深さの地震活動概況 (2018 年 4 月 ) (1/ 8) 平成 30 年 5 月 11 日宮崎地方気象台 N は図中に表示した地震の数を示しています 以下同じ 9 日 01 時 32 分に島根県西部で発生した地震については範囲外です 震央分布図 (2018 年 4 月 1 日 ~30 日 M0.0 以上 深さ 200 km以浅 ) 地震の規模 ( マグニチュード M) は記号の大きさで 震源の深さを記号と色で示しています で震度 1 以上を観測した地震に吹き出しをつけています (km) 断面図 ( 震央分布図の投影 深さ 200 km以浅 ) 本資料は 国立研究開発法人防災科学技術研究所 北海道大学 弘前大学 東北大学 東京大学 名古屋大学 京都大学 高知大学 九州大学 鹿児島大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 国土地理院 国立研究開発法人海洋研究開発機構 公益財団法人地震予知総合研究振興会 青森県 東京都 静岡県 神奈川県温泉地学研究所及び気象庁のデータを用いて作成しています また 2016 年熊本地震合同観測グループのオンライン臨時観測点 ( 河原 熊野座 ) 米国大学間地震学研究連合 (IRIS) の観測点 ( 台北 玉峰 寧安橋 玉里 台東 ) のデータを用いて作成しています
(2/ 8) 4 月の地震活動概要 4 月に内の震度観測点で震度 1 以上を観測した地震は5 回 (3 月は1 回 ) でした 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震続報 28 日 14 時 08 分に熊本県熊本地方で発生した M3.6 の地震 ( 深さ 12km) により 熊本県の八代市 宇城市および美里町で震度 2 を観測したほか 長崎県 熊本県 鹿児島県で震度 1 を観測しました では 西都市と椎葉村で震度 1 を観測しました ( 図 1) 長崎県 熊本県 大分県 鹿児島県 図 1 震度分布図 ( 観測点別 : 震央 ) 熊本県熊本地方および阿蘇地方における 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震 の一連の地震活動は 全体として引き続き減衰しつつも継続しており 現状程度の地震活動は当分の間続くと見られます ( 図 2 図 3) ひじう 日出生断層帯 中央構造線断層帯 ( 豊予海峡 - 由布院区間 ) はねやま 中央構造線断層帯 ( 伊予灘区間 ) くえのひらやま 万年山 - 崩平山断層帯 ひなぐ日奈久断層帯 ふたがわ 布田川断層帯 図 2 震央分布図 (2016 年 4 月 14 日 21 時 ~2018 年 4 月 30 日 24 時 深さ 0~20km M 2.0) 2016 年 4 月 ~2018 年 3 月の地震を灰色 4 月の地震を赤色で表示 最大震度 7 を観測した地震及び 4 月に内で震度 1 以上を観測した地震に吹き出しをつけています 震央分布図中の青 緑 橙 紫 茶 桃色の各線は 地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示しています 図 3 図 2 の における地震活動経過 回数積算図
9 日島根県西部を震源とする地震 (1 頁震央分布図範囲外 ) (3/ 8) 9 日 01 時 32 分に発生した M6.1 の地震 ( 深さ 12km) により 島根県大田市で震度 5 強を観測したほか 中部地方から九州地方にかけて震度 5 弱 ~1 を観測しました では 高千穂町で震度 1 を観測しました ( 図 4) 発生場所から東に約 70km 離れた場所で 2000 年 10 月 6 日に 平成 12 年 (2000 年 ) 鳥取県西部地震 (M7.3 最大震度 6 強 ) が発生し 鳥取県 岡山県 島根県などで 負傷者 182 人 住家全壊 435 棟 住家半壊 3,101 棟などの被害が生じました ( 総務省消防庁による ) この地震により 内では 宮崎市 都城市 西都市 高鍋町 川南町 高千穂町 五ヶ瀬町および高原町で震度 2 を観測しています 熊本県 鹿児島県 図 4 震度分布図 ( 左図は地域別 右図は観測点別 : 震央 ) 図 5 震央分布図 (1997 年 10 月 1 日 ~2018 年 4 月 30 日深さ 0~30km M 2.0) 2018 年 4 月の地震を赤で表示図中の茶線は地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示す 図 6 図 5 内の地震活動経過図
10 日大隅半島東方沖を震源とする地震 10 日 05 時 09 分に発生した M4.0 の地震 ( 深さ 29km) により 鹿児島県錦江町で震度 2 を観測したほか の串間市と小林市 鹿児島県の鹿児島市 指宿市 鹿屋市 志布志市 大崎町 南大隅町および肝付町で震度 1 を観測しました ( 図 7) の震源付近 ( 図 9 領域 b) は日頃から地震活動が見られる領域で M4~5 前後の地震が時々発生しています ( 図 10) この領域で発生した地震によりで震度 1 以上を観測したのは 2015 年 7 月 19 日に発生した M4.7 の地震 ( 深さ 32km 最大震度 3) により都城市 日南市および串間市で震度 2 を観測して以来です 鹿児島県 (4/ 8) 図 7 震度分布図 ( 観測点別 : 震央 ) 領域 b 図 9 図 8 内の断面図 (- 投影 ) 図 8 震央分布図 (1997 年 10 月 1 日 ~2018 年 4 月 30 日深さ 0~90km M 2.0) 2018 年 4 月の地震を赤で表示 図 10 図 9 領域 b 内の地震活動経過図
28 日日向灘を震源とする地震 28 日 13 時 27 分に発生した M4.3 の地震 ( 深さ 28km) により の宮崎市 日南市 高鍋町および川南町で震度 1 を観測しました ( 図 11) の震源付近 ( 図 13 領域 b) は日頃から地震活動が見られる領域で M4~5 前後の地震が時々発生しています ( 図 14) この領域で発生した地震によりで震度 1 以上を観測したのは 2017 年 7 月 4 日に発生した M3.7 の地震 ( 深さ 22km 最大震度 1) により延岡市 日向市 西都市 高鍋町 川南町および都農町で震度 1 を観測して以来です (5/ 8) 図 11 震度分布図 ( 観測点別 : 震央 ) 領域 b 図 13 図 12 内の断面図 (- 投影 ) 図 12 震央分布図 (1997 年 10 月 1 日 ~2018 年 4 月 30 日深さ 0~90km M 2.0) 2018 年 4 月の地震を赤で表示 図 14 図 13 領域 b 内の地震活動経過図
30 日日向灘を震源とする地震 (6/ 8) 30 日 02 時 13 分に発生した M3.7 の地震 ( 深さ 33km) により の宮崎市 西都市および川南町で震度 1 を観測しました ( 図 15) の震源付近 ( 図 17 領域 b) は日頃から地震活動が見られる領域で M4~5 前後の地震が時々発生しています ( 図 18) この領域で発生した地震によりで震度 1 以上を観測したのは 2017 年 9 月 19 日に発生した M3.5 の地震 ( 深さ 27km 最大震度 1) により宮崎市と日南市で震度 1 を観測して以来です 図 15 震度分布図 ( 観測点別 : 震央 ) 領域 b 図 17 図 16 内の断面図 (- 投影 ) 図 16 震央分布図 (1997 年 10 月 1 日 ~2018 年 4 月 30 日深さ 0~90km M 2.0) 2018 年 4 月の地震を赤で表示 図 18 図 17 領域 b 内の地震活動経過図
(7/ 8) 内で震度 1 以上を観測した地震の表 (4 月 1 日 ~30 日 ) 震源時 ( 年月日時分 ) 震央地名 緯度 経度 深さマク ニチュート 各地の震度 2018 年 04 月 09 日 01 時 32 分島根県西部 35 11.0' N 132 35.2' E 12km M6.1 震度 1 : 高千穂町三田井 2018 年 04 月 10 日 05 時 09 分大隅半島東方沖 31 08.8' N 131 21.2' E 29km M4.0 震度 1 : 串間市都井 *, 小林市真方 2018 年 04 月 28 日 13 時 27 分日向灘 31 51.7' N 132 07.0' E 28km M4.3 震度 1 : 高鍋町上江 *, 川南町川南 *, 宮崎市松橋 *, 日南市吾田東 * 2018 年 04 月 28 日 14 時 08 分熊本県熊本地方 32 34.1' N 130 41.7' E 12km M3.6 震度 1 : 西都市上の宮 *, 椎葉村総合運動公園 * 2018 年 04 月 30 日 02 時 13 分日向灘 31 40.7' N 131 51.0' E 33km M3.7 震度 1 : 西都市上の宮 *, 川南町川南 *, 宮崎市松橋 * ( 注 ) 使用した震源要素等は暫定値であり 後日修正することがあります * は地方公共団体または 国立研究開発法人防災科学技術研究所の観測点です
地震資料に使用される図の見方 (8 / 8) 解説資料宮崎地方気象台 宮崎地方気象台では 地方公共団体等による日頃の災害予防の活動を支援するため の地震活動概況等の資料を作成 公表しています また で震度 4 以上の揺れを観測した場合や津波警報等を発表した場合には 防災対応に資するために 地震解説資料 を作成 公表しています 今回は 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震 を例として これらの資料に使用される主な図の見方について解説します 1. 震度分布図 ( 図 1) 震度分布図は 各地の震度観測点で観測した震度を地図上に表示し 地震による揺れの強さや範囲を表現したものです 震度 5 と震度 6 にはそれぞれ強弱があり 例えば震度 6 強は 6+ 震度 6 弱は 6 - と表示します また 地震による揺れが広範囲にわたり多数の観測点の震度がある場合には 図が煩雑にならないよう 各地域内 各市区町村内で観測した震度の中で最も大きな震度を代表させて表示することがあります ( 図 1 は地域別の震度分布図の例 ) 2. 震央分布図 ( 図 2) 断面図( 図 3) 震央分布図は 地震が発生した場所を地図上に表示し 地震活動の面的な広がり表現したものです 表示するシンボルの大きさや形を変えることで 地震の規模 ( マグニチュード 以下 M ) や震源の深さを表現しています また 断面図により地震活動の立体的な広がりを表現します 図 3は 図 2の矩形で区切られた領域を南東方向から見た断面図です この断面図を見ると 地震活動が深さ 20km よりも浅い所で発生していることが分かります 3. 地震活動経過図と回数積算図 ( 図 4) 地震活動経過図は ある領域内において時間の経過と共にどの程度の規模の地震が発生したかを表現したものです また 回数積算図は時間経過毎の地震発生数の積算 ( 合計 ) 数を表現しています 回数積算図を見ることで 発生した地震の増え具合を把握することができます 図 4 は 図 2 の矩形で区切られた領域内の地震活動経過図と回数積算図です この図を見ると 2016 年 4 月 16 日に M7.3 の地震が発生した後 時間の経過とともに発生する地震の M は小さくなり徐々に減衰していますが 活動は継続していることが分かります ( 縦棒は短くなり疎らになるが 折れ線は右上がり傾向が続く ) 図 1 震度分布図 ( 地域別 は震央 ) 図 2 震央分布図 図 3 断面図 (- 投影 ) 図 4 地震活動経過図および回数積算図