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おお航海士 Aは 22 時 00 分ごろ福岡県宗像市大島東方沖で船長から 船橋当直を引き継ぎ レーダー 1 台を 6 海里 (M) レンジとして 電 子海図表示装置及び GPS プロッターを 12M レンジとしてそれぞれ 作動させ 操舵スタンド後方に立って単独で操船に当たった 本船は 航海士 A が

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特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

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5 ii) 実燃費方式 (499GT 貨物船 749GT 貨物船 5000kl 積みタンカー以外の船舶 ) (a) 新造船 6 申請船の CO2 排出量 (EEDI 値から求めた CO2 排出量 ) と比較船 (1990~2010 年に建造され かつ 航路及び船の大きさが申請船と同等のものに限る )

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工事 海難防止のための五か条 一見張りは常時 適切に 目視のほか レーダーや AIS 等を使用霧などで視界不良時は 見張りを増員無理な回航は 居眠りの原因 一航法を守り 早目の避航 海上衝突予防法等に定められた航法や灯火等ルール遵守避航は 早めに かつ 大幅に 一最新の気象情報を入手 刻々と変化する

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3 くろまぐろの知事管理量について 海洋生物資源の採捕の種類 別又は期間別の数量に関する事項 ( 1) 採捕の種類別の割当量について 2 に掲げる知事管理量の小型魚における採捕の種類別に定め る割当量は 次の表のとおりとし 大型魚は採捕の種類別に定 めないものとする 採捕の種類 小型魚 本県の漁船漁

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て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

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海上輸送の安全にかかわる情報 ( 平成 28 年度 ) 国土交通省海事局

目 次 はじめに 1 1 立入検査の状況 2 2 命令に係る事項 3 3 その他輸送の安全に重大な関係を有する事項 (1) 船舶事故等の発生状況 6 (2) 船種別事故等の発生状況 7 (3) 主な指導内容 9

はじめに 本報告書は 海上運送法第 19 条の 2 の 2 及び 内航海運業法第 25 条の 2 に基づき 輸送の安全にかかわる情報を公表するものであり 海上運送法施行規則第 19 条の 2 及び 内航海運業法施行規則第 17 条の 2 に定める以下の情報を記載しています 立入検査に係る事項 命令に係る事項 その他輸送の安全に重大な関係を有する事項 1

1 立入検査の状況 平成 28 年度は 旅客船及び貨物船の船舶運航事業者等の船舶及び事業場に対して 3,068 件の立入検査を実施しました 特に事故発生時には再発防止を図るため 立入検査を厳しく実施し法令違反の有無の確認 早期に講ずべき対策を検討するための調査に努めました また 立入検査の結果 問題等が認められた事業者に対する処分 ( 指導を含む ) は 49 件であり うち 3 件については 海上運送法に基づく輸送の安全の確保に関する命令 を発出しました 立入検査実施状況及び処分状況 ( 件 ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度 事故発生時等の立入検査 ( 注 1) 実施件数 38 110 89 通常時の立入検査 ( 注 2) 等実施件数 2,151 2,409 2,979 合 計 2,189 2,519 3,068 処分実施件数 ( 注 3) 23 35 49 うち 安全確保命令発出件数 ( 注 4) 3 6 3 注 1: 事故発生時などに緊急に行われる検査注 2: 通常時定期的に行われる検査 注 3: 輸送の安全確保に関する処分 ( 指導又は命令 ) を行った件数 注 4: 処分実施案件のうち 安全確保に関する命令を発出した件数 国土交通省では 適切な船舶の運航管理を通じ 旅客船及び貨物船の輸送の安全を確保するため 全国の地方運輸局等に配置された運航労務監理官が 通常時から定期的に海上運送法及び内航海運業法に基づき 船舶運航事業者等に対してその業務に関する報告を求めるほか 船舶運航事業者等が運航する船舶及び事業場に対して立入検査を実施するなどの監査を行っています 特に 船舶事故が発生した場合等には 海上保安庁等と連携しつつ 迅速に特別監査と称する立入検査を実施し 海上運送法又は内航海運業法の違反の有無 事故原因の究明を行い 安全管理体制の再構築や運航管理の徹底等のため 法令に基づく関係者の処分や指導など再発防止に努めています 2

2 命令に係る事項 平成 28 年度は 輸送の安全を阻害している事実がある と認められた事案 3 件に対して 海上運送法第 19 条第 2 項に基づき 輸送の安全を確保するため必要な措置 をとるよう命令を発しました これら事案については 以下のとおりです 案件 1 航行中に火災が発生し船舶が沈没した事故を受けて発出した命令 事業者概要等 事業者名等 : 九州商船株式会社 ( 一般旅客定期航路事業 ) 発出年月日 : 平成 28 年 4 月 18 日所管運輸局 : 九州運輸局 事故概要 平成 27 年 11 月 15 日 一般旅客定期航路 長崎 ~ 有川航路 において 旅客船 ビッグ波羅門キング ( 総トン数 19 トン ) は船長及び乗組員 2 名が乗り組み 乗客 6 名を乗せ 西海市江ノ島沖を航行中 機関室からの出火により火災が発生した 乗組員及び乗客は付近で操業していた漁船に救助され 当該旅客船はその後沈没した ( 死傷者等なし ) 原因 本船出航前に乗組員が機関等について発航前点検を実施しており その際には異常は見つかっておらず 火災発生後船舶も沈没したため 出火原因は不明 命令内容 以下の措置を可及的速やかに講じること (1) 安全管理規程遵守のための措置 1 安全管理規程に基づき 事故処理基準に定める海上保安部署への迅速な通報及び事故発生時の船長のとるべき措置等について教育を徹底すること 2 安全管理規程に基づき 安全統括管理者及び運航管理者は 船員法や安全管理規程を役職員及び各船乗組員に対して遵守させるため 安全教育の実施計画を作成し その実施を図ること 3 安全管理規程に基づき 法令に定める防火 防水 非常操舵繰練及び事故処理訓練計画を作成し 実施を図ること (2) 事故対策改善のための措置安全管理規程に基づき 経営トップは社内に事故調査委員会を設置し 次の事項について具体的な対策を検討すること 1 火災事故の具体的な再発防止策 発航前点検において火災を発生させないための実践的な機関部にかか 3

る点検の手順書を作成のうえ それに基づき船長及び機関長は点検を実施し その確認を運航管理者が行うこと 火災発生時の対応手順書 ( 機関停止 ファンの停止 燃料遮断等の手順を示したもの ) を作成すること その他再発防止に向けて有効な対策を講じること 2 脱出時の安全確保のための措置 安全管理規程に避難誘導を明記すること 事故処理基準に 退船時には 確実に救命胴衣を着用させることを明記すること 改善措置の確認 上記の命令に従い改善措置を実施していることを運輸局において確認した 案件 2 航行中に火災が発生し死亡者が出た事故を受けて発出した命令 事業者概要等 事業者名等 : 藤澤太 ( 人の運送をする不定期航路事業 ) 発出年月日 : 平成 28 年 8 月 25 日所管運輸局 : 四国運輸局 事故概要 平成 27 年 4 月 12 日 海上タクシー ふなだ ( 総トン数 19 トン ) は船長 1 名が乗り組み 乗客 4 名を乗せ 愛媛県今治市大下港内を航行中 機関室から火災が発生した 乗客及び船長は海中へ飛び込み避難したが 乗客 2 名が死亡し 当該船舶は焼損し沈没した 原因 出火原因については明らかになっていないが 監査において 機関にかかる発航前点検を実施しておらず また 事故発生時に乗客に救命胴衣を着用させていなかったことが認められた 命令内容 1. 発航前点検を確実に実施し 実施後は記録簿に必ず記録すること 2. 事故発生時には 確実に救命胴衣を着用するよう迅速に指示を行うこと 3. 事故発生時には 海上保安官署に対し 迅速に船長から緊急通報を行うこと 上記 2 3 について 具体的な状況を想定したうえで事故処理訓練を実施し 以後の定期的な訓練の実施計画を作成すること 改善措置の確認 事故発生後 事業を再開していない 4

案件 3 海技資格者 ( 船長 ) 不在のまま運航したことを受けて発出した命令 事業者概要等 事業者名等 : 福本フェリー ( 株 )( 一般旅客定期航路事業 ) 発出年月日 : 平成 28 年 10 月 31 日所管運輸局 : 中国運輸局 法令違反概要 平成 28 年 7 月 5 日 一般旅客定期航路事業 向島 ~ 尾道航路 において フェリー 第 12 小浦丸 ( 総トン数 125 トン ) が 海技資格者 ( 船長 ) 不在のまま運航していたことから 尾道海上保安部に検挙された ( 船舶職員及び小型船舶操縦者法違反 ) 原因 船長が腹痛を訴えたため下船させ 同社の代表取締役で 安全統括管理者兼運航管理者が無資格のまま船舶を運航したもの 命令内容 1. 新たに選任された安全統括管理者等の組織の下で 関係法令等を遵守し確実な安全運航を行えるよう体制を見直すこと 2. 船舶検査証書の原本を船内に備えておくこと 3. 運航管理者は適正な海技資格者が乗り組んでいること等発航前点検の結果を確認すること また 必要な事項について安全管理規程を見直すこと 4. 運航管理者は海技資格者の乗り組み等適正な配乗計画を作成し その実施について確認すること また 必要な事項について安全管理規程を見直すこと 5. 関係法令及び上記 3 4 により見直した安全管理規程について 上記 1 により新たに見直した組織体制の下 安全統括管理者及び運航管理者を含む全従業員に対し輸送の安全を確保するために必要と認められる事項について具体的な事例を用いた安全教育を定期的に実施し 各人の理解について効果把握を行うなどして周知徹底を図ること 併せて実施した安全教育についてその内容を記録すること 改善措置の確認 上記の命令に従い改善措置を実施していることを運輸局において確認した 5

3 その他輸送の安全に重大な関係を有する事項 (1) 船舶事故等の発生状況平成 28 年度に海上運送法及び内航海運業法に基づき 船舶運航事業者から報告された事故等の発生件数は 対前年度比 34 件 ( 約 16%) 減の 176 件となりました 事故等種類別の割合 ( 直近過去 3 ヶ年平均 ) では 機関故障 が全体の約 30% を占めており 以下 衝突 ( 船舶 ) が約 27% 衝突 ( 岸壁等 ) が約 17% 乗揚 が約 14% となっています ( 件 ) 3 年間事故等種類別平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度の合計衝突 ( 岸壁等 ) 33 38 32 103 衝突 ( 船舶 ) 47 62 49 158 乗揚 34 23 25 82 機関故障 67 67 43 177 火災 5 6 5 16 浸水 3 4 2 9 漂流 2 0 2 4 沈没 0 1 2 3 油流出 8 5 9 22 その他 7 4 7 18 合計 206 210 176 592 事故等種類別の割合 ( 直近過去 3 ヶ年平均 ) 6

(2) 船種別発生状況 1 旅客船平成 28 年度の旅客船の事故等の発生件数は 対前年度比 3 件 ( 約 4%) 増の 86 件となりました 事故等種類別の割合 ( 直近過去 3 ヶ年平均 ) をみると 機関故障 が約 54% 衝突 ( 岸壁等 ) が約 22% 衝突 ( 船舶 ) 及び 乗揚 が約 7% ずつ占めています ( 件 ) 3 年間事故等種類別平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度の合計衝突 ( 岸壁等 ) 23 18 16 57 衝突 ( 船舶 ) 3 5 9 17 乗揚 6 4 9 19 機関故障 54 48 39 141 火災 1 3 3 7 浸水 1 2 2 5 漂流 1 0 1 2 沈没 0 0 0 0 油流出 2 1 1 4 その他 1 2 6 9 合計 92 83 86 261 旅客船の事故等種類別の割合 ( 直近過去 3 ヶ年平均 ) 7

2 貨物船平成 28 年度の貨物船の事故等の発生件数は 対前年度比 37 件 ( 約 29%) 減の 90 件となりました 事故等種類別の割合 ( 直近過去 3 ヶ年平均 ) をみると 衝突 ( 船舶 ) が約 43% 乗揚 が約 19% 衝突 ( 岸壁等 ) が約 14% 機関故障 が約 11% を占めています ( 件 ) 3 年間事故等種類別平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度の合計衝突 ( 岸壁等 ) 10 20 16 46 衝突 ( 船舶 ) 44 57 40 141 乗揚 28 19 16 63 機関故障 13 19 4 36 火災 4 3 2 9 浸水 2 2 0 4 漂流 1 0 1 2 沈没 0 1 2 3 油流出 6 4 8 18 その他 6 2 1 9 合計 114 127 90 331 貨物船の事故等種類別の割合 ( 直近過去 3 ヶ年平均 ) 8

(3) 主な指導内容平成 28 年度 事故等を起こした事業者に対し 輸送の安全確保に関する指導に係る文書により再発防止のための指導を行いました 主な指導内容については 以下のとおりです 1 旅客船の濃霧での視界不良による乗揚事故 事故概要 平成 28 年 5 月 10 日 旅客船が港において回頭し着桟しようとしたところ 局地的な濃霧のため 急激な視界不良により本来のコースからずれたため 本船を一旦停止し切り返しを行っていたところ 浅瀬にプロペラが接触した ( 死傷者等なし ) 事故を起こした事業者に対する指導内容 今般の事例を踏まえ 濃霧の際はより慎重な操船を行うよう乗組員に対して周知徹底すること 目的地の気象 海象に関する情報のうち 輸送の安全確保のために必要と判断されるものについては 船長に確実に連絡すること 2 旅客船の船底の破孔による浸水事故 事故概要 平成 28 年 5 月 23 日 旅客船が着岸直前に警報が鳴り 機関室を確認したところ浸水が見られた 着岸後 乗客は避難し ダイバーが応急措置を行い 浸水を止め 排水作業を行った ( 負傷者等なし ) 事故を起こした事業者に対する指導内容 船底のスラッジ除去を励行し 電蝕を発生させる金属製品の除去を確実に行うこと 3 旅客船の居眠り運航による衝突事故 事故概要 平成 28 年 6 月 20 日の夜 雨は降っていたものの見通しがきかない程ではない中 旅客船が乗客 13 名を乗せ通常の航路 速度で航行していたところ 目的地の港の防波堤に船首部から衝突し 乗客 5 名が負傷した 事故を起こした事業者に対する指導内容 事故の再発防止策として 居眠り運航防止策の徹底と常時適切な見張りの確保をすること 9

緊急時連絡先を記載した非常連絡表を船橋に掲示し 非常時には事故処理基準に従い当局へ速やかに連絡すること 4 旅客船が着岸時に風に流され他船との接触事故 事故概要 平成 28 年 6 月 27 日 旅客船が着岸する際 陸上作業員により船首側の係船索を取り 続いて船尾を岸壁に寄せようとしたが 風を受け船尾が岸壁から離れ始めたため 後進を掛け体制を立て直したうえで再度着岸を試みようとしたが 行き足がない状態で風に流され 停泊していた他の船舶に接触した 事故を起こした事業者に対する指導内容 今般の事例を踏まえ 気象 海象および港内の状況に応じた より慎重な操船を行うよう乗組員に対して周知徹底すること 5 貨物船の見張り不十分等による他船との衝突事故 事故概要 平成 28 年 7 月 15 日 貨物船が港での揚荷役終了後 空船にて航行中 付近を航行していた貨物船と衝突した 衝突した船舶は 損傷及び浸水があったものの乗組員の死傷者等はなかった 衝突を受けた船舶は 船首の一部が海上に出た状態で沈没し 乗組員 3 名のうち 2 名が死亡 1 名が軽傷であった 事故を起こした事業者に対する指導内容 船舶所有者 乗組員等に対して 安全管理規程 船員法 海上衝突予防法等の関係法令 その他輸送の安全を確保するために必要と認められる事項について周知徹底を図ること 6 貨物船の操舵不能による他船との衝突事故 事故概要 平成 28 年 9 月 16 日 貨物船が航行中 ブラックアウト ( 船内電源の喪失 ) により操舵不能となり 付近を航行していた貨物船と衝突した ( 負傷者等なし ) 事故を起こした事業者に対する指導内容 発航前点検を確実に実施し記録するよう 船長に周知 徹底すること 発電機用燃料こし器の目詰まりによるブラックアウト防止のため 対策 10

を検討すること 乗組員に対して 安全管理規程 関係法令 事故 不具合事例等 輸送の安全を確保するために必要と思われる事項に関する安全教育の徹底を図ること 今般の事故等 実際の事例を踏まえた全社的な事故処理訓練を実施すること 11