1 FP3 級資格 ( 国家資格 ) 合格対策講座 明治大学リバティーアカデミー 第 3 章年金 社会保険 小林労務管理事務所社会保険労務士小林優美子
老齢基礎年金の受給資格期間の改正 ( 平成 29 年 8 月 1 日より ) 国民年金の保険料納付済期間 + 保険料免除期間 + 合算対象期間 ( カラ期間 ) = 10 年以上 重要 受給資格期間が 25 年 10 年 に短縮されました 受給資格期間が 25 年未満で 今まで受給できなかった人が 年金を受給できるようになりました 老齢厚生年金の受給額 ( 計算式 ) 年金額 = 1 定額部分 + 2 報酬比例部分 (+ 加給年金額 ) 1 定額部分 1,625 円 生年月日に応じた率 被保険者期間の月数 2 報酬比例部分 (1) 平均標準報酬月額 1000 分の 9.5~1000 分の 7.125 平成 15 年 3 月までの被保険者期間月数 平成 15 年 3 月以前と 4 月以後では 生年月日に応じる乗率が違うことに注意しましょう! (2) 平均標準報酬額 1000 分の 7.308~1000 分の 5.481 平成 15 年 4 月以降の被保険者期間月数 賞与額 ( 標準賞与額 ) も含み計算される 2
厚生年金の加給年金額 ( 平成 30 年度 ) 厚生年金期間と共済組合期間を合わせて 20 年 (240 月 ) 以上加入している受給権者に対して 対象者加給年金額年齢制限 配偶者 224,300 円 65 歳未満の配偶者 1 人目の子 224,300 円 18 歳到達年度の末日 (3 月 31 日 ) までの間の子 ( 高校卒業年度 ) 2 人目の子 224,300 円 20 歳未満の1 級 2 級の障害状態にある子 3 人目以降の子 74,800 円 20 歳以上で1 級 2 級の障害状態にある子は 自身が障害基礎年金を受けることができるようになるため 老齢厚生年金の配偶者特別加算 ( 平成 30 年度 ) 老齢厚生年金のみ配偶者が 65 歳になるまで加算 その後振替加算 受給権者の生年月日 加給年金額 特別加算額 加給年金の合計額 昭和 9 年 4 月 2 日 ~ 昭和 15 年 4 月 1 日 33,100 円 257,400 円 昭和 15 年 4 月 2 日 ~ 昭和 16 年 4 月 1 日 66,200 円 290,500 円 昭和 16 年 4 月 2 日 ~ 昭和 17 年 4 月 1 日 224,300 円 99,300 円 323,600 円 昭和 17 年 4 月 2 日 ~ 昭和 18 年 4 月 1 日 132,300 円 356,600 円 昭和 18 年 4 月 2 日以後 165,500 円 389,800 円 障害基礎年金 障害厚生年金の額 ( 平成 30 年度 ) 障害の程度 障害基礎年金 1 級 974,125 円 + 子の加算 2 級 779,300 円 + 子の加算 支給される年金 手当金 障害厚生年金 ( 報酬比例部分の年金額 ) 1.25 + ( 配偶者の加給年金額 ) 224,300 円 ( 報酬比例部分の年金額 ) + ( 配偶者の加給年金額 ) 224,300 円 3 級なし ( 報酬比例部分の年金額 ) 最低保障 584,500 円 障害手当金 なし 一時金 ( 報酬比例部分の年金額 ) 2 最低保障 1,169,000 円 3
老齢基礎年金の繰上げ受給 ( マイナス 0.5%1 ヵ月 : 最大マイナス 30%) 希望すれば 60 歳から 65 歳になるまでの間に繰り上げて老齢基礎年金をうけとることができる 繰上げ受給の請求時点 ( 月単位 ) に応じて 年金額が減額され 減額された額は一生変わらない 障害の程度が重くなった場合に 障害基礎年金を受け取ることができない 寡婦年金を受け取ることができない 国民年金に任意加入できない 保険料の追納できない 老齢基礎年金の繰下げ受給 ( プラス 0.7%1 ヵ月 : 最大プラス 42%) 希望すれば 66 歳以降 70 歳まで繰り下げて老齢基礎年金を受け取ることができる 他の公的年金 ( 老齢厚生年金は除く ) をうけられるときには 繰下げできない 60 歳繰上げ 545,510 円 / 年額 マイナス 30%(0.5% 60 月 ) 繰上げ期間 65 歳本来受給 779,300 円 / 年額 66 歳以降繰下げ プラス 42%(0.7% 60 月 ) 繰下げ期間 1,106,606 円 / 年額 60 歳 65 歳 70 歳 ( 特別支給 ) 老齢厚生年金の繰上げ受給 ( マイナス 0.5%1 ヵ月 : 最大マイナス 30%) 昭和 28 年 ( 女性は昭和 33 年 )4 月 2 日以降生まれの人が受ける特別支給の老齢厚生年金は 希望すれば 60 歳から受給開始年齢の前月になるまでの間繰り上げて受け取れる 昭和 28 年 ( 女性昭和 33 年 )4 月 2 日以降生まれの人の年金受給開始年齢は 61 歳からになる 老齢基礎年金と合わせて繰上げ受給請求をすること 老齢厚生年金のみを繰上げることはできない 65 歳になるまで 遺族厚生 ( 遺族共済 ) 年金と同時にうけることができない ( 本来支給 ) 老齢厚生年金の繰下げ受給 ( プラス 0.7%1 ヵ月 : 最大プラス 42%) 希望すれば 66 歳以降 70 歳まで繰り下げて老齢厚生年金を受け取ることができる 65 歳に達した日から 66 歳の誕生日の前日までの間に 障害厚生年金 などの年金を受ける権利を得たことがあるときは 申出はできない 4
遺族基礎年金の額 遺族基礎年金 779,300 円 例 ) 遺族が妻と子供 3 人のとき加給年金あり年金額 1,302,700 円第 1 子 (17 歳 ) 224,300 円子 (19 歳 ) 0 円 2 年後第 2 子 (14 歳 ) 224,300 円第 1 子 (16 歳 ) 224,300 円第 3 子 (10 歳 ) 74,800 円第 2 子 (12 歳 ) 224,300 円 遺族年金をもらえる人ともらえる年金の種類 受給順位 1 2 3 4 遺族 子のある妻子のある 55 歳以上の夫 子 子のない妻 子のない 55 歳以上の夫 55 歳以上の父母 孫 55 歳以上の祖父母 遺族年金の種類 遺族基礎年金 遺族基礎年金 中高齢の寡婦加算 - - - - 中高齢の寡婦加算 妻が 40 歳から 65 歳の間 (584,500 円 / 年額 ) に加算夫の死亡後に 40 歳になったとき子 ( 遺族基礎年金の対象となった ) のいた妻にも加算遺族基礎年金が支給されているときは支給されない 夫の死亡当時 30 歳未満で 子のない妻 平成 19 年 4 月 1 日以降は 5 年間のみ受給できる 夫 父母 祖父母 死亡時に 55 歳以上であること ( 支給は 60 歳から ) ただし 夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り を受給できる 子 孫 18 歳になった最初の 3 月 31 日までの間にあるか 20 歳未満で 1 級又は 2 級の障害の状態にあること 5
第 号被保険者 保険の種類 介護保険 被保険者の名称要件年齢 第 1 号被保険者市区町村に住所を有する 65 歳以上 第 2 号被保険者 市区町村に住所を有する医療保険加入者 40 歳以上 65 歳未満 第 1 号被保険者日本国内に住所を有する 20 歳以上 60 歳未満 国民年金 第 2 号被保険者 厚生年金保険被保険者 改正 ( 会社員 共済組合員 ) 平成 27 年 10 月からの被用者年金制度一元化により 共済組合の加入者も厚生年金の被保険者となった 70 歳未満 第 3 号被保険者第 2 号被保険者の被扶養配偶者 20 歳以上 60 歳未満 国民年金の保険料額月額 16,340 円 ( 平成 30 年度 : 前年 150 円 )( 平成 29 年度 16,490 円平成 31 年度 16,410 円前年 +70 円 ) 納付特例 前納の割引 (2 年 ( 平成 28 年 4 月より ) 12 ヵ月分 6 ヵ月分 ) 口座振替による割引 それぞれ割引率は異なる納付方法 : クレジットカード コンビニ インターネットバンキング ペイジー ドラッグストア スーパーマーケット 年金の 加算 老齢厚生年金経過的加算 65 歳から 老齢基礎年金振替加算 65 歳から 中高齢の寡婦加算 40 歳から 65 歳未満 経過的 ( 中高齢 ) 寡婦加算 65 歳から 年金の裁定請求先第 1 号被保険者第 2 号被保険者第 3 号被保険者 第 1 号被保険者の期間のみ ( 国民年金のみ ) の場合住所地の市区役所 町村役場 勤務先の管轄の年金事務所または住所地の管轄の年金事務所 住所地の管轄の年金事務所 6
国民年金第 1 号被保険者のみ 国民年金基金いずれか付加年金 ( ふかねんきん ) 掛金は加入の年齢 (20 歳から 60 歳 ) により異なる 将来の年金の額は決まっている 遺族一時金あり H25.4.1 より任意加入者も加入できる 年金給付額 : 月額 2 万円から 保険料月額 :400 円 ( 国民年金保険料に付加して納める ) 付加年金額 :200 円 付加年金保険料納付月数 (40 年納めた場合 200 円 480 月 =96,000 円 ( 年額 )) 総支払保険料額 400 円 480 月 =192,000 円付加保険料を納めた分は 2 年間でモトが取れます! 老齢厚生年金の離婚時の分割 請求は離婚等の翌日から 2 年以内に! 合意分割制度 ( 平成 19 年 4 月 1 日以後 ) 3 号分割制度 ( 平成 20 年 4 月 1 日以後の期間 ) 離婚や婚姻の取消等をし 当事者間の合意や裁判手続により按分割合を定めたときその当事者の一方からの請求によって 婚姻期間等の標準報酬を分割することができる制度 平成 20 年 5 月 1 日以後に離婚等をしたとき国民年金の第 3 号被保険者からの請求によりの相手の第 2 号被保者の厚生年金の標準報酬を 2 分の 1 ずつ 分割することができる制度 ねんきん定期便 ( 平成 21 年 4 月より ) 厚生年金保険 国民年金保険の自分の年金の加入記録を確認できるように 下記の年金個人情報を定期的に提供するもの すべての被保険者に毎年 1 回 誕生月に日本年金機構から発送される 節目年齢時 (35 歳 45 歳 59 歳 ) 下記 1~6の記録 節目年齢時以外の下記 1~3について 現在までの記録 5 及び6については 直近一年分 1 年金加入期間 2 年金見込額 3 保険料の納付額 4 年金加入履歴 5 厚生年金のすべての期間の月毎の標準報酬月額 賞与額 保険料納付額 6 国民年金のすべての期間の月毎の保険料納付状況 7
老齢基礎年金の計算方法 ( 例題 2015 年度 1 月 (2016 年 1 月実施 ) 実技問題 : 問題 : 配点 4 点 ) ( 問 ) 個人事業主の A さん ( 昭和 42 年 9 月 19 日生まれ :48 歳 ) は妻 (47 歳 ) と 2 人暮らし A さんが 60 歳に達するまで国民年金保険料を納付したとき 65 歳から受ける老齢基礎年金の額を試算 昭和 61 年 4 月平成 5 年 4 月平成 28 年 1 月平成 39 年 9 月 厚生年金保険被保険者期間 84 月 国民年金保険料納付済期間 :237 月保険料全額免除期間 :36 月 ( 平成 7 年 7 月 ~ 平成 10 年 6 月 ) 国民年金保険料納付予定期間 140 月 18 歳 25 歳 48 歳 60 歳 1) 779,300 円 2) 779,300 円 3) 779,300 円 444 月 +36 月 480 月 461 月 +36 月 480 月 461 月 +36 月 480 月 1 3 1 3 1 2 解説 < 保険料免除期間があるとき > 老齢基礎年金の年金額の計算では 免除期間の月数は 1 カ月としてカウントされません 保険料全額免除期間は 平成 21 年 3 月までは 3 分の 1 月平成 21 年 4 月からは 2 分の 1 月として計算されます ( 国庫負担分のみ支給 ) <20 歳前の厚生年金保険期間 > 20 歳前の厚生年金被保険者期間は 老齢基礎年金の被保険者期間として計算しません 20 歳になるのは 昭和 62 年 9 月 昭和 61 年 4 月から昭和 62 年 8 月までの 17 カ月を控除して計算します (84 月 -17 月 )+237 月 +140 月 =444 月 18 歳以降の期間がすべて計算されている 461 月は誤り 正解 1 ( 配点 4 点 ) 8
2016 年度 9 月実技問題 ( 問 ) 会社員の A さん (59 歳 ) は妻 (56 歳 ) と 2 人暮らし A さんは 6 年後に会社を退職する予定 今後及び退職後の保険等を相談した A さんの退職後の公的医療保険について正しいもの 加入する公的医療保険は 国民健康保険か現在の医療保険の任意継続被保険者になることのいずれである 任意継続被保険者になる手続きは 資格喪失の日から (1) 以内に行う必要があり 任意継続被保険者として健康保険に加入できる期間は 最長 (2) である 任意継続被保険者に対する保険給付は 在職時とほぼ同じですが 資格喪失後の継続給付に該当しないとき任意継続被保険者には (3) は支給されない 1.120 日 22 年間 3 傷病手当金 2.120 日 23 年間 3 高額療養費 3.130 日 23 年間 3 傷病手当金 正解 1 ( 配点 3 点 ) A さんの雇用保険の給付について誤っているもの 1.A さんが 60 歳以降も引き続き雇用保険の一般被保険者として会社に勤務し 60 歳以後の賃金月額が 60 歳到達時点の賃金月額の 85% 未満に低下したとき 雇用保険から高年齢雇用継続基本給付金が受けられる 2.A さんが会社を 65 歳以降に退職した場合 所定の手続きにより高年齢求職者給付金が受けられる 3. 雇用保険の一般被保険者である A さんは 自ら費用を負担して 自己啓発のために厚生労働大臣の指定する一般教育訓練を受講し修了した場合 一定の要件のもとに 教育訓練給付金を受給することができる 正解 1 ( 配点 4 点 ) 出生 20 歳就職 40 歳 60 歳退職 65 歳 70 歳 75 歳健康保険被扶養者被保険者任意継続 (2 年 ) のち国民健康保険後期高齢者介護保険第 2 号第 1 号国民年金第 1 号第 2 号 ( 任意加入 ) 年金受給老齢基礎年金 (65 歳から ) 国民年金 ( 繰上 )-0.5% ( 繰下 )+0.7% 厚生年金 特別支給の老齢厚生年金 老齢厚生年金 国民年金第 2 号被保険者の被扶養配偶者となったとき 国民年金第 3 号被保険者 となる 9