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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

資料3

Transcription:

平成 29 年度 道の駅と自動運転技術を活用した生産空間を支える新たな道路交通施策について - 道の駅 コスモール大樹 を拠点とした自動運転サービス実証実験の取組みより - 帯広開発建設部道路計画課 永井智之美馬大樹大西功基 北海道の生産空間は 我が国の食糧基地や観光拠点の役割を担う一方 低密度な散居型の地域構造及び人口減少 高齢化等の課題に対応し 効果的で持続的な 新たな道路交通施策 が求められている このような中 国土交通省では 今年度 地域の日常生活や経済活動の拠点となっている 道の駅 を核とし 著しく進展する自動運転技術を組み合わせた実証実験に取り組んでおり 本実証実験の公募に選定された大樹町の取り組みを報告する キーワード : 生産空間 自動運転 道の駅 1. はじめに北海道の農林水産業 観光等を担う 生産空間 では 人口減少によって公共交通や物流の維持が著しく困難化しており 生産空間 に住み続けられる道路交通環境を目指し 自動運転や道の駅の活用の実装を含む道路交通施策のあり方について研究開発を行う必要がある その背景には 北海道における人口減少は全国平均より 10 年早く進むとされ ( 図 -1) 食料基地や観光拠点である 生産空間 は 散居型の地域構造を有していることから 人口減少の影響を受けやすく 公共交通や物流の維持が困難な状況に陥る可能性が極めて高いことから 生産空間 での生活と産業 ( 物流 観光 ) の両側面に対し 効果的かつ持続的な道路交通施策の投入が強く求められている の結束点として道の駅等の道路施設の活用が注目されていることから 自動運転や道の駅等の活用を含む 新たな道路交通施策 の実装により 生産空間 に住み続けられる道路交通の環境の確保に関する研究が必要である ( 図 -2) 札幌市 帯広市 大樹町 生産空間 市街地圏域中心都市 定義市町村における主として農業 漁業に係る生産の場圏域中心都市以外の市町村において 人口の集中がみられる地域又は生活の拠点性が高いと認められる地域 医療機能に関し 圏域の中心となる都市 出典 : 総務省 国勢調査 人口推計 図 -1 全国と北海道の人口及び高齢化の推移 道路交通施策に関しては 昨今 BRT やデマンドバス等の公共交通システム 貨客混載等物流施策 自動運転等の最先端技術が進化しており 加えて それらの交通 生産空間 市街地 圏域中心都市 考え方 圏域中心都市 及び 市街地 を除くメッシュを対象として (1 又は2) となる場合 1 メッシュ内に居住人口がある 2 メッシュに占める田畑の面積が 20% 以上 圏域中心都市 を除くメッシュを対象として(1 又は2) となる場合 1 メッシュ内に居住人口が 500 人以上 2 地方自治体の役所 役場 支所が所在するメッシュ 以下の1~3に基づき圏域中心都市を含む自治体を設定し これに合致する 19 市 5 町の DID となる場合 1 通院依存なし かつ 救急搬送( 一次 ) 依存なし 2 入院依存なし 又は 救急搬送( 二次 ) 依存なし 3 医療関連施設集積又は供給 水準が確保されている 出典 : 総務省 平成 22 年度国政調査 国土交通省 国土数値情報 ( 土地利用 3 次メッシュ ) 第 2,3 版 を基に北海道局作成 図 -2 北海道の生産空間の定義と分布状況

2.H29 年度の自動運転サービス実証実験の取り組み (1) 平成 29 年度の取り組み我が国では 特に中山間地域で高齢化が著しく進展しており 日常生活における人流 物流の確保が喫緊の課題となっている 一方 道の駅 については 全国に設置された 1,117 箇所のうち約 8 割が中山間地域に設置されており物販をはじめ診療所や行政窓口など 生活に必要なサービスも集約しつつある 国土交通省では こうした道の駅など地域の拠点を核として 著しく技術が進展する自動運転車両を活用することにより 1 買い物や通院など高齢者の生活の足の確保 2 宅配便や農産物の集荷などの物流の確保 3 観光への活用や新たな働く場の創出など 地域生活を維持し 地方創生を果たしていくための路車連携の移動システムを構築することを目指し H29 年度より地域での実証実験に取り組むことが公示された ( 図 -3) 図 -5 平成 29 年度自動運転実証実験箇所 3. 大樹町の概要 (1) 大樹町が有する地域課題大樹町は 南十勝地域に位置し 畜産 畑作 漁業を主たる産業とした 生産空間 を有し 一大食料基地として我が国に貢献している また 宇宙関連実験施設 ( ロケット打上げ等 )( 写真 -1) が立地するなど 約 30 年前から 宇宙のまちづくり を進め 民間によるロケット開発が展開されているほか 実験施設に隣接した宇宙交流センターが新たな観光拠点となっている さらに 隈研吾氏がプロデュースする実験住宅施設 メムメドウズ ( 写真 -2) が立地し 研究開発拠点としても注目されている 図 -3 自動運転サービス実証実験の取組み方針 (2) 大樹町の選定自動運転サービス実証実験は 平成 29 年 4 月に地域指定型として 5 か所が先行して示され 同時に ビジネスモデルの検討を行うための実験地域の公募が行われた この結果 全国 26 地域から企画提案書の応募があった中で 既存の地域の特色ある取組みとの連携でビジネスモデルの高い実現性が期待できる箇所として 大樹町 道の駅コスモール大樹 を含む 8 か所が選定された 図 -4 公募型実証実験箇所選定 写真 -1 大樹町宇宙交流センター SORA 写真 -2 実験住宅施設メムメドウズ 一方 本町では 道の駅が存在する 市街地 を除く 生産空間 において専業 大規模営農が進み それゆえ低密度な 散居型 の地域構造を呈している これにより 生産空間 に住む住民は 日用品の買い物 小中学校 高校への進学 かかりつけ病院への通院等は本町の 市街地 に また 買回り品の買い物 大きな病院等は 圏域中心都市 である帯広市に依存している このため 各施設に対しては それぞれマイカーを運転した長距離移動を余儀なくされている 特に 帯広市へ比較的距離 ( 約 60 km ) がある本町においては 帯広市に近い中札内村や更別村と比較して人口減少が顕著 ( 図 -6) であり 本町に住み続けることの難しさが裏付けられた形となっている したがって 生産空間 から 市街地 さらには 圏域中心都市 へ誰もが移動しやすい生活の足を確保することが この地域に住み続け さらには農水産品の生産を継続していく上での最大の課題となっている

口(人)14,000 8,000 12,000 10,000 人 広尾町大樹町 6,000 中札内村 4,000 2,000 更別村 0 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H27 ては 定員が 20 人 速度は 35km/h 程度 ( 最大 40km/h) となっている ( 図 -7) 図 -6 南十勝地域の各町村の人口推移 (2) 道の駅を拠点とした自動運転サービスの実装の意義情報集約 発信機能を内包した自動運転サービスを導入し かつ 道の駅 に結節点機能を持たせて帯広市への路線バスと円滑に接続することにより 町民へのきめ細かい交通サービスの提供を持続的に行うことが可能になると考えられる また 帯広方面から町内各地への円滑な交通を確保することにより 宇宙交流センター等への観光客の誘客 研究開発施設への技術者やビジネスパーソンの来訪が容易となり 観光や地場産業の発展 ひいては地域の活性化につながっていくものと考えられる さらに 道の駅 コスモール大樹 では チーズ等の畜産加工品や水産品 地元生産者の加工品 ( 写真 -3) など 多数の特産品が販売されているが 自動運転車両を人の移動だけでなく 町内各地から 道の駅 への特産品を輸送する手段としても活用することで 効率的な輸送や売り上げ拡大につながるだけでなく 交通サービスの収入源にもなりえる その結果 本町の農水産業の発展に寄与するものと考えられる このように 人口減少に苦しむ本町が新たな挑戦を行うことは 北海道内 あるいは全国の同様の問題を抱える地域のモデルになるものと考えられる 図 -7 自動運転バスの実験車両概要 (2) 実験概要本実証実験は 道の駅 コスモール大樹 を拠点とした自動運転サービスを実施するものであり 平成 29 年 12 月 11 日 ( 月 )~16 日 ( 土 ) の 6 日間において レベル 2 による走行を 5 日間 レベル 4 による走行を専用区間を設けて 1 日実施した レベル2: ドライバーが運転席に乗車した状態でハン (5 日間 ) ドルに手を添えた状態で加速 操舵 制御を実施レベル4: 専用区間を設け ドライバーが運転席に乗 (1 日間 ) 車しない状態で走行 ( 加速 操舵 制御を全てシステムが自動で実施 ) (3) 走行ルート ( 図 -8) 走行ルートは 生活する上で必要な施設 拠点を結び 1 周 40~50 分程度で走行するルート (1 周約 7.6km) を設定している ルート上には 高齢者が多い地区や住宅が集積する地区にバス停留所を設定しており 町民が利用しやすい間隔 (500m 程度 ) で配置している なお 実験車両は 予め設定した時刻表をもとに定時運行を行い 町民 ( 乗客モニター ) が希望する便に 任意の停留所で乗降できるようにしている 写真 -3 道の駅コスモール大樹に納品 販売している地元生産者 ( パティスリーナオヤヒロセ ) の加工品 4. 平成 29 年度の自動運転サービス実証実験の概要 (1) 実験車両本実証実験では 先進モビリティ株式会社が開発する自動運転バス実験車両を使用する この車両は 地図情報や GPS レーザーライダー等から収集した情報に基づいて走行するものであり 加速 操舵 制御を全てシステムが自動で運転するレベル 4( 高度自動運転化 ) での走行が可能な車両である 性能とし 図 -8 自動運転バスの走行ルート

(4) 実証実験のねらい本実証実験では 散居型の地域構造をなす 生産空間 において 市街地や圏域中心都市への人流 物流の確保 来訪客のスムーズな移動の確保 農水産業の輸送効率化を目的として 道の駅を拠点とした自動運転の導入を目指し 実証実験を行い その後 自動運転サービスの社会実装に向けた 道路 交通 地域環境 コスト 社会受容性 地域への効果等の内容について検証を行うこととし 次の 3 つのねらいを設定し実施することとした ねらい 1: 高齢者等の外出 生活の足の確保 ( 図 -9) 広域路線バスとの乗り継ぎが容易となる走行ルート ダイヤを設定して自動運転バスを運行し 利用者の満足度や外出機会の増加等の効果を検証する 図 -10 モノの輸送の実験設定 ねらい 3: 宇宙のまちづくりを促す実験 ( 図 -11) 自動運転バスを活用して観光周遊の実験を行い 観光客の満足度や消費拡大等の地域への効果を検証する 図 -9 高齢者等の外出 生活の足の確保の実験設定 ねらい 2: 集落 生産拠点 道の駅 町外間のモノの輸送 ( 図 -10) 自動運転バスを活用して農産品や加工品を配送し 住民の満足度 ( 生活利便性の向上 ) や 輸送の効率化 販路の拡大効果等を検証する 図 -11 宇宙のまちづくりを促す観光の実験設定 (5) 自動運転バスの運行スケジュールとダイヤ設定自動運転バスは 通院 買物等の生活行動や 帯広 ~ 広尾間を結ぶ都市間バスとの乗継を考慮し 9:00~16: 00 の間で運行することとした ( 図 -12) また 曜日別ダイヤでは 道の駅発着を基本としつつ 高齢世帯が多く市街地が遠く離れている役場 ( 柏木町地区 ) 日方団地の居住者の利便性を考慮した便 (12/11 12/12 の 13 時台 ) 福祉センターでの いきいき健康クラブ の開催に合わせてた福祉センター利用者が利用しやすい便 (12/13 の 9 時台 11 時台 ) 広域路線バスと接続される便の運行と 道の駅を発着とする便 (12/15 の 9 時台と 15 時台 ) ビジネスモデル ( 観光 ) 検討として 中札内村関係者や北大生にモニター乗車してもらう便 (12/16 の 9 時台 11 時台 ) を加えた設定を行った

寄パンまた 設定したダイヤの中で ルート沿線の農産品や加工品 足寄からの都市間輸送も加味した貨客混載の実験を行う便 (12/11 の 13 時台 12/12 の 13 時台 12/15 の 15 時台 ) も設定した ( 図 -13) 実証実験運行スケジュール ( 案 ) 運行日数 走行レベル本数 6 時 7 時 8 時 9 時 10 時 11 時 12 時 13 時 14 時 15 時 16 時 17 時 18 時 5 日 A: レベル 2 1 日 5 便 1 日 B: レベル 4 ( ドライバーなし ) 1 日 3 便 広域移動者向け通院 買物者向け 広域移動者向け通院 買物者向け 通院 買通院 買物者向け物者向け 広域移動者向け通院 買物者向け 都市間バスダイヤ 運行会社本数 6 時 7 時 8 時 9 時 10 時 11 時 12 時 13 時 14 時 15 時 16 時 17 時 18 時頻度 ~ 大樹発 毎日 帯広行 1 日 14 便 十勝バス ( 都市間バス ) 帯広発 毎日 大樹着 1 日 14 便 図 -12 運行スケジュールの設定 12/11( 月 ) 12/12( 火 ) 12/13( 水 ) 12/14( 木 ) 12/15( 金 ) 12/16( 土 ) 8:00 実験準備 実験準備 実験準備 実験準備 実験準備 9:00 9:30 道の駅発 9:30 道の駅発 8:45 8:45 道の駅発 9:30 道の駅発 10:16 道の駅着 10:16 道の駅着福祉センター発実験準備 9:30 貸切バス発 < 観光客 > 10:25 十勝バス発 10:25 十勝バス発送運行 10:00 レヘ ル4 10:00 11:00 道の駅発 11:00 道の駅発 11:40 11:00 レヘ ル4 11:00 道の駅発 11:30 道の駅発 11:00 福祉センター発 < 観光客 > 12:00 日報とりまとめ 13:00 役場発 13:00 日方団地発 13:30 道の駅発 13:30 道の駅発都13:00 ( 柏木町地区 ) 洋菓子配送 ( 大樹アイス配送 ( 川南市野菜配送 ( 役場 ) 本町 ) 団地 ) 間日報とりまとめ 14:00 レヘ ル4 14:00 15:09 十勝バス着 15:09 十勝バス着 15:09 貸切バス着 15:15 道の駅発 15:15 道の駅発 15:15 道の駅発 15:00 日報とりまとめ足寄ハ ン輸送 ( 戸別配送 ) 16:00 日報とりまとめ日報とりまとめ日報とりまとめ足図 -13 曜日別ダイヤの設定 (6) 乗客 ( モニター ) の募集 ( 図 -14, 図 -15) 本実証実験期間中に 自動運転バスに乗車していただく乗客 ( モニター ) について 以下のような募集期間 募集要件 及び 周知方法により募ることとした 〇乗客 ( モニター ) の募集期間平成 29 年 12 月 4 日 ( 月 )~14 日 ( 木 ) の約 2 週間〇募集要件 ( 次の1~5 をすべて満たす方 ) 須条件 < 次の 1~5をすべて満たす方 > 1 原則 大樹町にお住まいの方 2 自動運転に興味のある方 3 実証実験参加同意書へご署名いただける方 4アンケート調査にご協力いただける方 ( 小学生以上の方 ) 5 自動運転車両に乗車している際の様子が撮影され 国土交通省の HP 等で公開されることに承諾いただける方 募集人数はバス運行 1 回当たり約 10 名と設定 ( 申込先着順 ) 〇周知方法地元説明会 新聞折込チラシ ( 北海道新聞 十勝毎日新聞社の 2 社 ) 道の駅留め置きチラシ 大樹町役場ホームページ 防災行政無線等を通じて募集図 -14 乗客 ( モニター ) の募集概要 図 -15 乗客 ( モニター ) の募集に用いたチラシ (7) 主な検証項目 ( 表 -1) 本実証実験では 今後 1 道路 交通 2 地域環境 3 コスト 4 社会受容性 5 地域への効果の 5 つの項目を設定の上 自動運転バスの走行データ アンケート調査 ヒアリング調査等を用いて 設定したねらいに応じた検証を進めるとともに 積雪寒冷な北海道特有の道路管理水準のあり方や ビジネスモデルとしての採算性 有効性を検証していく予定である 項 実験において検証する内容 相互に円滑な通 のための道路構造の要件 動運転に必要となる道路の管理 準 1 道路 交通 後続 の追い越しを考慮した幅員 除排雪や凍結防 剤の散布等 停留所の設置 路肩駐停 両 2 地域環境 冬期 ( 積雪時 ) における磁気マーカによる 位置特定性能 GPSとの精度差 3コスト 磁気マーカの整備 維持管理コスト等 両の維持管理コスト 4 社会受容性 動運転技術への信頼性 乗り 地 5 地域への効果ビジネスモデルの検討を含む 表 -1 本実証実験の主な検証項目 円滑な地域内物流の 援 産拠点から道の駅への加 品の配送実験 道の駅から住宅への商品等の配送実験 齢者の外出機会の増加 役場への 政 続き 国保病院への通院 道の駅への買い物での利 広域路線バスへの乗り継ぎ 運営主体のあり 治体や交通事業者等の役割分担 採算性確保の 策 将来の利 ニーズ ( 払意思額 求めるサービスレベル等 ) 地元の 材を使った加 品の出荷機会の拡 可能性 将来の地域の協 体制 ( 企業 援等 ) 他事業との連携 実験参加者の将来参 ニーズ ( 広域路線バス ) 新たな連携先 ( 農業 観光業等 ) のニーズ 5. 将来の自動運転サービスに向けて (1) 将来の自動運転サービスイメージ 1) 生活の足の確保 1 生産空間 から 市街地 へ大樹町全域 すなわち 生産空間 から 市街地 への足の確保に向けては 道の駅 コスモール大樹 を拠点として 情報集約 発信機能および予約システムを内包した デマンド型域内自動運転サービス を 本町が運行している ふれあいバス から切り替えることで 効率的で効果的が可能となる このサービスの導入により 生産空間 に住む町民は 自動運転サービス を予約することで いつでも本町の 市街地 へ移動することができるようになる これにより町民は 道の駅コスモール大樹 内にあるスーパーでの日常的な買い物 診療所での受診 小学校 中学

校 高校への通学等が容易にできるようになると考える 2 市街地 から 圏域中心都市 へ道の駅 コスモール大樹 にて デマンド型域内自動運転サービス と 本町と帯広市を結ぶ広域路線バス 十勝バス広尾線 を円滑に接続する この際 デマンド型域内自動運転サービス では 十勝バス広尾線 の運行情報を集約 発信するなど 利用者の乗り換え利便性を徹底的に高める これにより 生産空間 に住む町民は 道の駅 コスモール大樹 を経由し 自宅から 圏域中心都市 である帯広市へ待ち時間なく移動することが可能となり 町民は 帯広市にしかない施設での余暇を楽しんだり 大きな病院への通院 高校への通学も可能になると考える 十勝バス 帯広 ~ 大樹間の広域移動 道の駅 至帯広域バス(道の駅広線)大樹町国 広域バスに乗換広 町中心部での買物 尾通院デマンド型域内バス至広尾 利用したい時にバスを予約 道十勝バス自動運転 デマンド型域内バス 予約 予約 ナーで新鮮なまま販売することが可能となると考える 道の駅では 特産品 の売上拡大につながることが期待され 荷物を利用客として考えることで 自動運転サービス の売上としても期待が持てる (2) 将来のビジネススキーム デマンド型域内自動運転サービス の導入と道の駅での 広域路線バス との接続により 本町が負担している ふれあいバス の運行コストを大幅に削減でき 同時にバスドライバー不足についても解消される また 来訪客のスムーズな移動の確保 による地場産業の活性化がもたらす税収増や 農水産品の輸送効率化による道の駅 コスモール大樹 や デマンド型域内自動運転サービス での売り上げ増にも期待が持てる 図 -16 デマンド型域内自動運転サービスイメージ 2) 来訪客のスムーズな移動の確保 デマンド型域内自動運転サービス の導入と 広域路線バス との結節化により 町内に住む住民だけではなく 帯広方面から すなわち全道 道外からの訪問者も町内各地へのスムーズな移動が実現する これにより 太平洋岸に位置する 大樹町宇宙交流センター SORA や 晩成温泉 等の観光拠点 および 隈研吾氏がプロデュースした実験住宅施設 メムメドウズ といった研究開発拠点に対し 観光客の誘導や ビジネス客の移動が容易となる 併せて 道の駅 コスモール大樹 においてこれらの施設のゲートウェイ機能を拡充することで その効果はさらに高まるものと考える さらに 来訪客のスムーズな移動の確保により ロケット観光等の地場産業の発展も期待される 3) 農水産品の輸送効率道の駅 コスモール大樹 内の特産品コーナーでは チーズ等の畜産加工品や水産品をはじめとする 町内各地の 生産空間 で生産された多数の特産品が紹介 販売されている そこで デマンド型域内自動運転サービス の自動運転車両は 町内各地から 道の駅コスモール大樹 への 特産品の輸送 のために 貨客混載 を実現する これにより 町内全域で生産された農水産品は効率的に輸送され 道の駅 コスモール大樹 内の特産品コー 図 -17 将来のビジネススキーム 6. おわりに大樹町の人口は 昭和 30 年代の約 11 千人をピークに減少し続け 平成 29 年 10 月現在で約 5.7 千人と ピーク時の半数まで減少している これには 不景気による経済の停滞 主産業である第 1 次産業の高齢化による衰退など 複数の要因が考えられ これまで講じられてきた各種対策に 目に見える効果が得られないまま今日に至っていることが挙げられる 町外への転出の歯止めがかけられない現状では 大樹町まち ひと しごと創生総合戦略 の産業活性化戦略や 第 5 期大樹町総合計画 のまちづくり計画等とともに 利便性の高い日常生活の実現を印象付ける対策を講じることが必要である そのためには 居住者の立場に成り代わり 居住者目線で日常生活に必要な対策を 目に見える形で実証することが重要と考える また 道内には 大樹町と同様 人口減少に歯止めがかからない自治体が多数存在することから 今回の大樹町の取り組みが 他地域での活動の参考となり 各地の生活利便性の向上につながれば幸いである 最後に この取り組みに多大なる協力をいただいている 北見工業大学 北海道大学 室蘭工業大学 北海道 北海道警察 先進モビリティ株式会社 大樹町役場及び大樹町民の皆様に 感謝の意を表する