EU/ ポーランドの政策における 石炭エネルギーと CO 2 削減 Joanna Dopierala Konkolowicz 参事官 クリンコルデ 2011 クリーン コール デー 2011 2011 年 9 月 7 日東京
EU の排出削減政策 2008 年 EU 気候変動 エネルギー政策パッケージ 2020 年までに排出を20% 以上削減 エネルギー ロードマップ 2050 ローエミッション エネルギー市場実現への道 欧州連合 (EU) は 低炭素経済をベースとする新しい経済モデルに基づいてその地位と強みを確立し 競争上の優位性を高めることを決意した 新経済モデルにおいては ( 画期的技術に基づく ) 新しい部門が経済成長の重要な鍵を握る
EU の排出削減政策 欧州連合 (EU) のエネルギー 気候変動政策に基づき 加盟国が以下の分野に特化 : 北欧再生可能エネルギー ( 可能であれば )CO 2 海洋貯留 南欧ソーラーエネルギー技術 中欧 東欧 CO 2 地下貯留 シェールガス バイオマス 地熱エネルギー
ポーランドのエネルギーミックス 需要全体に占める主要エネルギーの比率 (%) 2009 年 2030 年 その他の燃料その他の燃料核燃料褐炭再生可能褐炭 2.2% 再生可能 1.3% 6.3% 8.2% 天然ガスエネルギー 12.9% エネルギーハードコール 13.1% 40% 4.0% 12.4% 31.0% 原油および石油製品 22.0% ハードコール 45.7% 天然ガス 14.5% 原油および石油製品 26.2% 出典 : Annex. 2 Forecast of the demand for fuels and energy Primary data. Fuels and energy balance, the Energy Market Agency ( 付録 2 燃料およびエネルギーの需要予想一次データ燃料とエネルギーのバランスエネルギー市場局 )
ポーランドのエネルギーミックス 発電に占める各燃料の比率 2009 年 2030 年 再生可能エネルギー 18.8% その他の燃料 ( 石油製品を含む ) 1.9% ハードコール 36% 核燃料 15.7% 天然ガス 6.6% 褐炭 21%
ポーランドの国家エネルギー政策 (~ 2030) (PEP 2030) エネルギー効率の向上 ポーランドでは国産石炭 褐炭が主要な発電燃料 燃料およびエネルギー供給の安定強化 発電構造の多様化 原子力の導入 PEP 2030 燃料 エネルギー競争市場の発展 電力部門が自然環境に及ぼす影響の軽減 バイオ燃料を含む再生可能エネルギー源の開発
ポーランドの石炭利用に影響を及ぼす主な要因 EU の気候変動 環境政策国家政策国産シェールガスの発見燃料および技術の価格進展エネルギー価格の進展
石炭改質 クリーンコール技術 石炭ガス化 (IGCC を含む ) 地下石炭ガス化 石炭液化 炭素回収 貯留 (CCS) 炭素回収 貯留 (CCS) 技術は 欧州連合 (EU) 政策の中で最も重要なローエミッション技術として位置づけられている 日本と EU が 2009 年に交わした科学技術協力協定においても同様の位置付けが与えられた
CCS 規制の枠組み 二酸化炭素地中貯留に関する指令 2009/31/EC CCSに関わる環境リスク 健康リスクを管理するための法的枠組みを提供する 加盟国は別の制度や解決策を選択することもできる 指令の内容に近い制度 解解決策でも 指令を超えてより厳しい規制を課す制度 解決策でもよい 指令は 各国領土内でのCCS 実施の是非および実施地の判断を加盟国の裁量に任せている 指令をポーランドの法令に移行するためのスケジュール : 2009 年 ポーランド地質 鉱業法改正の条件案策定 2009 年 11 月 /12 月 パブリックコンサルテーション 2011 年 3 月 閣僚評議会による採択 現在 政府立法センターによる法案準備
EU は CCS 実証プロジェクトを支援 回復のための欧州エネルギープログラム (EEPR) EUはすでに6 件の実証プロジェクトに10 億ユーロを拠出 : 1. ハットフィールド ( 英国 ) 2. ロッテルダム ( オランダ ) 3. コンポスティージャ ( スペイン ) 4. ポルト トッレ ( イタリア ) 5. イェンシュヴァルデ ( ドイツ ) 6. ベウハトゥフ ( ポーランド ) ETS 新規参入者リザーブ 3 億 EUA(EU アローワンス )(45 億ユーロ相当 ) を CCS および画期的な再生可能エネルギー実証プロジェクトのために割り当てた
ポーランドの CCS 分野で活動する主な機関 企業等 政府産業界研究所 環境省 CCS 指令法制化作業の調整を担当経済省 CCSを中心とする クリーンコール 技術支援のためのポーランド クリーンコール テクノロジー プログラムを運営国立地質研究所 (National Geological Institute) CO 2 貯留規則と執行を監督する監督機関になる可能性が高い PGE Polska Grupa Energetyczna ベウハトゥフの事業者 ( ウッチ地区 ) TAURON Polska Energia EOR 研究に参加 PKE Południowy Koncern Energetyczny カトヴィツェ ( シレジア ) LOTOS S.A. group EOR 研究に参加 ZAK Zakłady Azotowe Kedzierzyn ( オポルスキー地区 ) ケッドジアジン プラントの事業者 ZAP Zaklady Azotowe Pulawy ( ルベルスキー地区 ) 石炭化学処理研究所 (Institute for Chemical Processing of Coal) CO 2 回収の研究鉱物 エネルギー経済調査研究所 (Mineral l and Energy Economy Research Institute) CCS 技術の研究石油 ガス研究所 (The Oil and Gas Institute ) 輸送および貯蔵の研究ポーランド地質研究所 (Polish Geological Institute) 貯留の研究 民間部門 CCSについて定期的にまたは随時意見を表明する団体 : demoseuropa WWF グリーンピース Bellona Polska
CCS 将来の CO 2 排出制限に備えてポーランドが掛ける保険 高度な準備なくして CCS の素晴らしい可能性は実現できない 専門技術とノウハウを開発し コストを低減し 経済全体での CCS 配備の基盤を築く研究開発プロジェクト 実証プロジェクトが必要である CO 2 貯留の地質学的分析とプランニングは ポーランドの地質科学技術が傑出する分野である
ポーランドのCCS 実証プロジェクトベウハトゥフ 燃焼後 CO 2 回収技術 ベウハトゥフ発電所 (5.3GW) は (858MWの新ユニットが稼働を開始した時点で) 欧州最大の褐炭火力発電所となる CO 2 年間排出量は3,000 万トンを超える 新型アミンを使用し 新発電ユニットから CO 2 排出の約 25~30%( 年間約 166 万トン ) を回収する 回収効率は 90% プロジェクトのコストは約 6 億 2,500 万ユーロ うち1 億 8,000 万ユーロがEERPから振り当てられた このほか EUからの資金拠出にはEU 構造基金および結束基金が含まれる また 環境保護 水質管理のためのポーランド国家基また金からも別途国家の資金が拠出される可能性がある ケッドジアジン コズル プランニングの初期段階でングの初期段階で IGCC 発電技術と CCS プ ロジェクトを一体化する
実証プロジェクトを補完するための研究開発 ポーランドの発電所技術に合わせて最適化された低コストの燃焼後ソリューション 地下石炭ガス化と CCSの一体化など体化など 新しい石炭燃焼前技術 CO 2 吸収プロセスにおけるエネルギー消費削減によるCCSの全体的なエネルギーペナルティペナルティ ならびに付随する追加の燃料コストおよびキャパシティコストの削減 CO 2 貯留に適した深部地下含塩層についての詳しい知識
今後の課題 CO 2 貯留 貯留スペースを巡り 地熱エネルギー利用との競合が起きる可能性がある また 効率的な輸送ネットワークの策定が必要となるため 貯留のポテンシャルを至急分析しなければならない ( 第一歩 : 安全な CO 2 地中貯留のための地層 構造確認を目的とする国家プログラム ) ポーランドの複雑な許可手続きを乗り越えるまでには5 年以上かかる可能性がある よって プロジェクトのパブリックコミュニケーション プロセスがクプロセスが完了した時点で 直ちに輸送ネットワークの建設に着手すべきである 市民の支持 CCS 技術は未知のもので一見複雑に見えるため 疑いの目で見られることが多い こうした疑念が生じないよう 情報キャンペーンにはこの技術のあらゆる側面を含めなければならない
EU/ ポーランドの政策における石炭エネルギーと CO 2 削減 クリーン コール デー 2011 2011 年 9 月 7 日東京 ご清聴ありがとうございました!