第 2 回区民との意見交換会清掃一組からの説明 (3) 東日本大震災の影響と夏季電力逼迫への対応 大塚施設管理部技術課長 引き続きまして 東日本大震災の影響と夏季電力逼迫への対応について御説 明いたします 1 はじめに東日本大震災の影響については 震災発生時の状況の概略 夏季電力逼迫への対応は計画停電時の話と今後の電力使用制限を含めた夏季の電力逼迫対策について御説明いたします 2 東日本大震災の影響 (1) 発災時の全体状況震災発生時の全体状況ですが 外部に影響を与えるような事象はありませんでした 例えば薬品漏れなどの大きなトラブルは全くありませんでした そのため ほとんどの施設では継続運転ができました 私どもの清掃工場は地震の加速度で250ガル以上を感知すると自動停止するように設計されていますが 今回 100ガルを超えたところはありましたが 250ガルを超えたところはありませんでしたので 自動停止をしたところはありませんでした こちらが地震発生時の感震計です ( 震度 5 弱 ) 1
(2) 地震発生時の状況地震発生時の運転状況ですが 現在 20 清掃工場で40 炉が稼動していますが 地震発生当日は32 炉が稼動しており 8 炉は定期補修や中間点検のため停止していました 地震後は設備的な故障で停止したのが2 炉ありまして 32 炉稼動していたうち2 炉が停止したというのが地震発生時の状況です 何があったのかと言いますと 1つの工場の写真ですが エア抜き配管が振動によって少しはずれたということです エア抜き配管というのは焼却炉を立ち上げる時などに蒸気配管から空気を抜くための配管で建物の中です 写真の青色の部分で配管がはずれて 赤色の部分で蒸気が漏れているのが見えます このままで稼動できないことはないのですが 蒸気ですので職員の安全などを考慮しまして焼却炉を停止しました もう1つの写真は冷却水配管ですが パッキンが切れてしまい配管の接合部から漏水しているのが見えます 冷却水が循環しなくなることによる施設への影響ということで焼却炉を停止しました 以上が停止した2 炉の話ですが 通常の停止操作を行いましたので外部への影響があったとは考えておりません (3) 発生時の緊急対応 1 施設の緊急点検の実施次に発生時の緊急対応についてですが 1つ目として施設の緊急点検を実施しています 2 点検結果の集約 ( 本庁との連携 ) 点検結果は本庁と各清掃工場とで連携して集約し 人員の安全確認と確保についても統一的な体制の中で行いました 情報の集約は災害時優先電話や防災無線など様々な手段で行いました 2
3 人員の安全確認と確保人員の安全確認と確保ということについては 工場職員 委託職員 工事業者の被災はありませんでした また 今回は交通機関が非常に乱れたということもあり 清掃工場を継続的に運転していく上で人員の確保ということが重要な課題になりました 職員は徒歩や自転車など様々な手段で通勤したり 昼間勤務の職員の連続勤務や運転経験のある職員に入ってもらうなどして当日の運転職員の確保をしました (4) ごみ搬入状況ごみ搬入状況についても御質問をいただくことがありますので 説明させていただきます ごみ搬入量は速報値です 平成 22 年 3 月と平成 23 年 3 月を比較すると 震災以降は一時的にごみ搬入量が減りました 4 月も減ってはいますが4 月末になると回復してきている感じがあります (5) 震災直後の課題次に震災直後の課題ですが 皆さんもガソリンなどが手に入りづらいということがあったかと思いますが これに関連しまして 苛性ソーダなどの公害防止用の薬剤の入手が一時的に厳しくなったことがありました 次に先ほどもお話ししましたが 運転職員の確保です 次に東京電力の電力逼迫です 地震直後は東京電力の原子力発電所が停止し 3
ただけではなく 当時は火力発電所も止まっていましたので電力が非常に厳しい状態でした 3 月 17 日には経済産業大臣から大規模停電発生のおそれについての緊急発表もありました そうした逼迫した状況の中で清掃一組としては電力使用量が非常に大きい灰溶融炉を一時的に停止しました また なかなか難しいところですが 一部の熱供給を停止して発電に回させていただきました それと蒸気タービンではなく 非常用の発電機なんですが常用発電機として申請 届出をしている発電機が一部ありまして 燃料がある範囲ではありますが これも運転して電力逼迫に対する対応を講じたところです (6) 震災発生時の対応マニュアル次に震災発生時の対応マニュアルについて説明させていただきます まず 今回のような震災が発生した場合は 清掃一組としての災害対策本部を設置します その下に施設管理部の災害本部を設置します 今回は清掃工場についての話として 施設管理部の話をさせていただきます その下に課がありますので 管理課ではごみ搬入の調整 技術課では設備の被害状況などについて連携して情報集約や被害状況の把握を行っていきます 先ほども説明しましたが 防災無線や電話などを使って工場と連絡をとって状況を把握していきます また 工場側では工場長が緊急対策本部長となって緊急連絡班や情報収集班 緊急対応班を置いて 現状把握から始まって 周辺地域の情報把握や自衛消防 対の設置などの対応をしていきます 4
(7) 施設の安全性施設の安全性について 清掃工場の建物 設備の話ですが 基本的に清掃工場の設備は建築基準法に基づき設計し さらに 建築設備耐震設計 施工指針 を適用しています いわゆる一般のビルに比べて耐力を25% 割増した設計をしています それから先ほども説明しましたが 地震計で250ガルを感知しますと焼却炉の自動停止をかけるということでございます 5
3 電力逼迫対策 (1) 東京電力計画停電時の対応次に電力逼迫対策について御説明します 東京電力の計画停電が3 月 14 日から22 日にかけて行われました 清掃一組の施設の中では足立清掃工場と多摩川清掃工場が対象となりました 対応としては 自立運転と言いまして 自工場で発電した電気を運用し 両工場とも安定運転をしております 回数は足立清掃工場が7 回で 多摩川清掃工場が3 回で 足立清掃工場については1 日に2 回ということもあったかと思います いずれにしても自工場で発電した電力で賄うことができましたので ごみ搬入等も含めて影響は全くありませんでした 3 月における電力逼迫対策として 灰溶融施設の運転を停止しましたという説明をしましたが その効果について平成 21 年度の実績と震災後の実績の比較を示しています 発電については3,066 千 kwhから3,269 千 kw hに約 200 千 kwh 増えています 総使用電力量も灰溶融を停止した関係で 1,999 千 kwhから1,621 千 kwhに下がっています 次のスライドはこれを円グラフで示したものですが 総使用電力量が発電量 全体の 59% から 47% になっており その分 送電を増やしているというこ とになります 6
(2) 夏季逼迫対策次に国で出している電力利用法に基づく電力使用制限とリンクさせまして 清掃一組として電力逼迫対策として東京電力管内の需要に合わせて発電をしようという計画を立てているところです 具体的には灰溶融施設の停止 定期補修工事等の時期変更 焼却炉の調整運転などとなります 灰溶融施設の停止についてはこれまで説明してきたとおりです 定期補修の時期変更については ごみの安定焼却を第一にしながら どれだけのことができるかということで 水色で示した部分が時期の変更をしたところです 7 月末から8 月中旬にかけて電力使用量が増えることが予想されますので この時期に発電ができるよう墨田清掃工場であれば前に 新江東清掃工場であれば後に定期補修工事をずらす計画となっています 7
焼却炉の調整運転については 午後 1 時から 3 時の時間帯を想定しています が その時間帯に可能な清掃工場については焼却量を増やすということを調整 しています こうしたことにより発電量を増やすことを計画しています 私からの説明は以上です 8