Microsoft Word - 【プレスリリース・J】毛包再生非臨床 説明文 最終版.docx

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再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

九州大学病院の遺伝子治療臨床研究実施計画(慢性重症虚血肢(閉塞

医薬品説明会資料 ジェネリック (後発医薬品)

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

細胞です さらに 近年皮膚科領域で最も注目されている細胞としてこの毛母細胞を作りだす細胞である毛の幹細胞というものがあります この細胞はマウスで最初に発見されたものでマウスでは立毛筋が毛包に付着する部分に見つかりました ヒトではこれがやはり立毛筋付着部周辺にあることはわかっていますが マウスよりはよ

臨床評価とは何か ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構医療機器審査第一部方眞美

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査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回

( 平成 22 年 12 月 17 日ヒト ES 委員会説明資料 ) 幹細胞から臓器を作成する 動物性集合胚作成の必要性について 中内啓光 東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO 型研究研究プロジェクト名 : 中内幹細胞制御プロジェクト 1

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

動物用医薬品(医薬部外品)製造販売承認事項変更承認申請書

審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

【押印あり】日本医学会宛

Taro-再製造単回使用医療機器基準

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

を行った 2.iPS 細胞の由来の探索 3.MEF および TTF 以外の細胞からの ips 細胞誘導 4.Fbx15 以外の遺伝子発現を指標とした ips 細胞の樹立 ips 細胞はこれまでのところレトロウイルスを用いた場合しか樹立できていない また 4 因子を導入した線維芽細胞の中で ips 細

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

第 1 回 医薬品等ウイルス安全性シンポジウム

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

がん登録実務について

論文の内容の要旨

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背景 歯はエナメル質 象牙質 セメント質の3つの硬い組織から構成されます この中でエナメル質は 生体内で最も硬い組織であり 人が食生活を営む上できわめて重要な役割を持ちます これまでエナメル質は 一旦齲蝕 ( むし歯 ) などで破壊されると 再生させることは不可能であり 人工物による修復しかできませ

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

ごあいさつ バイオシミラーの課題 バイオ医薬品は 20 世紀後半に開発されて以来 癌や血液疾患 自己免疫疾患等多くの難治性疾患に卓抜した治療効果を示し また一般にベネフィット リスク評価が高いと言われています しかしその一方で しばしば高額となる薬剤費用が 患者の経済的負担や社会保障費の増大に繋がる

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「ヒトES細胞の樹立に関する指針」(案)及び「ヒトES細胞の分配及び使用に関する指針」(案)に関するパブリック・コメント(意見公募手続)の結果について

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長期/島本1

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

国立感染症研究所血液 安全性研究部 HBV-DNA 国内標準品及び HIV-RNA 国内標準品の力価の再評価のための共同研究 1. 背景と目的血液製剤のウイルス安全性の確保対策として実施されている原料血漿と輸血用血液のウイルス核酸増幅試験 (NAT) のための HCV HBV 及び HIV の国内標

がんのウイルス療法とは がんのウイルス療法とは がん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です ウイルス療法では 遺伝子工学技術を用いてウイルスゲノムを 設計 して がん細胞ではよく増えても正常細胞では全く増えないウイルスを人工的に造って臨床に応用しま

NIHS Since 1874 平成 26 年 7 月 25 日 新しい治療法として再生医療を実用化するための科学的な課題 国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部佐藤陽治 本発表で述べられている見解は発表者の私見であって 国立医薬品食品衛生研究所および厚生労働省の現在の公式な見解では必ずしもありま

前項に規定する事項のうち当該被験薬の治験薬概要書から予測できないもの に改め 同項を同条第三項とし 同条第一項の次に次の一項を加える 2治験依頼者は 被験薬について法第八十条の二第六項に規定する事項を知ったときは その発現症例一覧等を当該被験薬ごとに 当該被験薬について初めて治験の計画を届け出た日等

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

01 再生医療新法関係参考資料(法正局後)

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資料2_ヒト幹同等性

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

日本脳炎不活化ワクチン ( シード ) 平成 24 年 7 月 4 日 ( 告示第 1622 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した日本脳炎ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を不活化したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称日本脳炎ウイル

豚繁殖 呼吸障害症候群生ワクチン ( シード ) 平成 24 年 3 月 13 日 ( 告示第 675 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した弱毒豚繁殖 呼吸障害症候群ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を凍結乾燥したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株

かし この技術に必要となる遺伝子改変技術は ヒトの組織細胞ではこれまで実現できず ヒトがん組織の細胞系譜解析は困難でした 正常の大腸上皮の組織には幹細胞が存在し 自分自身と同じ幹細胞を永続的に産み出す ( 自己複製 ) とともに 寿命が短く自己複製できない分化した細胞を次々と産み出すことで組織構造を

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

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3. 実施時期平成 29 年 4 月 3 日より本件改修後のQMS 調査申請書の作成及び機構受付が可能となります 4. その他 本改修により承認申請書とQMS 調査申請書の同時申請が可能となるのは 両申請書をDW APで作成した場合に限ります (FD 申請ソフトによる申請の場合は同時申請できません

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

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大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

目次 1. はじめに 2. 実際の応募手続き 2-a. 手続きを始める前に 2-b. 研究開発提案書様式の取得 2-c. 応募の新規登録 2-d. 応募情報の入力 2

2017 年 12 月 15 日 報道機関各位 国立大学法人東北大学大学院医学系研究科国立大学法人九州大学生体防御医学研究所国立研究開発法人日本医療研究開発機構 ヒト胎盤幹細胞の樹立に世界で初めて成功 - 生殖医療 再生医療への貢献が期待 - 研究のポイント 注 胎盤幹細胞 (TS 細胞 ) 1 は

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図 1: プレス発表概要図 図 2:AiCELLEX による事業概念図 ポイント イノテックは 名古屋大学との共同開発により これまで人間が行っていた 細胞の顕微鏡観察による品質判断 を自動化 支援するシステムとして AiCELLEX を本格的に製品化する AiCELLEX により 再生医療や創薬開

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

MDSAP の調査結果の 試行的受入れについて ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 品質管理部 登録認証機関監督課 1

第 7 回トキ飼育繁殖小委員会資料 2 ファウンダー死亡時の対応について ( 案 ) 1 トキのファウンダー死亡時の細胞 組織の保存について ( 基本方針 ) トキのファウンダーの細胞 組織の保存は ( 独 ) 国立環境研究所 ( 以下 国環研 ) が行う 国環研へは環境省から文書

資料 1 NIHS Since 年 4 月 25 日 再生医療製品 ( 細胞組織加工製品 ) の造腫瘍性評価 国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部佐藤陽治 本発表で述べられている見解は発表者の私見であって 国立医薬品食品衛生研究所および厚生労働省の現在の公式な見解ではありませ

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

QbDを用いた新薬申請の審査とGMP適合性調査 -現状及び課題-

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検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

報道発表資料 2005 年 8 月 2 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人京都大学 ES 細胞からの神経網膜前駆細胞と視細胞の分化誘導に世界で初めて成功 - 網膜疾患治療法開発への応用に大きな期待 - ポイント ES 細胞の細胞塊を浮遊培養し 16% の高効率で神経網膜前駆細胞に分化させる系

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再生医療市場

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

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別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

報道発表資料 2007 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 ヒト白血病の再発は ゆっくり分裂する白血病幹細胞が原因 - 抗がん剤に抵抗性を示す白血病の新しい治療戦略にむけた第一歩 - ポイント 患者の急性骨髄性白血病を再現する 白血病ヒト化マウス を開発 白血病幹細胞の抗がん剤抵抗性が

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

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目次 ( 用語の定義 ) 背景 ガイドラインの対象 がん治療用ウイルスの選択 初期段階での確認事項 ウイルス選択の理由 腫瘍選択性 ウイルスの分子変異の確認 規格 製造

検査項目情報 抗 SS-A 抗体 [CLEIA] anti Sjogren syndrome-a antibody 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5G076 分析物 抗 SS-A 抗体 Departme

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資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

1 BNCT の内容 特長 Q1-1 BNCT とは? A1-1 原子炉や加速器から発生する中性子と反応しやすいホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませ 中性子とホウ素薬剤との反応を利用して 正常細胞にあまり損傷を与えず がん細胞を選択的に破壊する治療法です この治療法は がん細胞と正常細胞が混在している悪

結果 この CRE サイトには転写因子 c-jun, ATF2 が結合することが明らかになった また これら の転写因子は炎症性サイトカイン TNFα で刺激したヒト正常肝細胞でも活性化し YTHDC2 の転写 に寄与していることが示唆された ( 参考論文 (A), 1; Tanabe et al.

移植治療による効果と危険性について説明し 書面にて移植の同意を得なければならない 意識のない患者においては代諾者の同意を得るものとする 6 レシピエントが未成年者の場合には 親権者からインフォームド コンセントを得る ただし 可能なかぎり未成年者のレシピエント本人にも分かりやすい説明を行い 可能であ

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本日の内容 1. 医薬品の再審査に係る関連法規 2. 医薬品の再審査申請資料の適合性調査 2.1. GPSP 実地調査における調査の視点 2.2. 適合性書面調査における調査の視点 2.3. ( 参考 ) 医薬品再審査適合性調査相談の現況 3. 適合性調査の効率化に向けて 3.1. 安全性情報管理シ

さらにのどや気管の粘膜に広く分布しているマスト細胞の表面に付着します IgE 抗体にスギ花粉が結合すると マスト細胞がヒスタミン ロイコトリエンという化学伝達物質を放出します このヒスタミン ロイコトリエンが鼻やのどの粘膜細胞や血管を刺激し 鼻水やくしゃみ 鼻づまりなどの花粉症の症状を引き起こします

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

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Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

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2018 年 6 月 4 日 毛包器官再生医療に向けた非臨床試験開始について 株式会社オーガンテクノロジーズ ( 代表取締役 : 杉村泰宏以下 オーガンテクノロジーズ ) 並びに国立研究開発法人理化学研究所 ( 理事長 : 松本紘以下 理研 ) は 再生医療分野である 毛包器官再生による脱毛症の治療 に向けた臨床研究の前段階である非臨床試験を開始することといたしましたのでお知らせいたします 1. 脱毛症とその治療 課題脱毛症は 男性型脱毛症 (AGA) をはじめ 先天性脱毛や瘢痕 ( はんこん ) 熱傷性脱毛 女性の休止期脱毛などが知られ なかでも AGA は 日本全国で 1,800 万人以上 [1] の患者が存在すると言われています 毛髪は 外見上の印象に影響し 社会的シンボルとも位置付けられており 脱毛症は人々の生活の質 (QOL) に大きな影響を与えると考えられています そのため 脱毛症や薄毛に対する社会的な関心やマーケットは大きく 様々な治療法が存在しています その一方で 脱毛症治療の科学的エビデンスや効果が課題とされ 日本皮膚科学会から AGA および女性型脱毛症診療ガイドライン が示されています [2] 脱毛症や薄毛の治療薬では一般に育毛塗布剤が用いられています AGA の治療としては外用剤や内服薬などが用いられますが いずれも投与を中止すると効果は消失するため持続的な投与が必要です これらの治療効果が十分でない症例では 患者自身の後頭部毛包を脱毛症部位へ移植する自家単毛包植毛術が自由診療で行われています 自家毛包の再移植のため 採取する毛包の数の限界や毛髪の総数は増えないため 脱毛部位への移植本数から患者充足度に課題があります これらの課題から 科学的エビデンスのある毛包器官再生医療の開発に期待が寄せられてきました [1] 男性型脱毛症診療ガイドライン 2010 年版より [2] 日本皮膚科学会ガイドライン 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/aga_gl2017.pdf - 1 -

2. 学術的背景と社会的意義 21 世紀型医療として再生医療が期待されています これまでに第 1 世代幹細胞移入療法 ( 骨髄移植など ) 第 2 世代組織再生医療 ( 表皮細胞シートなど ) が社会実装され 様々な疾患に対する治療法の開発が進められています さらに第 3 世代再生医療として この 10 年間で 器官 ( 臓器 ) 再生医療 の基礎研究が大きく進展し その実現に大きな期待が高まっています 理研生命機能科学研究センター器官誘導研究チーム ( チームリーダー : 辻孝 ) は 2007 年に器官のもととなる器官原基を再生する細胞操作技術を開発しました [3] この開発により 再生器官原基の移植により 生体内で歯 [3] や毛包 [4] 唾液腺[5] 涙腺 [6] の機能的な再生が可能であることを世界で先駆けて実証しました 毛包は 成体内で唯一 毛の生え替わり ( 毛周期 ) として器官再生を繰り返すことから 組織内に器官誘導能を有する幹細胞が存在すると考えられています 2012 年に発表した毛包再生 [4] では この背景からヒトへの応用可能性が高いと考え 研究を進めました 成体マウスの毛包器官から バルジ領域に存在する上皮性幹細胞と 間葉性幹細胞である毛乳頭細胞を分離し 器官原基法 により毛包原基を再生し ヌードマウスに移植すると 再生毛包へと発生し 再生毛包原基の移植密度に応じて毛幹 ( 毛 ) を再生できることを実証しました 再生毛包は 周囲組織である立毛筋や神経と接続すると共に 持続的な毛周期を維持し 機能的な器官再生が示されました これらのことから 脱毛症治療への応用可能性が示されました この成果から 毛包再生医療は脱毛症治療に対する科学的エビデンスのある新たな治療法になる可能性が示されました さらに毛包は器官 ( 臓器 ) であり 第 3 世代器官再生医療として世界初の日本オリジナルの再生医療産業として日本の再興戦略へと発展することが期待されます [3] Nakao, K. et al., Nature Methods. 4, 227-230, 2007. [4] Toyoshima, K. et al., Nature Commun. 3, 784, 2012. [5] Ogawa M. et al., Nature Commun. 4, 2498, 2013. [6] Hirayama M. et al., Nature Commun. 4, 2497, 2013. 3. ヒトへの臨床応用の課題とその克服マウスをヒトに応用するにはふたつの大きな課題がありました 1) バルジ由来上皮性幹細胞と毛乳頭細胞の生体外増幅法の開発これまでの研究では上皮性幹細胞は特定されておらず 生体外の培養により毛包再生能力が消失することが知られています そこでこれまで 7 年の歳月をかけ マウス ヒト細胞を用いてこの課題を克服しました 2) 器官原基法による安定した大量製造技術の開発 - 2 -

従来の技術では 人の手作業によって 1 万分の1ミリリットルの細胞懸濁液をコラーゲンゲル内で 2 種類の幹細胞を高密度 区画化して再生毛包器官原基を製造していました ヒトへの臨床応用に向けて 一定の規格の再生毛包器官原基を 安定して大量製造する技術開発が課題でした 2016 年に 毛包原基を構成する幹細胞の生体外増幅技術や安定的な原基製造技術の開発 ( プレスリリース ) に京セラ株式会社が参入し その開発に成功しました これらの開発の成果により ヒトでの臨床研究の実施に向けて 理研 科技ハブ産連本部 創薬 医療技術基盤プログラム : 器官原基法による毛包再生医療 P0 ステージ ( 非臨床研究 ) へと移行しました このプログラムでは 理研はヒト細胞を用いた増幅 / 培養技術の開発と学術的な検証 オーガンテクノロジーズ社は非臨床試験に向けた製造 / 品質管理方法の確立および体制整備を進めています 京セラ株式会社は この非臨床試験において新規再生毛包器官原基製造法を提供し 支援を進めています [7] http://www.organ-technol.co.jp/news/page/4 4. ヒト臨床研究に向けた非臨床試験ヒト再生毛包器官原基移植によるヒト毛包再生臨床研究を実施するためには 再生医療等の安全性の確保等に関する法律 ( 再生医療等安全性確保法 ) に従い 人の生命および健康に与える程度により分類された手続きに従って進めていく必要があります 毛包再生医療は 患者自身の毛包から取り出した体性幹細胞を用いるため 第 2 種再生医療等 に該当し 提供計画を特定認定再生医療等委員会に申請 承認を受けた後に厚生労働大臣に提出して実施することになります この特定認定再生医療等委員会への申請に先立って 動物を用いた安全性を試験する非臨床試験を実施する必要があります - 3 -

ヒトでの安全性を担保するためには 製法 品質の安定性 すなわち 動物での非臨床試験に用いた再生毛包器官原基とヒトでの臨床研究に用いる再生毛包器官原基が同一の製法 工程管理で製造され かつ品質が同等 造腫瘍性がないことが求められます 具体的には ヒト組織の受入時の品質管理やヒト幹細胞増幅方法の最適化 ( 添加因子の種類や培養日数等 ) 増幅した細胞の品質管理方法の開発 製造原料の臨床対応 ( 生物由来原料基準に適合した原料 材料への変更 ) 作業手順書の整備 新規再生毛包器官原基製造法の開発による製法の安定化 梱包 輸送方法 無菌製造設備の利用方法の確立が必要です これらについて これまで研究開発を進めてきました 5. 毛包再生医療の臨床研究を目指した非臨床試験毛包再生医療では AGA 患者を対象とする治療から開始することを想定しています その後 女性型脱毛症や瘢痕性脱毛症や先天性脱毛症の患者を対象とした開発を進める予定にしています AGA 患者自身の正常な後頭部頭皮から採取した毛包から 標準作業手順書 (SOP) に定められた方法に従って 上皮性幹細胞と毛乳頭細胞 色素性幹細胞をそれぞれ取得して培養します 生体外で培養 増幅後 それぞれの細胞を回収し 新規再生毛包器官原基製造法を用いて再生毛包器官原基を製造します この再生毛包器官原基には 毛穴製造用のナイロン縫合糸が挿入されており 発毛を可能としています 品質管理としては 培養途中の工程内品質管理試験として 培養工程中に問題が無いことをフローサイトメーターによるタンパク質の発現や PCR による遺伝子発現などを検査します また出荷規格試験では 最終製品が規格に従って製造できているかどうかを形態観察や細胞の生細胞率 無菌試験 マイコプラズマ否定試験等の汚染検査を行います 非臨床試験用の製造サンプルで実施する安全性試験では 一般毒性および造腫瘍性試験として マウスの背部皮下にヒト再生毛包器官原基を複数移植し 全身状態や移植部位の様子を一定の期間継続観察します 試験終了時には 移植部位周辺 - 4 -

並びに全身の組織の病理組織学的検査および免疫組織学的検査を実施し ヒト再生毛包器官原基に由来する毒性や悪性腫瘍の形成がないことを検査します なお これらの製造方法 並びに品質管理方法 非臨床安全性試験については 将来の治験の実施に向けて 医薬品医療機器総合機構 (PMDA) と相談しながら進めています 6. 今後の展望計画としては 2018 年 7 月より非臨床試験用の製造を開始し 動物を用いた非臨床安全性試験を実施します 2018 年中には安全性試験を終了する予定です 非臨床安全性試験の結果をもとに 特定認定再生医療等委員会および認定臨床研究審査委員会での審議をうけ 当該委員会の承認後 厚生労働大臣への提供計画の提出を行い 臨床研究の実施へと移行します なお 臨床研究の開始時期とその詳細につきましては 臨床研究の実施前にあらためて公表いたします 7. お問い合わせ 1) 株式会社オーガンテクノロジーズ代表取締役杉村泰宏 ( すぎむらやすひろ ) 住所 : 兵庫県神戸市中央区港島南町 6-7-1 理化学研究所融合連携イノベーション推進棟 TEL:078-569-8843 E-mail:info@organ-technol.co.jp 2) 国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター器官誘導研究チームチームリーダー辻孝 ( つじたかし ) 住所 : 兵庫県神戸市中央区港島南町 2-2-3 電話 :078-306-3448 E-mail:tsujilab@cdb.riken.jp 研究内容についてはこちらにお問い合わせください 以上 - 5 -