2007.12.26. 平成 19 年度エンジニアリング デザイン教育研究発表会 4. 航空機の設計 製作 飛行を題材としたシステム物作り実習の現状と今後の展望 溝端一秀 機械システム工学科 航空基礎工学講座機械システム工学科航空基礎工学講座 ( 航空宇宙機システム研究センター兼務 )
お話しする内容 2 航空 ( 宇宙 ) 工学の特徴 航空機を題材としたものづくり教育 研究の特徴 これまでの実施状況 現状の課題分析 今後の展望
航空宇宙工学の特徴 : 最後のシステム工学 多くの要素技術を上手に統合して 空 宇宙を飛ぶという機能を発揮できるシステムを構築する 3 空気力学 空気力をうまく利用できる翼 機体形状 推進工学 高性能エンジン 構造工学軽量 高強度の構造 制御工学 航法 誘導 制御 自動操縦 飛ぶために必要な極限設計 : e.g. 構造強度の安全率 1.5 最大許容荷重を超えると直ちに破壊 Fail Safe 等の安全設計 有限要素法 CA A 等の工学ツ ルの原点 総合力の勝負 空を飛んでなんぼの世界 有限要素法 CATIA 等の工学ツールの原点 国力が成否を決める
航空機を題材としたものづくり教育 研究の特徴 4 1. 紙飛行機からジャンボジェット スペースシャトル オービターまで 共通の飛スシトル行メカニズム 紙飛行機であっても航空工学の要点は学べる航空工学の要点が身についていないと紙飛行機すら飛ばせない 2. 共通メカニズムに裏打ちされた種々のレベルのもの作りが可能 紙飛行機 ペットボトルロケット飛行機 竹ひご飛行機 電動ラジコン機 エンジン式ラジコン機 自律模型機 超音速実験機 等々 3. 空力 推進 構造 制御をはじめとする広範な技術課題を盛り込むことが可能 4. 極限設計 安全設計 トレードオフ 等の設計思想が容易に体験できる 5. 多様な要素技術を統合するシステム工学を学ぶことができる 6. 飛行性能 という明確な評価指標 : 飛ばしてみれば成否が瞭然 7. 実際に飛ばすことによる達成感 高揚感 8. 北海道の地の利を生かした野外実習他大学では真似ができない
これまでの実施状況 段階を踏んで徐々にレベルアップしつつ 設計 製作 試験飛行の一環作業を体験させている 5 ペットボトルロケット飛行機の設計 製作 試験飛行 成果発表 開講時期 科目名 : 1 年次前期 フレッシュマンセミナー 実習課題 : ペットボトルロケットに翼を付けて飛行機として飛ばす 期待する効果 : まずは飛行メカニズムの難しさを体験 ペーパークラフト飛行機を用いた飛行力学実験とシミュレーションション 開講時期 科目名 : 3 年次後期 機械システム工学実験 Ⅱ 実習課題 : 市販の紙飛行機キットを製作し 調整して飛ばす その飛行軌跡を数値シミュレーションで再現するションで再現する 期待する効果 : 飛行機の姿勢変化運動の静安定と制御を体得する 模型飛行機の設計 製作 試験飛行および成果発表 開講時期 科目名 : 3 年次後期 航空宇宙工学演習 4 年次前期 航空宇宙機設計法 実習課題 : 推進器 無線操縦搭載の模型飛行機を設計 製作し 野外で飛行させる 期待する効果 : 飛ぶという機能を実現させるための総合工学 システム工学の体験
ペットボトルロケット飛行機の設計 製作 試験飛行 成果発表 6 開講時期 科目名 : 1 年次前期 フレッシュマンセミナー 実習課題 : ペットボトルロケットに翼を付けて飛行機として飛ばす 期待する効果 : まずは飛行メカニズムの難しさを体験 班構成 : 3 名 18 班 実施時間数 : 4コマ 6 回で 設計 製作 試験飛行 成果発表会 実施年度 : 2004~ Movie
ペーパークラフト飛行機を用いた飛行力学実験とシミュレーションション 開講時期 科目名 : 3 年次後期 機械システム工学実験 Ⅱ 実習課題 : 市販の紙飛行機キットを製作し 調整して飛ばす その飛行軌跡を数値シミュレーションする 期待する効果 : 飛行機の姿勢変化運動の静安定と制御を体得する 実施時間数 : 4コマ 3 回で 製作 飛行 シミュレーション 実施年度 : 2005~ 7 Movie
模型飛行機の設計 製作 試験飛行および成果発表 8 開講時期 科目名 : 実習課題 : 3 年次後期 航空宇宙工学演習 ( 各自で予備的空力設計 ) 4 年次前期 航空宇宙機設計法 ( 班で設計 製作 飛行 ) 推進器 無線操縦搭載の模型飛行機を設計 製作し 野外で飛行させる 期待する効果 : 飛ぶという機能を実現させるための総合工学 システム工学の体験 班構成 : 実施時間数 : 実施年度 : 卒研配属毎に3~4 名の班 3 年次後期に2コマ 5 回 4 年次前期に2コマ 15 回実際は授業時間外の作業を相当時間実施 2001, 2002, 2003 夜, 2005~
実施状況その 1 2001 年度製作の様子 9
実施状況その 2 2001 年度製作の様子 10 ラジコン機器の搭載 調整 手投げ滑空による飛行性確認
実施状況その 3 2005 年度製作の様子 (2005.8.19 現在 ) 11 オーソドックスな形状 オーソドックスな形状 Ducted Fan+ 前進翼に挑戦 Ducted Fan+ 先尾翼に挑戦電動式に挑戦
実施状況その 4 2007 年度の試験飛行の様子 (2007.10.9) 12 エンジン式の飛行機 電動式の飛行機
座学との連携について 座学 実習 座学 実習 んだレベルアップが望ましい 現状の課題分析 の反復によるフィードバックや 段階を踏 現在のカリキュラムでは 3 年次後期からのコース別専門科目ではじめて 航空機を題材にした座学が設定され 座学と実習の連携が時期的 時間的に不十分 3 年次前期までの機械工学の諸科目を 航空機にどのように応用すべきかが 学生には分かりにくい 盛り込むべき技術課題について 空力 推進 構造 制御をはじめとする多様な技術課題を盛り込むことが望ましい 現状では まずは機体形状を決めるための空力 機体に最低限の強度を与えるための構造 の 2 点に重点を置いている 技術課題を多様化するには 座学との連携を高めることが必要 担当教員の充実も必要 13
今後の展望 14 座学との連携について 座学 実習 座学 実習 の反復によるフィードバックや 段階を踏んだレベルアップが望ましい 学部再編 ( 案 ) の 航空宇宙システム工学コース ( 仮称 ) において 2 年次前期から航空宇宙を題材にした座学を展開可能 大学院博士前期課程 航空宇宙システム工学専攻 における実践科目 航学専攻 航空宇宙システム工学設計 航空宇宙システム工学実験 インターンシップ において 発展的実習を実施する予定 盛り込むべき技術課題について 学部再編 ( 案 ) の 航空宇宙システム工学コース ( 仮称 ) において 座学との連携を高めることによって 空力 構造以外の技術課題も取り入れる 担当教員の充実も必要
2008 年 4 月設置予定大学院航空宇宙システム工学専攻 15 1. 2. 実践的なものづくり研究の場を体験するコースワーク科目を必修科目として学びます 設計 これまでに得た基礎知識および専門知識を総動員して 小規模なサブシステムを設計し その性 能を実験で評価します これを通して システム志向の考え方を培うとともに システムを構成するキシステムを構成するキーテクノロジーの重要テクノロジ 3. 性を理解し システムと基礎 要素技術の関係の重要性を理解します 4. 本学の航空宇宙機システム研究センターにおいて履修できるほか JAXAおよび民間企業におけるインターンシップとしても履修できます Movie