東京大学 現代的教育ニーズ取組支援プログラム ICT を活用した新たな教養教育の実現 東京 京大学 学大学院情報学環 准教授 東京大学における学習環境デザイン はじめに 情報学環で准教授をしております山内祐平です 私 大学の変化と学習空間 今 なぜ学習空間を問題にするのかというお話につ が関わらせていただいた東京大学での学習空間に関す いて 先ほど永田先生から ICT との関わりにおいて る試行的な事例に関して ご報告をさせていただきま イントロダクションをしていただきました ちょっと す 違うパースペクティブ 重なるところもあるのですが 配布資料として お手元にあるように 今日は事例 を2つご紹介します 1つは 先ほどからお話があ ります この現代 GP の基盤になっております 駒場 もうちょっと大きいところからお話を始めたいと思い ます この中は 企業の方と大学の方が半分ずつくらいい アクティブラーニングスタジオのパンフレットです らっしゃるのではないかと思います 企業の方も何ら それからもう1つ このアクティブラーニング自体 かのかたちで大学に関係していらっしゃる方が多く は 通常教室の中の話としてとらえられておりますが て 皆さんが共通して持っていらっしゃる思いとして きょうはせっかく初等 中等教育で 多様な学習空間 この5 10 年で非常に大きく大学をめぐる環境が変 をつくってこられた工藤和美先生と 素敵なオフィス わってきて 大学にこれほど変革が求められている時 をつくってこられた岸本章弘先生のお話を伺うので 代はないと思います もうちょっと話を広げて この教室以外でのある種 これは 1990 年代のアメリカから始まったこの流 学生が能動的に学習をするための空間的な仕掛けとい れが ある種世界的になって すべての国の大学 高 う事例として 私が所属しております情報学環で こ 等教育機関がいろんな意味で変革を迫られています の 2007 年4月に新しく建築されました情報学環 一言で ものすごく大ざっぱに 乱暴を承知でまとめ 福武ホールの事例もご紹介させていただきます この ますと それは大学というものが従来 非常に高度で パンフレットもございますので お手元でご参照いた 専門的な知識を学生に伝えるという場であったところ だければと思います から もちろん伝えるという行為は全く無くなること 10 国際シンポジウム ICT を活用したアクティブラーニング 2008.03.17
東京大学 現代的教育ニーズ取組支援プログラム ICT を活用した新たな教養教育の実現 建築家 シーラカンス K&H 代表 東洋大学 教授 外の教室 教室の外 学校建築のきっかけ ご紹介していただきました工藤和美でございます ただこうと思っています 実は 20 年近く学校教育機関にかかわる設計をやっ よろしくお願いいたします 先ほど永田敬先生からも ているのですが 私自身が学校建築をするきっかけに ご紹介があって 私は主に初等教育 幼稚園も含めて なったのは 今は幕張ベイタウンという名前が付いて の小中高の設計を通して 実際には大学で教えていた いて 幕張メッセがある場所なので 皆さまもご存じ りもします きょうは大学でのアクティブラーニング かと思います そこの 84ha もある巨大な敷地のマ という話を伺いました ご紹介にあったように 大学 スタープランをせよと 私が東京大学の大学院博士課 というのは 社会とその前の教育のちょうど中間にあ 程1年のときに 依頼のあった最初の都市計画のプラ るということで 大学に来るまでの過程で どういう ンニングだったのです そのときに考えた構想が今こ 空間で人が育ってくるか どういう空間が今 新しい の街になった ほぼ2万 6000 人の街として完成する 試みにされているかを その先の大学 あるいはその これだけの人たちの街をつくる最初のきっかけという 先の社会を見ていく上でのヒントになればなと思っ のは 人はどうやって駅に歩いていくだろう とい て きょうは いくつかの小中学校の例を用いてお話 うことから始まりました 人間の行動ということから をしたいと思いました この街をつくったのです 団地みたいなところに行く 最初に 外の教室 教室の外 というタイトルを と 必ず駅と自分の家を結ぶ1本の道があって それ 付けさせていただいていて お手元にお配りした資料 以外 意外と歩いていないという状況があります 碁 のうちの カラーのものが主にそれに沿ったものです 盤の目になっているのは いろんな最短距離を選べる ワードの文字のほうは 前段として こういう考えが という可能性の高い敷地割りにしたというのが そも あって その先に 外の教室 や 教室の外 という そもの街区論でつくったものだからです 考えがあるということで きょうはこの話は省略して この中に学校を設計させていただくチャンスがあっ カラーのシートのほうに近いかたちでの話をさせてい て 右手のほうの正面の塊のようなものは体育館で 16 シンポジウム アクティブラーニングのための学習空間を創る 2009.02.20
東京大学 現代的教育ニーズ取組支援プログラム ICT を活用した新たな教養教育の実現 WORKSCAPE LAB 代表 表 ECIFFO 編集長 触発するワークプレイス 変化する仕事と環境 1990 年代以降 知識社会と呼ばれるような状況に 私は オフィスのことをずっとやっております 最 なってきて いかに知識を創造するかといったことが 近 10 年以上は 企業の研究部門におりました関係 言われています それから常に状況は時々刻々変化し 上 オフィスをあんまりつくってはおりません その ております そういう中で 新しい知識を創造するた 分 ECIFFO エシーフォ というオフィス情報誌を めに常に学んでいく必要があります ここでいう学習 つくるために 研究の一環として いろいろなオフィ というのは どちらかといえば 学校や教育環境の中 スを見てきています 見てきたもののほうが 私がつ の学びというよりも 学習する組織が プロフェッショ くったものよりもずっとインパクトがありますし い ナルとして 常に新しい状況や経験を学ぶということ ろいろとバリエーションもあります そういったもの です あるいは 新しい外部の情報を学んでいくとい を中心に 今回は少し最近のオフィスがどのように変 うことです それをさらに次のビジネスにつなげてい 化してきているのかといった前段を簡単に説明させて きます そういうことを考えたときに 学習という言 いただき その後 今回のテーマとさせていただきま 葉が当てはまると思いますし 教育に関わるなんらか した 触発するワークプレイス について紹介します のヒントになるようなことが 少しはあるだろうとい オフィスという場所が そもそも生まれた時という うことで お話をさせていただきます のは 触発する空間ではなかったわけです むしろ いわゆる事務作業といわれるようなもの 紙媒体を道 オフィス変革の始まり 具とした情報処理をいかに効率よくやっていくかとい まず先ほど言いました とにかく仕事と環境が変化 う どちらかというと作業空間ですし その作業をし していますという話です ちょうど 1990 年代の頭 ている状態をいかにうまく管理 監督するかというこ たぶん 1991 年か 1992 年ぐらいだと思いますが とです あるいは もっと言えば見張るか そういう アメリカでオルタナティブ オフィシングという言葉 効率重視の空間であったわけです が生まれました 時期的には ビジネスの環境とし 40 国際シンポジウム ICT を活用したアクティブラーニング 2008.03.17