「2025年に向けた新しい地域づくり -地域包括ケアシステムの構築を目指して-」

Similar documents
認知症医療従事者等向け研修事業要領

スライド 1

区分

PowerPoint プレゼンテーション

本事例集は 在宅医療 介護連携推進事業の ( ア ) から ( ク ) の取組ごとに いくつかの市町村における具体的な取組を紹介しているが これらの取組に加え 取組む際の体制 取組に要した予算 取組による成果や成功の要因 今後の課題等についても 以下の調査研究事業で報告されているため 参考にしていた

Microsoft PowerPoint - 9-2桜川市(2)

<4D F736F F D20CADFCCDEBAD D9595B68E9A816A8AEC91BD95FB8E735F5F91E682558AFA89EE8CEC95DB8CAF8E968BC68C7689E >

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

スライド 1

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

スライド 1

SBOs- 3: がん診断期の患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 4: がん治療期 ; 化学療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 5: がん治療期 ; 放射線療法を受けている患者の心身の特徴について述べることができる SBOs- 6: がん治療期

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

スライド 1

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

佐久総合病院 H24年度在宅医療連携拠点事業 活動報告

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

地域総合支援協議会


計画の今後の方向性

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

人口ピラミッドの変化 ( 平成 18 年中位推計 ) ( 歳 ) ,160(9%) 1,407(11%) 2005 年 2030 年 2055 年 2.5 万 27 万 63 万 100 歳以上総人口 1 億 2,749 万人 2,266(20%) 1,401

Microsoft PowerPoint - 【4 山本先生】地域包括ケア時代のMC協議会のあり方

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

サービス担当者会議で検討し 介護支援専門員が判断 決定するものとする 通所系サービス 栄養改善加算について問 31 対象となる 栄養ケア ステーション の範囲はどのようなものか 公益社団法人日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置 運営する 栄養士会栄養ケア ステーション に限るものとする 通所介護

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

一般看護師領域 キャリアレベル ミドル (Ⅲ) 退院支援看護師育成プログラム ~ 希望を地域へつなぐ ~


千葉県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 1 市区町村名 銚子市 2 人口 ( 1) 68,930 人平成 25 年 4 月 1 日現在 ( ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上人口 20,936 人 ( 高齢化率 30.37%) ( ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれについて記載

PowerPoint プレゼンテーション

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

<4D F736F F D C605F937393B9957B8CA781418E7392AC91BA81418AD68C CC816A C95DB8C9289DB2E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ


Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

居宅介護支援事業者向け説明会

01_協議体及びコーディネーター【9人Ver.】-2.xdw

平成 24 年度診療報酬説明会リハビリテーション関連 平成 24 年 4 月 21 日 公益社団法人 高知県理学療法士協会 医療部

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

02 H30 å°‡éŒ•â–€ï¼„â–¡ã…»æł´æŒ°â–€ï¼„â–¡ï¼‹ç‘¾ä»»ï¼›ã‡«ã…ªã‡�ㅥㅩㅀ.xlsx

広島県における『地域ケア会議』

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

7 時間以上 8 時間未満 922 単位 / 回 介護予防通所リハビリテーション 変更前 変更後 要支援 Ⅰ 1812 単位 / 月 1712 単位 / 月 要支援 Ⅱ 3715 単位 / 月 3615 単位 / 月 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) の見直し リハビリテーションマネジメン

総合診療

厚生労働省による 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1) に対する 八王子介護支援専門員連絡協議会からの質問内容と八王子市からの回答 Q1 訪問看護ステーションによるリハビリのみの提供の場合の考え方について厚労省 Q&A(Vol.1) での該当項目問 21 問 22 問 23 A

PowerPoint プレゼンテーション

小児_各論1の2_x1a形式

000-はじめに.indd

001

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

2/12 開催時間研修会 検討会等名称研修等の目的 内容 概要等開催場所参加人員 院内外 職種等 5 平成 26 年 5 月 15 20:00~ 21:35 第 10 回薬薬連携勉強会地域保健薬局薬剤師との連携強化 院内 : 薬剤師 10 人院外 : 薬剤師 12 人 6 平成 26 年 5 月 2

01 R1 å®�剎ç€fl修$僓ç€flä¿®ï¼„æł´æŒ°ç€fl修+å®�剎未組é¨fi蕖咂ㆂ;.xlsx

一般会計負担の考え方

藤沢市における在宅医療

緩和ケア研修会における e-learning の導 について 市 札幌病院精神医療センター副医 上村恵 ( 特定 営利活動法 本緩和医療学会委託事業委員会委員 )

在宅医療 介護連携のための市町村ハンドブック (H 国立長寿医療研究センター ) 1. 市町村は 主体的に取組む部署を整備する ( 介護保険担当部局が適切であり 担当者の複数配置 当面の異動を避けることが望ましい ) 2. 地区医師会と市町村が協力して行うこと 5 厚生労働省資料より

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

認知症サポーター養成講座

地域包括ケア病棟 緩和ケア病棟 これから迎える超高齢社会において需要が高まる 高齢者救急に重点を置き 地域包括ケア病棟と 緩和ケア病棟を開設いたしました! 社会福祉法人 恩賜財団済生会福岡県済生会八幡総合病院

私たちの人生 病気やケガのリスクと 経済的影響は? 50 ( 千人 ) 1, 通院入院 ( 歳 )

事業内容

<838A815B835F815B834A838A834C C42E786C73>

PowerPoint プレゼンテーション

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

Microsoft PowerPoint - (HP掲載用)270820定期巡回.pptx

地域包括ケアシステム

16_27

Generated by Foxit PDF Creator Foxit Software For evaluation only. 1

介護支援専門員 ( 回答数 件 ) 介護支援専門員の基礎資格 介護支援専門員の基礎資格 n= 複数回答 0 基礎資格について 介護福祉士 が 件 ( 0.%) と最も多かった 介護支援専門員が担当する利用者 (H 年 月 ). 要介護別利用者の割合 要介護 0% 要介護

患者さんの食のストレス解消がQOL 向上につながる 5 質疑応答 Q) 食事を摂れない人の食事指導について A) 普段は食べてはいけないと言われているものをわざと出してみる 少量なら問題ないので少しでも食べられるところを何かきっかけにする 3. 末期重症心不全患者への補助人工心臓医療 看護の現状と課

改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

17★ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて(平成十二年三月三十日 老企 厚生労働省老人保健福祉局企画課長通知)

地域包括ケアにおけるチーム医療

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

<4D F736F F D2089EE8CEC95F18F5682CC89FC92E882C982C282A282C A836E A816A8F4390B394C52E646F63>

高齢者個人に対する支援の充実+社会基盤の整備1. 地域ケア会議の設置 構築について 地域ケア会議の設置主体 : 地域包括 援センター または市町村 ( 保険者 ) 地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを想定した上で その実現のために有効と考えられる地域ケア会議を設置 構築していくことが必要 地域ケ

特別養護老人ホーム 優雅 社会福祉法人 桜寿会 ( 特別養護老人ホーム優雅 ) 福島県南会津郡南会津町田島字北下原 111 番 TEL: FAX: ( 郡山オフィス ) 福島県郡山市菜根一丁目 22 番 10 号 T

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

<4D F736F F F696E74202D D836C D EA98E7B90DD8CBB8FF329>

グループ紹介 上尾中央医科グループ 上尾中央医科グループは 関東圏を中心とする病院 老健 学校 研究所などからなる関東有数の医療機関グループです * 理念 : 愛し愛される病院 施設 * 施設 : 病院 27 老健 20 学校 3 等 * 総病床数 :9,167 床 * 総職員数 :15,534 詳

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - Q&A(訪問リハ).doc

9(1) 介護の基本的な考え方 9() 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 9() 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 9(4) 生活と家事 5 9(5) 快適な居住環境整備と介護 9(6) 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 4 4 理論と法的根拠に基づき介護を行うこと

正誤表 正誤箇所 誤 正 医科 - 基本診療料 -35/47 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注の見直し 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学管理等の 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学

第1回在宅ケア多職種連携活動発表会

Microsoft PowerPoint - 地域密着型サービスについて(長岡市)

PowerPoint プレゼンテーション

点検項目点検事項点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

実務研修(研修記録シート)【茨城県社協版】


Transcription:

2025 年に向けた新しい地域づくり - 地域包括ケアシステムの構築を目指して - 医療と介護の統合による 地域包括ケアの推進 ~ 老いても病んでも暮らし続けることのできる地域づくり ~ 地域包括ケア研究会シンポジウム 2013 年 7 月 8 月 あおぞら診療所川越正平

キーワード 一つの単位 としての地域 軌道における くぼみ と 傾き 多職種協働 (IPW) 医療と介護の統合 多職種教育 (IPE) 三位一体

医療と介護の統合による地域包括ケア 医療的側面からみると 地域ごとにニーズ 提供可能な資源や事情が千差万別であるため 二次医療圏ではなく市町村単位や日常生活圏域で考える必要がある 介護的側面からみると 病状の変化次第でケアプランを全面的に見直す必要が生じるなど 目標を定めにくく 非効率で高コストに陥りやすい 地域を 一つの単位 としてとらえる

軌道における くぼみ と 傾き

急性期治癒モデルから慢性期ケアモデルへ 治療 治療 ケア ケア 生活と医療の双方を一体的に支えなければ 要介護者が抱える複雑な課題の解決は困難 そのために多職種協働 (IPW) の推進が必須

死の 3 つの軌道 Lynn J. Serving patients who may die soon and their families. JAMA 285(7), 2001

軌道の低下を招く くぼみ や 傾き

くぼみ を生じる事態 急性合併症 ( 肺炎や脱水など ) 転倒等の事故 ( 骨折を含む ) 原疾患の再発 ( 脳梗塞など ) 合併症の急性増悪 ( 心不全や腎不全など ) くぼみ を未然に防ぐ多職種の関わりが重要

多職種の協働によって 負の傾き を防ぐ 歯科 CM 感じる考える 介護職 家族 食事が減りやせていく 感動が減り意欲が衰える 管理栄養士 薬剤師 ST 食べる 医師 動移か動ながい難しく 看護師 移動する PT OT

多職種協働 (IPW) と 医療と介護の統合

連携の 3 段階 連絡 リンケーシ 情報共有 コーテ ィネーション 統合 インテク レーション

真の意味の 医療と介護の統合 とは 医療は 介護が把握している膨大な生活情報をリアルタイムに医療介入へ反映させる 尿失禁や食事中のむせ 夜間せん妄など必ずしも診察時に観察できない生活情報を介護から得ることによって 例えば薬剤の副作用に由来すると判断しうる 介護は 医療が未来予測を提示することによって提供すべきケアの方向性をつかむ 病態がもはや回復不能であり終末期が近づいたという医療の判断をもとに 栄養やリハビリの介入 介助方法などについて緩和ケアの観点から再構築する

認知症ステージアプローチ 作業療法 口腔ケア栄養介入 BPSD への薬剤投与? 胃ろう造設?

地域包括ケアステーション ( 私案 ) ( 在宅医療センター ) 心身機能が低下しつつある高齢者が抱える三大リスクが 低栄養 生活不活発 無感動 退院直後や急性合併症併発時 終末期 介護の必要性激変時などの時機をとらえて 介護職を含む多職種が同時進行的に介入する 多職種が同じ事業所で机を並べて働き 朝に夕に利用者についての状況共有や意見交換を重ねつつ介入する

地域内の施設資源の有効活用 介護保険施設は 24 時間にわたり要介護者の生活を複数の専門職によって包括的に支え 必要に応じて医療と介護の連携をとる 地域内の施設が有する人材やノウハウの提供範囲を施設に限定することなく 在宅療養者の支援に活用する 地域の拠点 としての機能を発揮することが期待される 地域の在宅限界点を高める役割を期待

地域における多職種教育 (IPE)

IPW と IPE による医療と介護の統合 居宅介護職 行政地域包括 歯科医師歯科衛生士 通所介護職 在宅医 居住系施設介護職 ケアマネシ ャー 訪問看護師 薬剤師 民生委員 在宅医療連携拠点 リハビリ 1 顔を会わせる機会 2 課題抽出 3 共通言語の理解 4 ルールの合意

地域ケア会議 の 5 つの機能 地域課題発見 地域づくり資源開発 政策形成 ネットワーク構築 個別課題解決

こう 厚生労働省医政局在宅医療推進室在宅医療 介護あんしん 2012

千葉県松戸市における多職種教育の例 サービス担当者会議ケアマネジャーが利用者ごとに開催 地域ケア会議地域包括支援センターが主催既存の高齢者支援連絡会の活動 多職種合同カンファレンス平成 23 年度から在宅医療連携拠点が主催 * 既存の会議体を生かす手法が現実的かつ効果的

在宅医療連携拠点が行う 多職種合同カンファレンス 医師を含む数多くの多職種が一堂に会し 討論する機会 多職種グループで共同作業や討論を行うことによって 顔の見える関係づくりや他職種の専門性を理解する場

数多くの多職種が一堂に会する

多職種ク ルーフ での共同作業や討論

在宅医療連携拠点が行う 多職種合同カンファレンス 医師を含む数多くの多職種が一堂に会し討論する機会 多職種グループで共同作業や討論を行うことによって 顔の見える関係づくりや他職種の専門性を理解する場 地域ケア会議等での事例をもとに模擬事例を構築し教育的な事例検討会を開催する 地域ケア会議等で抽出された地域の課題について解決策の検討を行う

地域における多職種教育 (IPE) 参加者数開催回数 波及効果大解決策検討 濃厚な議論課題抽出 地域ケア会議 近接性個別性 サービス担当者会議

三位一体 で推進する 地域包括ケア

地域包括ケアを構成する様々な要素 生活 医療 地域ごとの実情にそぐう地域包括ケアを追求し形作る

市町村 三者 に期待される役割 介護保険の保険者として在宅医療の推進に取り組み 各職能団体への呼びかけや組織化支援 地域住民への啓発等について旗振り役を担う 群市医師会 地域医療に責任を有する専門職能団体として 開業医に協力を呼びかける形で地域包括ケアの推進に寄与する 在宅医療連携拠点 教育研修の企画や地域資源の把握など様々な活動の牽引役 黒子役 利害調整役等を担う

在宅医療の担い手を増やす方策

在宅医療の担い手を増やす方策 医師をその気にさせる ことが鍵となる 在宅医療を担う医師に IPW の成功事例を体験してもらうことが重要 地域単位で在宅医療多職種研修会を開催 東京大学が進めている柏プロジェクトが一例 点から面への展開を図るため 市町村が実施主体となり 群市医師会の協力を得て行う

東京大学高齢社会総合研究機構在宅医療多職種研修プログラム 柏プロジェクトの基本骨格 1 日目 午後半日で開催 内容 在宅医療が必要とされる背景 ( 講義 ) 地域資源マッピング (GW) がん緩和ケア ( 講義 GW) 懇親会 実習 ( 医師のみ ) 3 時間 2 回 以下のメニューから選択 訪問診療同行 訪問看護同行 ケアマネジャー同行 緩和ケア病棟回診 2 日目 (1 日目の 1~1.5 ヶ月後 ) 終日開催 内容 在宅医療の導入 ( 講義 ) 多職種連携協働 :IPW( 講義 ) 認知症 ( 講義 GW) 実習振り返り (GW) 在宅医療推進の課題とその解決策 (GW) 制度 報酬 ( 講義 ) 修了証書授与 多職種による GW 訪問診療同行 受講者一同による集合写真 受講職種 : 医師 歯科医師 薬剤師 訪問看護師 介護支援専門員 病院退院調整部局スタッフ等

東京大学高齢社会総合研究機構在宅医療多職種研修プログラム最たる特徴 : 医師会と市町村を中心に据える 構造 ( 出典 :http://www.iog.u-tokyo.ac.jp/kensyu/)

老いても病んでも暮らし続ける地域づくり 地域を 一つの単位 としてとらえる 要介護者の生活を病いがさらに複雑にする 軌道における くぼみ と 傾き 多職種協働 (IPW) と 医療と介護の統合 地域における重層的な多職種教育 (IPE) 三位一体 で推進する地域包括ケア 在宅医療の担い手を増やす方策