資料3 もんじゅサイトを活用した新たな試験研究炉の在り方に関する調査概要

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いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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資料 3 科学技術 学術審議会研究計画 評価分科会原子力科学技術委員会原子力研究開発基盤作業部会 ( 第 6 回 ) H30.3.29 もんじゅサイトを活用した新たな試験研究炉の在り方に関する調査概要 平成 30 年 3 月 29 日文部科学省

もんじゅ サイトを活用した新たな試験研究炉に関する検討 1. 背景 平成 28 年 12 月に開催された 原子力関係閣僚会議 において下記が決定 将来的に もんじゅ サイトに新たな試験研究炉を設置し 我が国の今後の原子力研究や人材育成を支える基盤となる中核的拠点となるよう位置付ける 2. 新たな試験研究炉の検討 新たな試験研究炉の在り方に関する調査を委託 業務概要もんじゅサイト内に新たに設置するにあたり どのような試験研究炉が国内外の研究者等のユーザーからニーズがあるのか 全国の大学 研究機関が参画するコンソーシアムの構築体制等はどのような形が良いのか等について 外部有識者で構成した委員会の提言を得つつ調査を行う 実施項目 外部有識者委員会の設置 原子炉の専門家原子炉ユーザー ( 学術利用 産業利用 医療利用 ) 原子力人材育成の専門家 地元における地域振興の有識者 コンソーシアムにおけるマネジメントの専門家 主な調査内容 求められる試験研究炉の機能 オプション ( 我が国の研究炉を取り巻く動向 海外の研究炉を取り巻く動向 求められる研究炉が対象とする研究分野または人材育成機能など ) 求められる運営主体の在り方等 1

国内及び海外研究炉の動向 国内における運転継続予定の研究炉 諸外国 ( 先進国及び途上国含む ) における運転段階 ( 約 20 0 基 ) を対象に調査を実施 我が国の研究炉は 1960 年代に建設されたものが多く 高経年化や新規制基準への対応等から廃止措置を選択したものも多い 2017 年 11 月現在 約 200 基が 55 か国で運転されているが 40 年以上経過した研究炉が約 6 0% を超えており 年間 20 週以上の稼働をしている研究炉は 20% 以下 また 現在稼働中の約 200 基を出力別に分類すると 100kW 未満の研究炉が半数 ( 約 100 基 ) を占める (10MW 以上の研究炉は 20%( 約 40 基 )) 研究炉の出力別基数 海外の研究炉の主要項目比較表 カテゴリ低水準中水準高水準 運転経過時間 92 基 (40 年未満 ) 141 基 (40 年以上 ) 熱中性子束 107 基 (10 の 12 乗以下 ) 89 基 (10 の 14 乗未満 ) 42 基 (10 の 14 乗以上 ) 定常出力 61 基 (1kW 以下 ) 66 基 (1MW 以下 ) 95 基 (1MW 以上 ) 稼動率 123 基 (4 週間 / 年以下 ) 73 基 (20 週 / 年以下 ) 42 基 (20 週 / 年以上 ) (2017 年 5 月の集計 IAEA RRDB) (2017 年 5 月の集計 IAEA RRDB) 2

研究炉の必要性とニーズ 前頁に加え 日本原子力学会 原子力機構報告書 (JAEA-Review) 日本学術会議等の報告書を基に研究炉の必要性やニーズ調査を実施 また 大学 研究機関等 13 の関係機関 ( 約 30 名超 ) へのインタビューを実施 研究炉は科学技術の発展や人材育成に必要不可欠な研究基盤施設であり 今後とも安定的に維持 継続して行くことが重要 また 諸外国においても 現在 9 基の炉が建設中である 約 200 基の研究炉の具体的な利用方法について IAEA のデータベースなどを基に主に 12 に大別 そのうち 教育訓練が最も多く 放射化分析 同位体製造などが次点を占める 海外で建設中の研究炉 研究炉出力と利用の統計 国名 炉名 出力 (MW) 建設開始時期 ロシア連邦 MBIR 150 2015 ロシア連邦 PIK 100 1976 アルゼンチン CAREM25 100 2013 フランス JHR 100 2007 アルゼンチン RA-10 30 2014 ロシア連邦 IRV-2M 4 1974 タジキスタン Argus-FTI 0.05 1981 サウジアラビア LPRR 0.03 ウクライナ KIPT 0.00019 2013 (2018 年 3 月の集計 IAEA RRDB) WNA(H29.10.17) 3

研究炉の運営体制 国内の大型研究施設として 共用法適用対象施設 (J-PARC 等 ) やその他の共用事例 ( 先端研究基盤共用促進事業 ) また 海外の運営体制 ( 米国の NSUF 等 ) を対象に調査を実施 諸外国では 関係主体の位置づけや責任所在の明確化 資金調達等のビジネスアプローチが展開される等 合理的かつ持続可能なプラットフォーム構築が進んでいる 我が国の研究炉設置者は 規制対応やセキュリティ対応 廃止措置まで責任を持って実施することが必要であることから 一民間 一大学では運営は厳しい 利用者組織を含めた産学官の多様な関係者が参画し 効果的 効率的に活用できる統一的な利用体制 ( プラットフォーム ) の構築や 共同事業体 ( コンソーシアム ) による運営等新たな枠組や制度検討が必要 ( 国内事例 ) 共用促進法 (4 施設 ) 及び先端研究基盤共用促進事業 (6 事業 ) を対象に調査 ( 海外事例 ) オランダに新設予定の PALLAS の場合 民間による資金提供が設計段階から組み込まれている 4

もんじゅサイトの概況について 有識者委員会によるサイトビジット等を実施しつつ もんじゅ廃止措置後の原子炉施設跡地 荷揚岸壁 資材置き場など計 7 か所をサイト候補として調査を実施 もんじゅ廃止措置後の跡地が研究炉設置に十分な広さと強固な地盤がある場所と言える それ以外の個所について 例えば 荷揚岸壁や資材置き場に原子炉等を設置する場合 地盤強化や盛土 堆積物を除去し岩盤に設置する必要があるため 除去土壌量が多くなることや防潮堤が必要となることから 平地立地に比べて土木工事費が高くなることが懸念される もんじゅの廃止措置が進み 廃止措置の進捗に伴う資機材の置場等サイトの使用計画等が明らかになることが必要 もんじゅサイト内の設置場所の調査位置5

今後の更なる検討課題について 来年度の委託調査でさらに深堀や議論が必要と考えられる主な検討項目は以下の通り 研究炉の更なるニーズの深堀について 出力に応じた多様な研究炉利用ニーズがあるが 全ての利用目的を満たすことは不可能 新たな試験研究炉を計画する際には 我が国における研究炉の立地状況や福井県という地域の特性を踏まえた ニーズの更なる深堀が必要 研究炉の運営体制 効果的 効率的に活用できる統一的な利用体制 ( プラットフォーム ) の構築や 共同事業体 ( コンソーシアム ) による運営等新たな枠組や制度検討については 設計の前段階から 利用者組織を含めた産学官の多様な関係者が参画し 議論することが必要 もんじゅサイトの要件について 新規制基準で設置許可を行う場合 基準地震動等の数値の再評価や設置場所の測量 地質調査等 引き続き専門家による検討が必要 設置に伴い必要な工事費用や建設費用等の調査が必要 6