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品川清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

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中央清掃工場 平成 29 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

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足立清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

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有明清掃工場 平成 28 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 主灰 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) 汚水処理汚泥 ( 含有試験 ) 7

世田谷清掃工場 平成 27 年度環境測定結果 1 排ガス測定結果 1 (1) 煙突排ガス 1 (2) 煙道排ガス 2 2 排水測定結果 3 3 焼却灰等測定結果 5 (1) 不燃物 ( 含有 性状試験 ) 5 (2) 飛灰処理汚泥 ( 含有 溶出試験 ) 6 (3) スラグ ( ガス化溶融 )( 含

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廃棄物処理技術検証結果概要書

検証結果の概要 Ⅰ. 申請技術の概要. 申請技術の名称 ASB( 土壌微生物活性化 ) システムによるし尿処理技術 2. 申請者 クボタ環境サービス株式会社 3. 対象廃棄物 し尿 浄化槽汚泥 4. 導入システム ASB( 土壌微生物活性化 ) システム 5. 検証対象施設 釜石大槌地区行政事務組合釜石 大槌汚泥再生処理センター (85m 3 / 日 高負荷 脱窒素処理方式 ) 6. 申請技術の概要と検証範囲 ASB(Activation of Soil Bacteria: 土壌微生物活性化 ) システムによるし尿処理技術 ( 以下 本技術 という ) は し尿処理の分野において 腐植物質と天然ミネラルを水処理系に供給することにより 主に Bacillus 属細菌を優占化することで 汚泥沈降性の改善 汚泥脱水性の向上 汚泥発生量の低減 臭気の抑制等を促進する技術である 本技術の検証においては 汚泥再生処理センターの水処理設備 ( 高負荷脱窒素処理方式 ) は既存の技術を用いることから 従来法との比較を中心として技術の確認を行い ASB リアクタを組み込んだ汚泥再生処理センターとしての性能の安定性 環境保全性 安全性 維持管理性及び経済性について検証した 検証範囲は資源化設備を除く施設全体である し尿浄化槽汚泥 受入槽 前処理設備 中継槽 細砂除去 貯留槽 深層反応槽 深層反応槽 2 膜原水槽 膜原水槽 2 高濃度脱臭装置 膜 A ユ S ニ B ッリトア槽クタ 凝集分離設備 返送汚泥槽 高度処理設備 汚泥調質槽 消毒設備 汚泥貯留槽 放流 汚泥脱水機 雑排水槽 熱分解装置 肥料 生物脱臭装置 活性炭吸着 中濃度脱臭装置 排気 赤字の ASB リアクタ及び深層反応槽 2 から受入槽への配管 ( 赤線 ) を新設 青線は臭気のフロー 実証施設 ( 実用施設 ) のフローシート 7. 試験実施期間平成 23 年 6 月 ~ 平成 25 年 2 月 8. 技術の特徴水処理性能について汚泥再生処理センター性能指針 ( 水処理設備 ) における放流水質の性状を満足すると同時に 以下の特徴を有する 汚泥沈降性が改善する 汚泥脱水性が向上する 汚泥発生量が減少する 高濃度臭気が低減する 9. 検証終了期日平成 26 年 6 月 6 日. 台帳登録番号 JESC-BB-H25- - -

Ⅱ. 性能項目 性能の安定性 適応範囲 () 本技術は 汚泥再生処理センター ( 高負荷脱窒素処理方式 ) において ASB 粉剤により B acillus 属細菌の優占化誘導を行った後 ASB ペレット剤や天然ミネラル塊を充填した ASB リアクタ ( 槽内浸漬型 ) を水処理系で活性汚泥の存在する水槽内に設置し ( 本実施試験では膜ユニット槽に設置 ) 腐植物質と天然ミネラルを水処理系に供給するものである (2) 本実証試験に用いたし尿等は 釜石 大槌汚泥再生処理センター ( 高負荷脱窒素処理方式 ) に搬入されたし尿及び浄化槽汚泥である 実証試験でのし尿等処理量及び投入混合液の性状は以下のとおりであった 誘導前 (Run) では し尿等処理量の平均は 7.3 m 3 / 日で定格処理能力 (85m 3 / 日 ) の 83% 程度であったが 誘導後 (Run4 Run5) では平均が 9.5 m 3 / 日で定格処理能力の 8% と過負荷運転であった これは 震災後の仮設住宅 新たに建設された被災者向け住宅からの浄化槽汚泥の増加等の影響と考えられる 誘導前 (Run) と誘導後 (Run4 Run5) での投入混合液の性状 ( 平均値 ) は BOD が 4,mg/L 程度 COD が 2,2mg/L 程度 SS が 5,8mg/L 程度 T-N が,5mg/L 程度 T-P が 7mg/L 程度で 塩素イオンを除き大きな変化は見られなかった 実用化に際しての留意事項本実証試験は浸漬型 ASB リアクタを既存施設に設置して行われた 汚泥脱水性試験では 槽外型 ASB リアクタを設置した施設の汚泥を用いたケースもあったが 槽外型 ASB リアクタを用いる場合は別途確認が必要である - 2 -

A S B T-N T-P(mg/L) BOD COD SS(mg/L) 性能項目 2 性能のシ安ス定テ性ムによるし尿等処理能力 実証試験運転日数と内容 Run No. 試験期間 日数 ( 日 ) 内容 Run 平成 23 年 6 月 日 ~ 平成 23 年 月 3 日 53 誘導前調査 Run2 平成 23 年 月 日 ~ 平成 24 年 3 月 5 日 96 * ASB 粉剤による優占化誘導 Run3 平成 24 年 3 月 6 日 ~ 平成 25 年 3 月 3 日 38 *2 リアクタによる優占化維持 Run4 平成 25 年 4 月 日 ~ 平成 25 年 7 月 3 日 94 技術検証データ採取 ( 受入槽汚泥返送なし ) Run5 *3 平成 25 年 7 月 4 日 ~ 平成 25 年 2 月 2 日 25 *4 技術検証データ採取 ( 受入槽汚泥返送あり ) *: 運転日数は36 日であるが 震災の撤去工事に絡んだ特殊性状の搬入物の影響を受けたH23.2.5~H24..23(4 日間 ) のデータについては 巻末データでは網掛け数字で記載し 集計からは除外 () *2:H25 放流水の性状年 3 月までは 震災の影響で仮設住宅からの浄化槽汚泥が増え 搬入の性状が安定しなかったため 性状が安定するまでリアクタによる通常運転を実施した ( データは施設で通常採取している項目のみ ) *3: 深層反応槽誘導後 2 汚泥を受入槽に返送することで高濃度臭気の低濃度化を図る (Run4 5) の放流水は 汚泥再生処理センター性能指針 ( 水処理設備 ) の放流返送条件の詳細は 表水質の性状を満足していた Ⅳ-.3.を参照 試料の T-N 濃度の性能指針値超過は 混入した鉱物油の影 *4: 運転日数は62 日であるが 大槌町からの特殊性状の搬入物の影響を受けたH25.7.6~H25.8.2(37 日間 ) 響によるものと推察された のデータについては 巻末データでは網掛け数字で記載し 集計からは除外 6 5 4 3 Run Run2 Run3 Run4 Run5 BOD COD SS COD 性能指針値 2 SS 性能指針値 BOD 性能指針値 H23.5.7 H23..23 H24.6. H24.2.27 H25.7.5 H26..3 6 Run Run2 Run3 Run4 Run5 5 4 3 T-N T-P 2 T-N 性能指針値 T-P 性能指針値 H23.5.7 H23..23 H24.6. H24.2.27 H25.7.5 H26..3 放流水の性状 - 3 -

A S B 性能項目 2 性能シのス安テム定に性よるし尿等処理能力 (2) 余剰汚泥発生量本実証施設では生物処理で発生した余剰汚泥を一旦汚泥調質槽へ貯留し そこで曝気を行うことで汚泥の性状を均質化している その後 汚泥貯留槽を経由しポリ硫酸第二鉄および高分子凝集剤を注入し フィルタープレス脱水機で脱水している 高分子凝集剤 余剰汚泥脱水ろ液.5 Q 汚泥貯留槽汚泥調質槽 ポリ硫酸第二鉄 汚泥貯留槽 P 汚泥混和機 脱水機 ( フィルターフ レス ) 雑排水槽 汚泥処理工程のフローシート 脱水汚泥 吸着塔洗浄排水 ここで 余剰汚泥発生量として 生物処理槽での発生量 ( 以下 余剰汚泥固形物量とする ) と 2 汚泥調質槽を経た発生量 ( 以下 脱水汚泥固形物量とする ) の 2 つの発生量について 誘導前 (Run) と誘導後 (Run4 Run5) で比較すると以下のとおりである 投入固形物あたりの余剰汚泥固形物量は 誘導前 (Run) で. kg-ss/ kg-ss 誘導後 (Run4 及び Run5 の通期 ) で.94 kg-ss/ kg-ss であり 生物処理槽での汚泥発生量はやや減少する結果であった 投入固形物あたりの脱水汚泥固形物量は 誘導前 (Run) で.97 kg-ss/ kg-ss 誘導後 (Run4 及び Run5 の通期 ) で.64 kg-ss/ kg-ss であり 汚泥調質槽を経た汚泥発生量は大幅に減少する結果であった P 脱水汚泥ホッパ 熱分解 深層反応槽 へ 項目 投入量 2 投入 SS 濃度 3 投入固形物量 4 余剰汚泥量 5 余剰汚泥 SS 6 余剰汚泥固形物量 6 6 3 7 脱水日数 3 8 脱水汚泥量 4 9 脱水汚泥含水率 脱水汚泥固形物量 単位 余剰汚泥発生量 Run (H23.6.-H23..3) Run4+Run5 (H25.4.-H25.2.2) ( 除く H25.7.6-H25.8.2) 日数 平均 標準偏差 日数 平均 標準偏差 日数 平 m 3 / 日 53 7.3 9.3 29 9.5 7. 94 9 mg/l 24 5,97,62 39 5,74,37 8 5 kg-ss/ 日 49 525 m 3 / 日 53 39.9 9. 29 4.5 4.2 94 4 mg/l 53(86) 2,7,29 29(4) 2,9,24 94(53) 2 2 kg-ss/ 日 53 466 23 29 494 65 94 kg-ss/m 3 6.6 5.4 kg-ss/kg-ss..94 日 2 68 77 t/ 日 53.8.72 29.9.72 94 % 2 65.4 2.7 68 69.4 2.3 77 kg-ss/ 日 53 48 253 29 335 29 94 kg-ss/m 3 5.8 3.7 kg-ss/kg-ss.97.64 3 5 余剰汚泥 SSで実測値以外は 前後で最も近い実測した日の移動平均値を採用した 2 カッコ内は実測回数 3 計量ホッパによる計量値 4 脱水機稼働日に測定 Ru (H25.4.- - 4 -

A S B 性能項目 2 性能シのス安テム定に性よるし尿等処理能力 (3) 薬品等使用量誘導後 (Run4 及び Run5 の通期 ) では 投入量が定格処理量を 7% 以上超過する運転であったが 使用する薬品全ての投入量あたりの使用量が減少していた 項目 単位 投入量あたりの薬品使用量 Run (H23.6.-H23..3) Run4+Run5 * (H25.4.-H25.2.2)( 除く 7.6-8.2) R (H25.4. データ数 平均 標準偏差 データ数 平均 標準偏差 データ数 平 投入量 m 3 / 日 53 7.3 9.3 29 9.5 7. 94 2 消泡剤使用量 L/ 日 53 25.5 7.4 29 8.5 8.4 94 2 L/m 3.36.9 3メタノール使用量 kg/ 日 53 78.3 24.2 29 56.9 9.4 94 3 kg/m 3..62 4 苛性ソーダ使用量 kg/ 日 53 8.5 24.7 6.8 5.6 94 4 kg/m 3.6.67 5 次亜塩素酸ソーダ使用量 kg/ 日 53 5.6..2 6.8 94 5 kg/m 3.22. 6ポリ硫酸第二鉄使用量 kg/ 日 53 5.2 6. 29 42.3.8 94 6 kg/m 3.73.46 7 脱水ポリマ使用量 kg/ 日 53 8. 4.6 29 5.5 8. 94 7 kg/m 3.2.6 8 凝集ポリマ使用量 kg/ 日 53.7 4.7 29.6 4.3 94 8 kg/m 3..7 *: 苛性ソーダ 次亜塩素酸ソーダは臭気低減による削減効果が考えられるので Run5の受入槽汚泥返送運転時 のデータのみを使用し その他はRun4 Run5のデータを合わせた - 5 -

A S B SV3(%) MLSS(mg/L) 性能項目 3 性能シのス安テム定の性効果 () Bacillus 属細菌の優占化誘導前の Bacillus 属細菌数が 6 ~ 7 CFU/g-SS オーダーであったのに対し 誘導後の Run4 以降では 8 CFU/ g-ss オーダーに増加した 誘導後の Bacillus 属細菌の一般細菌数に占める割合は 8~59% であり 5~4% の優占化率で効果が発揮されるという既存研究の結果から 本実証試験では Bacillus 属細菌の優占化がおこなわれたと判断される 一般細菌数 (CFU/g-SS) Bacillus 属細菌数 (CFU/g-SS) Bacillus 属細菌の優占化 H25.6.8 H25.7.24 H25.7.26 8.2 8.5 8 7.2 8 3.9 8.7 8 2.3 8 Bacillus 属細菌優占化率 (%) 8 24 59 (2) 汚泥沈降性の改善膜原水槽 2 汚泥について 誘導期間中の SVI 平均値が 38mL/g であるのに対し 誘導後は SVI 平均値が 9mL/g に改善されていた また 活性汚泥を顕微鏡観察すると 優占化誘導期間中ではフロックが分散し小さかったが 誘導以降ではフロックが凝集し大きく厚みを持っていることが観察された 以上から Bacillus 属細菌の優占化により 汚泥の凝集性が改善した結果 沈降性が改善したものと判断される 9 8 7 6 5 4 3 2 Run2 Run3 Run4 Run5 2, 8, 6, 4, 2,, H23.. H24..3 H24.4.29 H24.7.28 H24..26 H25..24 H25.4.24 H25.7.23 H25..2 日付 膜原水槽 2(SV3) ) MLSS 膜原水槽 2 汚泥の SV 3 と MLSS の推移 8, 6, 4, 2, - 6 -

A S B 脱水汚泥含水率 (%) 性能項目 性能の安定性 3 システムの効果 (3) 汚泥脱水性の向上 Bacillus 属細菌が優占化した余剰汚泥の脱水性に関してヌッチェテストによる比抵抗値 示差熱分析での吸熱ピークの解析から脱水性の向上を報告している文献がある 実証施設においては 汚泥脱水に係る薬剤使用量の削減効果が確認でき 汚泥脱水性の向上が示唆された また 脱水性向上の確認のため 実証施設と同じ脱水方式でリーフテストを行った その結果 Bacillus 属細菌の優占化誘導後の脱水汚泥について脱水汚泥含水率の低下及び高い SS 回収率が確認された 以上から Bacillus 属細菌の優占化により 汚泥の脱水性が向上したと判断される 84.5 84. 83.5 83. 82.5 82. 8.5 8. 8.5 8. 79.5 79. 78.5.5.6.7.8.9...2 高分子凝集剤の添加率 (%) 4 月 6 日 ( 誘導前 ) 4 月 23 日 ( 誘導前 ) 6 月 6 日 ( 誘導後 ) 6 月 2 日 ( 誘導後 ) 月 24 日 ( 誘導後 ) 4 月 6 日 4 月 23 日 6 月 6 日 6 月 2 日 月 24 日 リーフテストによる高分子凝集剤添加率と脱水汚泥含水率 - 7 -

A S B 性能項目 3 性能シのス安テム定の性効果 (4) 汚泥量削減効果誘導後の投入固形物量あたりの余剰汚泥固形物量及び脱水汚泥固形物量は それぞれ 誘導前より 5.4% 34.5% 減少し ASB システムの汚泥量削減効果が認められた また 誘導後では 本実証施設特有の汚泥調質槽での削減効果が向上していることが認められた 汚泥量削減効果の内容を汚泥のタンパク質分解酵素活性と原生 後生動物数から確認した 汚泥のタンパク質分解酵素活性 ASB システムで誘導された汚泥は 通常の汚泥に比べ タンパク質分解酵素活性の指標の一つであるプロテアーゼ活性が増加していた し尿等の固形物中のタンパク質は 4% 以上を占めていることから ASB システムによって 従来では難溶性であったし尿等の固形物の溶解が促進されたと考えられる 2 原生 後生動物数 ASB システムで誘導された汚泥は 通常の汚泥に比べ 原生 後生動物が増加するという結果が得られた 食物連鎖で上位である原生 後生動物は細菌類に比べ呼吸によるエネルギー消費量が大きいことから 原生 後生動物の増加が余剰汚泥固形物量の削減に寄与したと考えられる 投入固形物量あたりの余剰汚泥固形物量と脱水汚泥固形物量の削減率投入固形物あたり 余剰汚泥固形物量 (kg-ss/kg-ss) Run. Run4+Run5.94 削減率 (%) 5.4 脱水汚泥固形物量 (kg-ss/kg-ss).97.64 34.5 実用化に際しての留意事項本実証試験に用いた実用施設には 汚泥貯留槽前段に汚泥調質槽が設置されており 汚泥調質槽における汚泥量削減効果は高いことが確認された 一般の高負荷脱窒素処理方式では汚泥調質槽がないケースもある 汚泥調質槽がないケースの物質収支と経済性については 報告書の添付資料 に示されているので留意されたい - 8 -

A S B 硫化水素 (ppm) アンモニア (ppm) 硫化水素 (ppm) アンモニア (ppm) 性能項目 3 性能のシ安ス定テ性ムの効果 (5) 臭気低減効果 ASB システムで誘導された汚泥を受入槽に返送することにより 受入 貯留設備の高濃度臭気は 硫化水素濃度が返送前の ppm から返送後は 4ppm 程度に低減され 結果として 高濃度及び中濃度脱臭装置の負荷が軽減されていることを確認した 高濃度及び中濃度脱臭装置入口ガスの公定法による測定では 汚泥返送後の硫化水素濃度は汚泥返送前に比べ 95% 以上低減していた なお バイアルビンを用いた基礎試験で し尿に通常活性汚泥を添加しても硫化水素の発生を抑制しないが ASB システムで誘導された汚泥を添加すると硫化水素の発生が抑制されることを確認した 臭気低減効果確認のための汚泥返送運転条件 Run No. 試験期間日数 ( 日 ) 投入量あたり返送量 Run4 平成 25 年 4 月 日 ~ 平成 25 年 7 月 3 日 94 Run5- 平成 25 年 7 月 4 日 ~ 平成 25 年 9 月 26 日 Run5-2 平成 25 年 9 月 27 日 ~ 平成 25 年 月 3 日 48 *.Q 7.2Q Run5-3 Run5-4 平成 25 年 月 4 日 ~ 平成 25 年 月 23 日 2.Q 平成 25 年 月 24 日 ~ 平成 25 年 月 7 日 5 Run5-5 平成 25 年 月 8 日 ~ 平成 25 年 2 月 2 日 35.Q *: 運転日数は 85 日であるが 大槌町からの特殊性状の搬入物の影響を受けた H25.7.6~H25.8.2(37 日間 ) のデータについては 巻末データでは網掛け数字で記載し 集計からは除外 高濃度及び中濃度脱臭装置入口の検知管による測定結果 高濃度脱臭装置入口 ( 検知管分析 ) 硫化水素 アンモニア 中濃度脱臭装置入口 ( 検知管分析 ) 硫化水素 アンモニア 6 4 Run 4 Run 5- Run Run 5-2 5-3 Run 5-4 Run 5-5 6 4 8 7 Run 4 Run 5- Run Run 5-2 5-3 Run 5-4 Run 5-5 6 4 2 2 6 2 5 8 8 4 8 6 6 3 6 4 4 2 4 2 2 2 6/4 7/5 7/9 7/29 8/9 8/3 9/9 9/3 /2 / /5 /25 2/6 月日 6/4 7/5 7/9 7/29 8/9 8/3 9/9 9/3 /2 / /5 /25 2/6 月日 Run4 H25.7.3 Run5- H25.9.26 Run5-2 H25..3 アンモニア 高濃度及び中濃度脱臭装置入口の公定法による測定結果 メチルメルカフ タン 高濃度脱臭装置入口 硫化水素硫化メチル二硫化メチルトリメチルアミンアンモニア メチルメルカフ タン 中濃度脱臭装置入口 ( 単位 :ppm) 硫化水素硫化メチル二硫化メチルトリメチルアミン 9.. 82..49.7.67 2.2.3 9.4.2.8.45 3..4.5.9.6.8.2.7.4.4..5 5.7.46 3.4.2.49.3 2.4.6.4.3.84.9-9 -

性能項目 2 環 境 保 全 性 周辺環境の汚染防止 ASB システムは 腐植物質 (ASB 粉剤及び ASB ペレット剤 ) と天然ミネラル塊を活性汚泥中に添加することで Bacillus 属細菌の優占化を目的とする技術であるが 安全データシート (SDS) により使用する ASB 粉剤 ASB ペレット剤 天然ミネラル塊の危険性 有害性 環境影響については特記すべき情報はなく 水処理水質への悪影響はないことを確認した さらに ASB システムで誘導された汚泥を受入槽に返送することで 施設全体の臭気発生量が低減することを確認した ASB リアクタの設置に関し 既設の空気配管を使用することができるため 新たな稼動機器は必要なく 既設の空気配管が使用できなくても吐出量 2L/min 程度の小型ブロワで対応できるため 騒音 振動の影響はない 2 環境保全性 ASB システムは薬品 燃料の使用量の削減が見込める 特に 余剰汚泥を焼却処分している施設においては 余剰汚泥発生量が減少することで 運転に伴う温室効果ガス排出量の削減が図れる - -

性能項目 3 総合機能性 安定稼働 ASB リアクタによる Bacillus 属細菌優占化維持運転以降 年に 回ペレット剤及び天然ミネラル塊を補充した 特に運転停止等のトラブルはなく 水処理性能として放流水の性状の項で示したように 試験期間を通して汚泥再生処理センター性能指針 ( 水処理設備 ) における放流水質の性状を満足していた ( 特殊汚泥搬入の影響と判断される場合を除く ) 2 物質収支 ASB システム (Run4 及び Run5) を用いた場合の物質収支 ( 流量 汚泥量収支 ) から従来法に対する汚泥削減率を求めた 余剰汚泥発生量と脱水汚泥量の削減率はそれぞれ 5% 35% となる 物質収支 (ASB システム ) し尿 浄化槽汚泥処理量 : Q= 85 m 3 / 日 Q ( し尿 ) = 67 m 3 / 日 Q2 ( 浄化槽汚泥 ) = 8 m 3 / 日 2 3 4 5 6 7 8 9 し尿 浄化槽汚泥投入 混合液 膜透過液放流水フ ロセス用水返送汚泥 凝集汚泥 余剰汚泥 給泥量 脱水ろ液 日当り処理量 Q Q 2. Q.7 Q.5 Q.5 Q 5. Q.2 Q (m 3 / 日 ) 67 8 85 45 28 42.5 425 7. 38.6 38.6 38.6 SS (mg/l) 5,74 - - -,9 8,,9 8, - (kg/ 日 ) 488 - - - - - 459 3 - 汚泥発生量 余剰汚泥量 脱水汚泥量 固形物量 (kg-ss/ 日 ) 459 3 汚泥発生量 投入混合液固形物あたり (kg-ss/kg-ss 投入混合液 ).94.64 設計基準 投入量あたり (kg-ss/m 3 ) 余剰汚泥量 5.4 脱水汚泥量 3.7 従来法に投入混合液固形物あたり固形物量 (kg-ss/ (%) 日 ) 5.4 564 34.5 493 対する 5 35 汚泥発生量削減率投入混合液固形物あたり投入量あたり (kg-ss/kg-ss (%) 投入混合液) 8.7. 37..97 投入量あたり (kg-ss/m 3 ) 6.6 余剰汚泥量 5.8 脱水汚泥量 固形物量 (kg-ss/ 日 ) 459 3 汚泥発生量 汚泥削減率 投入混合液固形物あたり (kg-ss/kg-ss 投入混合液 ).94.64 投入量あたり (kg-ss/m 3 ) 余剰汚泥量 5.4 脱水汚泥量 3.7 設計基準 従来法に投入混合液固形物あたり固形物量 (kg-ss/ (%) 日 ) 5.4 459 34.5 対する 5 汚泥発生量削減率投入混合液固形物あたり投入量あたり (kg-ss/kg-ss (%) 投入混合液) 8.7.94 37. 3.64 35 投入量あたり (kg-ss/m 3 ) 5.4 3.7 設計基準 従来法に投入混合液固形物あたり (%) 5.4 34.5 対する 5 削減率投入量あたり (%) 8.7 37. 35 実用化に際しての留意事項本実証試験に用いた実用施設には 汚泥貯留槽前段に汚泥調質槽が設置されており 汚泥調質槽における汚泥量削減効果は高いことが確認された 一般の高負荷脱窒素処理方式では汚泥調質槽がないケースもある 汚泥調質槽がないケースの物質収支と経済性については 報告書の添付資料 に示されているので留意されたい - -

性能項目 3 総合機能性 3 システムの簡略性 ASB システム導入の際に新たに設ける機器類は 腐植物質と天然ミネラルを継続的に活性汚泥に供給するためのリアクタのみである リアクタには撹拌用の散気管が装着されており 撹拌用の空気は既設の空気配管を使用する 使用できない場合は吐出量 2L/min 程度の小型ブロワを設置する 3 スケールアップ 本実証試験は実用施設 ( 処理能力 85m 3 / 日 ) で実施したものであり スケールアップに関する問題点はない 4 安全性 労働安全衛生性 ASB システムのリアクタ以外の構成機器は 従来の汚泥再生処理センターで使用されているものと同様である また SDS( 安全データシート ) により使用する ASB 粉剤 ASB ペレット剤 天然ミネラル塊の危険性 有害性 環境影響については特記すべき情報はなく 安全性を確認している 従って 防災 労働安全衛生については 従来の汚泥再生処理センターのものと同等である - 2 -

性能項目 5 維持管理性 操 作 点 検 性 () 運転操作 ASB システムの運転は ASB 粉剤により Bacillus 属細菌の優占化誘導を立ち上げ その後 2ASB ペレット剤と天然ミネラル塊を充填したリアクタにより優占化を維持する なお 高濃度臭気を低減するため 投入量の. 倍量の深層反応槽 2 汚泥を受入槽に返送する ASB 粉剤による Bacillus 属細菌の優占化誘導ステップ し尿 浄化槽汚泥の投入 及び汚泥循環 汚泥返送の停止 ASB 剤の投入 * 馴養運転し尿 浄化槽汚泥等の投入 通常運転 * 馴養運転期間は約 2 週間 期間中も適宜 ASB 粉剤を添加する 2ASB ペレット剤と天然ミネラル塊を充填したリアクタによる優占化維持ステップ リアクタに所定量の ASB ペレット剤と天然ミネラル塊を充填 リアクタに既設の空気配管もしくは小型ブロワを接続 リアクタを水処理水槽に浸漬 リアクタ散気管へ設定量の空気を供給 通常運転 - 3 -

性能項目 5 維 持 管 理 性 操 作 点 検 性 (2) 保守点検 日常点検 供給空気が設定流量であることを空気流量計により確認する 2 定期点検 年 回 リアクタ内に所定量の ASB ペレット剤と天然ミネラル塊を補充する 小型ブロワを使用する場合は 通常の汚泥再生処理センターに設置しているものと同様の定期点検を行う (3) ASB 粉剤 ペレット剤及び天然ミネラル塊の品質管理基準 ASB 粉剤 ペレット剤及び天然ミネラル塊の品質管理基準 ( 乾燥重量当たりの含有量 ) ASB 剤天然ミネラル塊 Si (%) Mg (%) 2 以上. 以上 25 以上.3 以上 実用化に際しての留意事項 ASB 粉剤 ASB ペレット剤及び天然ミネラル塊の使用は Bacillus 属細菌の優占化を誘導し維持するために マグネシウムイオンと珪酸の供給を目的としているが それらの含有量については 本実証試験で使用したものから基準を示していることに留意する必要がある 2 耐用性 ASB リアクタ以外の装置の耐用性は 従来の汚泥再生処理センターと同等である リアクタ関連機器の耐用年数を定めている ASBリアクタ関連機器の耐用年数機器名耐用年数リアクタ本体 7~ 年小型ブロワ * *2 配管類 *2 *: 散気管への空気供給に使用する場合 *2: 通常の汚泥再生処理センターと同じ - 4 -

性能項目 6 経 済 性 維持管理費 () 薬品使用量 ASB システム導入により 薬品使用量は 3% 以上削減された 薬品名 単位 投入量あたりの各種薬品使用量と削減率 Run (H23.6.-H23..3) 投入量あたり平均使用量 Run4+Run5 * (H25.4.-H25.2.2) ( 除く 7.6-8.2) 削減率 (%) 削減理由 苛性ソータ kg/m 3.6.67 42. 臭気低減 ポリ硫酸第二鉄使用量低減 次亜塩素酸ソーダ kg/m 3.22. 49. 臭気低減 ポリ硫酸第二鉄 kg/m 3.73.46 36.5 汚泥削減 凝集性向上 脱水ポリマ kg/m 3.2.6 48.3 汚泥削減 *: 苛性ソーダ 次亜塩素酸ソーダは臭気低減による削減効果が考えられるので Run5の受入槽汚泥返送運転時 のデータのみを使用し その他はRun4 Run5のデータを合わせた (2) 燃料使用量 ASB システム導入により 資源化 ( 汚泥熱分解 ) に要する重油使用量は 3% 程度削減された A 重油 投入量あたりの A 重油使用量と削減率 単位 Run (H23.6.-H23..3) 投入量あたり平均使用量 Run4+Run5 (H25.4.-H25.2.2) ( 除く 7.6-8.2) 削減率 (%) L/m 3.53.7 29.9 (3) ランニングコスト ASB システム導入により 投入量あたりのランニングコストは約 3% 削減されると試算された 従来法と ASB システムの投入量あたりのランニングコスト 薬品 項目 従来法 ASBシステム 電気 * 消泡剤 メタノール 苛性ソーダ 次亜塩素酸ソーダホ リ硫酸第二鉄脱水ポリマ凝集ポリマ 水処理用活性炭 *2 脱臭用活性炭 ASBペレット剤 天然ミネラル塊 薬品小計 64 円 /m 3 64 円 /m 3* 円 /m 3 円 /m 3 2 円 /m 3 2 円 /m 3 27 円 /m 3 6 円 /m 3 2 円 /m 3 6 円 /m 3 28 円 /m 3 8 円 /m 3 3 円 /m 3 7 円 /m 3 5 円 /m 3 5 円 /m 3 77 円 /m 3 77 円 /m 3 円 /m 3 円 /m 3 - 円 /m 3 5 円 /m 3 - 円 /m 3 5 円 /m 3,95 円 /m 3,595 円 /m 3 23 円 /m 3 7 円 /m 3 2,775 円 /m 3 2,45 円 /m 3 A 重油合計削減率 3.3 % *: 黄色セルの金額が従来法と相違する *: 電気は 汚泥発生量 投入空気量削減により低減すると推測されるが 実績としては証明できないため同等とした *2: 本技術によって中濃度 / 高濃度脱臭装置の負荷は減るが出口濃度は同程度なので 後続の脱臭用活性炭のコスト減には反映されない - 5 -

性能項目 6 経 済 性 建設費 新設の場合は同一方式のし尿処理施設と同等以下である - 6 -