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第1部第Ⅱ章64 第 1 節 我が国における水産資源の管理 (1) 我が国周辺の水産資源の状況 *1 平成 25(2013) 年度の我が国周辺水域の資源評価結果をみると 主要な52 魚種 84 系群 のうち 資源水準が高位にあるものが12 系群 (14%) 中位にあるものが36 系群 (43%) 低

インド 12 3 エビ イカ オーストラリア 13 3 マグロ エビ フィリピン 14 1 マグロ カツオ エビ アイスランド 15 1 その他の魚 ハリバット 魚卵 スペイン 16 1 マグロ タコ マルタ 17 1 モロッコ 18 1 タコ イカ モーリタニア 19 1 タコ ニュージーランド

P19 ~ P22 項目 (4) 県内水揚状況 ( 属地 ) 1 年別水揚状況 年次 水揚数量 水揚金額 平成 23 年 項目 2 漁業協同組別水揚状況 年次 相馬双葉 百万円 ,513 4,535 3,461 5,644 6,1 8,514 6,591 1,6

平成 29 年 4 月 26 日定例記者会見資料 大船渡市魚市場の水揚と水産資源の動向について 平成 29 年 4 月 25 日 大船渡市 担当 : 農林水産部水産課 電話 : ( 内線 371)

(3)TAC 制度 IQ ITQ 方式について 資料 4-3

(2) そもそも優先順位を廃止する必要があるのですか 1 優先順位の規定は廃止しますが これまで漁業権に基づき漁業を行っていた人 漁協の免許を取り上げることはありません 2 現行の優先順位は法律で詳細かつ全国一律の要件で免許の順位を定めているため 1 漁業権の存続期間満了時により順位の高い者が申請し

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このような IUU 漁業の現状があります 本レポートは IUU 漁業の日本における リスクを把握するために 行った分析研究です 調査の背景 1974年から2013年までの水産資源 の状態を比べてみると 健全な資源 状態の水産資源が占める比率が確実 IUU漁業の現状 100 政府 NGO 漁業産業は

スライド 1


3 くろまぐろの知事管理量について 海洋生物資源の採捕の種類 別又は期間別の数量に関する事項 ( 1) 採捕の種類別の割当量について 2 に掲げる知事管理量の小型魚における採捕の種類別に定め る割当量は 次の表のとおりとし 大型魚は採捕の種類別に定 めないものとする 採捕の種類 小型魚 本県の漁船漁

第1第Ⅰ章20 ( 近年の我が国の遠洋漁業をめぐる情勢 ) 近年 我が国の遠洋漁業の中心となっているのは カツオ マグロ類を対象とした海外まき網漁業 遠洋まぐろはえ縄漁業 遠洋かつお一本釣り漁業等であり カツオ マグロ類が我が国の遠洋漁業生産量の約 9 割を占めています とうしょ我が国の遠洋漁船は

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目 次 漁業の許可等 1 漁業の取締り 2 漁業調整 4 海洋生物資源の保存及び管理 6 外国漁船の寄港の許可 8 漁船の検査 10 沿岸漁業の振興及び漁場の保全の指導 水産資源の保護 水産関係 資料の収集 整理 水産に関する調査 11

1. 太平洋クロマグロの分布 生態 成長 漁獲について 1

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ドキュメント1

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整理番号 10 事後評価書 ( 完了後の評価 ) 都道府県名 愛知県 関係市町村 田原市他 事業名地区名 Ⅱ 点検項目 1. 費用対効果分析の算定基礎となった要因の変化 ( 広域水産物供給基盤整備事業 ) 事業主体 愛知県 Ⅰ 基本事項 1. 地区概要 漁港名 ( 種別 ) - 漁場名 アツミガイカ

第1部第Ⅰ章4 第 1 節 世界の漁業の状況 (1) 増加し続ける世界の水産物需要 (1 人当たりの水産物消費量の増加 ) 魚介類は 世界の動物性たんぱく質供給量の16% を担う重要な食料資源です 世界の1 人当たりの食用魚介類の消費量は過去半世紀で約 2 倍に増加しました ( 図 Ⅰ 1 1) 国

資料 12 資源管理目標を定めるための新たな資源評価手法の検討状況 2019 年 3 月

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はじめに 我が国の養殖業は 漁業 養殖業の生産量の2 割強 生産額の3 割強を供給する大きな位置を占めている また 多様な魚種を身近な食材として供給し 国民の豊かな食生活を支える産業として重要な役割を果たしている 一方 魚価安やコスト増による厳しい経営環境が続いている中で 消費者の安全 安心への関心

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別記様式第 1 号別添 1 地域水産業再生委員会組織名小田野沢地域水産業再生委員会代表者名会長川村敏博 浜の活力再生プラン 再生委員会の構成員 小田野沢漁業協同組合 猿ヶ森漁業協同組合 東通村つくり育てる農林水産課 青森県下北地域県民局地域農林水産部むつ水産事務所 オブザーバー - 再生委員会規約及

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本日の主なテーマ漁獲加工流通消費栽培漁業栽培漁業栽培漁業栽培漁業資源管理資源管理資源管理資源管理漁船 設備漁港 漁場整備漁業経営漁協経営漁業調整漁業調整漁業調整漁業調整モニタリング衛生管理安全 安心6次産業化施設整備魚食普及魚食普及魚食普及魚食普及市場機能販路開拓食育漁村文化魚食文化輸出拡大輸出拡大

1. 主要なかつお まぐろの種類 ビンナガ カツオ キハダ 資料 : 日本かつお まぐろ漁業協同組合 クロマグロ ミナミマグロ メバチ m クロマグロ (Atlantic Bluefin Tuna / Pacific Bluefin Tuna): 地中海を含む大西洋 太平洋の主として北

構成員 3 法第 35 条第 3 項において 協議に係る内水面について河川管理者がある場合には当該河川管理者が必須の構成員とされているのはなぜか 河川管理者は 河川法 ( 昭和 39 年法律第 167 号 ) に基づき 治水 利水 環境の観点から総合的に河川管理をする立場であることから 同法に基づき

2 地域の現状 (1) 地域の水産業を取り巻く現状等秋田県の海岸線の総延長は 264.2km であり これに沿って6 市 2 町が存在する 海岸線は男鹿半島と県北部及び県南部の一部が岩礁海岸 (27%) で これに挟まれて米代川 雄物川 子吉川の県 3 大河川による平野がひらけ 大部分の海岸は平坦な

漁場と海洋調査海域(主に構造探査、曳航体調査を対象)

持続可能性に配慮した調達コード ( 案 ) の概要について 組織委員会は 持続可能性に関する取組の一つとして 持続可能性に配慮した調達コード を策定 運用することとしており 2016 年 1 月に 基本原則 を公表 調達コードにおいては 持続可能性の観点から全ての物品 サービス等に共通して適用する基

北海道の水産業改良普及事業 水産業改良普及事業は 沿岸漁業等の生産性の向上 経営の近代化及び漁業技術の改良を目的として昭和 28 年 (1953 年 ) に発足して以来 漁業を取り巻く環境が刻々と変化する中 60 年以上を経過して現在に至っています 北海道においては国に先駆けて昭和 25 年に普及事

資料 3-1 第 4 管理期間の小型魚及び大型魚の配分の考え方について 平成 30 年 9 月 1. 基本的な配分の考え について 基本的な配分の考え ( 第 4 管理期間 ) 海洋 物資源の保存及び管理に関する法律 ( 以下 資源管理法 という ) に基づき 型 型 の別に 管理量と知事管理量に漁

(2) その他の関連する現状等子どもを含めた若い世代が特に 魚離れ になっている 魚のさばき方が分からない 料理方法が分からない ゴミの処理に困るなどの声が聞かれる 一方で 魚はヘルシーで健康的だという意識も高い 子どもの時から食べ 美味しさが分からないと大人になっても食べようとしない 地産地消の観

Taro-00平成29年度水産白書

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第1部(2) 資源管理の歴史 第Ⅰ章第 2 節我が国の資源管理の現状と課題 コラム 最大持続生産量 (MSY) 漁業資源は常に子孫を増やそうとしています このため 自然環境条件等が一定であると仮定すると ある魚種をある程度まで漁獲しても その分だけ餌や生息場所等の自然環境に余裕ができるため その魚

76 7 水産業 7 水産業 1 経営体階層別 経営組織別漁業経営体数 平成 25 年 11 月 1 日現在 ( 単位 : 経営体 ) 区 分 平成 16 年平成 17 年平成 18 年平成 20 年平成 25 年 総 数 1,425 1,373 1,313 1,220 1,012 経営体階層別 漁


浜の活力再生プラン 1 地域水産業再生委員会組織名天草西海地区地域水産業再生委員会代表者会長森口哲雄 再生委員会の構成員 オブザーバー 天草漁業協同組合天草町支所 﨑津支所 天草市経済部水産振興課 熊本県天草広域本部農林水産部水産課 対象となる地域の範囲 及び漁業の種類 1 対象地域天草市天草町 河

目 次 第 1 章調査の概要 5 第 2 章 日本の漁業 1. 魚生産の構造 7 2. 魚市場と消費 魚の流通構造 日本の水産業の構造と特徴 ノルウェー漁業との比較 20 第 3 章 石巻における水産業の特徴 1. 震災以前の石巻水産業の特徴 石巻水産

有害生物漁業被害防止総合対策事業について

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別記様式第 1 号別添 浜の活力再生プラン 1 地域水産業再生委員会 組織名 中島三和地区地域水産業再生委員会 代表者指名 会長大野覚男 再生委員会の構成員 中島三和漁業協同組合 松山市農林水産課 オブザーバー 愛媛県中予地方局水産課愛媛県漁業協同組合連合会 再生委員会規約及び推進体制の分かる資料を

神水セ研報第 7 号 (2014) 65 相模湾沿岸域定置網漁業における漁獲魚種の変遷と主要魚種の資源動向 髙村正造 片山俊之 木下淳司 Transition of catch fish and resource trends of important fishes in fixed net of

Microsoft PowerPoint - H23.4,22資源説明(サンマ)

太平洋クロマグロの加入量予測に向けた基盤的研究

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1. 序 ( 理念と目標 ) (1) 我が国は 責任ある漁業国として 漁業が人類に対する重要な食料供給の役割を担い かつ 世界各国の国民の社会的 経済的福利を確保するための機能を有する重要な産業である との国際社会の認識 ( 食料安全保障のための漁業の持続的貢献に関する京都宣言及び行動計画 ) を確

Taro-平成28年度水産白書

3. 資源管理の方向性本府では水産資源の持続的な利活用を水産業振興の重点方策として位置付け 積極的な資源管理 資源の維持回復を図るべく 漁業調整規則等で規定されている公的規制の徹底と併せて 漁業者の自主的取組を他の関連施策と一体となって展開していく なお 本指針における公的資源管理 ( 公的措置 )

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参考 1 全国登録漁船数 平成 24 年 12 月 31 日現在 ( 単位 : 隻 ) 区分海水漁業淡水漁業総計都道府県計動力漁船無動力漁船計動力漁船無動力漁船 総 計 269, , ,052 4,666 11,018 7,425 3,593 北 海 道 27,872 27,

Microsoft PowerPoint - アプリとHPの関係.pptx

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1部第Ⅱ図 Ⅱ-3-3 世界の養殖業の国別及び魚種別生産量の推移第章98 図 Ⅱ-3-2 世界の漁船漁業の国別及び魚種別漁獲量の推移 その他ベトナム 米国インド ニシン イワシ類タラ類 日本 EU(28か国 ) マグロ カツオ カジキ類万トン万トン 11, ペルーインドネシア 3, イカ タコ類 1

目次 1. はじめに 現状分析 我が国における水産業の現状 漁獲高の推移 漁業従事者 操業漁船数の推移 漁業従事者の収入の推移 我が国の資源管理制度 日本政府の

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MMRC DISCUSSION PAPER SERIES No. 455 水産業の現状と課題 東京大学ものづくり経営研究センター 特任研究員漁業構造改革総合対策事業 中央協議会委員高井紘一朗 2014 年 3 月 東京大学ものづくり経営研究センター Manufacturing Management

< 目次 > 概要 1 1. 香港 2. 台湾 3. 韓国 4. 中国 5. シンガポール 6. マレーシア 7. ブルネイ 8. インドネシア 9. タイ 10. ベトナム ミャンマー 12. フィリピン 13. インド 14. 中

47_ サバ類 _ 太平洋海域 2016 年度 魚種 ( 海域 ): サバ類 ( 太平洋海域 ) 担当 : 釧路水産試験場 ( 三橋正基 ( 現函館水試 ) 中多章文 ), 函館水産試験場 ( 澤村 正幸 ) 要約 評価年度 :2015 年度 (2015 年 1 月 ~2015 年 12 月 ) 2

-

完了後評価書(窪津)【140303修正】.pdf

資料 1 資源管理の推進について 平成 2 8 年 6 月 2 4 日

海のエコラベル MSC 認証 こうしたエコラベルの一つに 持続可能な漁業 で獲られた水産物に表示が認められるエコラベル MSC ラベル があります 制度の運営機関である MSC( 海洋管理協議会 :Marine Stewardship Council 本部 : ロンドン ) が管理するエコラベルで

はじめに

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2 主な分掌事務 水産政策課 管理担当 課の予算及び決算に関すること 県有財産の管理に関すること 企画流通担当 水産行政の企画及び総合調整に関すること 水産物の流通及び加工に関すること 水産統計に関すること 水産試験場に関すること 団体金融担当 水産業協同組合の指導及び検査に関すること 水産金融に関

浜の活力再生プラン 別記様式第 1 号別添 1 地域水産業再生委員会組織名宮城県近海底曵網漁業再生委員会代表者名菅野静春 再生委員会の構成員宮城県近海底曵網漁業協同組合 塩竈市 石巻市 宮城県仙台地方振興事務所 宮城県水産業経営支援協議会オブザーバー宮城県 ( 農林水産部水産業振興課 ) 再生委員会

7・統計表

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浜の活力再生プラン 別記様式第 1 号別添 1 地域水産業再生委員会組織名深浦町風合瀬地区地域水産業再生委員会代表者名坂﨑清美 再生委員会の構成員 風合瀬漁業協同組合 深浦町農林水産課 西北地区地域県民局地域農林水産部鯵ヶ沢水産事務所 オブザーバー 対象となる地域の範囲及び漁業の種類 深浦町風合瀬地

アジサバタチの原稿

(2) その他の関連する現状等 漁業用資材や燃料価格が高騰し 高止まりの状態である 漁業経費の増加が収益の減少を引き起こし 漁業経営を圧迫している また 新規就業者の減少と全国平均を上回る漁業者の高齢化による後継者不足も課題である 3 活性化の取組方針 (1) 基本方針 Ⅰ 資源管理の強化 1 藻場

養殖業の現状 2

(2) その他の関連する現状等 3 活性化の取り組み方針 (1) 基本方針 1. 収入の向上 (1) 観賞用魚の販売 ( 定置網漁業で漁獲される熱帯魚やエイ サメ類等は食用としては低利用であるが 水族館等での観賞用としては年々需要が高っていることから 販売量を増加させるとともに 新規市場開拓を積極的

京都府海域定置網漁業包括的資源回復計画 1. 資源の現状と資源回復の必要性 (1) 対象資源の資源水準の現状京都府の定置網漁業は マアジ マサバ ブリ サワラ イワシ類 イカ類等を主に漁獲の対象としている かつて大量に漁獲されたマイワシはほとんど漁獲されなくなり 近年はマアジやカタクチイワシの漁獲量

小笠原・伊豆諸島周辺海域における外国漁船への対応について

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水銀とは 金属水銀 Hg 0 ( 水銀蒸気 ) イトムカ鉱山の水銀鉱石 ( 硫化水銀 朱 ) 有機水銀化合物 CH 3 Hg + ( メチル水銀 ) 無機水銀化合物 Hg 2+ 金属水銀 ( 浮いているのは鉄製のボルト ) 2

1. 太平洋クロマグロの分布 生態 成長 漁獲について 1

但馬水産技術センターだより 漁況情報 (G1305 号 ) 平成 25 年 8 月 28 日兵庫県立農林水産技術総合センター但馬水産技術センター発行 ハタハタ アカガレイ エチゼンクラゲに関する情報について ( 平成 25 年度底びき漁期前調査結果 ) 平成 25 年 8 月 5 6 日および 8

2 主な分掌事務 水産政策課 管理担当 課の予算及び決算に関すること 県有財産の管理に関すること 企画流通担当 水産行政の企画及び総合調整に関すること 水産物の流通及び加工に関すること 水産統計に関すること 水産試験場に関すること 団体金融担当 水産業協同組合の指導及び検査に関すること 水産金融に関

Microsoft PowerPoint 水産庁講演資料.pptx

(2) 漁獲努力量の削減 維持及びその効果に関する担保措置愛媛県漁業調整規則により 採捕できる水産生物の体長制限や採捕禁止期間を設けている 広域漁業調整委員会指示により サワラ流し網漁業の目合い制限と禁漁期間を設けている 垣生地区の漁業者間の取決めによる休漁日を設定している (3) 具体的な取組内容

第1部第Ⅰ4 第 1 節 これまでの養殖業の展開 本節では 養殖業の意義 養殖業がたどってきた歴史及びその現状について記述します (1) 養殖業の意義 ( 養殖生産の必要性 ) 人類が文明化する以前の段階では 食料の確保は狩猟 漁労及び採集に頼っていたと考えられます その後 野生植物の種を植えて栽培

1 操業規制や休漁日の設定による漁業圧及び漁獲努力量の削減による資源保護 2 種苗放流や母藻の保護による資源の維持 増大 3 漁場や海岸清掃活動による漁場環境の保全 〇販売 流通体制の強化及び付加価値向上の推進 1 蓄養施設等の活用による計画出荷の推進と流通体制の整備 2 蓄養施設の整備 活〆技術の

太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について

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海洋生態系の持続可能性

第1部第Ⅰ48 事例 養殖生産物のトレーサビリティへの取組 ( 鹿児島県東町漁業協同組合 ) ブリ類やマダイを中心に海面魚類養殖業が盛んな鹿児島県東町漁業協同組合では養殖魚の加工 販売や海外輸出にいち早く取り組むなど 先進的な取組を積極的に進めています トレーサビリティについても平成 15(2003

Ⅰ. 世界海運とわが国海運の輸送活動 1. 主要資源の対外依存度 わが国は エネルギー資源のほぼ全量を海外に依存し 衣食住の面で欠くことのでき ない多くの資源を輸入に頼っている わが国海運は こうした海外からの貿易物質の安定輸送に大きな役割を果たしている 石 炭 100% 原 油 99.6% 天然ガ

EPA に関する各種試算 試算 1 EPA のマクロ経済効果分析 (3 ページ ) 内閣官房を中心に関係省庁と調整したシナリオに基づき 川崎研一氏 ( 内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官 ) が分析 WTO はじめ広く関係機関が活用している一般均衡モデル (GTAP モデル ) を使用 EPA


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浜の活力再生プラン 別記様式第 1 号別添 1 地域水産業再生委員会 組織名 猿払地区地域水産業再生委員会 代表者名 会長安田順一 再生委員会の構成員 猿払村漁業協同組合 猿払村 オブザーバー北海道宗谷総合振興局 北海道漁業協同組合連合会稚内支店 再生委員会規約及び推進体制の分かる資料を添付すること


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PARC ビデオ DVD 食卓と海水産資源を活かし 守る 資料集 食卓と海各章の内容 1. 世界と日本のサカナ事情 (7 分 54 秒 ) 私たちの食卓と世界の海 (2 分 11 秒 ) サカナが減っている? (1 分 28 秒 ) 日本の漁業と水産資源 (4 分 15 秒 ) 2. 慣習が守る海の恵みと漁業権 (18 分 16 秒 ) 自然との約束ハルク島 (3 分 5 秒 ) 漁業期節が守る恵み姫島 (3 分 3 秒 ) ハタハタと全面禁漁秋田 (4 分 2 秒 ) 慣習と漁業権 (3 分 10 秒 ) 磯を守った人びと大入島 (4 分 46 秒 ) 3. 水産資源を分かち合う方法 (12 分 44 秒 ) 地域をつくる水産資源野付 (5 分 34 秒 ) 地域を越えた管理の必要性小田原消えたブリ (1 分 49 秒 ) 食卓と海 (1 分 21 秒 ) 本編中の図表の詳細なデータと 用語について解説した資料集です オリジナルの図表データも Web よりダウンロードできます http://parc-jp.org/video/sakuhin/zuhyou/sakana_zu.html 授業 講演などで本作品を上映していただく際に ご活用下さい < 参考になる文献とホームページ > 海の 守り人 論徹底検証漁業権と地先権 浜本幸生 ( 監修 著 ) 熊本一規 / ケビン ショート / 水口憲哉他著まな出版企画 1996 サシとアジアと海世界環境を守る知恵とシステム 村井吉敬コモンズ 1998 現代漁業の問題と資源管理型漁業 多屋勝雄月間水産振興 2002 森は海の恋人 畠山重篤文藝春秋 2006 Fishstat FAO http://www.fao.org/fishery/statistics/software/fishstat/en Review of the state of world marine fishery resources FAO 2005 ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/007/y5852e/y5852e00.pdf The state of world fisheries and aquaculture 各号 http://www.fao.org/docrep/011/i0250e/i0250e00.htm ( リンクは 2008) 水産白書 農林水産省各年次 http://www.maff.go.jp/j/wpaper/index.html 農林水産統計情報総合データベース http://www.tdb.maff.go.jp/toukei/toukei 財務省貿易統計 http://www.customs.go.jp/toukei/srch/index.htm 2008 年度調査報告書持続可能な漁業資源管理と海洋環境保全 アジア太平洋資料センター (PARC) 水産資源研究会 http://parc-jp.org/kenkyuu/2008/2008_report.pdf

私たちの食卓と世界の海四方を海に囲まれた日本 寒流 ( 親潮 リマン海流 ) と暖流 ( 黒潮 対馬海流 ) が交差する日本の海は 昔から豊かな漁場でした ( 日本の周辺海域で獲れる多様な水産物 水産白書 2007 など ) しかし かつては 100% を越えていた魚介類の自給率は 1980 年代後半から急激に低下しはじめ 2007 年には 53% にまで落ち込みました 表 1 日本の魚介類の自給率 単位 : 万トン 自給率は % 国内 国内消費仕向け量 食用魚介類 年度 生産量 輸入量 輸出量 計 食用 飼料用自給率 自給率 1964 599 57 72 585 138 447 102 113 1970 879 75 91 863 636 228 102 108 1980 1043 169 102 1073 767 307 97 97 1990 1028 382 114 1302 880 423 79 72 2000 574 588 26 1081 853 228 53 53 2007 508 516 82 953 725 228 53 62 出所 : 農林水産省 食料需給表 我が国の食料自給率 食料自給率リポート 一方で 世界的には水産資源の枯渇が懸念されています 図 1 世界の水産資源の利用状況 出所 :FAO 2005 Review of the state of world marine fishery resources * 水域名 番号は FAO 漁獲統計海区 (www.fao.org/docrep/003/x2098e/x2098e86.gif) による - 1 -

世界の漁獲量は 1990 年ごろから頭打ちになり 水産物生産量に占める養殖生産量の割合は年々増えています 表 2 漁業生産量の推移 単位 : 万トン 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2007 漁業 1,922 3,470 6,385 6,824 8,599 9,470 9,118 養殖業 64 203 353 735 1,683 4,167 6,519 計 1,986 3,673 6,738 7,559 10,282 13,637 15,637 養殖の割合 3% 6% 5% 10% 16% 31% 42% 出所 :FAO Fishstat しかし 養殖される魚種によっては 糞や食べ残した餌などによる海洋汚染 飼料転換効率の悪さ (1) 病気と薬物使用 (2) 稚魚の乱獲 (3) などの問題があります (1) マグロの体重を 1kg 増やすために 約 15kg ものイワシやサバが消費される サケの 1kg の生産に対しては 8.5kg ( チリの場合 ) (2) たとえば チリのサケ養殖場では細菌性腎臓病 ピスキリッチケア症 海ジラミ 海水性白点病 エロモナス症などが発生している ( 参考 ; アジア太平洋資料センター 2007 持続可能な水産資源の利用と管理に関する調査研究中間報告 2006 年度 チリ南部におけるサケ マス養殖に関する調査報告 http://parc-jp.org/kenkyuu/2008/chile-salmon2006.pdf) (3) マグロやブリなどは 天然の稚魚を獲り 育てている 蓄養 がほとんど 出荷量は分かるが 養殖中に死亡する魚も多いため どれくらいの稚魚が養殖用に漁獲されているかは不透明であり 蓄養業がこれらの魚を大量に獲っていることが問題化している ( 参考 :WWF 2004 地中海におけるクロマグロ蓄養業 : 危機に瀕するクロマグロ資源 http://www.wwf.or.jp/activity/marine/lib/tunafarming2004jpn.pdf) 国連食糧農業機関 (FAO) は 2015 年までに全世界で 1,100 万トンの魚が不足すると予測しています (FAO 2004 The state of world fisheries and aquaculture ) 日本の魚介類の消費量 (2007) よりも多い数字です 魚 貝 海藻など海の恵みはタンパク質 ビタミン ミネラルなど 豊富な栄養を含む大切な食料です 資源を守りながら獲る 持続可能な漁業が求められています 表 3 魚介類の栄養 名前 主な機能 多く含まれる主な魚介類 タンパク質 血や筋肉など体をつくる カツオ アジ サバ サンマ イワシなど ドコサヘキサエン酸 (DHA) 脳や視神経の発達 機能維持 抗アレルギー 抗炎症 クロマグロ サンマ イワシ ウナギ カツオなど エイコサペンタエン酸 (EPA) 血栓の予防 血圧の調整 コレステロールの排出 - 2 - クロマグロ イワシ サンマ タウリン 血圧の調整 コレステロールの排出 肝機能改善 視力の維持 イカ カキ タコ アワビ ホタテガイ クルマエビ サケ カルシウム 骨をつくる 血圧や神経系の調整機能 小魚 鉄分 赤血球 ( ヘモグロビン ) の主成分 全身組織の機能維持 ノリ ヒジキ ハマグリ

日本の漁業と水産資源かつては世界一だった日本の漁獲量 しかし 今は 1960 年 ~70 年代の半分に落ち込んでいます ( 日本の水産漁業に関連するできごと ) 表 4 各国の漁獲量の推移 単位 : 万トン 日本ノルウェーチリ米国中国全世界 1950 299 128 9 263 88 1,922 1951 356 168 10 245 125 2,168 1952 450 168 12 247 156 2,362 1953 434 142 11 253 172 2,405 1954 435 194 15 260 203 2,596 1955 471 168 22 262 221 2,748 1956 454 203 20 280 237 2,911 1957 512 162 22 256 204 2,931 1958 524 144 23 253 209 2,998 1959 562 142 28 276 213 3,232 1960 586 139 35 271 222 3,470 1961 634 153 44 285 240 3,854 1962 646 132 64 290 254 4,195 1963 626 139 77 266 249 4,290 1964 595 161 118 252 247 4,751 1965 650 231 73 265 253 4,858 1966 669 287 140 244 250 5,249 1967 742 325 109 231 251 5,594 1968 810 280 139 241 263 5,926 1969 809 249 111 244 255 5,784 1970 874 298 123 279 249 6,385 1971 929 310 152 289 270 6,390 1972 961 320 82 277 301 5,965 1973 991 301 69 281 310 6,022 1974 988 267 117 289 338 6,344 1975 970 255 97 285 350 6,292 1976 976 342 144 309 360 6,632 1977 983 354 138 304 362 6,506 1978 982 271 199 348 345 6,709 1979 962 276 270 358 307 6,756 19801,005 253 289 370 315 6,824 19811,034 269 350 370 314 7,029 19821,042 263 384 395 351 7,212 19831,082 295 417 415 367 7,195 19841,158 258 467 472 394 7,764-3 - 1948 水産業協同組合法公布 1949 漁業法公布 水産資源保護法公布 マッカーサーライン撤廃 漁業法特例法交付漁船が大型化し始める 水産庁が漁業転換促進要綱を発表 沿岸から沖合へ沖合から遠洋へ 大西洋でのマグロ漁業本格化 ハマチ養殖が盛んになる 羽田空港拡張大田区からノリ養殖場が消える コールドチェーンの利用が普及 カツオ自動釣機の試験実施 マグロ延縄船のリール使用が本格化 各地で海の汚染が問題となる 第一次石油ショック 米国 ソ連 カナダなどが 200 海里制度を導入 日本も領海法 (12 海里領海法 ) 漁業水域に関する暫定措置法 (200 海里漁業水域法 ) を公布 第二次石油ショック 国連総会で国連海洋法条約が採択 日本 国連海洋法条約に署名

日本ノルウェーチリ 出所 :FAO Fishstat 日本水産学会 日本水産学会年表 米国中国全世界 1985 1,094 222 498 472 421 7,936 1986 1,147 202 569 488 481 8,490 1987 1,129 207 492 569 541 8,556 1988 1,134 192 534 567 581 8,903 1989 1,060 198 658 549 622 8,954 1990 977 180 535 562 671 8,599 1991 866 220 606 524 745 8,484 1992 795 262 651 527 842 8,636 1993 742 258 606 561 948 8,770 1994 676 255 784 565 1,102 9,331 1995 612 271 768 530 1,271 9,364 1996 609 282 691 506 1,433 9,512 1997 607 305 599 505 1,472 9,445 1998 542 304 346 474 1,547 8,682 1999 531 281 528 483 1,521 9,266 2000 518 289 455 476 1,482 9,470 2001 483 286 403 498 1,440 9,196 2002 449 292 452 498 1,443 9,223 2003 478 270 392 499 1,460 8,948 2004 443 267 532 500 1,479 9,361 2005 450 255 474 496 1,485 9,342 2006 446 240 447 486 1,491 9,094 2007 432 251 414 477 1,499 9,118 用語解説 マッカーサーライン 1945 年 9 月に GHQ が定めた 日本漁船が操業してよい範囲を示すライン 日本国内の食糧難を背景に この操業範囲は GHQ によって 1949 年に東へ 1950 年に南へ拡大された 200 海里漁業水域制度沿岸から 200 海里 ( 約 370km) 以内を その国の排他的経済水域として外国漁船の操業を制限する制度 1952 年にチリ ペルー エクアドルの 3 国が領海 200 海里を主張 その後途上国を中心に経済水域を設定する動きが盛んになっていった 日本は こうした動きに反対し続けていたが 1977 年アメリカとソ連が 200 海里制度を実施したことをきっかけにして 同年 12 海里領海法と 200 海里漁業水域法を公布した 日本の遠洋漁業者は 入漁料を払うなどして他国の経済水域内で操業を続けたが 経営は苦しくなっていった 1994 年の国連海洋法条約の発効により 200 海里の排他的経済水域体制は世界的に確立したが すでに 1970 年代より国際慣習法化していた制度である - 4 - プラザ合意円高が進み 水産物の輸入が増えはじめる 農水省が農山漁村リゾート ゾーン整備構想を発表 国連海洋法条約発効 日本 国連海洋法条約批准 200 海里経済水域設定海洋生物資源保存管理法 (TAC 法 ) 施行 漁業就業者が 30 万人を割る FAO が 世界の漁獲能力は 最低 30% の削減が必要 と発表 水産資源の持続的な利用の確保 が政策目標に含まれる水産基本法成立 中西部太平洋まぐろ類条約に加盟 燃油価格高騰 ミナミマグロ漁獲枠半減へ 海洋基本法の成立 2008 燃油高騰による漁業者の全国一斉休漁

国連海洋法条約沿岸国が 200 海里漁業水域内の水産資源について探査 開発 保存 管理のための主権的権利を持つことを認めた条約 同時に 沿岸国には資源の最適利用の促進が義務づけられた 1973 年から審議が開始され 1982 年に採択 1994 年発効 沿岸国は 自国の漁獲能力と総漁獲可能量 (TAC: total allowable catch) を決定し それに達する漁獲能力がない場合は 余剰分について協定を通じて他国に入漁の機会を与えることになっている ( 余剰原則 ) サケ マスなど川を遡る魚種や マグロなど広い海域を回遊する魚 鯨など海産ほ乳動物については 別途管理の方法が定められている TAC 制度漁獲可能量 =TAC(Total Allowable Catch) に基づき漁獲量に上限を設け 資源を管理する制度 日本では 1 漁獲量が多く 国民生活上で重要な魚種 2 資源状態が悪く 緊急に管理を行うべき魚種 3 日本の周辺で外国によって漁獲されている魚種などを基準に サンマ スケトウダラ マアジ マイワシ マサバ及びゴマサバ ズワイガニ スルメイカの 7 種が TAC 対象魚種になっている 日本の漁業と水産資源図表データ 表 5 埋立面積の推移単位 : 平方キロメートル期間 1950-55 1955-65 1966-75 1976-85 1986-95 1995-03 面積 100.18 114.99 412.45 266.15 120.64 70.2 出所 : 国土地理院 全国都道府県別面積調 表 6 漁業経営体 ( 合弁会社 合資会社 株式会社 有限会社 ) の負債額の推移 単位 : 万円 船の大きさ ( トン ) 1956 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 50~100 715 1,356 2,665 5,394 9,574 16,191 21,902 18,723 15,598 15,149 100~200 2,003 2,349 4,988 8,763 20,599 32,452 46,910 32,093 32,016 33,789 200~500 6,001 8,932 10,692 17,927 33,605 51,277 81,177 75,924 75,927 65,712 500 以上 27,733 49,119 86,246 117,215166,580213,913 243,695 204,677 出所 : 農林水産省 漁業経済調査報告 * 企業体の部 船の大きさ別 期首負債平均 表 8 漁業者数の推移 1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 計 510,727 478,148 446,536 392,392 324,886 277,042 238,371 204,330 女性 90,218 80,096 78,216 68,055 57,023 46,443 39,208 33,210 15~24 歳 44,408 31,299 24,367 17,923 10,050 6,966 6,511 4,550 25~39 123,152 103,231 87,144 69,870 44,475 32,040 25,123 19,690 40~59 185,907 199,595 192,475 160,906 122,569 94,207 76,249 64,830 60 歳以上 67,042 63,927 64,334 75,638 90,769 97,386 91,280 82,050 出所 : 農林水産省 漁業センサス - 5 -

ハタハタ全面禁漁秋田図表データ 表 9 ハタハタの漁獲量 総水揚げ金額 単価 年 漁獲量 ( トン ) 総水揚げ金額 ( 百万円 ) 単価 ( 円 /kg) 1965 16,610 532 32 1970 13,015 507 39 1975 16,954 2,237 132 1980 1,919 1,166 608 1985 203 255 1,256 1990 150 369 2,460 1991 71 160 2,254 禁漁期間 (1992 年 9 月 ~1995 年 8 月 ) 1995 143 437 3,063 1996 243 505 2,075 1997 418 710 1,700 1998 578 595 1,030 1999 693 744 1,074 2000 1,041 682 654 2001 1,404 989 705 2002 1,537 734 478 2003 2,896 1,048 362 2004 3,129 1,010 323 2005 2,353 772 328 2006 2,595 793 306 2007 1,571 778 495 出所 : 全漁連 漁業資源管理の手引き 実践編 - 秋田県のハタハタ資源管理 - 6 -

漁業権漁業権には 定置網漁業権 区画漁業権 共同漁業権の 3 つがあります 1 定置漁業権定置漁業 ( 漁具を動かないように設置して営む漁業のうち 大型のもの ) を営む権利 ( 小型定置網漁業は第 2 種共同漁業権に分類される ) 免許期間 : 5 年 権利主体 : 漁業者個人種類 : a) 身網が水深 27m 以上 ( 沖縄県では 15m 以上 ) の大規模定置網漁業 ( 例外として瀬戸内海におけるマス網漁業 陸奥湾における落網漁業およびマス網漁業 ) b) 北海道で主にサケを対象とする定置網漁業 2 区画漁業権一定の区域内で養殖業を営む権利 免許期間 : 10 年 ( 特定区画漁業権は 5 年 ) 権利主体 : 漁業者個人種類 : a) 第一種区画漁業 : 一定の水域内において石 かわら 竹 木などを敷設して営む養殖業 ヒビ カキ 真珠 真珠母貝 藻類 小割式の各養殖業がある b) 第二種区画漁業 : 土 石 竹 木などによって囲まれた一定の水域において営む養殖業 魚類 エビの各養殖業がある c) 第三種区画漁業 : 第一種及び第二種以外の養殖業 代表的なものとして貝類養殖業 ( 地まき式を含む ) がある * 以上のうち ヒビ 藻類 真珠母貝 小割式 カキ 貝類の 6 種については入漁権が設定可能であり 特定区画漁業権 と総称される 3 共同漁業権一定の水面を共同に利用して漁業を営む権利 採貝 採藻漁業 刺網漁業 小型定置網漁 業などがある 漁業権の区域内では 組合の管理の下で 組合員が漁業を営む 免許期間 : 10 年 権利主体 : 漁業共同組合種類 : a) 第一種共同漁業 : 藻類 貝類 イセエビ ウニ ナマコ 餌むし タコなど 農林水産大臣が指定する定着性の水産動植物が対象 b) 第二種共同漁業 : 網漁具を固定して来遊する浮魚をとる漁業 小型定置網 固定式刺網 敷網 ふくろ待網の各漁業がある 定置漁業権に該当するものは含まない c) 第三種共同漁業 : 地引き網 地こぎ網 船曳網 飼付 突磯の各漁業 d) 第四種共同漁業 : 寄魚 鳥付こぎ釣の各漁業 e) 第五種共同漁業 : 河川 湖沼等の内水面において営む漁業で第一種共同漁業に該当しないもの アユ漁業 コイ漁業が代表的 河川 湖沼などは海面と比較して資源が乏しいことから 遊漁規則に関する条項や増殖義務を課すなど増殖および資源管理に対する指向は他の漁業権と性質を異にしている 出所 : 漁業法第 6 条 漁業権は 知事が漁場計画を定めて公示し 申請者の中から適格性のあるもので優先順位が第一のものに免許される 入漁権とは 他人の共同漁業権または特定区画漁業権の漁場において 漁業権の内容の一部または全部を営む権利 契約または海区漁業調整委員会の裁定によって設定される - 7 -

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