Moi3D によるカニカマケースのモデリングカニ風味カマボコ ( 以下カニカマと呼称 ) を入れるケースを作るにあたって カニカマの太さをノギスで測定した値で XY 平面に曲線ツールで楕円形のスケッチを描きます 楕円の中心となる場所をクリックし 長径 短径を数値入力します このカニカマケースは太さの長径 30mm 短径 20mm のカニカマ用なので 右上のコマンドオプションエリアに数値を入力します カニカマの長手方向のスケッチをするにあたり 長さの基準となる線分を描きます 曲線ツールの 線 を選択し 線分の始点 ( 先の楕円の中心 ) をクリックます 終点をクリックする前に 画面下の距離コントロールに数値を入力すると その値の長さの線分が描けるようになります ケースは楕円を垂直にスイープしたソリッドを元にして作成するので XY 平面から Z 軸方向に垂直に線を引くのですが 3D 透視視点では難しい作業となります そこで直交スナップが有効になっていれば 自動的に構築線が表示され 線分の終点が垂直方向にスナップされます 楕円をスイープする際に ソリッドの太さを変化させる為のレール曲線を描きます 曲線ツールの 線 で 楕円の長径側の円周上を始点にして 先の中心線と平行に線分を描きます
長さを数値入力するか 中心線を複製して配置するなどの方法がありますが ここでは Moi3D の特徴でもある構築線を使ってみます 線分の終点を左クリックする前に 中心線の終点近くにカーソルを近づけると スナップで吸着されます そこで左クリック & ドラッグで X 軸方法にカーソルをスライドさせると 直交スナップによって X 軸方向に平行に 点線で構築線が描かれます ここで左クリックをリリース X 軸に平行に描かれた構築線が消えずに残っています この構築線と 線分の始点から Z 軸に垂直な構築線との交点にもスナップが効くようになりました 数値入力をしなくても 中心線と同じ長さの線分が描けました Moi3D のオブジェクトスナップはこの様な位置にスナップする事ができます それぞれ 0n/off が出来ます
スイープのレール曲線に使うにしても このままではずん胴でカニらしくありません レール曲線のポイントを編集して太さを変化させアクセントを付けます 外側の線分を選択し 制御点表示 をします 現在は 始点と終点の 2 点にしか制御点がない直線となっています 制御点追加 で 線分上に制御点を追加していきます 追加した制御点を移動させると 直線が曲線となります 制御点を移動させるのにも構築線が使えます ケースの下側にはクビレをつけて カニの脚の関節ぽくしましょう 制御点を追加するのですが そのまま追加するのではなく コマンドオプションの キンクを作成 にチェックを入れると 追加した制御点で折れ線になります さらに制御点を追加し 曲線を整形していきます
スイープのレール曲線ができました! 楕円のスイープを行い これまで描いたスケッチを元にソリッドを作成します 構築 の スイープ をクリックすると 右上のコマンドオプションに プロファイルを選択 と出ます 最初に描いた楕円を選択し 実行 ボタンを押します 次に レールを選択 と出てきますので 中心線を選択し 実行 ボタンを押します スイープが実行されました! が 太さを変化させるレール曲線が反映されていないのでずん胴になってしまってます ここで コマンドオブションにある レール曲線を選択 ボタンを押して 外側のレール曲線を選択します
外側のレール曲線によって カニカマケースらしい形に変形されました しかし スイープを実行して立体的なソリッドになったの見ると 少々太すぎるようです Moi3D では スイープを実行した後でも レール曲線を編集する事ができます レール曲線が変更されると スイープが再度計算されて反映されます レール曲線の制御点を移動させて 形状を修正します 本物のタラバガニの脚と比べると まだまだ形のツメが甘いですが 雰囲気は出て来たのではいでしょうか?
カニカマを入れるケースにするには 中を空洞にしなければなりません 現在は蓋がされたソリッド形状になっていますので これを筒状のサーフェスのみに変化させます 変化させると言っても 蓋 となるサーフェス面を削除するだけです Moi3D は完全に閉じたサーフェスで構成されるオブジェクトはソリッドとして扱われ 破れや開口部分が有ればサーフェスとして計算するようになります ケースの上下の蓋と底を選択して削除しました ケースが筒状になりましたが ケースが厚みを持っていないと 3D プリンターで立体出力する事ができません 残ったサーフェスを選択し シェル を実行して厚みを作ります カニカマを出し入れする為のスリットをブーリアンで作成します Moi3D のブーリアンは ソリッド及びサーフェスに対して スケッチで切り抜いたり穴をあける事ができます
XY 平面に平行に四角形を描きました 寸法は数値入力ではなく クリックで適当に指定して描いてしまってます ブーリアン 差 を実行 スリットができました! カニカマケースのベースとなる形状ができました ここからは サーフェスをポリゴンに分割してエクスポートして メタセコイアに持って行って細かなディテールを加えていきます Moi3D はサーフェスモデラーであるので ポリゴンモデラーに持って行くには サーフェスをポリゴンに分割してエクスポートする必要があります Moi3D のエクスポートにはポリゴン分割用のオプションが用意されています Moi3D では obj,stl,lwo,3ds のポリゴンとしてエクスポートする事が出来ます ポリゴン系にエクスポートする際には分割数のダイアログが出ます
何も設定していない状態では あまりにもザックリとした分割すぎて 曲面が再現されていません 分割するエッジの長さを指定すると ポリゴンが細かく分割されました Moi3D でモデリングして obj でエクスポートしたポリゴンモデルをメタセコイアで開きました メタセコイアの彫刻ツールの つまむ で カニらしいトゲを作って行きます Zbrush や 3D-Coat 等のスカルプト系のツールを使うとよりリアルに作れると思いますけども
トゲトゲがついて タラバガニっぽくなりました!? STL でエクスポートします ( メタセコイア 3)
カニカマケースは最初に作った物から地味にバージョンアップをしており 現在はより薄く ( 出力時間短縮 ) より軽く ( 材料のフィラメント短縮 ) 一度に複数を出力できるように改良しています 4 本のカニカマケースをゲートで接続して配置しているのは 家庭用 3D プリンターでの出力の途中に 造形ベッドから外れて転がって行ってしまうの防ぐ為に安定性を高めると共に ホットエンドが空中を移動する時に 隣のカニカマケースを蹴飛ばして倒れてしまう出力事故を防ぐ為に 一筆書き状にホットエンドを動かす為です 最初はカニカマケースを 1 本出力するのに 5 時間程かかっていましたが 現在は 4 本で 40 分程度で出力する事ができるようになりました 3D プリンター用のフィラメントは当初は PLA を使っていましたが 最近柔軟性のあるフレキシブルフィラメントが国内でも入手できるようになったので その特性を生かした形状にカニカマケースもバージョンアップしています