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⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

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⑴ ⑵ ⑶

教授 ) において 本件火災の発生状況や 今後の消防のあり方について検討が行われた 検討会での検討結果を踏まえてとりまとめられた報告書では 火災予防対策として 以下のように提言がなされた 延べ面積 150 m2未満の飲食店にあっては 一部の地方公共団体の火災予防条例により消火器の設置が義務付けられて

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面する側にあっては2メートル以上 精華台みずき通り線に面する側及び精華大通り線に面する区域にあっては5メートル以上 精華台地区計画により別に定める側にあっては10 メートル以上後退しなければならない 3 前 2 項の規定は 守衛室その他これに類するもので 延べ面積が50 平方メートル以下かつ地階を除

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別紙 意見募集要領 1 意見募集対象 消防法施行令の一部を改正する政令 ( 案 ) 消防法施行規則の一部を改正する省令 ( 案 ) 2 資料入手方法準備が整い次第 電子政府の総合窓口 (e-gov)(4tuhttp:// の パブリックコメント 欄及び総務省ホ

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第 1 消火器具 267 第 1 消火器具

268 第 4 章消防用設備等の技術基準 1 用語の定義この章及び第 5 章において用いる用語の定義は 次による ア 消火器 とは 水その他消火剤( 以下この項において 消火剤 という ) を圧力により放射して消火を行う器具で人が操作するもの ( 収納容器 ( ノズル ホース 安全栓等を有する容器であって 消火剤が充てんされた本体容器及びこれに附属するキャップ バルブ 指示圧力計等を収納するものをいう 以下この項において同じ ) に結合させることにより人が操作するものを含み 固定した状態で使用するもの及び政令第 41 条第 5 号に規定するエアゾール式簡易消火具を除く ) をいう イ 住宅用消火器 とは 消火器のうち 住宅における使用に限り適した構造及び性能を有するものをいう ウ 交換式消火器 とは 本体容器及びこれに附属するキャップ バルブ 指示圧力計等を一体として交換できる消火器であって 収納容器に結合させることにより人が操作して消火を行うものをいう エ 水消火器 とは 水( 消火器用消火薬剤の技術上の規格を定める省令 ( 昭和 39 年自治省令第 28 号 以下 消火薬剤規格省令 という ) 第 8 条に規定する浸潤剤等 ( 以下この項において 浸潤剤等 という ) を混和し 又は添加したものを含む ) を圧力により放射して消火を行う消火器をいう オ 酸アルカリ消火器 とは 消火薬剤規格省令第 2 条に規定する酸アルカリ消火薬剤 ( 浸潤剤等を混和し 又は添加したものを含む ) を圧力により放射して消火を行う消火器をいう カ 強化液消火器 とは 消火薬剤規格省令第 3 条に規定する強化液消火薬剤 ( 浸潤剤等を混和し 又は添加したものを含む ) を圧力により放射して消火を行う消火器をいう キ 泡消火器 とは 消火薬剤規格省令第 4 条に規定する泡消火薬剤 ( 浸潤剤等を混和し 又は添加したものを含む ) を圧力により放射して消火を行う消火器をいう ク ハロゲン化物消火器 とは 消火薬剤規格省令第 5 条及び第 6 条に規定するハロゲン化物消火薬剤を圧力により放射して消火を行う消火器をいう ケ 二酸化炭素消火器 とは 液化二酸化炭素を圧力により放射して消火を行う消火器をいう コ 粉末消火器 とは 消火薬剤規格省令第 7 条に規定する粉末消火薬剤 ( 浸潤剤等を混和し 又は添加したものを含む ) を圧力により放射して消火を行う消火器をいう サ 加圧式の消火器 とは 加圧用ガス容器の作動 化学反応又は手動ポンプの操作により生ずる圧力により消火剤を放射するものをいう シ 蓄圧式の消火器 とは 消火器の本体容器内の圧縮された空気 窒素ガス等の圧力又は消火器に充てんされた消火剤の圧力により消火剤を放射するものをいう ス A 火災 とは セに掲げるB 火災以外の火災をいう セ B 火災 とは 法別表第 1に掲げる第 4 類の危険物並びに危政令別表第 4に掲げる可燃性固体類及び可燃性液体類に係るものの火災をいう ソ 能力単位の数値 とは 消火器にあっては消火器の技術上の規格を定める省令( 昭和 39 年自治省令第 27 号 ) 第 3 条又は第 4 条に定める方法により測定した能力単位の数値 水バケツにあっては容量 8l 以上のもの3 個を1 単位として算定した消火能力を示す数値 水槽にあっては容量 8l 以上の消火専用バケツ3 個以上を有する容量 80l 以上のもの1 個を1.5 単位又は容量 8l 以上の消火専用バケツ6 個以上を有する容量 190l 以上のもの1 個を2.5 単位として算定した消火能力を示す数値 乾燥砂にあってはスコップを有する50l 以上のもの一塊を0.5 単位として算定した消火能力を示す数値 膨張ひる石又は膨張真珠岩にあってはスコップを有する160l 以上のもの一塊を1 単位として算定した消火能力を示す数値をいう

第 1 消火器具 269 2 消火器具の種類等 消火器具の種類等は 政令第 10 条第 2 項第 1 号の規定によるほか 次によること ⑴ 設置する消火器具の種類は 粉末 (ABC) 消火器 10 型とすること ただし 粉末では 消火困難な燃焼物がある場合又は汚損若しくは故障等の二次災害のおそれのある場所については 強化液 水 ( 潤滑剤等入りを含む ) その他の水系消火薬剤を用いた消火器とすることができる ⑵ 設置する消火器の構造は 努めて蓄圧式の消火器とすること 3 設置場所 消火器の設置場所は 政令第 10 条第 1 項及び第 2 項並びに省令第 6 条第 6 項及び第 9 条第 1 号から 第 3 号までの規定によるほか 次によること ⑴ 政令第 10 条第 1 項第 4 号に規定する 建築物その他の工作物 には 建築物の屋上及び屋外にお いて貯蔵し 又は取り扱う施設並びに土地に定着する建築物以外の工作物及び建基法第 2 条第 1 号 で建築物から除かれている施設 ( 貯蔵槽等 ) も含まれるものであること ⑵ 政令第 10 条第 2 項第 2 号に規定する 通行又は避難に支障がなく は 通常の通行の際に消火器 を足に引っ掛けて倒したり 又は避難の際に邪魔になるようなことのないよう人の目に触れやすい 通路の端又は壁面に設置すること ⑶ 政令第 10 条第 2 項第 2 号に規定する 使用に際して容易に持ち出すことができる箇所 は 消火 器全体が 床面からの高さを 1.5m 以下とし 廊下 通路又は室の出入口付近に設置すること ⑷ 省令第 6 条第 6 項に規定する 防火対象物の各部分 には ピロティ ポーチ等で屋内的用途に 供しない部分 吹きさらしの廊下 バルコニー ベランダ及び屋外階段の部分で 床面積に算出さ れない部分は含める必要はないこと ( 第 1-1 図参照 ) ( 例 1) 政令別表第 1⑸ 項ロに掲げる防火対象物 廊下 歩行距離 20m 以下 ベランダ 第 1-1 図 : 消火器 : 床面積

270 第 4 章消防用設備等の技術基準 ⑸ 省令第 6 条第 6 項に規定する 歩行距離が20m 以下 とは 通常の歩行可能な経路を基にした距離をいう したがって 机 椅子 什器その他歩行に障害となる物件 ( 床に固定されたもの 又は容易に移動することができないものに限る ) がある場合は 当該歩行に障害となる物件を避け 実際に歩行が可能な部分の導線により測定すること また 一概に廊下の中心線で求める必要はないこと ( 第 1-2 図参照 ) 歩行距離 20m 以下 器事務室什第 1-2 図 : 消火器 ⑹ 省令第 9 条第 2 号に規定する 消火剤が凍結し 変質し 又は噴出するおそれが少ない箇所 とは 次に掲げる場所をいう ア本体容器 バルブ キャップその他の部品が腐食するおそれのない場所イ消火器に表示された使用温度範囲外となるおそれのない場所 ⑺ 消火器は できるだけ通風がよく 次に掲げる場所を避けて設置すること アガスコンロ 暖房器具等の熱又は直射日光の当たる場所イ風呂場 洗濯場その他頻繁に水を使用する場所等湿気の多い場所ウ雨水のかかる場所なお やむを得ず 屋外に消火器を設置する場合は 格納箱に収納するなど 保護のための有効な措置を講ずること ⑻ 避難階以外の階で 開口部のない壁で区画されている場合は 当該区画された部分ごとに消火器 を設置すること ( 第 1-3 図参照 ) 歩行距離 20m 以下 口部を有しない壁歩行距離 20m 以下開: 消火器 第 1-3 図

第 1 消火器具 271 ⑼ 第 1-4 図の例に示すとおり A 及びB 部分に消火器が必要な複合用途防火対象物にあっては 階ごとにA B 部分の各々に消火器を設置しなければならないこと ただし 1 階のB 部分が狭小で 火気の使用がなく 多量の可燃物が存しない場合は 能力単位の数値が満足するものに限り 政令第 32 条の規定を適用して 当該部分からA 又はB 部分上階の消火器に至る歩行距離が20m 以下となる場合は 1 階のB 部分に設置しないことができる 1F 2F A 物品販売店舗 (150 m2 ) B B 共同住宅 (170 m2 ) : 消火器 第 1-4 図 ⑽ メゾネットの共同住宅その他 2 階層以上で一の住戸になっているもので 消火器を階ごとに設けることが適当でないと認められるものにあっては 能力単位の数値が満足するものに限り 政令第 32 条の規定を適用して 当該階の各部分から上階又は下階の消火器に至る歩行距離が20m 以下となる場合は 当該階に設置しないことができる ( 第 1-5 図参照 ) 1F 2F 3F 物品販売店舗 物品販売店舗 一般住宅 上階の消火器に至る歩行距離が 20m 以下となる場合は 当該部分に消火器を設置しないことができる : 消火器 第 1-5 図 ⑾ 劇場 映画館その他客席を設けるもの又は体育館 プール 展示場その他大空間を有するもので 当該部分から消火器の歩行距離が20mを超える場合は 能力単位の数値が満足するものに限り 政令第 32 条の規定を適用し 当該部分の通行 観覧又はスポーツ競技に支障がない周壁又は最も近い廊下若しくは通路に設置することができる ⑿ 精神病床 認知症高齢者グループホームその他これらに類する施設で 精神疾患の患者 痴呆の者等のいたずらによる使用 損壊 撤去等が著しく有効に機能を達しえない状況で 保守管理に支障をきたすと認められるものにあっては 能力単位の数値が満足するものに限り 政令第 32 条の規定を適用して 防火対象物の各部分から一の消火器に至る歩行距離が20mを超えて 職員が常駐する室に集中して設置することができる

272 第 4 章消防用設備等の技術基準 4 少量危険物 政令第 10 条第 1 項第 4 号に規定する少量危険物にあっては 指定数量未満の危険物の貯蔵及び取 扱いの運用上の指針 第 12 消火設備により設置指導するものとすること ( 参考 ) 指定数量未満の危険物の貯蔵及び取扱いの運用上の指針第 12 消火設備 1 設置の基準 ⑴ 法第 17 条第 1 項に基づき 施行令別表 1に掲げる建築物その他工作物で 少量危険物を貯蔵し 又は取り扱う場合は施行令第 10 条の基準に定める消火器具を設置すること ⑵ 屋外において少量危険物を貯蔵し 又は取り扱う場合は 危険物の性質に応じた消火器 (10 型 ) を1 個以上設置すること ⑶ 移動タンクにあっては 危規則第 35 条第 1 項第 2 号に定める自動車用消火器を1 個以上設置すること 2 維持管理 ⑴ 法第 17 条第 1 項に基づき設置した消火器具は法第 17 条の3の3の規定により点検し 維持管理すること ⑵ その他の消火器は適切な維持管理に努めること 5 能力単位の数値 能力単位の数値は 省令第 6 条第 1 項から第 3 項まで及び第 5 項並びに第 8 条の規定によるほか 次によること ⑴ 省令第 6 条第 1 項から第 3 項まで及び第 5 項の規定による能力単位の数値の算定については 1 未満の端数がある場合は 切り上げるものとすること ⑵ 省令第 6 条第 1 項から第 3 項までの規定により 消火器を設置する場合には 第 1-1 表の左欄 に掲げる対象物の区分に従い 右欄に掲げる消火器の能力単位の数値を用いて 必要な個数を算定 すること 第 1-1 表 対象物の区分 消火器の能力単位の数値 1 2 3 政令第 10 条第 1 項第 1 号から第 3 号まで及び第 5 号に掲げる防火対象物 少量危険物のうち 法別表第 1 に掲げる第 4 類の危険物又は指定可燃物のうち 危政令別表第 4 に掲げる可燃性固体類若しくは可燃性液体類を貯蔵し 又は取り扱う場所 2 以外の少量危険物又は指定可燃物を貯蔵し 又は取り扱う場所 A 火災に対する能力単位の数値 B 火災に対する能力単位の数値 A 火災に対する能力単位の数値 ⑶ 省令第 8 条第 1 項及び第 2 項の規定には 消火器の能力単位の数値を減少した数値とすることが できることとされているが 省令第 6 条第 6 項に規定される歩行距離が緩和されるものではないこ と

第 1 消火器具 273 6 付加設置政令第 10 条第 1 項各号に掲げる防火対象物又はその部分に 省令第 6 条第 3 項から第 5 項までに規定する少量危険物又は指定可燃物を貯蔵し 又は取り扱う部分並びに変圧器 配電盤その他これらに類する電気設備がある部分及び鍛造所 ボイラー室 乾燥室その他多量の火気を使用する場所に設ける消火器は 次によること ⑴ 少量危険物及び指定可燃物省令第 6 条第 3 項の規定により 少量危険物又は指定可燃物を貯蔵し 又は取り扱う部分に設ける消火器は 粉末消火器 (ABC)10 型とすること ( 少量危険物のうち 第 1 類のアルカリ金属の過酸化物若しくはこれを含有するもの 第 2 類の鉄粉 金属粉若しくはマグネシウム若しくはこれらのいずれかを含有するもの 第 3 類の自然発火性物質及び禁水性物質又は第 5 類の自己反応性物質を除く ) ⑵ 電気設備省令第 6 条第 4 項に規定する 変圧器 配電盤その他これらに類する電気設備 とは 次に掲げるものをいうものであること ア高圧又は特別高圧の変電設備 ( 全出力 50kW 以下のものを除く ) イ燃料電池発電設備 ( 条例第 13 条の2 第 2 項又は第 4 項に定めるものを除く ) ウ内燃機関を原動力とする発電設備のうち 固定して用いるもの ( 条例第 19 条第 4 項に定めるものを除く ) エ蓄電池設備 ( 定格容量と電槽数の積の合計が4,800AH セル未満のものを除く ) ⑶ 火気を使用する場所省令第 6 条第 5 項に規定する 鍛造場 ボイラー室 乾燥室その他多量の火気を使用する場所 とは 次に掲げる火気を使用する設備が設けられた場所をいうものであること ア熱風炉イ多量の可燃性ガス又は蒸気を発生する炉ウ据付面積 2m2以上の炉 ( 個人の住居に設けるものを除く ) エ厨房設備 ( 当該厨房設備の入力 ( 同一厨房室内に複数の厨房設備を設ける場合には 各厨房設備の入力の合計 ) が21kW 以下のもの及び個人の住居に設けるものを除く ) オ入力 70kW 以上の温風暖房機 ( 風道を使用しないものにあっては 劇場等及びキャバレー等に設けるものに限る ) カボイラー又は入力 70kW 以上の給湯湯沸設備 ( 個人の住居に設けるものを除く ) キ乾燥設備 ( 入力が17kW 未満のもの 乾燥物収容室の据え付け面積が1m2未満のもの 乾燥物収容室の内容積が1m2未満のもの及び個人の住居に設けるものを除く ) クサウナ設備 ( 個人の住居に設けるものを除く ) ケ入力 70kW 以上の内燃機関によるヒートポンプ冷暖房機コ火花を生ずる設備サ放電加工機 ⑷ 付加設置する部分には 当該部分にその消火に適応するものとされる消火器を設置すること ただし 政令第 10 条第 1 項の規定に基づき設置される消火器が 付加設置する部分に設置された消火器と同一の適応性を有し かつ 能力単位の数値及び消火器に至る歩行距離を満足する場合にあっては 1 個以上とすることができる ( 第 1-6 図参照 )

274 第 4 章消防用設備等の技術基準 ( 例 2) 政令別表第 1⑹ 項ロに掲げる防火対象物 ( 火気を使用する設備が設けられた場所 ) 事務室 倉庫 厨房 倉庫 EV EV EV ホール 歩行距離 20m 以下 脱衣室 食堂 リビング 介護浴室 機械浴室 ( 防火対象物の規模 ) ( 火気を使用する設備が設けられた場所 ) 用途 ⑹ 項ロ 用途 厨房設備 延べ面積 2,100 m2 床面積 36 m2 能力単位の数値 2,100 m2 100=21 A 21 能力単位の数値 36 m2 25=1.44 A 2 : 能力単位の数値がA 火災に適応するものにあっては3 B 火災に適応するものにあっては7 有する粉末 (ABC) 消火器 : 能力単位の数値がA 火災に適応するものにあっては1 B 火災に適応するものにあっては1 有する噴霧ノズルを付けた強化液消火器 厨房に設置された強化液消火器 1 個及び防火対象物用として食堂に設置された粉末消火器 1 個により 火気を使用する設備が設けられた場所の能力単位の数値 (2 以上必要 ) 及び消火器に至る歩行距離を満足することから 厨房に消火器 2 個を設置する必要はないものとして取り扱うことができる ただし 設置される消火器の能力単位の数値の合計が 防火対象物及び付加設置部分に必要とされる能力単位の数値を満足する場合に限る 第 1-6 図

器 第 1 消火器具 275 ⑸ 政令第 10 条第 1 項各号に掲げる防火対象物の屋上又は屋外において 次に掲げる設備が設置されている場合は 当該設備のある場所の各部分から 一の消火器具に至る歩行距離が20m 以下となるように設置すること ( 第 1-7 図参照 ) ア熱風炉 多量の可燃性ガス又は蒸気を発生する炉若しくは据付面積 2m2以上の炉イ入力 70kW 以上の内燃機関によるヒートポンプ冷暖房機ウ高圧又は特別高圧の変電設備 ( 地上用変圧器 ( パットマウント変圧器 ) 集合住宅用変圧器及び全出力 50kW 以下のものを除く ) エ燃料電池発電設備 ( 条例第 13 条の2 第 2 項又は第 4 項に定めるものを除く ) オ内燃機関を原動力とする発電設備のうち 固定して用いるもの ( 条例第 19 条第 4 項に定めるものを除く ) カ蓄電池設備 ( 定格容量と電槽数の積の合計が4,800AH セル未満のものを除く ) 歩行距離 20m 以下 : 粉末 (ABC) 消火器 10 型 変電設備 第 1-7 図 7 標識省令第 9 条第 4 号に規定する標識は 次によること ( 第 1-8 図参照 ) ア標識の大きさは 短辺 8cm以上 長辺 24cm以上とすること イ地を赤色 文字を白色とすること 標識の大きさ 地 : 赤色文字 : 白色 8 cm以上 24 cm以上 24 cm以上 消火器 消火8 cm以上 第 1-8 図

276 第 4 章消防用設備等の技術基準 8 大型消火器 省令第 7 条に規定する大型消火器 ( 能力単位の数値が A 火災に適応するものにあっては 10 以上 B 火災に適応するものにあっては 20 以上有する消火器をいう 以下同じ ) は 次によること ⑴ 省令第 7 条第 1 項の規定とは 危政令別表第 4で定める数量の500 倍以上の指定可燃物に対して大型消火器を設け かつ 省令第 6 条の規定による消火器具を設置させることをいうものであること ⑵ 省令第 7 条第 2 項の規定には 消火器の能力単位の数値を減少した数値とすることができること とされているが 省令第 6 条第 6 項に規定される歩行距離が緩和されるものではないこと 9 簡易消火用具 簡易消火用具 ( 水バケツ 水槽 乾燥砂 膨張ひる石及び膨張真珠岩をいう 以下同じ ) は 次 によること ⑴ 材質等ア水バケツ及び消火専用バケツの容量は8l 以上 10l 以下で かつ 容易に変形しないものであること イ膨張ひる石は JIS A5009に 膨張真珠岩 ( 真珠岩を材料としたものに限る ) は JIS A5007 にそれぞれ適合するものであること ⑵ 設置場所ア省令第 6 条第 1 項に規定する簡易消火用具の能力単位の数値の算定は 例えば 水バケツ3 個の集団をもって1 単位として算定していることから 設置する箇所ごとに 水バケツ3 個をまとめて設置すること イ水槽に付置する消火専用バケツは 当該水槽の直近の場所に設置すること ウ省令第 9 条第 2 号に規定する 凍結し 変質し 又は噴出するおそれが少ない箇所 には 次に掲げる場所が該当するものであること ア水槽 消火専用バケツその他の部品が腐食するおそれのある場所イ乾燥砂 膨張ひる石又は膨張真珠岩にあっては 雨水等がかかる場所