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の差については確認できないが 一般的に定温で流通している弁当の管理方法等についてアンケートにより調査した その結果 大部分の事業者が管理温度の設定理由として JAS 規格と同様に食味等の品質の低下及び微生物の繁殖を抑えることを挙げ 許容差は JAS 規格と同様に ±2 としていた また 温度の測定方

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スライド 1

改 正 平成 17 年 10 月 27 日農林水産省告示第 1616 号 改 正 平成 17 年 12 月 27 日農林水産省告示第 1999 号 改 正 平成 18 年 1 月 11 日農林水産省告示第 26 号 改 正 平成 18 年 2 月 17 日農林水産省告示第 169 号 改 正 平成

水分及びきよ 0.25% 以下 0.10 以下 0.10% 以下 う雑物比重 0.914~ ~ ~0.919 屈折率 1.470~ ~ ~1.474 上昇融点 冷却試験 時間 30 分清澄であるこ

A.22 にんじんジュース及びにんじんミックスジュース A.23 水産物缶詰及び水産物瓶詰 A.24 果実飲料 A.25 農産物缶詰及び農産物瓶詰 ( たけのこ缶詰及びたけのこ瓶詰 ( 全形及び 2 つ割 りに限る ), たけのこ大型缶詰 ( 全形 ( 傷を除く ) 及び 2 つ割りに限 る ),

お願いいたします 新旧対照表 砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に基づく指定糖 異性化糖等及び指定でん粉等の輸入通関における取扱いについて 及び売戻し承諾書は 独立行政法人農畜産業振興機構 ( 以下 機構 という ) 本部が発給することとなるので 念のため申し添えます 記 記 ( 証明を必要とする

調査の目的 全国の自動はかりの設置 使用状況等の実態把握 この度の計量制度見直しにより 平成 年 月より順次 取引又は証明に使用される自動はかりを検定の対象とすることとなった 検定システムを構築するには これらの 自動はかり の全国的な設置状況の実態を把握し 検定に必要なリソースを検討するため 全国

Taro-表紙.jtd

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

1 食に関する志向 健康志向が調査開始以来最高 特に7 歳代の上昇顕著 消費者の健康志向は46.3% で 食に対する健康意識の高まりを示す結果となった 前回調査で反転上昇した食費を節約する経済性志向は 依然厳しい雇用環境等を背景に 今回調査でも39.3% と前回調査並みの高い水準となった 年代別にみ

上ある場合は 現行ルールと同様 3カ国目以降を その他 と表示することができる 一方 冠表示には いちごジャム の いちご のように 商品を特徴付ける原料が商品名に含まれるものの他に ブルーベリーガム の ブルーベリー のように 風味を表しているもの さらには たいやき の 鯛 のように 商品名自体

平成25年度事業計画(案)

国立信州高遠青少年自然の家お弁当一覧 1 活動弁当 A( おにぎり 2 個 ) 2 活動弁当 B( おにぎり 3 個 ) 3 特定原材料 7 品目不使用活動弁当 4 幕の内弁当

第2章 食品卸売業の経営指標

社団法人日本果汁協会 認定業務規程

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を

番号 11 番号 12 番号 13 番号 14 番号 15 番号 16 番号 17 番号 18 番号 19 番号 20 こいくちしょうゆうすくちしょうゆ米酢酒ワイン ( 白 ) ワイン ( 赤 ) 本みりん白みそ赤みそ八丁みそ エネルキ ー 79 エネルキ ー 55 エネルキ ー 48 エネルキ ー

( 千トン ),000,00 0 図 でん粉の種類別供給量の推移 0 0 0,000 でん粉輸 でん粉,00,000,,,,,0,,,0,,, (SY) ( 見込み ) 資料 : 農林水産省 でん粉の需給見通しについて 注 :SYはでん粉年度(0 月 ~ 翌 月 ) 図 でん粉需要

1. 沖縄県における牛肉の輸出動向 2015 年は 輸出額が過去最高 数量 金額 2015 年は数量が 18,424 KG( 前年比 97.0%) 金額が 87 百万円 ( 同 111.8%) となり 輸出額が過去最高を記録しました 沖縄県の輸出額シェアは 1.1% となっています 国別金額シェア

NTA presentation JP [Compatibility Mode]

参考 < これまでの合同会合における検討経緯 > 1 第 1 回合同会合 ( 平成 15 年 1 月 21 日 ) 了承事項 1 平成 14 年末に都道府県及びインターネットを通じて行った調査で情報提供のあった資材のうち 食酢 重曹 及び 天敵 ( 使用される場所の周辺で採取されたもの ) の 3

平成18年2月

2,3-ジメチルピラジンの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)

平成 30 年 4 月 10 日公表平成 28 年 農業 食料関連産業の経済計算 ( 概算 ) - 農業 食料関連産業の国内生産額は 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 28 年における農業 食料関連産業の国内生産額は 115 兆 9,63

Microsoft Word - Ⅱ(輸入調整課・特産製品課・砂糖原料課)

資料4-3 木酢液の検討状況について

平成18年2月

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農薬取締法第12条に係る省令(案)の概要」への意見の募集についてパブリックコメント回答

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HACCP 導入率 ( 参考 ) 平成 27 年度 29% ( コーデックス原則のみ ) 29 年度 30 年度 31 年度 32 年度 33 年度 30% 40% 50% 60% 80% 推進に当たっては 以下を 中間アウトカム目標 として取り組んでいく 1 平成 31 年度までに業界団体による手

論点 3 消費者にとって分かりやすい 遺伝子組換え 及び 遺伝子組換え不分別 表示の検討 1

社会通信教育に関する実態調査 報告書

平成18年2月

原材料・原油高の影響と企業の対応

Taro-通知文

水分 0.5% 以下であること 同左 灰分 0.03% 以下であること 同左 着色度 0.05 以下であること 0.10 以下であること 質濁度 0.03 以下であること 0.06 以下であること 原 材 料 でん粉以外のものを使用していない 同左 こと 添加物使用していないこと 同左 内容量表示重

05-Food-JAS&Label001

3 特許保有数 図表 Ⅰ-3 調査対象者の特許保有数 Ⅱ. 分析結果 1. 減免制度 (1) 減免制度の利用状況本調査研究のヒアリング対象の中小企業が利用している法律別の減免制度の利用状況を 図表 Ⅱ-1 に示す 企業数は延べ数でカウントしている 図表 Ⅱ-1 減免制度の利用状況 この結果から 産業

スライド 1

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マーガリン類の表示に関する公正競争規約及び同施行規則

ニュースリリース

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H24/08/00

旧制度からの主な変更点 1 加工食品と生鮮食品の区分の統一 JAS 法と食品衛生法において異なる食品の区分について JAS 法の考え方に基 づく区分に統一 整理 新たに加工食品に区分されるもの さん現行の食品衛生法では表示対象とはされていない 軽度の撒塩 生干し 湯通し 調味料等により 簡単な加工等

防炎表紙

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九五〇象となる産品に関係する場合に限る 二千九年七月十日の欧州委員会規則(EC)第六〇六 二〇〇九号(ぶどう産品の分類 醸造法及び適用される制限に関する閣僚理事会規則(EC)第四七九 二〇〇八号の実施のための細則を定めるもの)(二千九年七月二十四日の欧州連合の官報(OJL一九三)一ページ) ただし

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

清涼飲料水の規制


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新春誌上座談会 食品安全認証の活用による食品マーケティングの新たな展開 食品の安全と認証制度 東京海洋大学大学院食品安全流通管理専攻教授 ゆ湯 かわ川 ごう剛 いち一 ろう郎 1. 認証制度とは (1) 製品認証とマネジメントシステム認証商品を購入しようとするとき, その商品が果たして代価に見合う品

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

Concept -02-

4. 加熱食肉製品 ( 乾燥食肉製品 非加熱食肉製品及び特定加熱食肉製品以外の食肉製品をいう 以下同じ ) のうち 容器包装に入れた後加熱殺菌したものは 次の規格に適合するものでなければならない a 大腸菌群陰性でなければならない b クロストリジウム属菌が 検体 1gにつき 1,000 以下でなけ

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

プレスハム及びソーセージのでん粉含有率 (2014) プレスハム及びソーセージのでん粉含有率測定手順書 独立行政法人農林水産消費安全技術センター 1. 適用範囲 この測定方法は 日本農林規格に定めるプレスハム及びソーセージに適用する 2. 測定方法の概要試料 5 g から水酸化カリウムエタノール溶液

“にがり”の成分や表示等についてテストしました

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万八千六百円 ) 3 現に機関登録を受けている者が他の機関登録を受けようとする場合における法第十四条第一項の政令で定める額は 前二項の規定にかかわらず 同条第一項の農林水産省令で定める各区分について 当該各区分が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める額とする 一法第二条第二項

Microsoft Word - basic_15.doc

平成 28 年 3 月 25 日公表平成 25 年度 農業 食料関連産業の経済計算 - 農業 食料関連産業の国内生産額は 97.6 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果の概要 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 25 年度における農業 食料関連産業の国内生産額は 97 兆 5,777 億円

2 回収台数の推移 (2) 再資源化実績 1 平成 23 年度実績 製品区分処理量 (t) 処理台数 ( 台 ) 再資源化量 (t) 再資源化率 (%) 法定目標 (%) 1, ,907 1, (1,964) (181,617) (1,495) (76.1)

イ果実果実 ( 濃縮果汁を除く 以下この項において同じ ) の名称を表示する なお 三種類以上の果実を使用した場合は 使用量が上位三位以下の果実の名称を その他果実 と表示することができる ロ濃縮果汁濃縮果汁を希釈したものは 濃縮還元 果汁 と 濃縮果汁を希釈していないものは 濃縮 果汁 と表示する

「住宅リフォーム実例調査」および「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査」について(案)

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

平成 23 年 11 月 17 日 問い合わせ先 国土交通省土地 建設産業局土地市場課課長補佐松本浩 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 ( 平成 23 年 9 月調査 ) の結果について 1. 調査目的 本調査

社団法人日本生産技能労務協会

平成18年2月

参考 調査員調査の対象者へのアンケート ( 平成 21 年 4 月実施 ) の概要 1 目的総務省統計局が調査対象者から直接 調査員調査の実施状況を把握し 平成 20 年度の委託業務の中で調査員調査の検証を行うとともに 今後の民間調査機関への指導についての参考資料を得る また 本アンケートでは 回答

平成 24 年 5 月 1 日 問い合わせ先 国土交通省土地 建設産業局土地市場課課長補佐松本浩 係長長瀨裕太代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 ( 平成 24 年 3 月調査 ) の結果について 1. 調査目的 本調査は

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

DNA/RNA調製法 実験ガイド

HACCP 自主点検リスト ( 一般食品 ) 別添 1-2 手順番号 1 HACCP チームの編成 項目 評価 ( ) HACCP チームは編成できましたか ( 従業員が少数の場合 チームは必ずしも複数名である必要はありません また 外部の人材を活用することもできます ) HACCP チームには製品

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ

ビール系飲料の輸入

従来の実施状況に関する情報の開示 別添 2 1 政府所有米穀の販売等業務委託契約の状況 (1) 参加者数契約年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 30 年度 参加申込者数 5( うち1 共同企業体 ) 6( うち1 共同企業体 ) 6( うち1 共

資料2発酵乳


2 回収台数の推移 (2) 再資源化実績 1 平成 22 年度実績 製品区分 処理量 (t) 処理台数 ( 台 ) 再資源化量 (t) 再資源化率 (%) 法定目標 (%) 1, ,617 1, (1,935) (171,493) (1,488) (76,9) 50 46

6 学校給食での地場産物活用に当たっての課題 学校給食における市町村産食材等の利用に関する調査 において 市町村に対し 学校給食で地場産物の活用を促進する上での課題について 市町村産食材と道産食材について それぞれ伺ったところ 次のような結果となりました 学校給食への地場産食材利用促進上の課題 関係

企業経営動向調査0908

web サイトを利用する方法に移行することとしているところです これに伴い 指定糖 輸入異性化糖について1 回の輸入につき複数の機構売買を要する場合に別葉で承諾書を発行していたものを1 枚の承諾書で発行できるよう 砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律に基づく指定糖 異性化糖等及び指定でん粉等の輸入通

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果実飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則(平成30年8月)

1 牛肉の仕入実態 (1) 牛肉の仕入先やの国産牛肉 輸入牛肉の仕入先は 大手食肉卸 中小食肉卸 が多くなっている 和牛和牛の仕入先は 中小食肉卸 (41.8%) 大手食肉卸(37.0%) 卸売市場(13.6%) の順となっている は 大手食肉卸 (45.6%) が多く は 中小食肉卸 (48.8%

バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の

目次 アンケート回答者属性 企業向けアンケート 弁理士向けアンケートの回答者属性 P2 1. 標準化 1-1 企業 P3 1-2 弁理士 P7 2. データの取扱い 2-1 企業 P 弁理士 P14 本調査研究の請負先 : 株式会社サンビジネス 1

IR 活動の実施状況 IR 活動を実施している企業は 96.6% 全回答企業 1,029 社のうち IR 活動を 実施している と回答した企業は 994 社 ( 全体の 96.6%) であり 4 年連続で実施比率は 95% を超えた IR 活動の体制 IR 専任者がいる企業は約 76% 専任者数は平

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平成 30 砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し 表 -1: 砂糖の需給見通し期間平成 29 砂糖年度項目 ( 実績見込み ) ( 単位 : 千トン ) 平成 30 砂糖年度 10 月 -12 月 1 月 -3 月 4 月 -6 月 7 月 -9 月 合計 消 分蜜糖 1,

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2 回収台数の推移 回収台数の推移 1, 回 収 台 数( 千 台)30

平成18年2月

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資料 9 異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の日本農林規格に係る規格調査結果 独立行政法人農林水産消費安全技術センター 1 品質の現況 (1) 製品の流通実態異性化液糖は でん粉を原料に製造される甘味料である 低温でより甘みが増すことから 清涼飲料水 氷菓子等に使用されている また 砂糖の代替甘味料としてパン 調味料等にも幅広く使用されている 使用先のほとんどがメーカー向けの原料であることから 消費者が直接使う機会はない 異性化液糖は 主に果糖とぶどう糖の混合品であるため 甘みの質はしょ糖と異なる 異性化液糖は 果糖含有率 ( 糖のうちの果糖の割合 ) の違いによって ぶどう糖果糖液糖 果糖ぶどう糖液糖 及び 高果糖液糖 に分けられる 1 ぶどう糖果糖液糖は 果糖含有率が 50% 未満のもの 2 果糖ぶどう糖液糖は 果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のもの 3 高果糖液糖は 果糖含有率が 90% 以上のもの 砂糖混合異性化液糖は 3 種類に分けられる 1 砂糖混合ぶどう糖果糖液糖は ぶどう糖果糖液糖の糖の量を超えない量の砂糖を加えたもの 2 砂糖混合果糖ぶどう糖液糖は 果糖ぶどう糖液糖の糖の量を超えない量の砂糖を加えたもの 3 砂糖混合高果糖液糖は 高果糖液糖の糖の量を超えない量の砂糖を加えたもの -1-

(2)JAS 規格の基準 JAS 規格で定められている主な品質項目は 以下のとおり 表 1 品質項目及びその設定理由 品質項目設定理由 糖 分 糖分は重要な品質指標であることから 一定量 (70%) 以上 含まれることを規定 電気伝導率灰分 精製度を示す品質指標のため規定 果 糖 含 有 率 甘み度に関連するものであり 異性化液糖の主成分である果糖 が一定以上含まれることを規定 糖のうちのぶどう糖及でん粉を酸又はアミラーゼ等で加水分解し液状ぶどう糖とするび果糖以外の還元糖のが この液状ぶどう糖は10% 程度のその他の還元糖 ( マルト割合ース等 ) を含有する 異性化液糖の原料である液状ぶどう糖に純度の高いものを使用することは 異性化液糖の純度に直結するため規定 水素イオン濃度 異性化液糖は 酸性条件下では安定 アルカリ条件下では不安定という性質がある このため 異性化液糖の品質の安定性を保持できる酸性の範囲を維持するために上限値を また経時変化の指標として下限値を規定 着色度保存中に徐々に褐変することから その指標として規定 濁 度 濁りの原因となる微量の不溶化物が 精製工程で除去されてい ることを担保するために規定 (3) 品質の実態異性化液糖は 缶 タンクローリー 液体コンテナーで業者間で取引される 取引先の要望により ぶどう糖及び果糖以外の還元糖の割合 が JAS 規格の基準を満たしていない製品も存在している 異性化液糖は 全て業者間で取引されるもので 消費者向けの製品はない なお 異性化液糖の加工品 ( コーヒーシロップなど ) には 消費者向けの製品がある JAS 品とそれ以外のもの ( 以下 非 JAS 品 という ) の品質差を確認するために JAS 規格で規定している項目について調査を行った 糖分 及び 糖のうちのぶどう糖及び果糖以外の還元糖の割合 について 非 J AS 品で規格値を満たしていない製品があった 別添 2 2 生産の現況 (1) 生産の状況 -2-

1 生産方法異性化液糖は ぶどう糖と果糖を主成分とする液状の糖であり とうもろこし ばれいしょあるいは甘しょなどのでんぷんを原料としている 一般的な製造方法は以下のとおり コーンスターチ等の精製でん粉 酵素反応 (α-アミラーゼ) 液 化 酵素反応 ( グルコースイソメラーゼ ) 糖 化 ろ 過 脱色 ろ過 脱 塩 脱色 ろ過 濃 縮 ぶどう糖液 酵素反応 ( イソメラーゼ ) 異 性 化 脱色 ろ過 脱 塩 濃 縮 クロマト分離 ぶどう糖果糖液糖 高果糖液糖 果糖 : 約 42% 果糖 : 約 92% 果糖ぶどう糖液糖果糖 : 約 55% 2 生産量平成 22 年の生産数量は112.8 万トンであり 過去 5 年間大きな変動はない 表 2 生産数量の推移 ( 平成 18 年 ~ 平成 22 年 ) -3-

平成 18 年平成 19 年平成 20 年平成 21 年平成 22 年 異性化液糖生産数量 944 960 968 912 950 ( 千トン )(A) 砂糖混合異性化液 172 183 181 175 178 糖生産数量 ( 千ト ン )(B) 合計 ( 千トン ) 1,116 1,143 1,149 1,087 1,128 (A)+(B) 特記事項 製造事業者数は 16 社である ( 平成 22 年現在 ) 国内生産数量 : 農林水産省 ( 生産局農産部地域作物課 ) 調べ ( 砂糖年度 :10 月 ~9 月 ) 製造事業者数 : 日刊経済通信社調べ (2) 格付の状況異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の認定製造業者数は平成 24 年 6 月現在 15 であり 格付数量は過去 5 年間大きな変動はなく 格付率は 90% 以上を維持している また 全ての認定製造業者において平成 22 年度に JAS 格付を実施しており 上位 5 者で全格付数量の 79% を占めている JAS 格付は 業務用の製品のみに対して行われている JAS 格付の内訳は 果糖ぶどう糖液糖が約 63% で半数以上を占めている その次にぶどう糖果糖液糖が約 18% 砂糖混合ぶどう糖果糖液糖が約 12% である また 砂糖混合高果糖液糖については過去 3 年間格付実績がない 表 3 格付状況の推移 ( 平成 18 年度 ~ 平成 22 年度 ) 平成 18 年平成 19 年平成 20 年平成 21 年平成 22 年増減度 (A) 度 (B) 度 (C) 度 (D) 度 (E) (E)-(A) 認定製造業者数 14 14 14 14 15 1 格付数量 ( 千トン ) 1,056 1,081 1,081 1,026 1,067-11 格付率 (%) 94.6 94.6 94.1 94.4 94.6 0 特記事項 認定製造業者数は平成 24 年 6 月現在 15である 国内の認定製造業者全てがJAS 格付を実施している 上位 2 社は資本金が1 億円を超える大企業である -4-

認定製造業者数 格付数量 : 農林水産省 ( 消費安全局表示 規格課 ) 調べ格付率 (%): 格付数量 / 生産数量 100 表 4 種類別格付数量内訳 ( 平成 20 年度 ~ 平成 22 年度 ) 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 ( 千トン ) ( 千トン ) ( 千トン ) 異性化液糖 909 861 899 ぶどう糖果糖液糖 176 185 192 果糖ぶどう糖液糖 704 647 672 高果糖液糖 29 29 36 砂糖混合異性化液糖 172 165 168 ぶどう糖果糖液糖 126 122 126 果糖ぶどう糖液糖 46 43 42 高果糖液糖 0 0 0 農林水産省 ( 消費安全局表示 規格課 ) 調べ 表 5 認定製造業者別格付状況 ( 平成 22 年度 ) 認定製造業者 ( 上位 5 者 ) 当該製造業者の異性化液糖 全格付数量に対する割合 及び砂糖混合異性化液糖の (%) 格付数量 ( トン ) A 社 278,186 26.1 B 社 194,190 18.2 C 社 186,737 17.5 D 社 93,294 8.7 E 社 88,445 8.3 合計 840,852 78.8 当該製造業者の格付数量 : 財団法人日本穀物検定協会調べ -5-

(3) 規格の利用状況取引において JAS 品を指定されることから 製造においても JAS 規格を利用している状況であった 製造業者の 93% が規格は必要であるとしていた その主な理由は 規格化 標準化できるということであった 別添 1 3 取引の現況 (1) 取引の状況生産数量の全てが加工食品の原料等の業務用である 取引としては 卸業者を通じて販売されるものと相対取引のものがある 相対取引先は 飲料製造業者が主である (2) 規格の利用状況取引の際に JAS 品を指定される場合がある また 非 JAS 品においても JAS 規格値を引用する等 規格を利用している製造業者も存在している 4 使用又は消費の現況 (1) 使用又は消費の状況異性化液糖は 低温下において甘みが増すという特性をもっているため 清涼飲料水や冷菓などに多く利用される 用途別販売先は 清涼飲料 菓子類 パン類などの業界が主な取引先である (2) 規格の利用状況業務用のみであることから消費者が店頭で製品を目にすることはない 実需者は JAS 品を指定することで製造業者の差なく製品を使用できることをメリットとしていた 実需者の 76% が規格を必要としていた その理由は 規格による品質の保証を期待していた 別添 1 5 将来の見通し異性化液糖の生産数量は 過去 5 年間に大きな変動はなく今後も同様と見込まれる 認定製造者数と格付率についても同様に大幅な増減はないものと見込まれる 6 国際的な規格の動向平成 24 年 6 月現在 異性化液糖に関する CODEX 規格等国際的な規格は制定されていない 7 その他業界団体として 業界内の連絡調整を行う日本スターチ 糖化工業会 ( 会員 11 社 ) 及び全日本糖化工業会 ( 正会員 6 社 ) がある -6-

別添 1 第 1 アンケートによる調査 1 調査期間平成 22 年 9 月 21 日 ~10 月 12 日 利用実態調査の結果 2 調査内容異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の JAS 規格の見直しに資するため 当該 JAS 規格に関する意見をアンケート形式で聴取した 3 調査件数 調査先 調査数 回答数 回答率 実需者 390 221(181) 56.7% パン製造業者 19 13(12) 68.4% 菓子製造業者 59 26(16) 44.1% 飲料製造業者 285 161(137) 56.5% ジャム類製造業者 27 21(16) 77.8% 製造業者 15 14 93.3% ( ) 内は それぞれの調査対象のうち異性化液糖及び砂糖異性化液糖の取扱いがあると回答し た数 * 実需者の内訳パン製造業者 : 社団法人日本パン工業会の会員菓子製造業者 : 全日本菓子協会の会員飲料製造業者 : 一般社団法人全国清涼飲料工業会及び社団法人日本果汁協会の会員 一般財団法人日本清涼飲料検査協会の認定製造業者 4 調査結果 * 集計方法 有効回答数 ( 無回答などを除く ) のみで集計 4-1 異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の生産状況 回答のあった14 者すべて異性化液糖を製造しており 12 者がJAS 格付をしていた 砂糖混合異性化液糖は 13 者が製造しており 12 者がJAS 格付をしていた ( 選択回答 ) 製造実態がある JAS 格付がある 異性化液糖 14 12 砂糖混合異性化液糖 13 12 4-2 異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の JAS 規格の利用状況回答のあった実需者 221 者のうち 83% が異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖を使用していた -7-

業種別に見ると パン製造業者 飲料製造業者が多く利用している ( 選択回答 ) 使用実態がある 使用実態がない 使用の割合 実需者 181 36 83.4% パン製造業者 12 1 92.3% 菓子製造業者 16 9 64.0% 飲料製造業者 137 21 86.7% ジャム類製造業者 16 5 76.2% 4-3 異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖のJAS 規格の必要性及びその理由 使用実態があった実需者の76% が規格を必要としていた 製造業者の93% が規格を 必要としていた 実需者中で パン製造業者及び飲料製造業者が特に必要とした割合が多かった ( 選択回答 ) 必要 不要 必要の割合 実需者 159(139) 50(39) 76.1%(78.1%) パン製造業者 10(10) 2(1) 83.3%(90.9%) 菓子製造業者 13(9) 11(6) 54.2%(60.0%) 飲料製造業者 123(110) 30(26) 80.4%(80.9%) ジャム類製造業者 13(10) 7(6) 65.0%(62.5%) 製造業者 13 1 92.9% * 括弧内は 使用実態がある実需者の数 実需者が JAS 規格が必要であるとした一番多い理由は 規格による品質の保証であった 製造業者は 規格化 標準化できるという理由で JAS 規格を必要としていた ( 自由回答 ) 実需者 製造業者 品質の保持 31 - 表示 品質について 24 - 品質差の抑制 22 - 選択の目安 16 3 規格化 標準化 14 8 安心 安全 信頼 13 - 品質の区別 0 3 納入条件 - 2 その他 16 1 4-4 異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の JAS 規格の改正要望実需者及び製造業者から測定方法に関して改正要望があった 測定方法 ( 異物 ) 異物の検査方法をより具体的にすべき ( 実需者 ) 測定方法 ( 糖分 ) -8-

糖分の測定方法が日常的に使用するには煩雑であり 日常的に使えるよう改正してほしい ( 製造業者 ) 第 2 聞取り ( ヒアリング ) による調査 1 調査期間平成 22 年 3 月 3 日 ~ 平成 22 年 9 月 17 日 2 調査の対象及び内容異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の日本農林規格の見直しに資するため 認定製造業者 (5 社 ) 登録認定機関 (1 機関 ) 及び業界団体 (2 社 ) に対し 現行規格に対する要望等について聞取り ( ヒアリング ) による調査を行った 3 調査結果異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の日本農林規格の改正要望について特になし -9-

別添 2 1 調査期間平成 22 年 5 月 6 日 ~11 月 30 日 品質実態調査の結果 2 調査内容異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖の JAS 規格の見直しに資するため 当該 JAS 規格に規定されている品質項目等の分析を行った 調査対象は JAS マークの付された製品 ( 以下 JAS 品 という ) 及び JAS マークの付されていない製品 ( 以下 非 JAS 品 という ) とした 3 調査件数 JAS 品 非 JAS 品 合計 異性化液糖 16 2 18 砂糖混合異性化液糖 22 1 23 4 調査結果 4-1 糖分 (%) 非 JAS 品 1 件が JAS 規格を満たしていなかった 異性化液糖 JAS 品 16 76.0 76.9 75.6 70 % 以上 非 JAS 品 2 71.2 76.3 66.1 砂糖混合異性化液糖 JAS 品 22 76.1 77.3 75.4 非 JAS 品 1 76.7 - - 4-2 電気伝導率灰分 (%) 全製品が JAS 規格を満たしていた 異性化液糖 JAS 品 16 0.008 0.017 0.000 0.05 % 以下 非 JAS 品 2 0.010 0.014 0.006 砂糖混合異性化液糖 JAS 品 22 0.007 0.018 0.000 非 JAS 品 1 0.006 - - -10-

4-3 果糖含有率 (%) 全製品が JAS 規格を満たしていた 異ぶどう糖果糖液糖 JAS 品 9 41.9 43.9 38.6 35 % 以上 性 (50 % 未満 ) 非 JAS 品 1 35.5 - - ( かつ表 化果糖ぶどう糖液糖 JAS 品 6 56.3 58.3 55.1 示に適合 ) 液 (50 % 以上 90 % 未満 ) 非 JAS 品 1 57.8 - - 糖高果糖液糖 JAS 品 1 95.7 - - (90 % 以上 ) 非 JAS 品 0 - - - 4-4 糖のうちのぶどう糖及び果糖以外の還元糖の割合 (%) 非 JAS 品 ( 果糖含有率 40% 未満 )1 件が JAS 規格を満たしていなかった 果糖含有率 異性化液 40 % 未満 JAS 品 2 13.8 14.1 13.5 15 % 以下 糖 非 JAS 品 1 20.6 - - 40 % 以上 JAS 品 7 5.0 8.0 3.1 8 % 以下 50 % 未満 非 JAS 品 0 - - - 50 % 以上 JAS 品 7 4.0 5.8 1.0 6 % 以下 非 JAS 品 1 1.8 - - 4-5 糖のうちの砂糖の割合 (%) 全製品が JAS 規格を満たしていた 砂糖混合異性化液糖 JAS 品 22 25.2 51.1 10.0 10 % 以上 ( か 非 JAS 品 1 16.0 - - つ表示に適合 ) 4-6 水素イオン濃度全製品が JAS 規格を満たしていた 異性化液糖 JAS 品 16 4.28 5.23 3.83 3.5 以上 6.0 以 非 JAS 品 2 4.23 4.40 4.05 下 砂糖混合異性化液糖 JAS 品 22 4.30 4.78 3.85 非 JAS 品 1 4.33 - - -11-

4-7 着色度全製品が JAS 規格を満たしていた 異性化液糖 JAS 品 16 0.030 0.060 0.000 0.20 以下 非 JAS 品 2 0.031 0.057 0.004 砂糖混合異性化液糖 JAS 品 22 0.026 0.057 0.000 非 JAS 品 1 0.052 - - 4-8 濁度全製品が JAS 規格を満たしていた 異性化液糖 JAS 品 16 0.005 0.018 0.000 0.15 以下 非 JAS 品 2 0.003 0.004 0.001 砂糖混合異性化液糖 JAS 品 22 0.007 0.045-0.001 非 JAS 品 1 0.000 - - -12-