1.3 降雪 1.3.1 北海道の降雪量の長期変化 1954 寒候から雪板による観測を行っていたまでを対象として 北海道内地上気象観測所 22 地点における降雪量の変化を調べた 羽幌 小樽 広尾では 1998 まで 北見枝幸 雄武 苫小牧では 4 までその他の地点では 5 まで雪板による降雪の深さの観測を行っていた 現在は全地点で積雪計による観測を行っているが ここでは積雪計による観測データは取り扱わない ( 付録 1 観測デ -タの取り扱い 参照) 北海道内の 22 地点の降雪量の推移をグラフ化した ( 図 1.3.1-2~5) 統計期間は各官署により異なる 危険率 5% で長期変化が有意となった地点について図 1.3.1-1 に示した 危険率 5% で有意となった 7 地点のうち 6 地点では降雪量に減少傾向があったが 1 地点 ( 寿都 ) では 逆に増加傾向があった 減少傾向が最も大きかったのは江差で 変化率は-2.99cm/ (-149.7cm/5 ) だった 増加傾向がみられた寿都の変化率は +4.1cm/ (+.6cm/5 ) だった 傾向があった 7 地点中 6 地点で減少傾向があったものの 全 22 地点の中で半数以上の 15 地点では傾向がなかったため 北海道全域に共通した明瞭な傾向は見出せなかった 地球温暖化によって北海道内の降雪量は標高 m 以上の地域で増加することが予測されているが 標高 m 未満の地域では オホーツク海側を除き 減少が予測されている (1.9.2(3) 項参照 ) 今回の調査地点は全て標高 m 未満であり 降雪量の増加傾向が有意であった寿都以外は 予測されている傾向と一致した結果となった : 有意な増加がみられる地点 : 有意な減少がみられる地点図 1.3.1-1 降雪量の長期変化傾向が有意となった地点統計期間 :1954 寒候 ~ 雪板による観測を行っていた 1.3-1
ア 日本海側 稚内 旭川 稚内の降雪量 旭川の降雪量 9 1954 1964 1974 1984 1994 4 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 長期変化傾向 :-2.1cm/ (-.3cm/5 ) 羽幌 小樽 羽幌の降雪量 9 小樽の降雪量 5 移動平均 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~1998 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~1998 寒候 留萌 札幌 留萌の降雪量 札幌の降雪量 5 移動平均 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 図 1.3.1-2 各地点における降雪量の推移黒線は各の値 青線は 5 移動平均 長期変化傾向が統計的に有意な場合は赤い直線で示す 地点 : 稚内 羽幌 留萌 旭川 小樽 札幌 1.3-2
岩見沢 倶知安 1 岩見沢の降雪量 2 倶知安の降雪量 19 1 1 5 移動平均 1 5 移動平均 1 9 1954 1964 1974 1984 1994 4 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 寿都 寿都の降雪量 イオホ-ツク海側 北見枝幸 北見枝幸の降雪量 1 5 移動平均 変化傾向 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~4 寒候 長期変化傾向 :+4.1cm/ (+.6cm/5 ) 江差 雄武 江差の降雪量 雄武の降雪量 5 移動平均 変化傾向 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~4 寒候 長期変化傾向 :-2.99cm/ (-149.7cm/5 ) 図 1.3.1-3 各地点における降雪量の推移黒線は各の値 青線は 5 移動平均 長期変化傾向が統計的に有意な場合は赤い直線で示す 地点 : 岩見沢 寿都 江差 倶知安 北見枝幸 雄武 1.3-3
網走 釧路 45 網走の降雪量 釧路の降雪量 35 25 25 15 15 5 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 5 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 長期変化傾向 :-1.6cm/ (-53.1cm/5 ) 紋別 根室 45 紋別の降雪量 根室の降雪量 35 25 25 15 15 5 5 移動平均 5 1954 1964 1974 1984 1994 4 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1957 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 長期変化傾向 :-1.43cm/ (-71.7cm/5 ) ウ 太平洋側 帯広 室蘭 帯広の降雪量 25 室蘭の降雪量 5 移動平均 15 5 1954 1964 1974 1984 1994 4 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 図 1.3.1-4 各地点における降雪量の推移黒線は各の値 青線は 5 移動平均 長期変化傾向が統計的に有意な場合は赤い直線で示す 地点 : 網走 紋別 帯広 釧路 根室 室蘭 1.3-4
苫小牧 広尾 25 苫小牧の降雪量 広尾の降雪量 15 5 1954 1964 1974 1984 1994 4 降雪量 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~4 寒候 統計期間 :1959 寒候 ~1998 寒候 長期変化傾向 :-.78cm/ (-39.1cm/5 ) 浦河 浦河の降雪量 18 16 14 12 8 6 4 2 5 移動平均 変化傾向 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 長期変化傾向 :-.81cm/ (-4.6cm/5 ) 函館 函館の降雪量 5 移動平均 1954 1964 1974 1984 1994 4 統計期間 :1954 寒候 ~5 寒候 図 1.3.1-5 各地点における降雪量の推移黒線は各の値 青線は 5 移動平均 長期変化傾向が統計的に有意な場合は赤い直線で示す 地点 : 苫小牧 浦河 函館 広尾 1.3-5
1.3.2 北海道の最深積雪の長期変化 1962 寒候から 9 寒候までの 北海道内地上気象観測所 22 地点における最深積雪の変化を調べた 羽幌 小樽 広尾では 1998 まで 北見枝幸 雄武 苫小牧では 4 までその他の地点では 5 まで雪尺による観測を行っていたが 現在は全地点で積雪計による観測を行っている 図 1.3.2-1 に地点ごとの最深積雪の長期変化傾向を示す 稚内 留萌 江差では有意な減少傾向があるが その他の地点では有意な傾向はみられなかった 最深積雪は各地点とも変動が大きいため 5 移動平均を用いて推移をみると ( 図 1.3.2-2) オホーツク海側と太平洋側の最深積雪の大きい地点で同じような変化を示しているが 経変化としての明瞭な特徴は見られなかった 地球温暖化による最深積雪への影響は現時点でははっきりとは現れ ていない それぞれの地点における最深積雪と降雪量の長期変化傾向を表 1.3.2-1 に 地点ごとの最深積雪の推移を図 1.3.2-3~ 図 1.3.2-5 に示す 今回の最深積雪の長期変化の調査では 日本海側の 3 地点において負の傾向が有意となり 他の地点では有意な傾向は見られなかった なお 異常気象レポ-ト 5( 気象庁,5b) で 北日本日本海側 東日本日本海側 西日本日本海側の 1962 ~4 の最深積雪の経変化を調べており それによると東日本と西日本の日本海側では有意な減少傾向を示しているが 北日本の日本海側では有意な傾向はみられない 図 1.3.2-1 最深積雪の長期変化傾向 : 有意な減少傾向がみられる地点 : 有意な傾向はない地点統計期間は 1962 寒候 ~9 寒候 1.3-6
25 cm 日本海側 表 1.3.2-1 量の長期変化傾向 地点ごとの最深積雪と降雪 15 5 16 14 12 8 6 4 2 16 14 12 8 6 4 2 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 4 cm オホーツク海側 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 4 cm 1964 1969 1974 1979 1984 1989 1994 1999 4 図 1.3.2-2 の推移 太平洋側 稚内 羽幌留萌 旭川 小樽 札幌岩見沢 寿都 江差 倶知安 北見枝幸雄武 網走 紋別 帯広釧路根室 室蘭 苫小牧浦河函館 広尾 地方ごとの各地点における最深積雪 5 移動平均で示す 統計期間は 1962 寒候 ~ 9 寒候 最深積雪 降雪量 地点名 変化傾向 (cm/ ) 変化傾向 (cm/ ) 統計期間 ( 寒候 ) 稚内 -.8-2.1 1954-5 羽幌 - - 1954-1998 留萌 -1.11-1954-5 旭川 - - 1954-5 小樽 - - 1954-1998 札幌 - - 1954-5 岩見沢 - - 1954-5 寿都 - +4.1 1954-5 江差 -.6-2.99 1954-5 倶知安 - - 1954-5 北見枝幸 - - 1954-4 雄武 - - 1954-4 網走 - - 1954-5 紋別 - - 1957-5 帯広 - - 1954-5 釧路 - -1.6 1954-5 根室 - -1.43 1954-5 室蘭 - - 1954-5 苫小牧 - -.78 1954-4 浦河 - -.81 1954-5 函館 - - 1954-5 広尾 - - 1954-1998 変化率は危険率 5% で有意の場合のみ示し 有 意でない場合は - と記した 最深積雪の統計期間は 1962 寒候 ~9 寒 候 1.3-7
25 稚内の最深積雪 羽幌の最深積雪 15 最深積雪 18 16 14 12 8 6 5 1962 1972 1982 1992 2 4 最深積雪 2 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 留萌の最深積雪 16 旭川の最深積雪 18 16 14 12 14 12 8 8 6 4 最深積雪 2 5 移動平均 変化傾向 1962 1972 1982 1992 2 6 4 最深積雪 2 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 小樽の最深積雪 16 札幌の最深積雪 18 16 14 12 14 12 8 8 6 4 最深積雪 2 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 6 4 最深積雪 2 5 移動平均 196 197 198 199 岩見沢の最深積雪 14 寿都の最深積雪 18 16 14 12 12 8 8 6 6 4 最深積雪 2 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 4 最深積雪 2 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 図 1.3.2-3 各地点の最深積雪の推移統計期間は 1962 寒候 ~9 寒候 黒線は各の値 青線は 5 移動平均 長期変化傾向が統計的に有意な場合は赤い直線で示す 地点 : 稚内 羽幌 留萌 旭川 小樽 札幌 岩見沢 寿都 1.3-8
江差の最深積雪 35 倶知安の最深積雪 9 8 7 最深積雪 25 6 5 4 15 3 2 1 1963 1973 1983 1993 3 最深積雪 5 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 25 北見枝幸の最深積雪 14 雄武の最深積雪 最深積雪 5 移動平均 12 最深積雪 5 移動平均 15 8 6 5 4 2 1962 1972 1982 1992 2 1962 1972 1982 1992 2 16 網走の最深積雪 14 紋別の最深積雪 14 12 8 6 4 最深積雪 5 移動平均 12 8 6 4 最深積雪 5 移動平均 2 2 1962 1972 1982 1992 2 1962 1972 1982 1992 2 帯広の最深積雪 9 釧路の最深積雪 18 16 14 12 8 6 4 2 最深積雪 5 移動平均 8 7 6 5 4 3 2 1 最深積雪 5 移動平均 1962 1972 1982 1992 2 1962 1972 1982 1992 2 図 1.3.2-4 各地点の最深積雪の推移詳細は図 1.3.2-3 と同じ 地点 : 江差 倶知安 北見枝幸 雄武 網走 紋別 帯広 釧路 1.3-9
7 根室の最深積雪 6 室蘭の最深積雪 6 最深積雪 5 最深積雪 5 4 3 2 5 移動平均 4 3 2 5 移動平均 1 1 1962 1972 1982 1992 2 1962 1972 1982 1992 2 9 8 7 6 苫小牧の最深積雪 最深積雪 5 移動平均 5 45 4 35 浦河の最深積雪 最深積雪 5 移動平均 5 4 3 2 1 1962 1972 1982 1992 2 3 25 2 15 1 5 1962 1972 1982 1992 2 函館の最深積雪 25 広尾の最深積雪 9 8 7 6 最深積雪 5 移動平均 15 最深積雪 5 移動平均 5 4 3 2 5 1 1962 1972 1982 1992 2 1962 1972 1982 1992 2 図 1.3.2-5 各地点の最深積雪の推移 詳細は図 1.3.2-3 と同じ 地点 : 根室 室蘭 苫小牧 浦河 函館 広尾 1.3-1