ICANN Internet Corporation for Assigned Names and Numbers Ⅰ 概要 1 住所等 Tel. / Fax (1)Istanbul, Turkey (2)Los Angeles, CA, USA

Similar documents
ICANN理事会から

IPアドレス・ドメイン名資源管理の基礎知識

ICANN政府諮問委員会ヘルシンキ会合報告

目次 第 1 章我が国のインターネットの普及と DNS(Domain Name System: ドメイン名システム ) の現状 1 第 2 章諸外国の DNS と管理 運営体制の現状 1 第 3 章我が国の DNS の管理 運営体制の現状と在り方 2 第 4 章我が国の管理 運営体制における論点の考

cctld の概要と動向 2003 年 12 月 3 日 Internet Week 2003 ドメイン名に関する最新動向 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター是枝祐 Copyright 2003 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 2003 年 12 月 3 日

JPドメイン名の登録管理業務について

スライド 1

ICANNによるccTLD管理の形

地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

Internet Week '98 (c) JPNIC, NTTPC, moto kawasaki WP, niana, wwtld Internet Governance Moto JPNIC DOM-WG / NTTPC 9

ドメインサービス約款

ccNSO関連報告

前村って何者? - 略略歴 AS2518を 立立ち上げた ( ) JANOGの 立立ち上げに関わった (1997) JPNICのIPアドレス部会に引き込まれた (1997) AS2518から 外資キャリアに移った (2000) でも JPNIC の仕事はついてきた ずぶずぶ APNI

ICANN GNSOレジストリ部会(RySG)の最新動向

本日のお話 ドメイン名の発生の由来 InterNIC の有料化 gtld の課題課題解決のための処方箋 =IAHC 勧告 gtld-mou の成立過程米国政府のグリーンペーパー発表

インターネット白書2016 20年特別記念号

ICANNの組織紹介

情報システム学会第 8 回全国大会 研究発表大会 [] IPv6 対応状況の日豪比較 The Comparison of Japanese and Australian IPv6 readiness 佐々木桐子 ピーターデル Toko SASAKI Peter Dell 新潟国際情報大学情報文化学部

DNSSEC導入に関する世界的動向

ICANN北京会議概要報告

PowerPoint プレゼンテーション

IANA監督権限の移管に関する最新動向・ICANNのアカウンタビリティ解説

IGF2015報告

2017 年 6 月 15 日第 59 回 JP ドメイン名諮問委員会資料 4 JP ドメイン名の概況と ドメイン名を取り巻く状況について 2017 年 6 月 15 日 ( 木 ) 株式会社日本レジストリサービス (JPRS) Copyright 2017 株式会社日本レジストリサービス 1

ICANNの組織紹介

PowerPoint プレゼンテーション

第8回 JPNIC Open Policy Meeting まとめ

Microsoft PowerPoint [互換モード]

橡03_ccTLD_rev.PDF

共に 併せて 各対象者別 ( の対策等を記した )Web サイト等も準備しましたの で 社内等で本件の共有および対策を行っていただきたくお願いいたします 新 gtld 大量導入に伴う名前衝突 (Name Collision) 問題とその対策に ついて 報告書 (PDF 2,84MB)

(JPOPM Showcase-3) IPv4のアドレス移転とは?

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

DNS関連動向Update ~ドメイン名関連~

9 月 11 日による影響 2 Program Committee ( プログラム委員会 ) が発足 - 話者 パネリストと議題の選定について諮問 委員会メンバー Jun Murai / Lars-Johan Lima

Microsoft PowerPoint - DNSSECとは.ppt

Contents 1. インターネット番号管理とは何か 2. インターネット番号管理における課題 1. レジストリ組織構造 2. ポリシ策定 3. インターネット番号管理業務 3. 各 RIRの状況 4. まとめ Copyright (c) 2003 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンタ

情報処理概論及演習 第 5 週インターネット 保坂修治 インターネット ありとあらゆるものをデジタルでつなぐ 常に世界規模で変化し続けている 2011 キーワード クラウド コンピューティング HTML5 LTE SNS メディア スマートグリッド スマートテレビ 1

次世代gTLD RDSポリシー策定WG検討状況報告

TCP/IP Internet Week 2002 [2002/12/17] Japan Registry Service Co., Ltd. No.3 Internet Week 2002 [2002/12/17] Japan Registry Service Co., Ltd. No.4 2

第11週 インターネット

Microsoft PowerPoint - 25_4_諮問書説明.ppt

インターネット協会迷惑メール対策委員会 インターネット協会は 2001 年に設立された財団法人 賛助会員 94 社 (2010 年 12 月 7 日現在 ) 迷惑メール対策委員会 2004 年に設立 メンバーは ISP の他 大学 企業関係者 それらにサービスを提供する SIer など 2005 年

祝?APNICとRPKIでつながりました!


インターネットドメイン名とは インターネットドメイン名とは IP アドレスを人が扱いやすい形で表記したもの ( インターネットドメイン名の例 ) ホームページ : メールアドレス : インターネットドメイン名 soumu.go.jp soumu.go.jp

DNSSEC の仕組みと現状 平成 22 年 11 月 DNSSEC ジャパン

Microsoft PowerPoint - 今井.ppt

<4D F736F F D DB791D6816A81798E9197BF A914F91BA88CF88F592F18F6F8E9197BF2E646F6378>

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

ICANNロサンゼルス会議概要報告

ドメイン名に関する 情報通信政策の在り方について 報告書 ( 案 ) 平成 26 年 10 月 情報通信審議会情報通信政策部会ドメイン名政策委員会

ICANNプラハ会議概要報告

_上村B.indd

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

IGCJ20

大規模災害時における、DNSサービスの継続性確保のために

インターネットガバナンスの状況

ICANNダーバン会議概要報告

ict4.key

WHOIS関連ポリシー見直しの状況

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 第2部(1):1.8.e164.arpaのデリゲーションについて_rev2.ppt

Microsoft Word - 03別紙1(報告書).docx

東京センチュリー株式会社統合レポート2018

ディスカッション

IANA 監督権限移管の話 1

gtld 動向 ~GDPR 対応は RDAP で ~ Kentaro Mori, JPRS DNS Summer Day 2018 Copyright 2018 株式会社日本レジストリサービス

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 九州大学百年史第 7 巻 : 部局史編 Ⅳ 九州大学百年史編集委員会 出版情報 : 九州大学百年史. 7, 2017

参考資料 1 約束草案関連資料 中央環境審議会地球環境部会 2020 年以降の地球温暖化対策検討小委員会 産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合事務局 平成 27 年 4 月 30 日

新 gtld の大量追加 これまで.com,.net,.org,.biz,.info, 2013 年 ~.xyz,.berlin,.club,.guru,.photography,. ,.xn--3ds443g,.link,.today,.tips,.company,.solutions,.

米中間選挙結果とインプリケーション


世界手話通訳者協会 (WASLI) へようこそ WASLI 会長 デブラ ラッセル

PowerPoint プレゼンテーション

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査


untitled

Microsoft PowerPoint 互換モード

ccNSO関連報告

新gTLD関連報告

Microsoft PowerPoint - soumu-kanesaka.pptx

情報通信の基礎

アウトライン 1. 政府諮問委員会 (GAC) アブダビ会合の概要 4 2. GACにおける主な議論 5 3. GAC 公共安全作業部会 (PSWG) の活動 理事会への助言 31

Japan Youth Platform for Sustainability (JYPS) 国連で行われている交渉に向けて 若者の声を集約し 日本政府や国連機関などに政策として訴えていくための若者のための 場 5/22

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

PowerPoint プレゼンテーション

ICANN_APAC 4th anniversary 2017_JP

Microsoft PowerPoint - d1-大本 貴-DNSSECstatus_DNS-DAY [互換モード]

untitled

スライド 1

IPv6アドレス JPNICでの逆引きネームサーバ登録と逆引き委譲設定の方法

解約書

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

インターネット リソース ネームの概要 2001 年 12 月 4 日産業技術総合研究所田代秀一 使いやすい 名前 への要求 会社の公式サイトへ簡単に 正しく たどり着きたい 商品やサービスの公式サイトへ簡単に 正しく たどり着きたい 独立行政法人産業技術総合研究所田代秀一

Transcription:

ICANN Internet Corporation for Assigned Names and Numbers Ⅰ 概要 1 住所等 Tel. / Fax (1)Istanbul, Turkey +90 212 999 6222 (2)Los Angeles, CA, USA +1 310 301 5800 +1 310 823 8649 (3) Singapore +65 6816 1288 +65 6822 6212 URL http://www.icann.org/ (1)Istanbul, Turkey Hakki Yeten Cad. Selenium Plaza No:10/C K:10 34349 Fulya, Besiktas, Istanbul, Turkey 所在地 (2)Los Angeles, CA, USA 12025 Waterfront Drive, Suite 300, Los Angeles, CA 90094-2536 USA (3)Singapore South Beach Tower, 38 Beach Road, Unit 04-11, Singapore 189767 幹部 Göran Marby( 事務総長兼最高経営責任者 /President and CEO) Steve Crocker( 理事長 /Chair of the Board of Directors) 2 設立目的 1998 年 10 月 ドメイン名 IP アドレスなどのインターネット基盤資源を 世界規模で管理 調整するために設立された 非営利公益法人 本拠地は米国カリフォルニア州マリナ デル レイにあり カリフォルニア州非営利公益法人法 に基づいている 主な業務は ドメイン名 IP アドレス プロトコル ポート番号 ルート サーバなどインターネットの基盤資源の世界規模での調整と これらの技術的業務に関連する方針策定の調整である 3 沿革 ICANN 設立以前は 米国政府の援助を受けつつも 基本的に技術者や研究者のボランティアから構成される Internet Assigned Numbers Authority(IANA) が 米国政府 ( 国防総省 ) との契約に基づきインターネット資源を管理していた 1993 年以降は 米国の民間企業であるネットワーク ソリューション社 (Network

Solutions, Inc.:NSI) が 米国の政府機関である全米科学財団 (the National Science Foundation:NSF) からの委託契約によって.com.org.net のような分野別トップレベルドメイン (gtld) の登録業務等を行っていた また.jp のような国別ドメイン名 (cctld) は IANA から委任された各国 地域の運用者が IP アドレスは IANA 機能 権限を代理していた InterNIC が それぞれ管理を行っていた 1990 年代後半.com ドメイン名の登録数の爆発的増加に見られるようにインターネットの社会的影響力が大きくなり.com ドメイン等の管理を行っていた NSI に独占的という批判が高まり また gtld をもっと増やすべきとの意見が強まるなど インターネット資源の世界規模での調整をどのように行うかが問題となった これを受けて 複数関係者による活発な議論が行われ 新組織の設立へ向けた具体的動きが始まったが 1998 年 1 月に 米国政府が発表した インターネットの名前及びアドレスの技術的管理の改善についての提案 ( 通称 : グリーンペーパー ) により 新組織設立に関する動きは中断した 1998 年 6 月 グリーンペーパーに対するコメントを反映させて 米国政府が インターネットの名前及びアドレスの管理 ( 通称 : ホワイトペーパー ) を発表 ホワイトペーパーは インターネットが米国政府による投資の下で成立したという主張は維持したものの インターネットの伝統である民間主導 ボトムアップのプロセスを評価 尊重する内容となっていたため 新しい非営利法人を設立する方針へと議論が収束した 1998 年 10 月 ICANN が設立され 2000 年 2 月 ICANN 南カリフォルニア大学 米国政府の三者が IANA が行っていた各種資源のグローバルな管理の役割を ICANN が引き継ぐことで合意した 現在では IANA は ICANN における資源管理 調整機能の名称として使われている ICANN は 設立時に 米国政府 ( 商務省国家電気通信情報庁 (NTIA)) との間で締結した覚書に従って業務を実施している 覚書には 一定の条件が整えば ICANN にすべての管理権限が委譲されることが規定されている 2013 年 10 月 ウルグアイで開かれた会議に出席した ICANN インターネット エンジニアリング タスクフォース (IETF) インターネットアーキテクチャ委員会 (IAB) ワールドワイドウェブ コンソーシアム (W3C) インターネット ソサエティのトップは トップレベルドメインの地域登録機関のトップとともに ICANN/IANA が担当している機能の国際化を加速していくことを目指す声明を発表した 米国商務省の監督を伴う米国主導の現行制度の変更を主張している 2014 年 3 月 NTIA は IANA の監督権を放棄し 現体制を ICANN が創設する国際的なステークホルダーによる管理体制に移す方針を決定した この決定に対し 下院共和党は 抑圧的国家によるインターネットの締め付けを許すとの懸念を表明し 米国のインターネット監督権放棄の影響調査を義務付け 放棄を遅らせる法案

Domain Openness Through Continued Oversight Matters (DOTCOM) Act を提出した 同法案は 商務省予算案の修正条項として共和党が多数を占める下院で可決されたが 上院の予算案審議で削除された 共和党は依然として IANA 移譲に強く反対している 米国政府と ICANN の間で結ばれた IANA の運用委託契約は 2015 年 9 月 30 日の期限を前に 8 月に NTIA によって 1 年延長された 2016 年に入っても共和党のテッド クルーズ上院議員らは 言論の自由の保護 を理由として委譲に反対し続けたが 2016 年 9 月末をもって ICANN への権限移譲が行われた ただし 選挙期間中から移譲に反対していたドナルド トランプ氏が大統領選挙に勝利したことから 今後の見通しについては不透明である Ⅱ 組織の概要 組織図 出所 :https://www.icann.org/resources/pages/chart-2012-02-11-en/ https://www.nic.ad.jp/ja/icann/about/organization.html 理事会 三つの支持組織 四つの諮問委員会などによって構成されている ICANN の各構成組織による議論に 全世界からの自由な参加による議論が加えられ その勧告を参考にして最終意思決定機関である理事会が方針の決定を行う 理事会は 広範な地域 分野からの代表により構成される 指名委員会により指名される 8 名 支持組織が選出する 6 名 At-Large 諮問委員会 ( 個人インターネット ユーザの代表 ) が選出する 1 名によって構成される理事 15 名 議決権のな

いリエゾンメンバー 4 名 事務総長兼 CEO1 名から構成されている 主な財源はドメイン名取扱事業者 ( レジストラ レジストリ ) から支払われる手 数料等である Ⅲ 活動内容 インターネットの維持に必要な管理業務として 具体的に次の三つを行う 1インターネットにおける 以下の三つの固有識別子の割り振り 割り当ての調整 ( ア ) ドメイン名 ( Domain Name System(DNS) と呼ばれるシステムを形成 ) ( イ )IP アドレスと自律システム (AS) 番号 ( ウ ) プロトコル ポート番号とパラメータ番号 2DNS ルート名サーバ システムの運用 展開の調整 3これらの技術的業務に関連する 方針策定の合理的で適切な調整 Ⅳ 最近の活動状況 年に 3 回開催されている定期会議と その他必要に応じて開催される理事会特別会議で意志決定が行われる 2013 年 7 月 南アフリカ共和国ダーバンで開催された定期会議で ICANN は四つの一般トップレベルドメイン (gtld) の利用を承認するレジストリ契約を 3 社と締結した これにより 中国語 ロシア語 アラビア語の gtld が利用可能になった ICANN はこの契約が新 gtld プログラムにおいて歴史的なことであると説明している 2016 年 11 月 第 57 回定期会議がハイデラバードで開催され IANA の監督権がアメリカ合衆国から ICANN に移譲されてから初めての定期会議となった ICANN の Ram Mohan 理事はインタビューに対して 規制機関としてではなく 国際社会に公平に奉仕する機関としての ICANN の新たな立場を強調した 近年 ICANN はアフリカでの DNS ビジネス構築を目指しており 2016 年 5 月にケニアのナイロビにオフィスを開設した しかし 新規 gtld である.africa AFRICA の使用権に関しては 2016 年 11 月現在も紛糾が続いている Ⅴ 主要国の対応状況 ICANN には 世界の各地域から様々な関係者が参加しており 北米や欧州 アジアからも理事が選出されている 日本からは政府諮問委員会 (GAC) に総務省 国別コードドメイン名支持組織 (ccnso) に JP ドメイン名の割当業務を行う日本レジストリ サービス (JPRS) 分野別ドメイン名支持組織 (GNSO) 及びアドレス支持組織 (ASO) に国内 IP の

割当業務を行っている日本ネットワーク インフォメーション センター (JPNIC) 等の関係者が参加し 情報収集や意見交換を行っている 2003 年と 2005 年 情報社会における格差是正を目的の一つとして 国連が支援し 国際電気通信連合 (ITU) の主導で開催された 世界情報社会サミット (World Summit on the Information Society:WSIS) の第 1 フェーズ ( ジュネーブ会合 2003 年 ) で 米国の非営利団体である ICANN が IP アドレスやドメイン名を管理していることが 主要論点の一つとして取り上げられ 現行の資源管理体制を維持したい先進国と 一部の発展途上国との間で意見が対立した 第 2 フェーズ ( チュニス会合 2005 年 ) での議論の結果 情報社会のためのチュニス アジェンダ が合意に至り 下記が提案された インターネットに関する国際的な公共政策問題における 協力強化(enhanced cooperation) の必要性を認識する 協力 には 関連国際機関の利用により インターネット資源の調整 管理に関する公共政策問題についての原則を策定することを含む 国連総長に 2006 年第 2 四半期までに マルチステークホルダーの政策対話のための新しいフォーラムの会合である インターネット ガバナンス フォーラム (IGF) を開催するよう依頼する IGF は民主的で透明であるべきである チュニス アジェンダでは IGF 設置以外には インターネット ガバナンスに関する記述がなかったため ジュネーブ会合で議論の対象となった ICANN の体制は 米国政府による関与も含め 現状維持ということになった また インターネット ガバナンスに関する議論は IGF で行われるようになり ICANN は本来の課題である技術的課題に集中するようになっている 同アジェンダの規定に基づき 2006 年から IGF( 事務局 : 国連 ) が開催され ステークホルダー間でのインターネットに関する政策対話が行われている 2016 年 12 月 メキシコ グアダラハラで 第 11 回目となる IGF2016 が開催され 83 か国から 2000 人以上が参加した IGF の開催から 10 年目を迎えた同会合では 包括的及び維持可能な成長の実現 をメインテーマとし 国際協調や戦略的パートナーシップの重要性や サイバーセキュリティー IoT 人口知能 (AI) によるインパクトなどについて取り上げられ また 近年 IGF では 年 1 回の会合に限らず 継続的に活動を実施してくことを重視しており 既存のプラクティスを文書化して記録するベストプラクティスフォーラム (BPF) や 異なる複数の組織の協働を促す Dynamic Coalition( 毎月開催 ) などの取り組みが挙げられる 出所 :http://www.icann.org/ http://www.nic.ad.jp/ja/icann/ 等