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図 Ⅳ-1 コマドリ調査ルート 100m 100m 100m コマドリ調査ルート 図 Ⅳ-2 スズタケ調査メッシュ設定イメージ 17

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北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

(別記様式第1号)

現行見直し案見直し理由等 カラス 被害時期 : 通年 ニホンザル 被害対象 : 農作物全般への食害 農業施設へ被害 生活環境被害 ヒヨドリ 被害時期 : 通年 アナグマ 被害対象 : 果樹への食害 被害対象 : 農作物全般への食害 ハクビシン 被害対象 : 農作物全般への食害 住居侵入による生活環境

国土技術政策総合研究所 研究資料

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣計画期間対象地域 シロガシラ イノシシ キジ平成 27 年度 ~ 平成 29 年度うるま市全域 ( 注 )1 計画期間は 3 年程度とする 2 対象地域は 単独で又は共同で被害防止計画作成する全ての市町村名を記入 する 2. 鳥獣による農

中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書【神奈川県】

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県管理の河川区域内における支障木伐採利用に係る取扱要領 1 目的本事業は 県が管理する河川区域内の支障木に関し 住民との協働による河川管理の一環として 河川支障木の効率かつ計画的な伐採による適切な維持管理に向け 公募型による支障木の伐採利用を推進する取扱いを行い もって河川区域内の支障木撤去の促進と

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( 松尾委員 ) 調査は 10 年後なのか 環境が変わった時に計画の変更見直しは可能なのか 調査は必要に応じて実施可能 指定される状況でなくなれば 解除手続きはある ( 八代田委員 ) 今のままだとシカ被害が進んでいく可能性が高い 今後 捕獲強化を実施するのであれば 捕獲の効果を見るような調査を組む

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1 アライグマの 分布と被害対策 1 アライグマの分布 1977 昭和52 年にアライグマと少年のふれあいを題材とし たテレビアニメが全国ネットで放映されヒット作となった それ 以降 アライグマをペットとして飼いたいという需要が高まり海 外から大量に輸入された しかしアライグマは気性が荒く 成長 す

4 各締約国は 第九条の規定によりこの条約に署名し又は批准書若しくは加入書を寄託する際に 登録簿に掲げるため少なくとも一の湿地を指定する 5 いずれの締約国も その領域内の湿地を登録簿に追加し 既に登録簿に掲げられている湿地の区域を拡大し又は既に登録簿に掲げられている湿地の区域を緊急な国家的利益のた

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

( 別記様式第 1 号 ) 計画作成年度平成 28 年度 計画変更年度平成 29 年度 計画主体 筑紫野市 筑紫野市鳥獣被害防止計画 < 連絡先 > 担当部署名所在地電話番号 F A X 番号メールアドレス 筑紫野市環境経済部農政課筑紫野市二日市西一丁目 1 番 1 号

5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 棋士のまち加古川 をより幅広く発信するため 市内外の多くの人が 将棋文化にふれる機会や将棋を通じた交流を図ることができる拠点施設を整備するとともに 日本将棋連盟の公式棋戦 加古川青流戦 の開催や将棋を活かした本市独自のソフト事業を展開する 5-2

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

実施前 変動幅大 ( 最高 ) ( 最低 ) 地下水位 実施後 未利用排水路の埋め戻し 未利用排水路周辺の地下水位の上昇 地下水位変動幅の低減 上昇 変動幅小 ( 最高 ) ( 最低 ) 地下水位 図 4-7(2) 未利用排水路埋め戻しのイメージ (B 区域 ) 30

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: 調査地域 予測地域 図 現地調査による重要な動植物種と環境類型区分図との重ね合わせ結果 重要な種の保護の観点から 確認地点は表示しない 5-45

- 2 - 引き起こす可能性がある このような状況の中で 我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには 管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要である この指針は このような認識の下に 管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため 必要な事項を定め

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東京外かく環状道路 都市高速道路外郭環状線(世田谷区宇奈根~練馬区大泉町間)都市計画案及び環境影響評価準備書のあらまし

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<H22-pm1-A: 問題 > 平成 22 年度測量士試験問題午後 No1: 必須 次の文は 測量法 ( 昭和 24 年法律第 188 号 ) に規定された事項について述べたものである 下線の語句について 正しいものには を 間違っているものには 及び正しい語句を それぞれ 解答欄に記せ 1. こ

(様式第1号)

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はじめに

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(別記様式第1号)

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

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3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

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別紙 Ⅰ 対象事業の概要環境影響評価法 ( 平成 9 年法律第 81 号 以下 法 という ) 第 15 条に基づき 事業者である国土交通省関東地方整備局及び横浜市から 平成 30 年 6 月 22 日に送付のあった環境影響評価準備書 ( 以下 準備書 という ) の概要は次のとおりである 1 事業

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

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先行的評価の対象とするユースケース 整理中. 災害対応に関するユースケース. 健康に関するユースケース. 移動に関するユースケース. 教育に関するユースケース. 小売 物流に関するユースケース 6. 製造 ( 提供した製品の保守を含む ) に関するユースケース 7. 農業に関するユースケース 8.

1 見出し1

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

スライド 1

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(2) 丹沢におけるニホンジカ保護管理 ( 第 3 次神奈川県ニホンジカ保護管理計画 ) 計画期間 平成 24 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 計画対象区域 保護管理区域 : 丹沢山地を含む 8 市町村 ( 相模原市は緑区のうち一部 ) 分布拡大防止区域 : 丹沢山地周辺部

平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

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1 次期計画の策定の基本的考え方 県民会議は 県民参加による水源環境保全 再生のための新たな仕組みづくり として 設置され 現在まで 3 年にわたり 県民フォーラム等により県民参加を図りながら 各年度の点検を行い 県に報告してきたところである その中において 現行計画の各施策は 水源環境の保全 再生

3 治験実施計画書目的 当該治験について 治験実施計画書が手順書に従い適切に作成及び改訂されていることを確認する 次の事項を調べる (1) 治験実施計画書の記載項目 ( 再生医療等製品 GCP 省令第 7 条第 1 項に規定する項目 ) (2) 治験実施計画書の作成 改訂の手順と日付 (3) 治験計

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3 検討プロセス 3-1 県計画案を策定するねらい 沖縄 21 世紀ビジョン基本計画を着実に実施していくための総合的な交通体系のビジョンを示した 沖縄県総合交通体系基本計画 において 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築が位置づけられている 同計画を踏まえ 県では 南北骨

【H 制定】災害高機能型推進事業実施要領

Transcription:

釧路湿原国立公園 釧路湿原生態系維持回復事業計画 平成 28 年 4 月 1 日

1. 生態系維持回復事業計画の名称 釧路湿原国立公園釧路湿原生態系維持回復事業計画 2. 生態系維持回復事業計画の策定者 環境省 3. 生態系維持回復事業計画の計画期間 平成 28 年 4 月 1 日から下記の目標が達成されるまでとする 4. 生態系維持回復事業の目標釧路湿原国立公園は 北海道の東部 釧路川に沿って展開する我が国最大の湿原 釧路湿原を中核とする地域であり 昭和 62 年 7 月 31 日に指定された 釧路湿原においては 他の地域ではすでに喪失してしまっている我が国の平野部の原自然が保存されており 湿原全体を支配するヨシと散在するハンノキ林 蛇行する河川等が構成する自然性の高い広大な水平的景観は 我が国では他に類例のない特異性を有している 高層湿原 中間湿原 低層湿原それぞれに特徴的な植生が見られ 特別天然記念物タンチョウをはじめとする各種鳥類のほかキタサンショウウオ エゾカオジロトンボ等貴重な動物が生息している また 湿原の主要部は 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約 ( ラムサール条約 ) の登録湿地とされるなど本湿原は国際的にも高く評価されている しかしながら 釧路湿原流域では 1960 年代から都市開発や農地開発が進み 湿原面積の減少や乾燥化によるハンノキ林の拡大等 釧路湿原の自然環境の改変が生じている そのため 平成 17 年 3 月に 釧路湿原自然再生全体構想 が策定され 釧路湿原の自然環境の再生を目指して蛇行河川の復元等のさまざまな取り組みが行われている なお 自然再生事業においては ラムサール条約登録前のような湿原環境を再生することを目標としている 一方 1990 年代以降 釧路湿原を利用するエゾシカが増加傾向であると考えられており 高層湿原における採食や踏み荒し等による植生への影響も観察されている また 周辺丘陵地では斜面が裸地化し浸食が生じている さらに 湿原内のシカ道の延長は平成 16 年から平成 22 年の6 年間で2 倍以上に増加しており 釧路湿原を利用するエゾシカは近年著しく増加していることが示唆される これらのことから エゾシカによる影響は 釧路湿原の自然環境にとって新たな負荷要因となっており また増大を続けているものと考えられる 本事業では エゾシカによる影響を低減することを通じて 釧路湿原国立公園における生態系の維持又は回復を図ることを目標とする なお 本事業で維持又は回復を図る生態系とは ラムサール条約登録以前の状態とする 5. 生態系維持回復事業を行う区域 釧路湿原国立公園全域

6. 生態系維持回復事業の内容 (1) 生態系の状況の把握及び監視 ( モニタリング ) 地域の生態系を特徴づける植生の状況や エゾシカによる採食や踏み荒し等を把握するための調査を行い その動向を定期的に監視 ( モニタリング ) する また 調査結果からエゾシカ個体数調整の対象地選定や 事業成果の評価等に関する検討資料を得る 1 植生の状況の把握湿原内の各植生区分 ( 低層湿原 中間湿原 高層湿原及びハンノキ林 ) や湿原周辺の丘陵地における植生調査を実施し エゾシカの影響を経年的に把握する また 植生保護柵内外における植生調査等を実施する 2 生態系の指標となる動物の生息状況の把握生態系の維持 回復の指標とするため 鳥類 両生類等の調査を行い 生息状況を把握する 3 エゾシカの生息状況の把握関係機関と連携して ライトセンサスや航空センサスの調査結果等 エゾシカの生息数を推定するための情報を収集するとともに 空中写真を用いたシカ道判読や現地での踏み荒し ヌタ場調査等を実施し エゾシカの生息状況及びその経年変化を把握する また 季節的に釧路湿原国立公園を利用するエゾシカ個体群の存在が確認されていることから 発信器の装着等による季節移動調査や日周行動調査を行う 北海道釧路総合振興局や隣接する振興局におけるエゾシカの捕獲情報その他のデータを収集 分析することにより 本事業区域の周辺を含む広域かつ多面的な状況把握を行う (2) 生態系の維持又は回復に支障を及ぼすおそれのある動植物の防除生態系の維持又は回復に支障を及ぼすおそれのある動植物として エゾシカの防除を行う エゾシカの生息状況や自然環境の状態 社会的条件を勘案し 個体数調整の実施が必要かつ適当である地域において 銃器や囲いわな等による捕獲を実施する 銃器による捕獲時には 必要に応じて エゾシカの移動ルートを分断する仕切柵や射撃用タワーの設置 餌付け等により 効率的な捕獲に努める 一方で本公園は通年多くの公園利用者が訪れる地域であり また道路や線路等に近接する場所での対策も想定されるため 銃器の使用にあたっては事故防止に十分配慮し より安全性の高い捕獲手法の検討を行う また 高層湿原等希少な植物の生育地については 必要に応じて 植生保護柵の設置等を行う (3) 動植物の生息環境又は生育環境の維持又は改善農林業跡地や道路法面等において 防鹿柵の設置やエゾシカの不嗜好性植物による法面緑化等を推進することにより エゾシカの採餌環境を改変し分散化させることにより 周囲の自然植生への採食圧を低下させる

また 高層湿原等希少な植物の生育地については 必要に応じて 植生回復手法の実 証試験を行う (4) 生態系の維持又は回復に資する普及啓発生態系の保護の必要性 エゾシカによる被害状況 捕獲等の対策の必要性 本事業の実施状況等について インターネット等を活用し 地域住民 公園利用者等に普及啓発を行い 事業への理解と協力を働き掛ける 併せて 個体数調整にあたり事故を防止するため 住民や観光関係者等への情報発信と注意喚起を行う (5) 前各号に掲げる事業に必要な調査等植生やエゾシカ個体数等の監視については できるだけ簡便で効果的なデータの取得手法や評価指標を検討し 活用する エゾシカの捕獲をはじめとした本事業の実施については より効率的で安全な実施に関する調査研究 実証試験等を行う なお 本事業の実施にあたっては タンチョウをはじめ希少動植物への影響を最小限とするよう配慮することとする 7. 生態系維持回復事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項 (1) 生態系維持回復事業計画の評価及び見直しに関する事項事業実施後 5 年を目処に 本事業の内容 効果等の総括的な検証及び評価を行い 必要に応じて本事業計画の見直しを行うこととする なお 事業の検証 評価及び事業計画の見直し時には 専門的知識を有する者から 事業実施方針や内容に係る科学的 技術的助言を受けることとする (2) 生態系維持回復事業の実施に関連する計画との連携に関する事項本事業の推進に当たっては 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づき北海道が策定する鳥獣保護管理事業計画 第二種特定鳥獣管理計画である 北海道エゾシカ管理計画 及び鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律に基づき市町村が策定する鳥獣被害防止計画との整合を図るものとする また 釧路湿原自然再生全体構想 及びこれに基づく各自然再生実施計画との整合を図り 事業実施結果等の情報共有を行うことにより 相互の事業を推進する (3) 生態系維持回復事業の実施体制に関する事項関係行政機関 関係団体 専門家等による検討会議を設置し 本事業に係る情報を共有し 連絡調整を図るとともに 連携 協力して事業を実施する また 隣接地域やエゾシカの季節移動先等におけるエゾシカ対策実施主体や関係者との情報共有や連携を密にし 広域的な対策の推進を図る

釧路湿原国立公園 Shitsugen National a Park Shibecha Riv. Kokkaro Kayanuma Touro Lake Touro Shitsugen (Marshland) 釧路湿原駅 Shitsugen Sta. Takkobu Marsh Hokuto Ruins 0 5 10 15 20km Airport Plain この地図の作成に当たっては 国土地理院長の承認を得て 同院発行の数値地図 200000( 地図画像 ) 及び数値地図メッシュ ( 標高 ) を使用したものである ( 承認番号平 18 総使 第 565 号 ) 使用地図は平成 18 年 3 月 1 日版数値地図 200000( 地図画像 ) です 図葉毎に更新期日が異なりますのでご了承ください Riv. 1:150,000 凡 例特別保護地区 Special lprotection ti Zones 特別地域 Special Zones 普通地域 Ordinary Zones