ERCOFTAC SIG15 test case ベンチマーク進捗報告

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: u i = (2) x i Smagorinsky τ ij τ [3] ij u i u j u i u j = 2ν SGS S ij, (3) ν SGS = (C s ) 2 S (4) x i a u i ρ p P T u ν τ ij S c ν SGS S csgs

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オープン CAE 関東 数値流体力学 輪講 第 4 回 第 3 章 : 乱流とそのモデリング (3) [3.5~3.7.1 p.64~75] 日時 :2013 年 11 月 10 日 14:00~ 場所 : 日本 新宿 2013/11/10 数値流体力学 輪講第 4 回 1

Transcription:

ERCOFTAC SIG15 TEST CASE ベンチマーク報告 http://www.ercoftac.org/fileadmin/user_upload/bigfiles/sig15/database/index.html 北風慎吾 shingo0323northwind@gmail.com

本報告のきっかけ 昨年の第 1 回初心者向け勉強会にて

ERCOFTAC(European Research Community of Flow, Turbulence and Combustion) テーマごとにグループ分けされていて 研究活動が行われている ( 燃焼 混相 粒子法 etc) その中の乱流モデリングのグループ (SIG15) が過去に開催した workshop において実施されたベンチマークのデータベースがある ( この他にマンチェスター大が管理する Classic 版も 富原さん @ 関西 )

とりあえず ケースファイル作りに精を出しており 検証はあまり進まず ( 赤線枠内が解析済み ) 以下は 4TH WORKSHOP から 6TH WORKSHOP まで このぐらいまでは割と基礎的な流れがメイン青枠のケースは機能改良が必要だったり 境界条件がよくわかってなくて 不完全なものです ちなみに CASE4.3 は OpenfoamWiki の Turbomachinery グループが例題を HP 上に用意しています

以前までは流れ方向周期境界条件のモデリングがうまくいかず (CASE6.2,7.2, 7.3, 9.2 など ) 掲示板で大渕様 高木先生に色々ご教授して頂き 最終的に今野先生に頂いたモジュールで解析は一応完了

11 TH 以降はかなり実問題を対象にしているためか 3 次元問題が中心手が回ってないせいもあって ほとんどがモデリングすら未達の状態

11 TH 以降はかなり実問題を対象にしているためか 3 次元問題が中心手が回ってないせいもあって ほとんどがモデリングすら未達の状態

解析例 1 CASE 8.2: FLOW THROUGH AN ASYMMETRIC PLANE DIFFUSER Uin=20 m/s H=0.015 m Re=20000 y + 1 メッシュは以下のページにあるものを流用 ( 約 30000cell) http://cfd.mace.manchester.ac.uk/saturne/webhome

流速分布 : 斜面上は SST SA が良好 逆に後流では標準 RNG が良好未収束 ( 標準 RNG Shih) 収束 (SST SA) した結果を比較するのに難がある?

Re 応力分布 : いずれも定量的には合わず SA はそもそも NG なのだろうか?

メッシュは高 Re モデルで用いていたものの壁面第一セルを RefineWallLayer でさらに 3 層に細分化 yplus は上下壁面とも max0.3 程度 元の壁面第一セル高さ 低 Re 数モデル使用時には yplusras で y+ を計算できません CFD-online にあった pluspostransutility というツールを使っていますスレッド y+ and u+ values with low-re RANS turbulence models:utility+testcase

低レイノルズモデルによる流速分布 ( ここで示している 3 つのモデルはいずれも収束しています TOL1E-6) 斜面上 及びその近傍は低レイノルズ数型 SST LIEN-LESCHZINER モデル良好

低レイノルズモデルによる流速分布 LAUNDER-SHARMA は高 RE モデル ( 標準 RNG) 同様に後流側で実験に近い結果に

( 補足 )GIBSON - LAUNDER RSTM による流速分布 : 逆圧力勾配の予測は問題無し

Re 応力分布ここでのモデルでは低レイノルズ型 SST が実験値に近い

Re 応力分布後流でも同様の傾向 標準的な 2 方程式モデルでは Re 応力予測が厳しい 非線形モデルの適用?

( 補足 )GIBSON - LAUNDER RSTM による Re 応力分布 : さらに渦粘性モデルとの違いが明確に

解析例 2 CASE 9.1: SWIRLING FLOW IN A MODEL COMBUSTOR WITH HEAT RELEASE

解析条件 赤枠部分が計算領域 secondary primary 軸対称モデル (24000cell 壁関数使用 )

流入条件 : 実験データによる旋回流を OpenTurbo にて再現 ( 本家 turbo グループのツール ) inlet { type profile1dfixedvalue; filename "inlet.csv"; fileformat "turbocsv"; interpolatecoord "R"; fieldname "Velocity"; fieldscalefactor 1; Re 応力についてはこのツールに未対応のため TimeVaryingMappedFixedValue を使用 [Data] R [ m ], Velocity Axial [ m s^-1 ], Velocity Radial [ m s^-1 ], Velocity Circumferential [ m s^-1 ], Pressure [ Pa ], Turbulence Kinetic Energy [ m^2 s^-2 ], Turbulence Eddy Dissipation [ m^2 s^-3 ], Turbulence Specific Dissipation Rate [ s^-1 ] 0.0E+0, 8.75E-01, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.01E-02, 9.40E-02, 9.3069E+00 1.10E-03, 8.75E-01, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.01E-02, 9.40E-02, 9.3069E+00 3.20E-03, 8.75E-01, 5.00E-03, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.0950E-02, 1.01E-01, 9.2237E+00 5.1750E-03, 8.63E-01, 2.00E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.24E-02, 1.22E-01, 9.8387E+00 7.0750E-03, 8.28E-01, 3.50E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.47E-02, 1.68E-01, 1.1429E+01 8.8750E-03, 7.70E-01, 5.00E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.79E-02, 2.61E-01, 1.4581E+01 1.0580E-02, 6.07E-01, 5.50E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 2.22E-02, 4.60E-01, 2.0721E+01 1.2150E-02, 4.67E-01, 4.50E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.0870E-01, 1.0960E+00, 1.0083E+01 1.3550E-02, 2.92E-01, 1.00E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 1.1245E-01, 3.5410E+00, 3.1490E+01 1.4750E-02, 1.17E-01, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 8.50E-02, 1.1140E+01, 1.3106E+02 1.5850E-02, 3.50E-01, 4.00E-02, 4.20E-01, 0.0E+0, 6.30E-02, 8.5640E+00, 1.3594E+02 1.7050E-02, 1.1780E+00, 1.28E-01, 8.20E-01, 0.0E+0, 1.02E-01, 1.7090E+00, 1.6755E+01 1.8450E-02, 1.68E+00, 2.17E-01, 9.90E-01, 0.0E+0, 5.30E-02, 1.1090E+00, 2.0925E+01 2.00E-02, 1.9250E+00, 2.50E-01, 1.02E+00, 0.0E+0, 2.93E-02, 7.46E-01, 2.5461E+01 2.16E-02, 1.95E+00, 2.50E-01, 1.00E+00, 0.0E+0, 2.47E-02, 6.94E-01, 2.8097E+01 2.32E-02, 1.94E+00, 2.30E-01, 9.25E-01, 0.0E+0, 2.51E-02, 7.22E-01, 2.8765E+01 2.48E-02, 1.91E+00, 2.00E-01, 8.30E-01, 0.0E+0, 3.4750E-02, 9.16E-01, 2.6360E+01 2.6350E-02, 1.8670E+00, 1.80E-01, 7.20E-01, 0.0E+0, 3.32E-02, 1.3540E+00, 4.0783E+01 2.7750E-02, 1.82E+00, 1.50E-01, 6.60E-01, 0.0E+0, 3.58E-02, 2.4480E+00, 6.8380E+01 2.8950E-02, 1.17E+00, 8.00E-02, 3.00E-01, 0.0E+0, 4.16E-02, 6.3330E+00, 1.5224E+02 2.95E-02, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0, 0.0E+0

流速分布 (U) CASE8.2 とは反対に RNG モデルが良好 SST モデルは特に入口から離れると誤差大 x/h=25.4 x/h=50.8 x/h=101.6 U

流速分布 (V) U 成分同様に RNG モデル良好 x/h=25.4 x/h=50.8 x/h=101.6 V

Re 応力分布 (UV) 定量的な予測は困難? 渦粘性モデルならば旋回流は 3 次の非線形モデルが必要 x/h=25.4 x/h=50.8 x/h=101.6

今後 1Test case を一通り揃えたいが 3D モデルの場合は解析にも時間がかかり 中々取り掛かれない ( 計算環境 :Windows 7 64bit 上で VMWare + DEXCS 2010 64bit CPU:AMD Phenom 1055T,memory:8GB ) wiki ページに順次 up しています ( 現在 4 ケース その他数ケースを近日中に ) http://www.ofwikija.org/index.php/openfoam%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a_for_beginner ご協力頂ける方 募集中 特に申し出等必要なく 気が向いて解析してみたモデルを up して頂いても一向に構いません Up されているモデルをご自分で検証 もしくは商用コードと比較された等ありましたら 是非掲示板等でご報告頂けると助かります 並行して 乱流モデルのチェック 改良も進めています (V2F 遷移モデル等々 ) 2 初心者の方はまず このような単相 非圧縮のベンチマークデータを OF で解析できるように訓練すると ある程度やってるうちに色々覚えていくのでお奨めです ( 別にこのベンチマークへの勧誘という訳ではありませんが )