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必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

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ただし 平成 22 年 6 月 30 日時点で 常時 100 人以下の労働者を雇用する事業主については 公布日から3 年後に当たる平成 24 年 6 月 30 日 ( 予定 ) までの間 < 短時間勤務制度の義務化 >< 所定外労働の免除の義務化 >< 介護休暇 >について 改正規定の適用が猶予され

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4-1 育児関連 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます また 労使協定により 次の労働者を対象から除外できます 雇用されてから1 年未満の者 休業申出から1 年以内 (1 歳から1 歳 6か月までの育児休業をする場合には 6か月以内 ) に雇用関係が終了することが明らかな者 1 週間の所定労働日数が2 日以内の者 なお 期間を定めて雇用される労働者 についても 以下の二つの要件を満たせば 育児休業の取得が可能です 1 年以上の雇用実績がある者 子が1 歳 6か月に達する日の前日までに 労働契約 ( 契約が更新される場合は更新後のもの ) の期間が満了することが明らかでない者 68

4-1 育児関連 育児休業の申出等の手続き ( 第 6 条第 3 項 第 7 条第 1 項 第 3 項 第 8 条第 1 項 第 2 項 ) 休業の申出は 休業の開始予定日 終了予定日など 一定の事項を示して 1 歳までの育児休業については1か月前までに 1 歳から1 歳 6か月までの育児休業については1 歳の誕生日の2 週間前までに行う必要があります 休業開始予定日については 出産予定日前に出産したなどの突発的事情の場合に限り 1 回だけ繰り上げ変更できます 休業終了予定日の繰り下げ変更は 終了予定日の1か月前までに申し出れば 理由を問わず1 回だけ変更できます なお 休業申出の撤回は 休業開始予定日の前日までであれば理由を問わずに行えますが 1 度撤回すると 同じ子について 原則として再度休業の申出はできません 時間外労働の制限 ( 第 16 条の8 第 17 条 ) 事業主は 3 歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合には その労働者を 所定労働時間を超えて労働させてはなりません ただし 日々雇用される労働者は対象になりません また 労使協定により 勤続 1 年未満の労働者及び1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 小学校に入学する前の子を養育する労働者は 1か月 24 時間 1 年 150 時間を超える時間外労働を免除してもらうように請求することができます ただし 日々雇用される労働者 勤続 1 年未満の労働者及び1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者は請求できません 深夜業の制限 ( 第 19 条 ) 事業主は 小学校に入学する前の子を養育する労働者が請求した場合は 深夜業をさせてはなりません ただし 日々雇用され 69

4-1 育児関連 る労働者 勤続 1 年未満の労働者 保育できる状態にある同居の家族がいる労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者 所定労働時間のすべてが深夜にある労働者は対象外となります 所定労働時間の短縮措置等 ( 第 23 条第 1 項 第 24 条第 1 項 ) 事業主は 3 歳に満たない子を養育する労働者について 労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けることが義務付けられています 日々雇用される労働者と 1 日の所定労働時間が6 時間以下の労働者は対象外となります また 労使協定で定めた場合は 勤続 1 年未満の労働者 週の所定労働日数が2 日以下の労働者 業務の性質又は業務の実施体制に照らして短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者を対象から除外することができます また 事業主は 以下の労働者の区分に応じて定める制度又は措置に準じて それぞれ必要な措置を講じるよう努めなければなりません 1 1 歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしていないもの 始業時刻変更等の措置 2 1 歳から3 歳に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度 始業時刻変更等の措置 3 3 歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度 所定外労働の制限に関する制度 短時間勤務制度 始業時刻変更等の措置 70

4-1 育児関連 子の看護休暇 ( 第 16 条の2 第 16 条の3) 事業主は 小学校に就学する前の子を養育する労働者から申出があったときには 子どもの怪我や病気のときに世話をしたり 子どもに予防接種や健康診断を受けさせたりするための看護休暇を 年次有給休暇とは別に与えなければなりません 日数は 労働者 1 人につき 小学校就学前の子が1 人であれば年 5 日 2 人以上であれば年 10 日 1 日単位又は半日単位で取得できます 有給か無給かは労使の取り決めによります 日々雇用される労働者は対象になりません 労使協定により 勤続 6か月未満の労働者及び週の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 労働者の配置に関する配慮 ( 第 26 条 ) 事業主は 義務教育終了前の子を持つ労働者を転勤させようとするときには 子の養育の状況を把握し 労働者本人の意向を十分に汲み取り 転勤させた場合に子の養育を行える代替手段があるかどうかを確認するなどの配慮をしなければなりません 71

4-2 介護関連 4-2 介護関連 介護休業制度介護休業は 負傷 疾病 身体上もしくは精神上の障害により 2 週間以上にわたって常時介護を必要とする状態 ( 要介護状態 といいます ) にある家族を介護するための休業です 対象となる家族 1 人につき 要介護状態に至るごとに1 回 通算 93 日休業することができます 通算 93 日を限度として3 回までの分割取得が可能です 介護休業の対象となる家族は その労働者の配偶者 父母 子 配偶者の父母 同居しかつ扶養している祖父母 兄弟姉妹 孫です 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 介護休業の対象者 ( 第 11 条 第 12 条第 1 項 第 2 項 ) 介護休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から介護休業の申出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます また 労使協定で定めた場合は 次の労働者を対象から除外することができます 72

4-2 介護関連 雇用されてから1 年未満の者 休業の申出から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな者 1 週間の所定労働日数が2 日以内の者 また 期間を定めて雇用される労働者 についても 以下の二つの要件を満たせば 介護休業の取得が可能です 1 年以上の雇用実績がある者 介護休業開始予定日から起算して93 日を経過する日から6か月を経過する日までに その労働契約 ( 契約が更新される場合は 更新後のもの ) が満了することが明らかでない者 介護休業の申出等の手続き ( 第 11 条第 2 項 第 13 条 第 14 条第 1 項 ) 休業の申出は 休業の開始予定日 終了予定日など 一定の事項を示して 2 週間前までに行う必要があります また 休業終了予定日は 理由を問わず 1 回だけ繰下げ変更ができます なお 休業の申出の撤回は 休業開始予定日の前日までであれば 理由を問わずに行えます 73

4-2 介護関連 介護休暇 ( 第 16 条の5 第 16 条の6) 要介護状態にある家族を介護する労働者は 対象家族の世話を行うための介護休暇を 事業主に申し出ることにより 対象家族が1 人であれば年 5 日 2 人以上であれば年 10 日を 1 日単位又は半日単位で取得することができます 有給か無給かは労使の取り決めによります ただし 日々雇用される労働者は対象になりません 労使協定により 勤続 6か月未満の労働者及び週の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 時間外労働の制限 ( 第 16 条の9 第 18 条 ) 事業主は 要介護状態にある家族を介護する労働者が請求した場合には その労働者を 所定労働時間を超えて労働させてはなりません ただし 日々雇用される労働者は請求できません また 労使協定により 勤続 1 年未満の労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者を対象外とすることができます 要介護状態にある家族を介護する労働者は 1か月 24 時間 1 年 150 時間を超える時間外労働を免除してもらうように請求することができます ただし 勤続 1 年未満の労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者は除かれます 深夜業の制限 ( 第 20 条 ) 要介護状態にある家族を介護する労働者が請求した場合は 深夜業をさせてはなりません ただし 日々雇用される労働者 勤続 1 年未満の労働者 介護できる状態にある同居の家族がいる労働者 1 週間の所定労働日数が2 日以下の労働者 所定労働時間の全部が深夜にある労働者は対象外となります 74

4-2 介護関連 所定労働時間の短縮措置等 ( 第 23 条第 3 項 第 24 条第 2 項 ) 事業主は 要介護状態にある家族を介護しながら働いている労働者に対しては 労働者からの申出に基づき 所定労働時間の短縮など 働きながら家族を介護しやすくするための措置を講じなければなりません 日々雇用される労働者は この措置の対象外となります また 労使協定で定めた場合は 勤続 1 年未満の労働者 週の所定労働日数が2 日以下の労働者は対象から除外することができます なお 家族を介護する労働者に対しては 介護休業の制度又は勤務時間短縮等の措置に準じて その介護を必要とする期間 回数に配慮した必要な措置を講じるように努めなければなりません 労働者の配置に関する配慮 ( 第 26 条 ) 事業主は 労働者を転勤させようとするときに 転勤によって 働きながら家族を介護することが困難となる労働者がいるときには 労働者の家族の介護の状況を把握し 労働者本人の意向を十分に汲み取り 転勤させた場合に労働者が家族の介護が行える代替手段があるかどうかを確認するなどの配慮をしなければなりません 75

4-3 マタニティハラスメント 4-3 マタニティハラスメント 妊娠 出産や 産休 育休の取得などを理由として 不利益な取扱いをしたり 就業環境を害すること ( いわゆる マタニティハラスメント ) は 均等法や育介法で禁じられています 不利益取扱いの禁止 ( 均等法第 9 条第 3 項 育介法第 10 条 16 条 ) 労働者が妊娠 出産したことや 育児休業を取得したことなどを理由に 解雇 雇止め 降格などの不利益な取り扱いをすることは 法律で禁じられています 不利益取扱いの例 解雇すること 期間を定めて雇用される者について 契約の更新をしないこと 契約の更新回数の上限を引き下げること 退職するように強要すること 正社員からパートタイマーなどに契約内容を変更するように強要すること 不利益な自宅待機を命じること 労働者の希望する期間を超えて その意に反して所定外労働の制限 所定労働時間の短縮等を行うこと 降格させること 減給や 賞与等で不利な算定を行うこと 人事考課で不利益な評価を行うこと 不利益な配置換えを行うこと 就業環境を害すること 76

4-3 マタニティハラスメント マタニティハラスメント防止のための措置 ( 均等法第 11 条の2 育介法 25 条 ) 事業主は 労働者の妊娠 出産に関することや育児休業等を利用することなどに関する上司 同僚などの言動によって 労働者の就業環境が害されることがないよう 労働者からの相談に応じ 適切に対応する体制を整備するなど 雇用管理上必要な措置を講じなければなりません 事業主が雇用管理上講ずべき措置( 要約 ) ハラスメントの内容や 妊娠 出産等に関する制度を明確化し 周知 啓発するとともに 行為者については 厳正に対処する旨の方針 対処の内容を就業規則等の文書に規定し 周知 啓発すること 相談 ( 苦情を含む ) 窓口を定め 内容や状況に応じ適切に対応するために必要な体制を整備すること マタニティハラスメントが生じた際に 迅速かつ正確に事実関係を確認し 速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うとともに 行為者に対する措置を適正に行うこと また 再発防止に向けた措置を講ずること 業務体系の整備など 実状に応じ 必要な措置を講ずること 相談者 行為者のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ 周知すること 77