資料2 オープンサイエンスに関する政策討議と実態調査

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資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

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併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

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6. 間接経費の使途間接経費は 競争的資金を獲得した研究者の研究開発環境の改善や研究機関全体の機能の向上に活用するために必要となる経費に充当する 具体的な項目は別表 1に規定する なお 間接経費の執行は 本指針で定める間接経費の主な使途を参考として 被配分機関の長の責任の下で適正に行うものとする 7

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付録 1. 実施計画例 実施計画例 フェーズ1 計画フェーズ2 方針案作成 策定フェーズ3 プロモーション 認知向上フェーズ4 実施フェーズ5 フォローアップ 検討プロジェクト立上げ 他機関の OA 方針の研究 運用体制の確認( 人員 & 技術面 ) 策定 実施計画の作成 策定のキーパーソンの設定

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分科会資料

表1

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スライド 1

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

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1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査


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資料 2 科学技術 学術審議会学術分科会学術情報委員会 ( 第 9 回 ) 平成 30 年 5 月 16 日 ( 水 ) オープンサイエンスに関する政策討議と実態調査 林 和弘 文部科学省科学技術 学術政策研究所 (NISTEP) 科学技術予測センター 2018 年 5 月 16 日 ( 水 ) 第 9 期学術情報委員会第 9 回委員会 khayashi@nistep.go.jp 1 本日の構成 1. 政策討議 ( オープンサイエンス ) の概要と補足トピック 1. 全省庁横断による検討 2. 経産省 委託者指定データ : データマネジメントの範囲 3. AMED データサイエンティストの指定 : 人材育成 4. 統合イノベーション戦略に向けて 2. オープンサイエンス実態調査の重要性と NISTEP の調査の解説 1. G7 EC OECD の動き Open Science metrics and monitor 2. 日本の調査事例の紹介と今後の展開の可能性池内有為, 林和弘, 赤池伸一. 研究データ公開と論文のオープンアクセスに関する実態調査. 文部科学省科学技術 学術政策研究所, 2017, NISTEP RESEARCH MATERIAL No.268, 108p. http://doi.org/10.15108/rm268 解説記事 http://doi.org/10.15108/stih.00106 2

1 政策討議の概要と補足トピック 3 政策討議とは 科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術 イノベーション会議有識者議員との会合 科学技術政策に関する意見交換の場として科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術 イノベーション会議有識者議員との会合を開催しています 大臣等政務三役のいずれもが参加しない場合は 有識者議員懇談会として開催します http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/index.html 科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術 イノベーション会議有識者議員との会合 自体は平成 23 年より開始 政策討議 : 上記会合の中で 総合科学技術 イノベーション会議有識者議員が個別テーマについて関係司令塔 関係府省幹部と議論する場 4

政策討議で検討されたテーマ 開催 主な議題 2017 年 10 5 エビデンスに基づく科学技術イノベーション政策の 案 2017 年 10 12 バイオ戦略策定に向けて ( バイオテクロジーによるイノベーションを促進する上での課題及び戦略策定について ) 2017 年 11 2 研究 向上 学改 について 2017 年 11 9 Society 5.0 実現に向けた戦略的重要課題について 2017 年 11 16 Society 5.0 実現に向けた戦略的重要課題について 2017 年 11 29 学改 産学連携 2018 年 1 18 環境エネルギー 素戦略 2018 年 1 25 オープンサイエンス 2018 年 2 1 AI 知能 2018 年 2 15 政府事業におけるイノベーション化の推進 2018 年 2 25 農業 2018 年 2 28 環境エネルギー 素戦略 ( 第 2 回 ) 2018 年 3 15 学改 産学連携 研究 向上 2018 年 4 5 創業出典 :http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/ 5 出席者 政策討議テーマ共通 総理補佐官 CSTI 議員 内閣府審議官 内閣府政策統括官 ( 科学技術 イノベーション担当 ) 同官房審議官 ( 科学技術 イノベーション担当 ) ほぼ全省庁よりテーマに関する局長級 各検討テーマごとに論点と資料を準備 内閣府担当参事官 有識者 ( 林 ) 6

政策討議の段取り 1. 担当 CSTI 議員 ( 原山議員 : 当時 ) による説明 2. 内閣府担当参事官からの説明 3. 文科省 AMED 経産省の取組の紹介 学術情報委員会の取組 4. 有識者からの説明 5. 各省庁の対応状況の説明 6. CSTI 議員によるコメントと議論 7. 総理補佐官によるまとめ 7 ( 有識者説明 ) ポストグーテンベルグ時代の社会制度とポリシー マネジメントの再デザイン 科学 知財を取り巻く ( 人の行動原理を中心とした ) 本質は同じだが インフラの変革に応じた再デザインが必要 大量印刷と物流が支えてきた科学と社会 Web が支える科学と社会 Human Readable Open Close Secret Past Design 過去から引き続く Chubin(1985) 社会制度に応じた対応方針 運用 遷移状態 http://commons.wikimedia.org/wiki/f ile:activation_energy_ja.svg ICT は進展したが 著作権や知財を含む法律 社会制度の骨格は旧来のまま? Future Design 触媒 これからの社会制度に応じた対応方針 運用 新オープン クローズ戦略 Machine Readable Open Close Secret EC, OECD の狙い 8

http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20180125/siryo1.pdf ( 一部抜粋の上 順序入れ替え ) 資料 -1 政策討議 オープンサイエンス 論点 平成 30 年 1 月 25 日 内閣府 政策統括官 ( 科学技術 イノベーション担当 ) 9 10

内閣府におけるオープンサイエンスに関する検討の方向性 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会報告書 ( 平成 27 年 3 月 ) 我が国のオープン サイエンスに関する基本姿勢や基本方針をとりまとめ 基本姿勢 公的研究資金による研究成果 ( 論文 データ等 ) の利活用促進を拡大 基本方針 オープンサイエンス推進の目的 意義 公開の範囲 公的研究資金及び研究データの範囲 研究を実施する機関の責務等 公的研究資金を用いた研究 の定義 : 競争的研究資金及び公募型の研究資金に該当するものとする また 国費が投入されている独立行政法人及び国立大学法人等の運営費交付金等を 100% 活用した研究活動等も対象とすべきである 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 ( 平成 29 年 11 月設置 ) 研究開発法人における研究データ利活用の方針策定のためのガイドライン 国際認証を視野に入れたデータ リポジトリの整備 運用のあり方等について検討 http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kokusaiopen/ 11 4 イノベーション戦略調整会議 ( 第 1 回 ) http://www8.cao.go.jp/cstp/senryakukaigi/1kai/siryo1.pdf 12

経済産業省データマネジメントのガイドライン 委託研究開発におけるデータマネジメントについて ( プロジェクト開始前 ) 1 委託者は 公募の開始時にあらかじめデータマネジメントの基本的考え方を示す 2 受託者は 受託者の間で データの概要 提供方針等を示した データマネジメントプラン を作成 データの利用許諾等をルール化して合意し データ合意書 を作成 ( プロジェクト期間中 ~ 終了後 ) 委託者は 予め約束した データマネジメントプラン に基づいて オープン可能なデータの情報をデータカタログとして公表 http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20180125/siryo4.pdf 2017 年 12 月 27 日 13 委託者指定データと自主管理データ 14

AMED データマネジメントプランの提出について https://www.amed.go.jp/content/000030140.pdf 2018 年 3 月 20 日 15 データサイエンティストの公表 16

DMP 記載項目比較例 JST( 戦略的創造研究推進事業 ) 経産省 AMED N/A 事業年度 事業年度 N/A 事業名 事業名 研究領域略称 研究課題名 N/A 研究開発課題名 研究データ基本情報 ( データ名 ) 研究開発データの名称 研究から算出されるデータおよびデータ群の総称 研究データ基本情報 ( データ概要 ) 研究開発データの説明 研究開発データの説明 研究データ基本情報 ( 公開レベル, 研究計画書対応項目, その他特記事項 ) N/A N/A N/A N/A データサイエンティストの所属 氏名等 N/A リポジトリ リポジトリ ( 保存場所 ) N/A 研究開発データを取得又は収集した者 N/A 研究代表者等氏名 研究開発データの管理者 N/A N/A 委託者指定データ / 自主管理データ N/A 研究データの想定利用用途 研究開発データの想定利活用用途 N/A N/A 研究開発データの取得又は収集方法 N/A 研究データ保存 管理 公開 / 非公開の方針 研究開発データの利活用 提供方針 N/A 研究データの利活用促進に向けた取り組み 円滑な提供に向けた取組 N/A N/A 秘匿理由 機関 N/A N/A 想定データ量 N/A N/A 加工方針 N/A N/A その他 その他必要事項 https://www.jst.go.jp/kisoken/presto/manual/30 3datemanejiment.xls http://www.meti.go.jp/press/2017/12/2017 1227001/20171227001.html https://www.amed.go.jp/koubo/ datamanagement.html 注 ) 参照元の資料の項目を整理 実際の公募内容に応じて項目は変わりうる ( 特に AMED) 17 2 オープンサイエンス実態調査の重要性と NISTEP の調査の解説 18

G7 科学技術大臣会合 ( つくば 2016.5 トリノ 2017.9) オープンサイエンスは ICT 等の活用によって知識がよりオープンになる ( 開放される ) ことによって 研究活動の変容 (Transform) を促すものである オープンサイエンスの実践を計測するMetricsの重要性とそれを含むフォローアップ活動を明示 19 EC: Open Science Monitor Source https://ec.europa.eu/research/openscience/index.cfm?pg=home&section=monitor 20

OECD: 指標化に向けた WS の開催 Global Science Forum (GSF) and National Experts on Science and Technology Indicators (NESTI) joint- Workshop (Apr 9, 2018, OECD, Paris) Reconciling Scientific Excellence and Open Science: What do we want out of science and how can we incentivise and monitor these outputs? オープンサイエンスの可能性と政策への展開 オープンアクセス出版と科学情報の普及 研究のオープンデータ : 良好なデータ管理とデータアクセス 社会の関与のあり方 科学の優越性を問い直す 様々な観点からインパクトを計測するための論点と課題出し https://povesham.wordpress.com/2018/04/16/oecd-open-science-and-scientificexcellence-workshop-paris/ (OECD 公認の 参加者による報告 ) 21 NISTEP: 実態調査 日本の研究者によるデータ公開を中心としたオープンサイエンスの実態や課題を把握するための調査調査期間 :2016 年 11 月 30 日から 12 月 14 日 調査対象 : 約 2,000 名の科学技術専門家ネットワーク ( 大学 企業 公的機関 団体に所属する研究者や専門家 技術者などによって構成される ) 東日本大震災後の科学者 技術者の意識に関する調査 平成 24 年度の科学技術白書に引用される 研究施設 機器の共用化等に関するアンケートによる調査報告 (1) データ公開と ( 比較として )OA 論文の現状 (2) データ公開の障壁 (3) 公開データの利用状況 1,398 名 ( 回答率 70.5%) の有効回答を分析 22

回答者のプロファイル 回答者の年齢 (n=1,406) 専門分野 (n=1,406) 研究者の代表性 ( 年齢 分野等 ) はない 23 図 1 公開データと OA 論文の有無 ( いずれも n=1,398) 24

図 1 2 先行研究と本研究の調査年 データ公開率 25 図 2 1 データの公開方法 26

図 2 2 分野別 特定分野のリポジトリ 選択率 27 図 3 分野別公開データの有無 28

図 4 1 データと論文の非公開理由 ( データn=683 論文 n=407) 29 図 4 2 非公開理由が解決した場合のデータと論文の公開意思 ( データ n=595, 論文 n=379) 30

図 5 データ公開に関する資源の充足度 (n=1,396) 31 図 6 データを公開する場合の懸念の強さ (n=1,396) 32

図 7 専門性を必要とする項目 (n=1,302) 33 図 8 1 データの提供 被提供経験 (n=1,398) 図 8 2 公開データの入手経験の有無 (n=1,398) 34

図 8 3 公開データの入手方法 (n=1,060) 35 図 8 4 分野別 分野リポジトリ 選択率 (n=1,395) 36

図 9 公開データ入手の障壁 37 図 10 分野別データの再分析 再利用状況 (n=1,057) 38

図 11 データリテラシー教育への関心の有無と項目 39 得られた示唆と今後 回答率 70% 超えの高い関心 ( 通常 40-50%) データ公開と共有の分野別の差 必要なところでは分野別リポジトリの拡充で進む 研究データ公開 共有に対する不安感 インセンティブにはデータ利活用を促すものと 研究者を守るものとが必要 最終的には研究データ利活用文化の醸成を目指す 継続 追加調査の重要性 1. 同じ設計を踏襲することによる相対的な変化を見る 2. 研究者の代表性を考慮した設計 3. 国際比較可能な調査設計 4. 組織に対する調査 40

RDA( 研究データ同盟 ) でのボトムアップの取組 Interest Group Open Questionnaire for Research Data Sharing Survey Kick Off Session Wed 22 March 2018, Berlin 41 データ共有に関する共通質問項目の開発と共有 INTRODUCTION BoF Session 10 th RDA Plenary Sept 2017, Montreal Initiate an Interest Group Open Questionnaire for Research Data Sharing Survey 1. To develop a community designed modular and interoperable open survey(s) questionnaire(s) 2. To determine how such open survey(s) can be implemented 3. To explore how the open survey(s) results could be analyzed globally 今後の展開の可能性 ( 私見 ) G7 フォローアップへの貢献 EC と共に国際比較可能な調査基盤づくりへ OECD の指標化に貢献し NESTI による定常調査化へ 42

本日の構成 1. 政策討議 ( オープンサイエンス ) の概要と補足トピック 1. 全省庁横断による検討 2. 経産省 委託者指定データ : データマネジメントの範囲 3. AMED データサイエンティストの指定 : 人材育成 4. 統合イノベーション戦略に向けて 2. オープンサイエンス実態調査の重要性と NISTEP の調査の解説 1. G7 EC OECD の動き Open Science metrics and monitor 2. 日本の調査事例の紹介と今後の展開の可能性池内有為, 林和弘, 赤池伸一. 研究データ公開と論文のオープンアクセスに関する実態調査. 文部科学省科学技術 学術政策研究所, 2017, NISTEP RESEARCH MATERIAL No.268, 108p. http://doi.org/10.15108/rm268 解説記事 http://doi.org/10.15108/stih.00106 43