3. 学びのイノベーション事業 23 年度予定額 300 百万円 1. 事業の要旨 21 世紀を生きる子どもたちに求められる力を育む教育を行うためには 情報通信技術の 時間的 空間的制約を超える 双方向性を有する カスタマイズを容易にするといった特長を生かすことが重要である 子どもたちの学習や生活の主要な場である学校において その情報化を推進し 教員がその役割を十分に果たした上で 情報通信技術を活用し その特長を生かすことによって 子どもたち一人一人の能力や特性に応じた学びを構築していくとともに 子どもたち同士が教え合い学び合う協働的な学びを創造し また 教員間の情報の共有によるきめ細かな指導を展開していくことができる ( 学びのイノベーション ) このため 総務省と連携して 様々な学校種 子どもたちの発達段階 教科等を考慮して デジタル教科書 教材の提供 一人一台の情報端末 デジタル機器 無線 LAN 教員へのサポート体制の在り方等に関する総合的な実証研究を行うものである また 各地域における情報通信技術の教育活用の好事例等の収集や普及 教育の情報化に関する実態調査 先進国の教育における情報通信技術の活用状況等についての調査を行う 2. 事業の内容 (1) 情報通信技術活用実証研究 270 百万円 21 世紀を生きる子どもたちに求められる力を育む教育を実現するために 学校種 ( 小学校 中学校 特別支援学校 ) 発達段階 教科等に応じ モデルコンテンツの開発や デジタル教科書 教材 情報端末等を利用した指導方法の開発等の効果 影響を検証するとともに 教員へのサポート体制の在り方を検討するなど総合的な実証研究を行う ( 総務省 フューチャースクール推進事業 と連携 ) モデルコンテンツの開発小学校 = 理科 社会 中学校 = 国語 数学 英語特別支援学校 = 障害種別に2テーマ 実証研究校小学校 10 校 中学校 8 校 特別支援学校 ( 小学部 中学部 )2 校 (2) 教育の情報化推進体制の整備 30 百万円 1 国内の情報通信技術活用好事例等の収集 普及 促進各地域における情報通信技術の教育活用の好事例等を収集し 全国の学校に普及 促進する 実践事業収録 10 事例 ( 小学校 5 校 中学校 5 校 ) 全国 5 ブロック発表会 2 教育の情報化の実態等に関する調査等学校における教育用情報機器等の整備状況や 教員の情報通信技術の活用指導力等に関する全国調査を実施するとともに 先進国における情報通信技術を活用した教育課程実施状況や デジタル教科書 教材の活用状況等について調査する 学校における教育用情報機器等の整備状況や教員の情報通信技術の活用指導力等に関する全国悉皆調査 先進国における情報通信技術の教育活用等に関する調査 (4 カ国程度 ) - 9 -
学びのイノベーション 知識基盤社会の進展 グローバル化を背景に 21 世紀を生き抜く力を子どもたちが身につけることが我が国の成長にとって必要不可欠 知識を活用し 幅広い知識と柔軟な思考力に基づく 新しい知や価値を創造し 発信できる能力の形成が重要 教育の情報化は 情報通信技術の特性を生かして 21 世紀にふさわしい学びの創造に貢献 情報通信技術の活用による学びのイノベーション 子どもたち一人一人の能力や特性に応じた学び ( 例 ) 子どもたち一人一人の能力や特性に応じた学び デジタルコンテンツ等の活用により 自らの疑問について深く調べたり 自分に合った進度で学習することが容易となる また 一人一人の学習履歴を把握することにより 個々の理解や関心の程度に応じた学びを構築 一方向 一斉授業による学びが中心 時間的空間的制約を超越 双方向性 カスタマイズが容易 多様かつ大量の情報の蓄積 共有 分析が可能 子ども同士が教え合い学び合う協働的な学び 教員全員のかかわりと情報共有によるきめ細かな指導 ( 例 ) 子ども同士が教え合い学び合う協働的な学び 情報端末や提示機器等を活用し 教室内の授業や他地域 海外との交流授業において 子ども同士による意見交換 発表など お互いを高め合う 学び を通して 思考力 判断力 表現力等を育成 ( 例 ) 教員全員のかかわりと情報共有によるきめ細かな指導 校務の情報化により 教員全員が子どもたちの よいところ を見つけ 共有することが容易となり これを通知表等で示すことにより 子どもの意欲向上や保護者からの信頼が深まる また ネットワークを通じ 全国の教員と教材や指導事例等を情報共有することで よりよい授業を構築 新たな情報通信技術戦略 H22 年 5 月 11 日 IT 戦略本部決定 情報通信技術を活用して 21 世紀にふさわしい学校教育を実現 新成長戦略 H22 年 6 月 18 日閣議決定 子ども同士が教え合い 学び合う 協働教育 の実現など 教育現場における情報通信技術の利活用によるサービスの質の改善や利便性の向上 教育の情報化ビジョン ( 骨子 ) H22 年 8 月文部科学省 - 10 -
学びのイノベーション事業 23 年度予定額 300 百万円 学びの推進基盤の確立 21 世紀を生きる子どもたちに求められる力を育む教育を実現するために 様々な学校種 子どもたちの発達段階 教科等を考慮して デジタル教科書 教材の提供 一人一台の情報端末 デジタル機器 無線 LAN 教員へのサポート体制の在り方等に関する総合的な実証研究を実施 小学校 (10 校 ) ( 理科 社会 )*1 中学校 (8 校 ) ( 国語 数学 英語 ) 総務省のフューチャースクールと連携 *2 特別支援学校 (2 校 ) ( 障害種別に 2 テーマ ) *1 小学校の国語 算数 外国語活動 ( 英語 ) のモデルコンテンツについては H22 補正予算により開発中 *2 文部科学省は 主としてソフト ヒューマン 教育面から 総務省は 主としてハード インフラ 情報通信技術面から実施 学びの場における情報通信技術の活用実証研究 学校種 発達段階 教科等に応じた効果 影響の検証 モデルコンテンツの開発 デジタル教科書 教材 情報端末等を利用した指導方法 一人一台情報端末に必要な機能の選定 抽出等の開発 学びの知的基盤の確立 教員同士が教材を共有等してよりわかりやすく深まる授業を実現するため 教育の情報化に関する調査研究やその成果等の普及を図る 教育の情報化推進体制の整備 国内の情報通信技術活用好事例等の収集 普及 促進 教育の情報化の実態に関する調査等 - 11 -
4. 成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進 23 年度予定額 87 百万円 1. 事業の要旨産業構造 社会構造の変化等が進む中で 我が国経済社会の一層の発展を期すためには 経済発展の先導役となる産業分野や 新たな人材需要の高まりが予想される分野等への人材シフトを円滑に進めるとともに それらの人材が有する専門技術を高めていくことが必要不可欠である このため 産学間の連携 取組により 専門人材養成を戦略的に推進していく観点から 各成長分野における取組を先導する産学コンソーシアムを組織化し 中核的専門人材養成のための新たな学習システムの基盤を整備する 2. 事業の内容 (1) 企画推進委員会の設置教育関係者 産業界関係者 学識経験者等による企画推進委員会を文部科学省に設置し 委託テーマの設定 事業計画の審査 事業の進捗状況のフォローアップ及び事業成果の評価等を行う (2) 産学コンソーシアムによる取組の推進各成長分野における取組を先導する産学コンソーシアムを組織化し 産業界のニーズを踏まえた人材養成策の策定 各分野における教育の質保証の仕組みづくり 社会人等が学びやすい学習システムの導入促進 ( 学習ユニット積上げ方式 によるアクセスしやすい学習環境の提供等 ) に関する取組を展開する 推進する分野例 環境 エネルギー 食 農林水産 医療 健康 介護 保育等 クリエイティブ ( コンテンツ デザイン ファッション等 ) 観光 IT など - 12 -
成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進 平成 23 年度予定額 87 百万円 背景 産業構造 社会構造の変化等が進む中で 我が国経済社会の一層の発展を期すためには 成長分野等への人材シフトを円滑に進めるとともに その専門技術を高めていくことが不可欠 産学の連携により 専門人材養成を戦略的に推進するための新たな枠組みの整備が必要 新成長戦略 ( 平成 22 年 6 月閣議決定 ) キャリア段位制度 の導入 普及 ( 日本版 NVQ の創設 ) 実践キャリア アップ戦略 における大学 専門学校等の教育システムとの連携 専修学校への単位制 通信制の導入 専修学校での社会人受入れ総数 :15 : 万人 各成長分野における取組を先導する産学コンソーシアムを組織化し中核的専門人材養成のための新たな学習システムの基盤を整備 成長分野の人材需要等に応じ 教育機関に求められる課題と対応策を検証 実践的な職業能力を育成する効果的な学習体系の構築に向け 調査研究を推進 能力段階別に知識 技術の積み上げを行うための学習ロードマップを作成 産学間の情報交流の場を整備 専門学校等教育機関 職業訓練施設 産学コンソーシアム 産業界のニーズを踏まえた人材養成の策定 各分野における教育の質保証の仕組みづくり 社会人等が学びやすい学習システムの導入促進 ~ 学習ユニット積上げ方式 によるアクセスしやすい学習機会の整備に向けた基盤構築 業界団体 企業等 その他関係機関 推進する分野例 環境 エネルギー環境 エネルギー食 農林水産食 農林水産医療 健康医療 健康介護 保育等介護 保育等クリエイティブ ( クリエイティブテ サ イン ファッション ) 観 ( テ サ イン ファッション光 ) 観光 I T I T などなど 成長分野等の中核を担う専門人材の養成の活性化 職業教育の質の向上 多様な学習機会の充実 - 13 -
5. 全国生涯学習ネットワークフォーラム 23 年度予定額 58 百万円 1. 事業の要旨教育基本法第 3 条は 生涯学習の理念として 生涯にわたって あらゆる機会に あらゆる場所において学習することができ その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない と規定し 学習機会の整備とともに 学習成果の活用の促進を求めている その実現のため 行政 大学 NPO 等の団体 企業等の人々 ( 以下 関係者 という ) が各地で取り組んでいる 生涯学習活動の成果を生かして社会的課題の解決を図る取組 (= 新しい公共 による社会づくり ) を全国的に推進することが重要である 本事業では 全国生涯学習ネットワークフォーラムを開催し 関係者等が一堂に会し 課題について研究協議等を行いその成果を情報発信するとともに 継続的な活動を充実させ関係者相互の情報交換等を日常的に行えるよう 様々な分野にまたがる関係者等のネットワーク化を図ることを目的とする 2. 事業の内容 (1) 評価 検証委員会の設置等 8 百万円外部有識者からなる委員会を設け 優れた取組を行う団体等の審査を行う他 本事業の効果や課題等を検証 分析することにより 事業の改善に資する (2) 全国生涯学習ネットワークフォーラムの開催 50 百万円 1 全国生涯学習ネットワークフォーラム実行委員会フォーラム実施のための企画 運営等を行う実行委員会を組織する 2 全国生涯学習ネットワークフォーラム課題別テーマに応じて これまでの取組の成果報告 情報共有に加え 新たな手法の開発や今後の方向性等について研究協議を行い その成果を広く全国に情報発信するとともに 関係者等のネットワーク化を図る ア全体会 取組の現状と課題を確認 優れた取組の顕彰イ活動報告 ポスターセッション 各団体等の取組を報告ウテーマ別研究協議会 テーマごとに取組の成果報告 情報共有を行うことに加え 新たな手法開発 今後の方向性等についての研究協議等を実施エ総括とりまとめ テーマごとの研究成果の報告 継続のための新しい取組や提言等 - 14 -
全国生涯学習ネットワークフォーラム 教育基本法第三条生涯にわたって あらゆる機会に あらゆる場所において学習することができ その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない 学習成果の活用を促進する必要性 平成 23 年度予定額 58 百万円 生涯学習活動の成果を生かした社会的課題の解決を図る取組 ( 新しい公共 による社会づくり ) に関する研究協議等を通じ 取組の充実 拡大やネットワーク形成を推進 学校 行政 NPO 全国生涯学習ネットワークフォーラム 取組の成果報告 情報共有 研究協議 研究の成果を広く全国に情報発信 関係者等のネットワーク化 平成 23 年 10 月 15 日 ( 土 )~17 日 ( 日 ) 岩手県で開催予定 フォーラムの内容 全体会 取組の現状と課題を確認 優れた取組の顕彰 活動報告 ポスターセッション 各団体等の取組を報告 テーマ別研究協議会 テーマごとに取組の成果報告 情報共有や新たな手法開発 今後の方向性等についての研究協議等を実施 テーマの例 : 学校 家庭 地域の連携 生涯学習と地域活性化 若者のキャリア形成 人材育成 環境 ボランティア活動実践者 大学生涯学習関係団体 企業 総括とりまとめ テーマごとの研究成果の報告 継続のための新しい取組や提言等 生涯学習の成果を適切に生かすことができる社会の実現 新しい公共 による社会づくりの全国展開 新しい公共 の担い手の養成 - 15 -
6. 全国家庭教育支援研究協議会の開催 ( 前年度予算額 32 百万円 ) 23 年度予定額 27 百万円 1. 事業の要旨都市化 核家族化 少子化等による地域のつながりの希薄化や 親が身近な人から子育てや家庭教育を学ぶ機会の減少など 家庭教育を支える環境が大きく変化し 社会全体での支援の必要性が高まる中 すべての親が安心して家庭教育を行うことができるよう これまで 国として実施してきた手法の開発等の成果を活用し 今後は 地域のニーズや課題等の実情に応じた主体的な取組の促進を図ることとしている 一方 その促進にあたっては 現在政府で議論が進められている 子ども 子育て新システム の検討や 支援の担い手としての 新しい公共 の観点など 社会全体の子育て家庭への支援の方向性を踏まえる必要があるとともに 家庭の教育力の状況による学校教育等の子どもの教育環境への影響や 児童虐待の増加等の家庭をめぐる問題の複雑化等の課題を踏まえる必要があり こうした社会全体の動向や課題を踏まえた今後の家庭教育支援の在り方について 国として整理し示していく必要がある そのため 文部科学省に検討委員会を設置し その検討を行い指針等に取りまとめるとともに これらを踏まえつつ 地域住民 学校 行政 ( 教育 福祉関係機関 ) NP O 企業など 新しい公共 も含めた社会全体の協働による家庭教育支援の活性化を図るため 関係府省等とも連携した研究協議を行い 全国的な啓発を行う 2. 事業の内容 (1) 今後の家庭教育支援の在り方等検討委員会の設置 11 百万円 (14 百万円 ) 検討委員会の開催今後 地域の主体的な取組を支援していくにあたり 子ども 子育て新システム における幼児教育と保育との一体化による新たな指針 ( こども指針 ( 仮称 )) の方向性や 新たに作成された学校における生徒指導提要の方向性等を踏まえ 家庭教育と学校教育等との連携による教育活動の連続性や効果的な役割分担等について整理を行うとともに 男女共同参画や仕事と家庭 地域生活等の調和の推進の観点など 社会全体の動向を踏まえつつ 海外の先進事例等も活用した今後の家庭教育支援の在り方について検討する また 検討内容及び地域課題等の調査を踏まえ 手引きとなるハンドブックや指針等を作成し 地域人材をはじめ 学校 福祉 保育 子育て支援関係者 企業等へ提供する 地域課題等調査 家庭教育支援チーム の組織化など 地域の人的 組織的資源を活用した 新しい公共 による持続可能な仕組みをつくり 効果的な取組を展開する地域や 取組方策に課題を抱える地域 手法を模索する地域の実情等についてヒアリング調査を行い 地域が持続的かつ効果的な取組を行うにあたっての課題等について整理する (2) 全国研究協議会の開催 15 百万円 (18 百万円 ) 社会全体の動向や地域が取組を推進する際の課題等を踏まえつつ 国として 地域住民 学校 行政 ( 教育 福祉関係機関 ) NPO 企業など 新しい公共 も含めた社会全体の協働による家庭教育支援の活性化を図るため 関係府省やこれらの関係者が一同に会する機会を設け 社会全体の方向性や 海外事例 地域での効果的な取組事例等を活用した研究協議を行うとともに 家庭でのルールづくりを推進する取組を通じて 家庭教育の第一義的担い手である保護者に対し その重要性の啓発を行う - 16 -
(22 年度予算額 32 百万円 ) 全国家庭教育支援研究協議会の開催 23 年度予定額 27 百万円 趣旨 家庭教育を支える環境が大きく変化する中 国として 社会全体の動向や地域の課題等を踏まえた支援の在り方の検討や関係府省との連携による研究協議等を行い 新しい公共 も含めた社会全体の協働による家庭教育支援の活性化を図る 社会全体の動向 子ども 子育て新システムの方向性学校教育との連携 新しい公共 の支援の観点 幼児教育と保育の一体化による新たな指針 ( こども指針 ( 仮称 )) の方向性 ワークライフ バランスの推進の観点等 児童生徒の抱える問題背景の複雑化等に鑑み 新たに示された 生徒指導提要 における学校と家庭や地域との連携の重要性の視点を踏まえた方向性 新成長戦略に盛り込まれた 国民参加と 新しい公共 の支援 の視点を踏まえ 地域住民 学校 行政 NPO 企業等の協働による支援の方向性 必要な施策 今後の家庭教育支援の在り方の検討地域課題等調査 こども指針 ( 仮称 ) や 生徒指導提要の方向性等を基に 家庭教育と学校教育 地域との連携や役割分担等 今後の在り方について整理 取組に課題を抱える地域 手法を模索する地域の実情調査 家庭教育支援チームなど 新しい公共 による効果的な取組を調査 事例収集 支援者用指針 手引き等の編纂 全国家庭教育支援研究協議会の開催 社会の動向を踏まえた関係府省の連携 海外先進事例から学ぶ方向性 新しい公共でつながる社会全体での支援 地域の取組事例を活用した持続的かつ効果的な支援の在り方 家庭教育の一義的担い手である保護者への啓発 地域住民 学校 行政 NPO 企業等の社会全体の協働による家庭教育支援の活性化 - 17 -