2014 年浜野行政書士試験塾インターネット講座演習第 8 回 今回 ( 第 8 回 ) から行政法に入ります 1 まずは 行政法の基礎的な概念を勉強します 行政法の基礎的な概念を勉強するために 記述式問題をやってみましょう [ 演習 01] オリジナル問題行政法記述式問題 行政救済に関する法 とは何か 40 字程度で記述しなさい 2 解答編第 8 回 を見て [ 演習 01] の答え合わせをしてください 解答編第 8 回 に書かれている 解答例 と同じである必要はありません 行政救済に関す る法 とは何か 自分なりに理解して 書かれていればかまいません 今回の記述式問題演習の目的は 行政法の基礎的な概念を理解すること 40 字程度の記述式問題の解答を書くことになれることの2つです 実際の行政書士試験の記述式問題は事例問題などが出ます たとえば次のような問題です Xは A 県 B 市内に土地を所有していたが B 市による市道の拡張工事のために 当該土地の買収の打診を受けた Xは 土地を手放すこと自体には異議がなかったものの B 市から提示された買収価格に不満があったため 買収に応じなかった ところが B 市の申請を受けたA 県収用委員会は 当該土地について土地収用法 48 条に基づく収用裁決 ( 権利取得裁決 ) をした しかし Xは この裁決において決定された損失補償の額についても 低額にすぎるとして 不服である より高額な補償を求めるためには Xは だれを被告として どのような訴訟を提起すべきか また このような訴訟を行政法学において何と呼ぶか 40 字程度で記述しなさい (2013 年度 問題 44) このような問題を最初から練習しても 出来るようにはなりません まずは基礎的な概念や条文知識をストレートに問う記述式問題をこなし 基礎的な力をきちんと身につけてから段階的に事例問題を解けるように勉強していく必要があります また 基礎的な概念や条文知識をストレートに問う記述式問題をこなすことによって 通常の5 肢 1
選択式問題を解く基礎力もつきます そして 通常の5 肢選択式問題を解くことによって 記述式の難しい事例問題も解けるようになっていきます 記述式問題の勉強と5 肢選択式問題の勉強は 互いに影響しあう あざなえる縄のような関係にあります 難しい事例問題を解くのも このような基礎的な問題を解くことによって 段々と確実に力がついてきます 千里の道も一歩からという諺のとおりです 3 では 行政法の基礎的な概念を勉強するために 記述式問題をどんどん進めましょう [ 演習 02] オリジナル問題行政法記述式問題 行政主体 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 03] オリジナル問題行政法記述式問題 行政機関 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 04] オリジナル問題行政法記述式問題 行政機関 の種類を 40 字程度で記述しなさい [ 演習 05] オリジナル問題行政法記述式問題 行政機関の 執行機関 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 06] オリジナル問題行政法記述式問題 A 行政機関が B 行政機関にある権限を 委任 した場合 B 行政機関はどのようにその権限を行使 するか 代理 の場合との違いが分かるように 40 字程度で記述しなさい [ 演習 07] オリジナル問題行政法記述式問題 公用廃止 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 08] オリジナル問題行政法記述式問題 公物 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 09] オリジナル問題行政法記述式問題 公物 の 1 種類である 公用物 とは何か 40 字程度で記述しなさい 2
[ 演習 10] オリジナル問題行政法記述式問題 公定力 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 11] オリジナル問題行政法記述式問題 不可争力 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 12] オリジナル問題行政法記述式問題 自力執行力 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 13] オリジナル問題行政法記述式問題 不可変更力 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 14] オリジナル問題行政法記述式問題 法律行為的行政行為 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 15] オリジナル問題行政法記述式問題 準法律行為的行政行為 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 16] オリジナル問題行政法記述式問題 下命 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 17] オリジナル問題行政法記述式問題 許可 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 18] オリジナル問題行政法記述式問題 免除 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 19] オリジナル問題行政法記述式問題 覊束行為 ( きそくこうい ) について 40 字程度で記述しなさい [ 演習 20] オリジナル問題行政法記述式問題 裁量行為 とは何か 40 字程度で記述しなさい 3
[ 演習 21] オリジナル問題行政法記述式問題 瑕疵の治癒 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 22] オリジナル問題行政法記述式問題 違法行為の転換 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 23] オリジナル問題行政法記述式問題 違法性の承継 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 24] オリジナル問題行政法記述式問題 撤回 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 25] オリジナル問題行政法記述式問題 取消し とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 26] オリジナル問題行政法記述式問題 公物 の 1 種類である 公共用物 ( 公共用財産 ) とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 27] オリジナル問題行政法記述式問題 行政上の 強制執行 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 28] オリジナル問題行政法記述式問題 行政上の 即時強制 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 29] オリジナル問題行政法記述式問題 行政代執行 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 30] オリジナル問題行政法記述式問題 執行罰 とは何か 40 字程度で記述しなさい [ 演習 31] オリジナル問題行政法記述式問題 行政刑罰 とは何か 40 字程度で記述しなさい 4
[ 演習 32] オリジナル問題行政法記述式問題 秩序罰 とは何か 40 字程度で記述しなさい 4 解答編第 8 回 を見て [ 演習 02] から [ 演習 32] の答え合わせをしてください この基礎的な記述式問題をやる意義を再度 説明しておきます たとえば [ 演習 07] は 公用廃止 の概念を問う記述式問題で [ 演習 26] は 公共用物 ( 公共用財産 ) の概念を問う記述式問題ですが 通常の5 肢選択式問題に次のような問題があります 公共用財産については それが長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され 黙示的に 公用が廃止されたものとみなしうる場合であっても 取得時効の成立は認められない ( か か ) (2008 年度 問題 23(1)) この問題を解くには まず 公共用物 ( 公共用財産 ) とは何かをきちんと把握していなければなりません 次に 公用廃止 の概念を知らなければなりません そして初めて取得時効の問題を考えられるのです 公共用物( 公共用財産 ) とは何か 公用廃止 とは何か という記述式問題をやることによって この 2008 年度 問題 23(1) のような通常の5 肢選択式問題も解ける基礎力がついてきます そして この通常の5 肢選択式問題が解けるようになると 難しい事例の記述式問題も解ける力がついてきます 5
5 最後に次の 5 肢選択式問題をやってください [ 演習 33] 2009 年問題 9( 行政法 ) 行政機関 行政機関に関する次の記述のうち 正しいものはいくつあるか ( ア ) 行政庁とは 行政主体の意思を決定し これを外部に表示する権限を有する行政機関をいう ( イ ) 国家行政組織法には行政庁は独任制でなければならないとの規定があり わが国には合議制の行政庁は存在しない ( ウ ) 上級行政庁は下級行政庁に対して監視権や取消権などの指揮監督権を有するが 訓令権については認められていない ( エ ) 行政庁がその権限の一部を他の行政機関に委任した場合であっても 権限の所在自体は 委任した行政庁から受任機関には移らない ( オ ) 法定の事実の発生に基づいて 法律上当然に行政機関の間に代理関係の生ずる場合を 授権代理という [ 解答群 ] (1) 一つ (2) 二つ (3) 三つ (4) 四つ (5) 五つ [ 演習 34] 2009 年問題 10( 行政法 ) 行政強制 行政強制に関する次の記述のうち 正しいものはどれか (1) 法律の委任による条例に基づき行政庁により命ぜられた行為については 行政代執行法は適用されない (2) 義務の不履行があった場合 直接に義務者の身体や財産に実力を加えることを即時強制という (3) 執行罰は 制裁的な要素を有するため 同一の義務違反に対して複数回にわたり処することはできない (4) 強制徴収手続は 租税債務の不履行のみならず 法律の定めがある場合には その他の金銭債権の徴収についても実施される (5) 行政上の即時強制については 行政代執行法にその手続等に関する通則的な規定が置かれている 6
[ 演習 35] 2010 年問題 9( 行政法 ) 通達通達に関する次の記述のうち 正しいものはどれか (1) 通達は 法律の根拠なく発令 改廃することができるが それに際しては 官報による公示や関係機関の事務所における備付けその他適当な方法により国民に対して公にしなければならない (2) 通達は 国民の法的地位に影響を与えるものではないが 特段の理由もなく通達に反する処分については 平等原則に違反するものとして 相手方たる国民との関係においても違法とされる余地がある (3) 通達は 国民の法的地位に影響を与えるものではないから その発令 改廃行為は行政事件訴訟法 3 条 1 項の 公権力の行使 および国家賠償法 1 条 1 項の 公権力の行使 にはあたらない (4) 通達によって示された法令解釈の違法性が訴訟において問題となったとき 裁判所は 行政庁の第一次的判断権の尊重の原則により それが重大明白に誤りでない限り 当該通達で示された法令解釈に拘束される (5) 通達は 上級行政機関が下級行政機関に対して発するものであり 上司たる公務員が部下である公務員に発する職務命令と別のものであるから 通達に反する行為を行ったことと当該行為を行った公務員の職務上の義務違反との間には 直接の関係はない [ 演習 36] 2012 年問題 24( 行政法 ) 占用許可 Xは A 川の河川敷においてゴルフ練習場を経営すべく 河川管理者であるY 県知事に対して 河川法に基づく土地の占用許可を申請した この占用許可についての次の記述のうち 妥当なものはどれか (1) この占用許可は 行政法学上の 許可 であるから Xの申請に許可を与えるか否かについて Y 県知事には 裁量の余地は認められない (2) 申請が拒否された場合 Xは 不許可処分の取消訴訟と占用許可の義務付け訴訟を併合提起して争うべきであり 取消訴訟のみを単独で提起することは許されない (3)Y 県知事は 占用を許可するに際して 行政手続法上 同時に理由を提示しなければならず これが不十分な許可は 違法として取り消される (4)Xが所定の占用料を支払わない場合 Y 県知事は 行政代執行法の定めによる代執行によって その支払いを強制することができる (5)Y 県知事は 河川改修工事などのやむをえない理由があれば 許可を撤回できるが こうした場合でも Xに損失が生ずれば 通常生ずべき損失を補償しなければならない 7
6 [ 演習 33] から [ 演習 36] を終えたら 解答編第 8 回 を見て 答え合わせをしてく ださい 7 [ 演習 33] から [ 演習 36] は 現時点ではまだ出来なくてもよいです 大変かもしれませ んが [ 演習 01] から [ 演習 32] の記述式問題をしっかりとやってください ここを習熟するかどうかが 行政法に関して 後々大きく影響します また 第 8 回の勉強が済んだら 第 3 回から第 7 回の復習をよくしてください 知識を確実に積み重ねていくことが大切です 以上 8