☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

Similar documents
Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 平成 28 年度決算時点において 本市に解消すべき法定外繰入金及び赤字はない Ⅱ (3) 赤字解消の年次計画 ( 総括表国定義 ) 以下の法定外繰入にかかる項目は別紙の内訳を自動集計します 法定外繰入

4. 保険給付 給付に必要な費用を全額市町村に対して支払 市町村が行った保険給付の点検 保険給付の決定 個々の事情に応じた窓口負担減免等の実施 5. 保健事業 市町村に対し 必要な助言 支援 被保険者の特性に応じたきめ細 かい保健事業を実施 ( データヘルス事業等 ) 3. 都道府県単位化による主な

スライド 1

資料№1

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 保険料減免制度について 府の統一基準に一致させることで急激な保険料増加となる世帯が生じることから 段階的に低所得者減免制度を解消していく 保険料の減免制度については 平成 30 年度からは災害 収入減

第6 北海道国民健康保険調整交付金

PowerPoint プレゼンテーション

4月20日(水)衆・厚労委 古屋範子議員の議事録(抜粋)

平成 29 年 11 月 1 日 ( 水 ) 第 3 回立川市国民健康保険運営協議会 資料 1 国民健康保険の保険料

< E9197BF88EA8EAE817995F18D D9195DB8E5A92E895FB8EAE8CA992BC82B5816A817A2E786264>

( 参考 ) 平成 29 年度予算編成にあたっての財務大臣 厚生労働大臣の合意事項 ( 平成 29 年 12 月 19 日大臣折衝事項の別紙 ) < 医療制度改革 > 別紙 (1) 高額療養費制度の見直し 1 現役並み所得者 - 外来上限特例の上限額を 44,400 円から 57,600 円に引き上

平成 31 年度国民健康保険税率等 及び多子世帯に対する国民健康保 険税の減免について ( 答申 ) 平成 31 年 1 月 31 日 武蔵村山市国民健康保険運営協議会

国 都道府県による財政リスクの軽減 運営については 保険料徴収は市町村が行い 財政運営は都道府県単位で全市町村が加入する広域連合が行う 広域連合の財政リスクの軽減については 国 都道府県が共同して責任を果たす仕組みとする 2 年単位の財政運営 負担 負担 高額医療費に係る公費負担 給付増リスク 後期

Microsoft PowerPoint - 【がっちゃんこ版(分科会)】全国課長会議資料

6 全般 新国保制度について 被保険者 地域住民の意見を聴取し 反映させるために 県が主催して説明会などを実施してほしい 運営方針策定に関して 県民の皆様から意見をお聴きするために 今回 県民コメントを実施したところです また 制度の詳細が全て決まった際には 出前講座などを開催することを検討していき

<8E9197BF325F90E096BE97708E9197BF2E786C7378>

Microsoft PowerPoint - 395医療保険制度改革

PowerPoint プレゼンテーション

平成 31 年度社会保障関係予算のポイント 頁 新 ( 平成 31 年 1 月 18 日閣議決定 ) 旧 ( 平成 年 12 月 21 日閣議決定 ) 1 平成 31 年度社会保障関係費の姿 平成 31 年度社会保障関係費の姿 ( 注 ) 年度 31 年度増 減 329, ,914 +1

5 市町村における保険税の徴収の適正な実施 18 ページ 口座振替 口座振替の利用促進については 現状でも行っているのであれば 今までと違ってどのように取り組んでいくかしっかり考える必要があるのではないか 納期内納付の促進 取組 : 口座振替納付の促進 ( 原則化の推進等 ) 納期内納付の広報 に修

(2) 保険料の算定に関する基本的な方針 1 保険料負担の水準保険料負担の水準については 計画の対象期間である3 年間を通じ おおむね財政の均衡を確保することが可能となるよう 保険料を算定します したがって 人口の高齢化が進展する中では 保険給付が増大することに伴い 保険料負担が増大することは 避け

国民健康保険制度をめぐる 最近の状況について

国民健康保険税率等の諮問 について 国立市健康福祉部健康増進課国民健康保険係 国立市富士見台 : ( 代表 ) 内線

特別調整交付金のうち 非自発的失業財政負担増特別交付金 ( 以下 失業特別交付 金 という ) は 国民健康保険の調整交付金の交付額の算定に関する省令 ( 昭和 38 年 厚生省令第 10 号 ) 第 6 条第 12 号に規定する その他特別な事情がある場合に別に定める 額 とされているものであり

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

PowerPoint プレゼンテーション

H28秋_24地方税財源

老人医療給付費等の国庫負担(補助)について

報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

平成 24 年度国民健康保険税税率改定案 1 医療保険分 ( 基礎課税額 ) 現行 改定 増減 伸率 所得割額 4.30 % 4.63 % % 資産割額 % 9.80 % % 税率等 均等割額 17,100 円 18,000 円 900 円 5.3%

1. 制度趣旨関連 問 1 なぜ 制度の見直しが必要なのですか? 国保制度は 年齢構成が高く医療費水準が高い 所得水準が低く保険料負担が重い 小規模な運営主体 ( 市町村 ) が多く財政が不安定になりやすい などといった構造的な課題を抱えています また 市町村ごとに運営されているため 被保険者の医療

「中医協・医療経済実態調査(保険者調査)-平成19年6月実施-」について

Microsoft PowerPoint - 7.【資料3】国民健康保険料(税)の賦課(課税)限度額について

国民健康保険制度改革の施行に向けて

三鷹市健康福祉総合計画2022

Microsoft PowerPoint 徴収一元化

あっせん文(国民健康保険における限度額適用・標準負担額減額認定証 の申請に係る被保険者の負担軽減)

平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 ) 第 6 回立川市国民健康保険運営協議会 資料 3 平成 28 年度国民健康保険料率等の改定について ( 係数発出及び制度改正等に伴う変更後 )

消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

<4D F736F F F696E74202D DB92B789EF8B638E9197BF C CA8F8A8E7B90DD81458DDD91EE B ED2816A817989DB92B789EF8B638CE38A6D92E894C5817A2E707074>

12 保険料減免申請書の受理及び減免額の決定に関する事務 保険料納付困難者の救済方法として保険料を減額決定する ,184 なし 13 保険料収納環境推進に関する事務 国民健康保険事業に要する費用に充てる保険料の収納率の向上を図るために行う ,834 11,259 一部委

持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の概要 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として 持続可能な医療保険制度を構築するため 国保をはじめとする医療保険制度の財政基盤の安定化 負担の公平化 医療費適正化の推進 患者申出療養

第9号様式(第10条、第19条、第20条関係)

スライド 1

(問)被用者保険の被扶養者に対する2年間の経過措置になる軽減額は、他の被保険者の保険料で補填すると考えてよいのか

柔軟で弾力的な給付設計について

資料3

PowerPoint プレゼンテーション

特別会計の改革について

金のみの場合は年収 28 万円以上 1 年金収入以外の所得がある場合は合計所得金額 2 16 万円以上が対象となる ただし 合計所得金額が16 万円以上であっても 同一世帯の介護保険の第 1 号被保険者 (65 歳以上 ) の年金収入やその他の合計所得が単身世帯で28 万円 2 人以上世帯で346

報道資料

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

Taro-中期計画(別紙)

<4D F736F F F696E74202D C68DDF94ED8A518ED282C982C282A282C A5F8F4390B3292E E707074>

(3) 運営主体 = 保険者は 都道府県と市町村 住民窓口は 市町村 そうした都道府県単位化への期待からすると 今回まとめられた 国民健康保険の見直し は 全くの 期待外れ になります 現在 市町村が行っている 資格 給付 保険料賦課 徴収 保健事業 といった保険者機能は 全て市町村に残ることとなり

Microsoft Word - 介護保険最新情報vol.556表紙

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 要綱別添様式 (2)

<4D F736F F D20819A819A81798B4C8ED294AD955C817A30315F967B95B >

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

スライド 1

改革後の国保運営イメージ

前期高齢者交付金の精算に係る経過措置の対応 ( 平成 31 年度まで ) について 平成 31 年度までは 市町村ごとに前期高齢者納付金 後期高齢者支援金 介護納付金の精算を行うことが検討されているが 保険料水準の統一を目指す都道府県においては 市町村の合意のもと 市町村ごとに精算せ

田川市水道事業会計

平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

平成 30 年 4 月からの制度改正で 市区町村は都道府県と一緒に 国民健康保険を運営していきます Q なぜ制度改正をするの? 国保は会社勤めの方々が加入している保険と比べて 1 国保加入者の平均年齢が高い また 医療費も高額になりやすい 2 国保加入者は非正規労働者や定年退職者が多く 保険税の負担

01 表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

緊急に措置すべき事項

瑞穂町福祉会館条例施行規則の一部を改正する規則を公布する

⑸ 老人保健拠出金については 平成 25 年度当初予算と同額の7 万 5 千円を計上した ⑹ 介護納付金については 平成 25 年度当初予算に比べ3.8% 減の1 億 8,4 03 万 9 千円を計上した ⑺ 共同事業拠出金については 平成 25 年度当初予算に比べ7.0% 増の3 億 7, 793

議題1 介護納付金課税額に係る税率及び課税限度額について(諮問)

社会福祉法人による生計困難者に対する利用者負担の減免

【事務連絡】「高額療養費制度の見直しに関するQ&A」の送付について

6 短期証の有効期限について有効期限は 最長 6 カ月としている自治体が 28 市町村だが 松田町が原則 1 カ月としているように 1 カ月 3 カ月 6 カ月で判断しているところが多い としている 最長 3 カ月が葉山町 4 カ月が茅ヶ崎市 逗子市 1 年以内が横浜市 湯河原町 (2) 所得階層別

1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2

厚生年金 健康保険の強制適用となる者の推計 粗い推計 民間給与実態統計調査 ( 平成 22 年 ) 国税庁 5,479 万人 ( 年間平均 ) 厚生年金 健康保険の強制被保険者の可能性が高い者の総数は 5,479 万人 - 約 681 万人 - 約 120 万人 = 約 4,678 万人 従業員五人

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

2015年1月改定対応(難病・小児慢性対応)

春日井市国民健康保険運営協議会資料 1 国民健康保険事業の状況について 平成 29 年 7 月 27 日開催

●1予算について(基本方針)

区 分 1 国民健康保険税 2 使用料及び手数料 3 国 庫 支 出 金 4 療養給付費交付金 5 前期高齢者交付金 6 府 支 出 金 7 共同事業交付金 8 財 産 収 入 9 繰 1 繰 11 諸 入越収 金金入 合 計 平成 28 年度当初予算 331, ,982 平成 27

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

意見の概要 県の考え方 1961( 昭和 36) 年に国民健康保険制度 ( 以下 国保制度という ) がスタートして半世紀以上が経過しています 現在の国保制度は 国保法第 1 条にもあるとおり日本国憲法 25 条で規定する国民の生存権を保障する 市町村国保は 年齢構成や所得水準により 構造的な課題を

<4D F736F F F696E74202D208ED089EF95DB8FE182CC8B8B957482C CC8CA992CA82B52E707074>

平成 29 年度介護保険特別会計歳入予算執行状況 款項目節当初予算額補正額 1 介護保険料 813,812, ,812, ,269, % 761,603, % 1 介護保険料 813,812, ,812, ,2

PowerPoint プレゼンテーション

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

社団法人全国国民健康保険組合協会高額医療費共同事業実施規程

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

事務連絡平成 23 年 6 月 1 日 都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 都道府県総務主管部 ( 局 ) 市区町村主管課 御中 厚生労働省保険局国民健康保険課総務省自治税務局市町村税課 東日本大震災により被災した被保険者に係る国民健康保険料 ( 税 ) の減免に対する財

事務連絡(平成30年大阪府北部を震源とする地震)

スライド 0

PowerPoint プレゼンテーション

< F2D87518E7B8DF488EA C8E866A74642E6A7464>

【事務連絡】160421平成28年熊本地震による被災者に係る一部負担金等の取扱いについて

別添 一部負担金減免の実施に係る減免額の特別調整交付金による補填に関する Q&A ( 平成 23 年 2 月 ) Q1 平成 22 年 9 月 13 日付け事務連絡 一部負担金減免 保険者徴収に関する Q&A について 別添 一部負担金減免 保険者徴収に関する Q&A ( 以下 Q&A と いう )

資料 3 平成 26 年度 神奈川県競輪組合 主要施策説明書 神奈川県

一般会計繰入金保険基盤安定軽減世帯の軽減された国保料及び軽減された被保険者数に比例した支援金を積算した額を算定 財政安定化支援事業全国の総額が定まっているため 2008 年度と同額と仮定 その他 2008 年度と同額と仮定 その他の収入 2008 年度から 2025 年度の保険給付費の伸び率と同様と

Transcription:

1 都道府県単位化に係る財政措置の確実な実施 国の対応状況 昨年 5 月の国民健康保険法の改正により, 全国市町村国保の赤字総額約 3,500 億円に見合う, 約 3,400 億円の公費拡充を前提として, 平成 30 年度から, 都道府県が市町村とともに国保の運営を担うこととされた 市町村国保被保険者の一人あたりの医療費の状況 本県における平成 26 年度の市町村国保被保険者一人当りの医療費は,389,958 円 ( 対前年度伸率約 2.23%) となっており, また, 全国状況においても, 毎年増加する傾向にある 被保険者の高齢化の進展に伴い, 今後も更なる医療費の増加が見込まれる 課題 平成 30 年度からの拡充となる 1,700 億円の交付基準の詳細や, 実施規模等については, 未だ, 明らかとなっていない 公費拡充については, 国保の都道府県単位化の前提であるとともに, 都道府県による国保財政運営に影響を及ぼすものである 高齢化の進展等に伴い, 今後も医療費の増嵩が見込まれることから, 国保財政の将来にわたる安定化を図るためには, 継続的な財政措置が必要である - 62 -

2 激変緩和措置に係る十分な財政措置及び赤字解消 削減の取組における裁量性の確保 国の対応状況 本年 4 月, 国民健康保険における納付金及び標準保険料率の算定方法について ( ガイドライン ) ( 以下 ガイドライン という ) が, また 都道府県国民健康保険運営方針策定要領 ( 以下 策定要領 という ) が, 各々取りまとめられた 課題 策定要領では, 保険料率について, 市町村ごとに設定することを基本としつつ, 地域の実情に応じて, 二次医療圏ごと, 都道府県ごとに保険料率を一本化することも可能 との考え方が示されているが, 保険料率の一本化に伴う激変緩和措置については, 言及されていない 特例基金による激変緩和措置は, 平成 35 年度までの 6 年間に限定されており, また, 激変緩和措置の範囲等の検討に必要となる当該基金の造成規模は, 明らかとなっていない 財政措置の拡充には, 保険者努力支援制度など, 各保険者における収納率向上や医療費適正化等の成果に応じて交付されるものも含まれており, 全国の市町村国保の赤字の解消が保証されたものではなく, さらに, 市町村によっては, 一般会計繰入等により保険料率の負担水準の妥当性が確保されている場合など, 財政措置の拡充によっても赤字の解消を見込むことが困難となる可能性も考えられる - 63 -

国への提案事項 1 都道府県単位化に係る財政措置の確実な実施 (1) 国保の都道府県単位化の前提である約 3,400 億円の公費拡充のうち, 未実施の約 1,700 億円について確実に実施するとともに, 交付基準等の詳細を早期に提示すること (2) 国保の持続可能な運営を確保する観点から, 地方の意見や運営状況を踏まえながら, 国の財政支援の在り方について不断に検討し, 今後の医療費の増嵩に耐えうる継続的な財政措置を講じること 2 激変緩和措置に係る十分な財政措置及び赤字解消 削減の取組における裁量性の確保 (1) 保険料率の一本化に伴う場合も, 激変緩和措置の対象に含め, 十分な財政措置を講じるとともに, 対象範囲に影響を与えることとなる 特例基金 の造成規模について, 早急に提示すること (2) 一般会計からの繰入等により保険料率の負担水準の妥当性が確保される場合などには, 赤字解消 削減の取組に係る赤字の範囲を都道府県と市町村が協議の上決定できるような, 裁量的な取扱いとすること 提案先省庁 : 厚生労働省 - 64 -

参考資料 1 ~ 国による公費拡充の概要 ~ < 平成 27 年度から実施 > 低所得者対策の強化のため, 保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた自治体への財政支援を拡充 ( 約 1,700 億円 ) < 平成 30 年度から実施 >( 毎年約 1,700 億円 ) 財政調整機能の強化 ( 財政調整交付金の実質的増額 ) 自治体の責めによらない要因による医療費増 負担への対応 ( 精神疾患, 子どもの被保険者数, 非自発的失業者等 ) 保険者努力支援制度 医療費の適正化に向けた取組等に対する支援 ( インセンティブ確保に係る公費 ) 財政リスクの分散 軽減方策 ( 財政安定化基金の創設 高額医療費への対応等 ) 等 平成 27 年度から 財政安定化基金を段階的に造成等 ( 平成 27 年度 200 億円 平成 29 年度約 1,700 億円 ) 平成 30 年度以降は 上記の項目に約 1,700 億円を配分 あわせて, 医療費の適正化に向けた取組や保険料の収納率向上などの事業運営の改善等を一層推進し, 財政基盤の強化を図る - 65 -

参考資料 2 ~ 市町村国保被保険者一人当り医療費 ( 本県及び全国の状況 )~ 410,000 ( 単位 : 円 ) 390,000 370,000 360,409 369,450 373,288 381,454 389,958 広島県 全国 350,000 330,000 310,000 299,333 308,669 315,856 324,543 333,461 290,000 1 2 3 4 5 H22 H23 H24 H25 H26 全国状況は国民健康保険事業年報による - 66 -

参考資料 3 ~ 激変緩和措置 ~ ガイドラインでは, 都道府県繰入金等による保険料負担の激変緩和措置の考え方が示されたが, 一般会計繰入の解消や, 財政調整基金の取崩し 前年度からの繰越金等の影響による保険料負担増については都道府県繰入金による激変緩和措置の対象としない としている 策定要領では, 市町村における決算補填等を目的とする一般会計繰入等については, 公費拡充により解消が図られるものとし, 市町村ごとの標準保険料率 ( 市町村標準保険料率 ) を賦課し, 標準的な収納率分の保険料を徴収することができていれば, 基本的に赤字は発生しない との観点から, 運営方針において, 市町村ごとの赤字解消 削減の目標年次及び赤字解消に向けた取組につき, 定めることとされている 激変緩和のイメージ ア ) 納付金の算定の設定による激変緩和措置納付金算定に当たり, 市町村の保険料率に激変が生じにくい調整係数の算定式を適用 ( 都道府県が定める内容とは異なる調整係数を一時的に適用する措置であり, 施行後, 都道府県が定める調整係数に近づけていく必要がある ) イ ) 都道府県繰入金による激変緩和措置市町村の 標準保険料率の算定に必要な保険料総額 が, 都道府県で定めた一定割合以上増加すると見込まれる場合, 都道府県繰入金を個別に当該市町村に保険給付費等交付金として交付し, 納付金の支払いに充当 当該市町村の納付金総額を減額 ウ ) 特例基金の繰入による激変緩和措置 ( 施行当初 ) イ ) による都道府県繰入金が多額となる場合, 激変緩和の対象外となる市町村の納付金額が増とならないよう, 激変緩和用として積み立てる特例基金 ( 交付 貸付に用いるものとは区分 ) を計画的に都道府県特別会計に繰入れ, 他の市町村の納付金への影響を調整 - 67 -