高知県 太陽光発電施設の設置 運営等に関する ガイドライン ( 平成 29 年 12 月 4 日改定 ) について 平成 30 年 1 月 22 日 ( 月 ) 24 日 ( 水 ) 25 日 ( 木 ) 高知県林業振興 環境部新エネルギー推進課
課題等 太陽光発電施設の設置 運営等に関するガイドラインの改定について 平成 28 年 3 月に策定した本ガイドラインの運用を行う中で 事業開発に伴う土砂災害 濁水等の発生や 濁水の河川流入等による事業予定地の市町村以外の周辺市町村への影響等を懸念する声が聞かれた 適切な事業実施の確保や地域との共生を図る観点等から見直しが行われた固定価格買取制度が施行 ( 平成 29 年 4 月 ) された 改定内容 上記の課題等に対応するため 太陽光発電施設の設置 運営等に関するガイドライン の改定を行い 事業者に自主的な対応を求める 運用の中で見えてきた課題に対する改定 新たな手続として 災害発生のリスクが高い急傾斜地のエリアを避けるなどの 慎重な用地選定 を追加 現行の手続 市町村への事業内容の事前届出等 の中で 事業概要書を届出する市町村に 事業の影響が想定される周辺市町村を追加 ( 改定前は施設の設置を予定している市町村のみ ) 現行の手続 適切な施工 維持管理 廃棄等 の中で 調整池の優先設置等の濁水対策の例示を追加等 固定価格買取制度の見直しを踏まえた改定 固定価格買取制度の見直しに伴う事業者の国及び電力会社への手続等の変更 現行の手続 地域への事業内容の事前説明 協議 地域との施設の施工 維持管理 廃棄等に関する合意形成 適切な施工 維持管理 廃棄等 の中に 国の策定した 事業計画策定ガイドライン ( 太陽光発電 ) で求められている地域への配慮や対応等を追加等 施行日 : 平成 29 年 12 月 4 日 2
< 改定等の経緯概要 > 時期高知県国 ( 平成 24 年 7 月 再生可能エネルギーの固定価格買取制度スタート ) 平成 28 年 3 月 平成 28 年 3 月 28 日 平成 28 年 4 月 平成 28 年 6 月 平成 28 年 7 月平成 28 年 8 月 平成 28 年 10 月平成 28 年 12 月 平成 29 年 3 月平成 29 年 4 月平成 29 年 10 月平成 29 年 12 月 4 日 平成 30 年 1 月 再生可能エネルギー発電所建設に係る法整備を求める意見書 可決 高知県議会 太陽光発電施設の設置 運営等に関するガイドライン 策定 運用開始 太陽光発電施設の設置 運営等に関するガイドライン 説明会 ( 市町村向け ) 開催 太陽光発電事業関係手続き等に関する説明会 ( 事業者向け ) 開催 大規模太陽光発電所の開発に係る法整備を求める意見書 可決 高知県議会 太陽光発電施設の設置 運営等に関するガイドライン 改定 運用開始 太陽光発電施設の設置 運営等に関するガイドライン ( 平成 29 年 12 月 4 日改定 ) 説明会開催 自治体 関係省庁へ認定情報提供システムの運用開始 電気関係報告規則第 3 条の運用について ( 内規 ) の一部改正 改正 FIT 法 ( 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法 ) 成立 改正 FIT 法施行規則公布 再生可能エネルギー事業の不適切案件に関する相談窓口設置 事業計画策定ガイドライン ( 太陽光発電 ) 等公表 改正 FIT 法施行 資源エネルギー庁ホームページにおける認定情報の公表開始 3
運用の中で見えてきた課題に対する改定 新たな手続として 災害発生のリスクが高い急傾斜地のエリアを避けるなどの 慎重な用地選定 を追加 現行の手続 市町村への事業内容の事前届出等 の中で 事業概要書を届出する市町村に 事業の影響が想定される周辺市町村を追加 現行の手続 適切な施工 維持管理 廃棄等 の中で 調整池の優先設置等の濁水対策の例示を追加等 < 事例 > 高知市神田にメガソーラー香川の業者住民は土砂災害懸念 ( 平成 28 年 7 月 22 日高知新聞 ) 四万十市三里四万十川メガ計画申請住民反対当初業者は断念 ( 平成 28 年 8 月 11 日高知新聞 ) 室戸にメガソーラー計画羽根町許認可手続き中一部住民反対 ( 平成 28 年 8 月 26 日高知新聞 ) 高知市土佐山太陽光造成地から泥水県業者に是正命令へ ( 平成 28 年 9 月 7 日高知新聞 ) 4
固定価格買取制度見直し ( 改正 FIT 法 ) の概要 ( 平成 29 年 4 月 ) 出典 : 改正 FIT 法による制度改正について ( 平成 29 年 3 月資源エネルギー庁 ) 5
出典 : 改正 FIT 法による制度改正について ( 平成 29 年 3 月資源エネルギー庁 ) 6
出典 : 改正 FIT 法による制度改正について ( 平成 29 年 3 月資源エネルギー庁 ) 7
出典 : 改正 FIT 法による制度改正について ( 平成 29 年 3 月資源エネルギー庁 ) 8
関係法令手続き施工に関する施工に関する係法令手続きガイドライン改定のポイント 1 改正 FIT 法施行に伴う国及び電力会社への手続等の変更 * 改定ガイドライン P.3 施行後 ( 平成 29 年 4 月以降 ) 施行前 ( 平成 29 年 3 月まで ) 太陽光発電事業化のフロー 太陽光発電事業化のフロー 通常のフロー 本ガイドラインで追加するフロー 通常のフロー 本ガイドラインで追加するフロー 用地選定 発電規模等の検討接続の簡易検討設計 事業計画検討 用地選定に関する関係法令手続き事業計画認定申請 協議内容の反映 < 工事の着手までに行う > 1 慎重な用地選定 < 設置を避けるべきエリア 等を参照し 地域への影響を確認し 慎重な用地選定を行ってください > ( ガイドライン P.4) 2 市町村への事業内容の事前届出等 ( ガイドライン P.7) 接続の簡易検討 計画 用地選定 設計 < 電力会社への手続き > 接続検討を依頼 3 地域への事業内容の事前説明 協議 ( ガイドライン P.7) 用地選定に関する< 工事の着手までに行う > 1 市町村への事業内容の事前届出等 ( ガイドライン P.3) 2 地域への事業内容の事前説明 協議 ( ガイドライン P.3) 設備認定の申請 関係法令手続き< 国への手続 > 協議内容の反映 接続契約の申し込み 接続契約締結 < 国への手続き > 事業計画認定取得 ( 買取価格の決定 ) 関4 地域との施設の施工 維持管理 廃棄等に関する合意形成 ( ガイドライン P.8) < 電力会社への手続 > 接続検討を依頼 設備認定 接続契約の申し込み 契約締結 ( 買取価格の決定 ) 3 地域との施設の施工 維持管理 廃棄等に関する合意形成 ( ガイドライン P.4) 工事の着手までに地域の合意を得る 工事の着手までに地域の合意を得る 施工 ( 工事の着手 ) < 工事の着手後に行う > 施工 ( 工事の着手 ) < 工事の着手後に行う > 維持管理 5 適切な施工 維持管理 廃棄等 ( ガイドライン P.8) 維持管理 4 適切な施工 維持管理 廃棄等 ( ガイドライン P.4 5) 廃棄 廃棄 通常のフロー ガイドラインで追加するフロー 通常のフロー 本ガイドラインで追加するフロー 9
ガイドライン改定のポイント 2 慎重な用地選定 の追加 * 改定ガイドライン P.4~P.7 地域の生活環境 自然環境等に大きな影響を及ぼす可能性のあるエリアを太陽光発電施設の 設置を避けるべきエリア として示し 用地選定における慎重な検討を求める 設置を避けるべきエリア は 所管部署への確認が必要 10
ガイドライン改定のポイント 2 設置を避けるべきエリア の例 [1] 急傾斜地崩壊危険区域 地すべり防止区域 土砂災害警戒区域 土砂災害特別警戒区域 土砂災害危険箇所 ( 土石流危険渓流 急傾斜地崩壊危険個所 地すべり危険箇所 ) 砂防指定地 山地災害危険地区 ( 山腹崩壊危険地区 崩壊土砂流出危険地区 地すべり危険地区 ) 11
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ガイドライン改定のポイント 2 設置を避けるべきエリア の例 [2] 重点地域 高知県四万十川の保全及び流域の振興に関する基本条例 13
ガイドライン改定のポイント 2 設置を避けるべきエリア の例 [3] 国立公園 国定公園 県立自然公園 14
ガイドライン改定のポイント 3 事業概要書を届出する市町村の追加 * 改定ガイドライン P.7 太陽光発電施設を設置を計画する事業者は 関係法令に関する事前相談など事業内容の検討の初期段階から遅くとも工事の着手前までに 設置を予定している市町村の担当課に事業概要書の届出を行うこと 敷地内の排水を周辺市町村の河川等に流す必要がある場合など 事業の影響が想定される周辺市町村にも事業概要書の届出を行うこと 15
ガイドライン改定のポイント 3 参考事業概要書の様式変更 * 改定ガイドライン P.13 改定後 改定前 16
ガイドライン改定のポイント 4 濁水対策の例示を追加等 (1) * 改定ガイドライン P.8~P.9 濁水対策 河川や水路は 農業用水の供給や漁場として本県の農業や水産業にとって重要な役割を果たしているだけでなく 地域によっては 水路等から直接 水を取水し 飲料水や生活用水として利用しています このため 河川や水路において 工事に伴う濁水が発生しないよう 次のような工事中の濁水対策を適切に行ってください ア工事を降雨の少ない冬季に行うイ調整池等の貯留施設の設置を優先して行うウ沈砂池を設置するエブルーシートなどにより表土の露出した箇所を保護する 17
ガイドライン改定のポイント 4 濁水対策の例示を追加等 (2) 工事後においても濁水が発生しないよう 植生マットの使用や種子散布により下草を生やす 表土の流出を抑える防護シートの設置などの対策を予め施設の施工計画に盛り込み 濁水対策を適切に行ってください ( 太陽光発電施設から排水されたと考えられる濁水の例 ) 18
ガイドライン改定のポイント 4 濁水対策の例示を追加等 (3) 排水や土砂崩れ等対策 施設の設置工事中のみならず 設置後の維持管理においても 土砂や汚泥の流出 周辺河川等への排水対策等について地元と確認を行うようにしてください 切土や盛土等を行う場合や斜面等にパネルを設置する場合には 土砂崩れ等も心配されますので 事前に内容を地域に説明し 擁壁などによる十分な対策を講じてください 調整池や沈砂池などを設置する場合にあっては これらの調整池などに貯まる土砂等の定期的な除去 処分などについて事業計画に定め 適切に行うようにしてください 19
ガイドライン改定のポイント 5 国ガイドライン で求められている地域への配慮や対応等を追加 (1) * 改定ガイドライン P.7~P.8 事業計画策定ガイドライン ( 太陽光発電 ) ( 平成 29 年 3 月資源エネルギー庁 ) < 国ガイドライン ( 抜粋 )> 2. 地域との関係構築 第 2 章第 1 節 1 事業計画作成の初期段階から地域住民と適切なコミュニケーションを図るとともに 地域住民に十分配慮して事業を実施するように努めること 2 地域とのコミュニケーションを図るに当たり 配慮すべき地域住民の範囲や 説明会の開催や個別訪問など具体的なコミュニケーションの方法について 自治体と相談するように努めること 環境アセスメント手続の必要がない規模の発電設備の設置計画についても自治体と相談の上 事業の概要や環境 景観への影 響等について 地域住民への説明会を開催するなど 事業について理解を得られるように努めること 20
ガイドライン改定のポイント 5 国ガイドラインで求められている地域への配慮や対応等を追加 (2) * 改定ガイドライン P.10 < 国ガイドライン ( 抜粋 )> 4. 周辺環境への配慮 第 2 章第 2 節 2 出力 20kW 以上の太陽光発電事業者は 発電設備の外部から見えやすい場所に 事業計画における以下の項目について記載した標識を掲示すること いずれの項目についても必ず記載し 事業計画の記載内容と一致するよう記載すること 設備名称 設備 ID 設備所在地 再生可能エネルギー発電事業者名 住所 保守点検連絡責任者名 連絡先 運転開始年月日 等 21
ガイドライン改定のポイント 5 国ガイドラインで求められている地域への配慮や対応等を追加 (2) 参考 * 改定ガイドライン P.10 平成 29 年 10 月 12 日 ~ 認定情報の公表 < 公表項目 > 設備 ID 発電事業者名 代表者名 発電出力 発電設備の所在地等 出典 : 資源エネルギー庁なっとく再生可能エネルギー (URL:http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/ ) 22
ガイドライン改定のポイント 5 国ガイドラインで求められている地域への配慮や対応等を追加 (3)* 改定ガイドライン P.8 P.10 < 国ガイドライン ( 抜粋 )> 1. 保守点検及び維持管理に関する計画の策定及び体制の構築周辺環境への配慮 第 2 章第 3 節 1 保守点検及び維持管理計画を策定すること その際 関係法令及び条例の規定に従い 保守点検及び維持管理計画の策定及び体制の構築を行うこと 5 保守点検及び維持管理計画の策定 体制の構築に当たっては 民間団体が定めるガイドライン等を参考にし 当該ガイドライン等で示す内容と同等又はそれ以上の内容により 事業実施体制を構築するように努めること 23
ガイドライン改定のポイント 5 国ガイドラインで求められている地域への配慮や対応等を追加 (4)* 改定ガイドライン P.10 概要 電気関係報告規則第 3 条の運用について ( 内規等 ) の一部改正等について ( 平成 28 年 4 月経済産業省商業流通保安グループ電力安全課 )( 抜粋 ) 電気関係報告規則の一部を改正する省令の施行に伴い 電気関係報告規則第 3 条の運用について ( 内規 ) について 以下の項目をはじめ 所要の改正を行う 1 改正省令により報告対象が変更となる 電気工作物に係る物損等事故 ( 改正後の電気関係報告規則 ( 以下 報告規則 という )) 第 3 条第 1 項第 3 号 ) の対象事例を規程 ( 太陽光パネルの構外への飛散等 ) 3 改正省令により新たに報告対象となる 電気工作物に係る社会的影響を及ぼした事故 ( 報告規則第 3 条第 1 項第 13 号 ) の運用方法等を規定 24
ガイドライン改定のポイント 5 国ガイドラインで求められている地域への配慮や対応等を追加 (5)* 改定ガイドライン P.11 資源エネルギー庁では 平成 28 年 10 月から太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー事業の不適切案件に関する相談窓口を設置しており ( 後略 ) 25 出典 : 資源エネルギー庁なっとく再生可能エネルギー (URL:http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/ )
参考 : 関係法令等 < 改正 FIT 法 ( 抜粋 )> ( 指導及び助言 ) 第 12 条経済産業大臣は 認定事業者に対し 認定計画に係る再生可能エネルギー発電事業の適確な実施に必要な指導及び助言を行うものとする ( 改善命令 ) 第 13 条経済産業大臣は 認定事業者が認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を実施していないと認めるときは 当該認定事業者に対し 相当の期限を定めて その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる ( 認定の取消し ) 第 15 条経済産業大臣は 次の各号のいずれかに該当すると認めるときは 第 9 条第 3 項の認定を取り消すことができる (1)~(3) 略 26
参考 : 関係法令等 < 改正 FIT 法施行規則 ( 抜粋 )> 第 5 条の 2 法第 9 条第 3 項第 2 号に規定する再生可能エネルギー発電事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれる基準は 次に掲げるものとする (1) (2) 略 (3) 当該認定の申請に係る再生可能エネルギー発電事業を円滑かつ確実に実施するために必要な関係法令 ( 条例を含む ) の規定を遵守するものであること < 事業計画策定ガイドライン ( 太陽光発電 )( 抜粋 )> 1. 土地及び周辺環境の調査 土地の選定 関係手続 2 関係法令及び条例で規定される必要な措置や手続等について 自治体や国の関係機関に確認及び相談し 関係法令及び条例の規定を遵守すること ( 後略 ) 3 自治体が個別に策定する指導要綱 ガイドライン等を遵守するよう努めること 27
参考 : 関係法令等 < 事業計画策定ガイドライン ( 太陽光発電 ) 案 に関するパブリックコメントの結果について ( 平成 29 年 3 月 17 日資源エネルギー庁 )> 意見騒音 電波障害対策 反射光による光害対策はいずれも 努めること との記載だが どういう効果があるのか 考え方 ( 回答 ) 太陽光発電事業を実施するに当たってこれらの対策は重要であるため 本ガイドラインで明示することで太陽光発電事業者に適切な実施を求めます また 努めること とされている推奨事項を実施せずに特に悪質な事業を行っていると認められる場合には 指導 助言等の対象となることがあります 28
ご静聴いただきありがとうございました 29