Regulations for Manufacturing Control and Quality Control of Ethical Extract Products in Kampo Medicine (Oriental Medicine) Formulations

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すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

を加え,0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液で滴定 2.50 する.0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液の消費量は 0.2 ml 以下である ( 過酸化水素として 170 ppm 以下 ). (4) アルデヒド (ⅰ) ホルムアルデヒド標準液ホルムアルデヒド メタノール液のホルムアルデヒ

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2,3-ジメチルピラジンの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)

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よくある指摘事項(2)

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第十八改正日本薬局方作成基本方針 1. 日本薬局方の役割と性格 - 公的 公共 公開の医薬品品質規範書 - 日本薬局方は 学問 技術の進歩と医療需要に応じて 我が国の医薬品の品質を適正に確保するために必要な規格 基準及び標準的試験法等を示す公的な規範書である また 日本薬局方は 薬事行政 製薬企業

102 乙字湯エキス. 医薬品各条の部乙字湯エキスの条基原の項, の項 (4) の目及びの項 (3) の目を次のように改める. 乙字湯エキス 本品は定量するとき, 製法の項に規定した分量で製したエキス当たり, サイコサポニンb2 1.2 ~ 4.8 mg, バイカリン (C21H18O11:446.

2-3 分析方法と測定条件ソルビン酸 デヒドロ酢酸の分析は 衛生試験法注解 1) 食品中の食品添加物分析法 2) を参考にして行った 分析方法を図 1 測定条件を表 3に示す 混合群試料 表示群試料について 3 併行で分析し その平均値を結果とした 試料 20g 塩化ナトリウム 60g 水 150m

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法第 14 条第 10 項の規定に基づく承認事項の軽微変更に係る届出 ( 以下 軽微変更届出 という ) を行わせること その際 軽微変更届出書の 備考 欄に 平成 29 年 12 月 1 日薬生薬審発 1201 第 3 号 第十七改正日本薬局方第一追補の制定に伴う医薬品製造販売承認申請等の取扱いに

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 溶出 検査 1 ジフェニドール塩酸塩錠 25mg CH 長生堂製薬 * 2 シュランダー錠 25mg 鶴原製薬 * 3 ジフェニドール塩酸塩錠 25mg TYK 武田テバ薬品 * 4 ジフェニドール塩酸塩錠 25mg タイヨー 武田テバファーマ

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Taro-試験法新旧

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食安監発第 号 食安基発第 号 平成 19 年 11 月 13 日 各検疫所長殿 医薬食品局食品安全部監視安全課長基準審査課長 ( 公印省略 ) 割りばしに係る監視指導について 割りばしに残留する防かび剤等の監視指導については 平成 19 年 3 月 23 日付け食安

日本食品成分表分析マニュアル第4章

36 モサプリドクエン酸塩錠 5mg TSU 鶴原製薬 37 モサプリドクエン酸塩錠 5mg YD 陽進堂 38 モサプリドクエン酸塩錠 5mg ZE 全星薬品工業 39 モサプリドクエン酸塩錠 5mg アメル 共和薬品工業 40 モサプリドクエン酸塩錠 5mg イセイ コーアイセイ 41 モサプリ

薬食審査発第 号

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2009年度業績発表会(南陽)

目次 1 事業で用いた分析法 実験方法 試料 試薬 ) ソルビン酸標準品 ) その他の試薬 装置及び器具 定量方法 ) 抽出 ) HPLC による測定 )

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光 試験区分保存条件保存期間保存形態結果 苛酷試験 光 白色蛍光灯 120 万 lux hr ハ ラフィルムで 覆ったカ ラ ス容器 照射された表面の黄色への着色 並びに水分及び溶液の色の増加 膜透過性 その他 試験項目 : 外観 類縁物質 水分 定量 溶液の色 * ph * 旋光度 * IR スペ

研究報告58巻通し.indd

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37 シロスタゾールOD 錠 50mg ケミファ 日本薬品工業 38 シロスタゾールOD 錠 50mg JG ダイト 39 シロスタゾールOD 錠 50mg マイラン マイラン製薬 40 シロスタゾールOD 錠 50mg トーワ 東和薬品 41 シロスタゾールOD 錠 50mg ツルハラ 鶴原製薬

和 36 年厚生省令第 1 号 ) 承認申請 : 法第 14 条第 1 項又は第 19 条の2 第 1 項の規定に基づく医薬品の製造販売承認申請一変申請 : 法第 14 条第 9 項 ( 法第 19 条の2 第 5 項において準用する場合を含む ) の規定に基づく医薬品の製造販売承認事項一部変更承認

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pdf ナルトグラスチム ( 遺伝子組換え ) Nartograstim(Genetical Recombination) MAPTYRASSL PQSFLLKSLE QVRKIQGDGA ALQEKLCATY KLCHPEELVL LGHSLGIPWA PLSSC

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ICH Q4B Annex12

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280930事務連絡「公定規格に収載されていない生薬の自主基準について」

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札幌市-衛生研究所報37(調査報告05)

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細辛 (Asari Radix Et Rhizoma) 中の アサリニンの測定 Agilent InfinityLab Poroshell 120 EC-C µm カラム アプリケーションノート 製薬 著者 Rongjie Fu Agilent Technologies Shanghai

HPLCによるUSP関連物質分析条件のUPLC分析への移管と開発

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表 1. HPLC/MS/MS MRM パラメータ 表 2. GC/MS/MS MRM パラメータ 表 1 に HPLC/MS/MS 法による MRM パラメータを示します 1 化合物に対し 定量用のトランジション 確認用のトランジションとコーン電圧を設定しています 表 2 には GC/MS/MS

資料 イミダゾリジンチオン 測定 分析手法に関する検討結果報告書

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国立感染症研究所血液 安全性研究部 HBV-DNA 国内標準品及び HIV-RNA 国内標準品の力価の再評価のための共同研究 1. 背景と目的血液製剤のウイルス安全性の確保対策として実施されている原料血漿と輸血用血液のウイルス核酸増幅試験 (NAT) のための HCV HBV 及び HIV の国内標

A 通 則 1. 添加物の適否は, 別に規定するもののほか, 通則, 一般試験法, 成分規格 保存基準各条等の規定によって判定する ただし, 性状の項目の形状は, 参考に供したもので, 適否の判定基準を示すものではない 2. 物質名の前後に を付けたものは, 成分規格 保存基準各条に規定する添加物を

1. 局方全般に関する質問への回答 Q1. 生物薬品の標準品について一律に国際標準品を対照として JP 標準品を設定するのではなく 国際標準品又は国内標準品をそのまま使用することを認め 国際標準品が存在しない場合のみ JP 標準品を設定するようにできないか 例えば, 標準品の国際調和を進めることはで

1544 注射用マイトマイシン C. 条件で液体クロマトグラフィー 2.01 により試験を行い, それぞれの液のマイトマイシンCのピーク面積 AT 及びASを測定する. マイトマイシンC (C15H18N4O5) の量 [μg( 力価 )] =MS AT/AS 1000 MS: マイトマイシンC 標

品目名 ( 製造販売業者 ) 先発医薬品 効能 効果用法 用量添加物 1) 解離定数 1) 溶解度 36 ロサルヒド配合錠 HD DK 大興製薬 37 ロサルヒド配合錠 HD EP 第一三共エスファ 38 ロサルヒド配合錠 HD FFP 富士フイルムファーマ 39 ロサルヒド配合錠 HD KO 寿製

ミリモル毎リットル mmol/l マイクロジーメンス毎センチメートル µs/cm 度 ( 角度 ) 5. 質量百分率を示すには % の記号を用いる 液体又は気体 100mL 中の物質量 (g) を示すには w/v% の記号を用いる 物質 100g 中の物質量 (ml) を示すには v/w% の記号を

まえがき 日本薬局方の医薬品各条は, 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ( 総合機構 ) からの依頼に より, メーカー各社が作成 提案したものを, 総合機構に設置された日本薬局方原案審議委員会 ( 主に化学薬品委員会, 生物薬品委員会, 抗生物質委員会 ) で審議され, 総合機構から厚生労働省に

ソバスプラウトのフラボノイド・アントシアニン分析法

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医薬品説明会資料 ジェネリック (後発医薬品)

36 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30mg YD 陽進堂 37 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30mg ZE 全星薬品工業 38 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30mg アメル 共和薬品工業 39 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30mg 杏林 キョーリンリメディオ 40 フェキソフェナジン塩酸塩錠 30m

<4D F736F F F696E74202D D95698EBF B C8B4B8A698E8E8CB181698D828BB4816A44325F D9770>

ジ 4) には, 適合する公的溶出試験の種類が製品ごとに掲載されており, 参考とした. 対象とする製品のうち, 口腔内崩壊錠については公的溶出試験の設定がないため, 各々の医薬品製造販売承認書の規定に従って溶出試験を行った. 表 1 溶出規格 表示量 規定時間 溶出率 溶出性 a 5mg 30 分

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本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

第十七改正日本薬局方第二追補に収載予定の生薬関連製剤のエキス剤 呉茱萸湯エキス : エボジアミン ( カラム : 粒子径 5μm,4.6mmID 15cm) Mightysil RP-18 GP TSKgel ODS-100S M 呉茱萸湯エキス :[6]- ギンゲロール ( カラム : 粒子径 5


鳥取県衛生環境研究所報 第43号

目次 1. 総合評価 1 2. 湿度に対する安定性 2 3. 温度に対する安定性 4 4. 光に対する安定性 6 5. 分割時の安定性 9 6. 粉砕時の安定性 12 総合評価分類 分類 分類基準全ての試験項目で変化を認めないいずれかの試験項目で 規格内 の変化を認めるいずれかの試験項目で 規格外

3. 答申案 別紙のとおり ( 参考 ) これまでの経緯平成 17 年 11 月 29 日残留基準告示平成 27 年 3 月 ~ 平成 27 年 12 月残留農薬等公示分析法検討会で随時検討平成 28 年 5 月 17 日薬事 食品衛生審議会へ諮問平成 28 年 5 月 18 日厚生労働大臣から食品

標記募集に当たり 日本薬局方医薬品各条原案に係るカラムの情報の公開について ( 平成 28 年 3 月 1 日付医薬 平成 30 年 3 月 1 日 フェロジピン 純度試験 (2) 類縁物質 L-Column ODS 平成 30 年 3 月 1 日 フェロジピン錠 製剤均一性 溶出性 定量法 L-C

Chromatography Stage 4 案の趣旨等について 平成 29 年 7 月 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 規格基準部医薬品基準課 今般 Chromatography に関する日米欧三薬局方国際調和案 (Stage 4 案 ) のご意見募集を開始するにあたり 本国際調和案の作成の背

氏名垣田浩孝 ( 論文内容の要旨 ) 糖質は生物科学的にも産業的にも重要な物質群であり 簡便かつ高感度な分析法の開発が求められている 代表的な糖質分析手段として高速液体クロマトグラフィー (HPLC) が用いられているが 多くの糖質に発色団や発蛍光団が無いため 示差屈折計による検出が一般的である し

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抗体定量用アフィニティークロマトグラフィー

2 有効成分名 添付文書及び審査報告書に基づき記載する 3 品目名 ( 後発医薬品 ) 添付文書及び審査報告書のほか薬価基準収載品目リストにより記載する 複数の品目がある場合は 個別医薬品コード (YJ コード ) 順に番号を振り 記載する ( 複数規格があっても 全規格まとめて YJ コード順とす


品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

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豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

性 1) 液性 (ph) なし光なしその他 膜透過性 なし BCS Biowaiver option なし 薬効分類 131 眼科用剤 規格単位 0.1%5mL1 瓶 0.3%0.4mL1 個 0.3%5mL1 瓶 2

14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

9 果実酒 9-1 試料の採取 3-1 による ただし 発泡のおそれのあるものは綿栓をして 速やかに試験に供する 9-2 性状 3-2 による 別に試料及び貯蔵容器において 皮膜の状態についても観察する 9-3 ガス圧 8-3 に準じて測定する 9-4 検体の調製 ガスを含むときは 8-4 によって

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スライド 1

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薬生審査発 第 6 号 平成 2 7 年 12 月 25 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局審査管理課長 ( 公印省略 ) 生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスについて 生薬のエキス製剤の開発にあたり留意すべき事項等については 厚生労

しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

本日の内容 QbD について 日本における状況について EMA-FDA QbD パイロットプログラムについて 厚生労働科学研究による成果 サクラミル原薬のモック サクラ錠のモック 今後の課題について 日本薬局方原案審議委員会での取り組みについて 製剤機械技術学会第 23 回大会 2

はじめに 液体クロマトグラフィーには 表面多孔質粒子の LC カラムが広く使用されています これらのカラムは全多孔質粒子カラムの同等製品と比べて 低圧で高効率です これは主に 物質移動距離がより短く カラムに充填されている粒子のサイズ分布がきわめて狭いためです カラムの効率が高いほど 分析を高速化で

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

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シンポジウム 3 生薬資源の確保と持続的利用 ~ 甘草を取り巻く現状と今後の展望 ~ 産学官で取り組む生薬資源の確保と持続的利用 袴塚高志 国立医薬品食品衛生研究所生薬部 日本生薬学会第 61 回年会福岡大学平成 26 年 9 月 14 日

講演概要 産学官で取り組む生薬資源の確保と持続的利用 1. はじめにカンゾウの資源確保と持続的利用の必要性 2. 日本薬局方カンゾウの規格改正案 1 定量法改正 2 乾燥物換算の再検討 3. おわりに生薬資源確保に関する産官学連携の重要性

これまであるべき将来生薬資源の持続的利用 穀物 家畜薬用植物化石燃料穀物 家畜薬用植物化石燃料 生産物の消費有限資源の消費 使った分だけ作る 生産物の消費栽培有限資源の消費 技術的課題 コスト問題を乗り越えて

生薬資源の品質確保と持続的利用 医薬品としての生薬 漢方 生薬製剤の原料単味生薬 規格化 日本薬局方日本薬局方外生薬規格 日本漢方生薬製剤協会日本生薬連合会自主規格 ( 公定規格に収載されていない生薬の規格及び試験方法 ) 量及び質の両面で保証された生薬資源確保

講演概要 産学官で取り組む生薬資源の確保と持続的利用 1. はじめにカンゾウの資源確保と持続的利用の必要性 2. 日本薬局方カンゾウの規格改正案 1 定量法改正 2 乾燥物換算の再検討 3. おわりに生薬資源確保に関する産官学連携の重要性

日本薬局方の構成 第 16 改正日本薬局方 ( 平成 23 年 3 月 24 日厚生労働省告示第 65 号 ) 告示 日本薬局方沿革略記 まえがき 通則 生薬総則 製剤総則 一般試験法 医薬品各条 ( 化学薬品等 生薬等 ) 参照スペクトル ( 紫外可視吸収 赤外吸収 ) 参考情報 附録 ( 原子量表 索引 ) 索引

日本薬局方の医薬品各条の規格項目 (1) 日本名 (9) 成分の含量規定 (17) (2) 英名 (10) 表示規定 (18) 強熱残分 灰分又は酸不溶性灰分 製剤試験及びその他の特殊試験 (3) ラテン名 (11) 製法 (19) 異性体比 (4) 日本名別名 (12) 性状 (20) 定量法又は成分の含量 (5) 構造式 (13) 確認試験 (21) 貯法 (6) 分子式及び分子量 (14) 示性値 (22) 有効期限 (7) 化学名 (15) 純度試験 (23) その他 (8) 基原 (16) 乾燥減量 強熱減量又は水分 生薬等の部で規定されている項目 ( 赤字は生薬等特有の項目 ) 青字は生薬等での規定が困難な項目

日本薬局方の審議体制と生薬及び漢方処方エキスの局方収載原案作成に係る組織 医薬品医療機器総合機構 日本薬局方原案審議委員会 厚生労働省薬事 食品衛生審議会 日本薬局方部会 日本薬局方総合委員会 総合小委員会 化学薬品委員会 抗生物質委員会 生物薬品委員会 厚生労働科学研究 生薬等 (B) 委員会 生薬等 (A) 委員会 漢方処方の局方収載原案作成に関する WG 総合的項目及び既収載品目の審議 新規収載品目の審議

日本薬局方の役割 我が国の医薬品の品質を保証する法令 我が国の医薬品の品質を保証する判断基準を明確にするために必要な公的基準 承認審査での品質審査の基準 ( 行政 ) 監視指導での品質確保の標準書 ( 行政 ) 医薬品開発における品質規格の水準 ( 製薬企業 ) 保健衛生上重要な医薬品を規定する医薬品集

カンゾウの日局規格 ( 抜粋 ) 日本名 英名ラテン名 日本名別名 基原 成分の含量規定 カンゾウ Glycyrrhiza GLYCYRRHIZAE RADIX 甘草 本品は Glycyrrhiza uralensis Fischer 又は Glycyrrhiza glabra Linné (Leguminosae) の根及びストロンで, ときには周皮を除いたもの ( 皮去りカンゾウ ) である. 本品は定量するとき, 換算した生薬の乾燥物に対し, グリチルリチン酸 (C 42 H 62 O 16 :822.93) 2.5 % 以上を含む.

カンゾウの日局規格 ( 定量法 )( 抜粋 ) 定量法本品の粉末約 0.5 g を精密に量り, 共栓遠心沈殿管に入れ, 希エタノール 70 ml を加えて 15 分間振り混ぜ, 遠心分離し, 上澄液を分取する. 残留物は更に希エタノール 25 ml を加え, 同様に操作する. 全抽出液を合わせ, 希エタノールを加えて正確に 100 ml とし, 試料溶液とする. 別にグリチルリチン酸標準品 ( 別途水分を測定しておく ) 約 25 mg を精密に量り, 希エタノールに溶かして正確に 100 ml とし, 標準溶液とする. 試料溶液及び標準溶液 20 μl ずつを正確にとり, 次の条件で液体クロマトグラフィー 2.01 により試験を行い, それぞれの液のグリチルリチン酸のピーク面積 A T 及び A S を測定する. グリチルリチン酸 (C 42 H 62 O 16 ) の量 (mg)=m S A T /A S M S : 脱水物に換算したグリチルリチン酸標準品の秤取量 (mg) 試験条件検出器 : 紫外吸光光度計 ( 測定波長 :254 nm) カラム : 内径 4.6 mm, 長さ 15 cm のステンレス管に 5 μm の液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度 :20 付近の一定温度移動相 : 薄めた酢酸 (31) (1 15)/ アセトニトリル混液 (3:2) 流量 : グリチルリチン酸の保持時間が約 10 分になるように調整する.

日局カンゾウにおけるグリチルリチン酸定量法の改正 日局法 ( イオン抑制法 )( 現行法 ) 標準溶液 グリチルリチン酸 試料溶液 グリチルリチン酸 測定波長 : 254nm カラム温度 : 20 流量 : 1.0mL/min 注入量 : 20μL 移動相 : 薄めた酢酸 (31)(1 15)/ アセトニトリル混液 (3:2) クロマトグラム提供日本漢方生薬製剤協会技術委員会試験法部会

グリチルリチン酸標準品に含まれる不純物 ( 類縁体 ) 岡田敏史 北島文 谷本剛 佐竹元吉 国立衛生試験所グリチルリチン酸標準品 (Control941) 衛生試験所報告第 113 号 (1995) グリチルリチン酸 O COOH グリチルリチン酸類縁体 ( ピークX) O COOH H H COOH O O OH H COOH O O OH H OH O COOH O OH OH OH グルクロン酸 OH O COOH HO O OH OH ガラクツロン酸

日局カンゾウにおけるグリチルリチン酸定量法の改正 ピーク X 分離法 1( イオンペア法 ) 標準溶液 試料溶液 グリチルリチン酸 グリチルリチン酸 ピーク X ピーク X 測定波長 : 254nm カラム温度 : 50 流量 : 1.5mL/min 注入量 : 10μL 移動相 : 5mM 臭化テトラn-ブチルアンモニウムのメタノール溶液 / ph5.0リン酸水素二ナトリウム クエン酸緩衝液混液 (14:11) クロマトグラム提供日本漢方生薬製剤協会技術委員会試験法部会

日局カンゾウにおけるグリチルリチン酸定量法の改正 ピーク X 分離法 2( 緩衝液法 ) 標準溶液 グリチルリチン酸 試料溶液 グリチルリチン酸 ピーク X ピーク X 測定波長 : 254nm カラム温度 : 40 流量 : 1.0mL/min 注入量 : 10μL 移動相 : 酢酸アンモニウム 3.85g に水 720mL を加えて溶かし, 酢酸 (100)5mL およびアセトニトリル 280mL を加えて混和する. クロマトグラム提供日本漢方生薬製剤協会技術委員会試験法部会

日局カンゾウにおけるグリチルリチン酸定量法の改正 日局法 ( イオン抑制法 )( 現行法 ) 標準溶液 グリチルリチン酸 試料溶液 グリチルリチン酸 ピーク X ピーク X 測定波長 : 254nm カラム温度 : 20 流量 : 1.0mL/min 注入量 : 20μL 移動相 : 薄めた酢酸 (31)(1 15)/ アセトニトリル混液 (3:2) 使用カラム : TSKgel ODS-100S(φ4.6 150mm 5μm) クロマトグラム提供日本漢方生薬製剤協会技術委員会試験法部会

日局カンゾウにおける乾燥物換算の再検討 本品はグリチルリチン酸 2~6% を含む ( 第 12 改正日局 医薬品各条 カンゾウの性状 ) 含量規格へ ( 適否の判定基準 ) 乾燥物換算へ 本品は定量するとき, 換算した生薬の乾燥物に対し グリチルリチン酸 (C 42 H 62 O 16 :822.93) 2.5 % 以上を含む ( 第 13 改正日局 医薬品各条 カンゾウの含量規格 ) 乾燥物換算の再検討前提 1: 第 12 改正当時と第 13 改正当時の 5 年間にカンゾウの品質に変化は無い 前提 2: 日局カンゾウの乾燥減量は 12% 以下 2% [(100-12)/100] = 2.27%

講演概要 産学官で取り組む生薬資源の確保と持続的利用 1. はじめにカンゾウの資源確保と持続的利用の必要性 2. 日本薬局方カンゾウの規格改正案 1 定量法改正 2 乾燥物換算の再検討 3. おわりに生薬資源確保に関する産官学連携の重要性

生薬資源の持続的利用に資する産学官の取り組み 科学的根拠に基づく同等性確保と規制改革の連動 産学官 野生品 保護 代替生産国の探索露地栽培品 原産国 代替国 国産人工栽培品 規制改革のための科学的根拠 同等性確認 生産性向上 含量増強 規制改革 公定書改正ガイドライン作成 品質確保 栽培指針 レギュラトリーサイエンス ( 科学技術の成果を国民の利益 社会に還元 )

ご清聴ありがとうございました 袴塚高志 国立医薬品食品衛生研究所生薬部 シンポジウム 3 生薬資源の確保と持続的利用 ~ 甘草を取り巻く現状と今後の展望 ~ 産学官で取り組む生薬資源の確保と持続的利用 日本生薬学会第 61 回年会福岡大学平成 26 年 9 月 14 日