を蒸発させた せ, 実験操作を支援 * 結晶, 再結晶 て取り出すことがで て, 観察しやすい結晶 りして, 水溶液中の する * 飽和水溶液, 溶解 で取り出すことがで 物質を取り出すこ 度 とがで 3 酸性, アルカリ性 酸性やアルカリ性の いろいろな酸性 アル リトマス紙や BT 個別にできる作業 とはなにか 水溶液や出てくる気 カリ性の水溶液を調 B 溶液, 金属を使っ に積極的に取り組 6 実験 6 酸性やア 体を調べることがで べた結果から, その共 て, 酸性, アルカリ性 むよう支援する ルカリ性の水溶液の 通性を見いだすこと の水溶液を調べる 性質を調べよう がで ことができる * 酸性, アルカリ性 - 3 -

7 4 酸性とアルカリ性 塩酸と水酸化ナトリ 塩酸と水酸化ナトリ 塩酸と水酸化ナト 実験手順の確認を の水溶液を混ぜ合わ ウム水溶液を混ぜ合 ウム水溶液を混ぜ合 リウム水溶液を混 しながら実験を進 せるとどうなるか わせて中性にし, 中和 わせたとき, 何が起こ ぜ合わせる実験を めさせる 基礎操作 こまご によってできた塩を るかを予想し, それを 手順通りに進める めピペットの使い方 観察 記録することが 実験で確かめること ことがで 実験 7 酸性とア で がで ルカリ性の水溶液を 混ぜ合わせてみよう 8 * 中和, 塩 中和反応で生じる塩 中和反応で生じる塩 中和反応で生じる 具体的な例やモデ * 中和と中性 の名称を, 反応させた の名称を, 粒子の考え 塩の名称を, 反応さ ルを提示し, 理解を 科学のとびら 酸とアルカリの名称 方をふまえて, 反応さ せた酸とアルカリ 促す うまれ変わった吾妻 川 から推測で 発表, ワークシート せた酸とアルカリのの名称から推測で名称から推測で 7 本時の学習活動 (1) 主題中和とはどのような変化をいうのか, その時に生じる物質は何かを説明できるようにする ( 発展的な学習を含む ) (2) 学習活動目標 自然事象への関心 意欲 態度 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに生じる物質が何であるかを興味をもって予想しようとする 科学的な思考 中和反応で生じる塩の名称を, 反応させた酸とアルカリの名称から推測で 自然事象についての知識 理解 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに起こる化学変化を中和といい, そのときに生じる物質が水と塩であるといえる (3) 展開 学習内容生徒の学習活動教師の支援 留意点 評価の観点 異校種との関わり 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液とを混ぜ合わせる実験の結果を確認する 塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えていくと中性になり, そのときの水溶液を加熱して水を蒸発させると塩化ナトリウムの固体が得られることを思い出す 実験を思い出せるように, 操作の順に実験結果を確認する 食塩 でなく, 塩 に結びつけて考えられるように 塩化ナトリウム という名称を使う - 4 -

中和のしくみをモデルで考える 中和 の定義を知り, 生成する物質を推測する 塩酸など 酸 の化学式を思いだしながら, 酸 をモデルでどうあらわすかを考える 水酸化ナトリウムなど アルカリ の化学式を思いだしながら, アルカリ をモデルでどうあらわすかを考える モデルをもとに, 塩酸と水酸化ナトリウムとの反応で水と塩化ナトリウムが生じることを知る 中和 とは何かを聞く 中和 の際, 水を作る部分でない部分が結びついて 塩 を生成することを知る 酸の化学式の共通項が H であることを示す アルカリの化学式の共通項が OH であることを示す 水の化学式 H 2 O を確認する 中和 を定義する 酸 と アルカリ を混ぜるとそれぞれの性質が打ち消されること H 2 O を生じることを 中和 という 物質は化学式で表す モデルを使って, 粒子の考え方を学ぶ イオンにはふれない 評価 1 ( 観察, ワークシート ) 例題 ( 生成する塩を予想する ) を解く 演習を行う ( 生成する塩を予想し, 物質名を考える 酸 + アルカリ 塩 + 水 の式にする ) まず, 塩の名称を教え, 次にモデルを示す 評価 2 ( 観察, ワークシート ) 化学式は参考として扱う 評価 3 ( 観察, ワークシート ) 表形式でまとめる 中和 と 中性 との違いを知る 塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えたとき中和が進行する様子をモデルでまとめる 中和 と 中性 との違いを知る モデルのきまりを説明し, 最初の部分は板書する その後は机間指導をする 中和 と 中性 との違いを説明する 電離にはふれない 中和が進行するにつれて BTB 溶液の色が変化していくことを使って, 酸性 中性 アルカリ性は連続的に変化することにふれる まとめ ワークシートを完成させ, 提出する ワークシートの回収 次時予告 評価 1,2,3-5 -

(4) 評価評価の観点と方法 評価の観点 ( 評価規準 ) 評価の方法 1 2 3 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに起こる化学変化を中和といい, そのときに生じる物質が水と塩であるといえる 自然事象についての知識 理解 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせたときに生じる物質が何であるかを興味もって予想しようとする 自然事象への関心 意欲 態度 中和反応で生じる塩の名称を, 反応させた酸とアルカリの名称から推測で 科学的な思考 観察 ワークシート 観察 ワークシート 観察 ワークシート 8 成果と課題 中和 について考えるとき, 原子 分子および化学変化の考え方が重要であり, これらが身に付いていることで理解が深まる 今回, 中学 1 年生で 水溶液と中和 を扱ったが, その観点から, この授業で取り扱った内容は, 現在の中学 1 年生での学習内容に発展的内容も加えてある すなわち, 化学式を導入して, 化学変化を部品 ( 原子 ) の組み替えと捉えさせる試みである 物質が 部品の組合せ である, ということを受け入れられた生徒にとっては, 化学変化はまさに 部品の組み替え であり, このことから, 酸の共通性やアルカリの共通性, 中和によって生じる塩を推測するなどの理解が深まっていた また, この 部品 の考え方はイオンや多原子イオンにつながるので, イオンの学習をするときにも理解が深まることが期待される 物質の変化がおこるしくみを解き明かす, すなわち, 中学 2 年で学習する原子 分子, さらに水溶液中のイオンで説明できることへつなげることがで実際に, 中学 1 年でこの学習をした生徒の中には,2 年生で質量保存の法則を学習するときに, 反応後に質量が変化しない理由を 化学変化を起こしても材料はもとのままだから質量は変わらない と述べる者もいた 反面, アルファベットを使った元素記号に抵抗があったり, 部品の組合せ という捉え方がうまくできない生徒の場合は, 理科は難しい 理科は苦手だ という感想をもってしまう場合もある 日常生活で見かける元素記号を使ったり, モデルや色カードを使うなどして, 抵抗感が少なくなるような工夫は必要である 今後, 新しい学習指導要領により, 中和 は 3 年生へ移行するが, その場合でも,2 年生で元素記号や化学式, 化学反応式に興味をもたせ, それらを定着させる工夫をすることが中和反応やイオンの概念を身につけさせる上でも, そして, その後の高等学校での学習のためにも重要だと思われる - 6 -