インターンシップ報告 2013 年 10 月 23 日東京都市大学環境情報学部環境情報学科 3 年村主さとみ中屋敷るり 1
実習先 ユニ チャーム株式会社グローバル品質保証部環境 ISO 推進グループ 担当者 小杦信明様 髙田直子様 実習期間 2013 年 8 月 26 日 ~9 月 6 日 2
日にち 内容 8/26( 月 ) 朝礼 PC 説明人事の方からの会社概要説明 8/27( 火 ) 会議参加 実習 8/28( 水 ) 実習 8/29( 木 ) 実習 8/30( 金 ) 実習 8/31( 土 ) 休日 9/1( 日 ) 休日 9/2( 月 ) 実習 9/3( 火 ) 実習 9/4( 水 ) 実習 9/5( 木 ) 実習 9/6( 金 ) 会議でインターンシップ成果発表 3
1. 社会背景 2. 研究背景 3. 研究目的 4. 製品評価 5. 既存文献の試算 6. 考察 7. まとめ 4
( 百万枚 ) 7000 6000 5000 4000 3000 2000 パンツタイプ フラットタイプ パッド類 病院や施設から 在宅介護への進展による需要増加 おむつの機能向上による利用者の増加 1000 0 2007 2008 2009 2010 2011 2012 大人用紙おむつのタイプ別生産数量推移引用 :( 社 ) 日本衛生材料工業連合会 原材料となる石油資源 森林資源の消費量の増加 5
高分子ホ リマー質量 高分子ホ リマーの質量 % 高分子ポリマーの質量 ( 紙おむつの薄型化が進み パルプの使用低減 高分子ポリマーの増量の傾向が見られる %) 引用 : 三洋化成ニュース 2010 新春 No.458 省資源化 6
利用者の増加に伴う紙おむつの廃棄量の増加 主な処理方法が 焼却 単位 :% 引用 : 中野区 H21 年度家庭ごみ組成分析調査 ( 燃えるごみ ) 紙おむつのリサイクル実施による資源の有効利用 引用 : 日衛連 紙おむつの処理方法 (%) 7
使用済み紙おむつのマテリアルリサイクルのライフサイクルインベントリ分析 使用済み紙おむつ RPF 上質パルプ 防火版 発酵肥料 発酵肥料 引用 : トータルケア システム株式会社 8
燃焼 埋立 ( 単位 :t-co 2 ) 1,500 2,000 2,500 リサイクル ( 単位 :t-co 2 ) 1,500 2,000 2,500 紙おむつの燃焼とリサイクルを比較すると 焼却の CO 2 排出量がリサイクルより約 1.5 倍大きい結果となった 9
焼却 埋立より 水溶化処理システムによるリサイクルの方が 環境負荷は低い 文献では おむつ自体の環境負荷は考慮されていない 紙おむつから防火版や発酵肥料 RPF 燃料として再利用されているが 紙おむつ to 紙おむつ の自己循環型リサイクルは行われていない 10
紙おむつの仕組みを理解するために 製品の評価を行う 水溶化処理システムにおける環境影響を求め 紙おむつの燃焼とリサイクルのどちらに優位性があるかの再検証を行う 11
石油採掘 森林資源 石油精製 パルプ製造 資材製造 ティッシュ フラッフパルプ おむつ製造 流通 利用 水溶化処理 RPF 汚泥低質パルプ上質パルプ 12
対象製品 : ライフリーリハビリパンツ M サイズ パンツタイプの大人用紙おむつ ユニ チャーム ( 株 ) の主力商品 引用 : ユニ チャーム株式会社 13
部位名称用途 表面材不織布おむつの形を作っているもの 吸水性 吸汗性が高い 結合材ホットメルト熱で溶ける接着剤 吸収材 伸縮材 ( ギャザー ) ティッシュ パルプ 高分子ポリマー 糸ゴム スパンデックス 引用 : ユニ チャーム株式会社 高分子ポリマーを挟みこむ構造 排泄物の拡散 吸収を行う 吸収した排泄物をジェル状に固める おむつに伸縮性を持たせる繊維 防水材フィルム吸収した排泄物を外に漏らさないようにする 14
機能単位 : 紙おむつ 1 枚 ( 約 60g) 使用ソフト :MiLCA インプット (IDEA からのデータ 製造データ ) 名称製品名 (MiLCA 使用データ ) 不織布 ホットメルト ティッシュ 製造データを使用して MiLCA で計算 低密度ポリエチレン 衛生用紙 パルプ パルプ 高分子ポリマー 製造データを使用して MiLCA で計算 糸ゴム ポリウレタン軟質 スパンデックス 製造データを使用して MiLCA で計算 フィルム ポリエチレン 電力 系統電力 15
不織布 輸送 ホットメルト 輸送 ティッシュ 輸送 パルプ高分子ポリマー糸ゴム 輸送輸送輸送 加工組立 紙おむつ 輸送 使用 スパンデックス フィルム 電力 輸送 輸送 システム境界 輸送は含まない 実際の紙おむつ分量での値 16
(g-co2 eq.) 400 350 300 250 200 150 石油由来素材 森林由来素材 電力 100 50 0 リハビリパンツM 石油系由来素材の環境影響が高い結果となった パルプ使用量の削減により 環境負荷が低くなっていると考えられる 17
石油採掘 森林資源 石油精製 パルプ製造 資材製造 ティッシュ フラッフパルプ おむつ製造 流通 利用 水溶化処理 RPF 汚泥低質パルプ上質パルプ 18
使用済み紙おむつ RPF 上質パルプ 紙おむつ再利用防火版 発酵肥料 発酵肥料 引用 : トータルケア システム株式会社 19
計算方法 : 積み上げ法 おむつの投入量は文献と近い重量 ( 文献では約 4400 トン / 年 ) 文献使用の値と異なるため 採算性が取れるか検証 プロセス物質原単位出典 水溶化処理システム 比較項目 ( 従来法 ) 電力 0.564 kg-co 2 /kwh ( 社 ) 日本建築学会 工業用水 0.070 kg-co 2 /m 3 ( 社 ) 日本建築学会 放流水 3.061 kg-co 2 /m 3 ( 社 ) 日本建築学会 ガス 0.176 kg-co 2 /m 3 ( 社 ) 日本建築学会 塩化カルシウム 0.744 kg-co 2 /kg MiLCA メタノール 2.228 g-co 2 /kg LCA データベース 次亜鉛素酸ソーダ 0.789 kg-co 2 /kg ( 社 ) 日本建築学会 苛性ソーダ 1.677 kg-co 2 /kg MiLCA 高分子凝集剤 2.660 kg-co 2 /kg 北海道大学論文値 焼却 0.192 kg-co 2 /kg JEMAI-LCA Pro 直接排出分 ( プラスチック ) 2.770 kg-co 2 /kg 温室効果ガス排出量算定 報告マニュアル 埋立 0.261 t-co 2 /t JEMAI-LCA Pro 20
上 水溶化処理システム 下 従来の処理 ( 焼却 埋立 ) 赤枠の範囲を試算 21
(t-co 2 /y) 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 埋立 直接排出分 ( プラスチック ) 焼却 下水放流水 各種薬品 電力 400 200 0 水溶化処理システム 燃焼 埋立 22
( 単位 :t-co 2 /y) 文献 水溶化処理システム 1,500 2,000 2,500 試算 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 文献 焼却埋立 1,500 2,000 2,500 試算 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 文献で使用した値と異なる値を用いたため 結果にずれが生じた 文献使用データより使用データの入手時期が古いため 文献では投入されているエネルギーなどが省資源化されていることが考えられる この結果から 使用したデータでも採算性が取れたことがわかる 23
MiLCA の水溶化処理システムの結果は エネルギー燃焼による大気汚染の影響を考慮できていない 水溶化処理するとき 殺菌するための薬品を抑えること また環境負荷の低い薬品の代用が可能であれば さらに環境負荷を低減することが出来ると考えられる 水溶化処理システムの技術向上により さらなる環境負荷低減が期待できる 24
水溶化処理システムのエネルギー燃焼による大気汚染の影響を評価する パルプ製造などの森林資源調達における土地利用などの影響を LIME で評価する システム境界の拡大 ( 使用 輸送 場所の違いの考慮 ) 25
水溶化処理システムと焼却 埋立の環境負荷の比較から 水溶化処理システムの優位性が見られた おむつの製品評価を行ったことで 製品と企業の取り組みを理解することが出来た 26
ユニ チャーム株式会社商品ラインナップライフリーリハビリパンツ http://www.unicharm.co.jp/lifree/lineup/out3.html ユニチャーム株式会社赤ちゃんのおむつおしり研究所 http://www.unicharm.co.jp/ikuji/omutsu/shikumi01.html トータルケア システム株式会社 http://www.totalcare-system.co.jp/necessity.html 活躍する三洋化成グループのパフォーマンス ケミカルス 83 高吸水性樹脂 http://www.sanyo-chemical.co.jp/tech_info/pdf/jpn/pk83.pdf 一般社団法人日本衛生材料工業連合会日衛連 NEWS No.36 http://www.jhpia.or.jp/pdf/news36.pdf 一般社団法人日本衛生材料工業連合会統計情報 http://www.jhpia.or.jp/data/data6.html 中野区平成 21 年度家庭ごみ組成分析調査 http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/473000/d010582.html 27
今回はお忙しい中 インターンシップを引き受けて下さりありがとうございます 様々なご指導をして下さった小杦信明様 高田直子様 グローバル品質保証部の皆様並びに 温かく迎え入れて下さったユニ チャーム株式会社様に感謝の気持ちとして 謝辞の言葉を申し上げます 28
29