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午後 2 時 03 分開会 1 開会 秋場健康危機管理情報課長それでは 定刻を若干過ぎましたが ただいまより平成 3 0 年度第 1 回東京都花粉症対策検討委員会を開催させていただきます 議事に先立ちまして 東京都健康安全研究センター企画調整部長の遠藤よりご挨拶申し上げます 遠藤企画調整部長企画調整部長の遠藤でございます 委員の皆様には 大変お忙しい中ご出席をいただきまして まことにありがとうございます また 今期から2 年間の任期となります本委員会の委員をお引き受けいただきましたこと 重ねてお礼を申し上げます 本日は本年度第 1 回目の検討委員会となりますが 都内におけるこの春の花粉飛散状況の検証等につきましてご審議をいただければと考えてございます 皆様ご案内のとおり 平成 26 年アレルギー疾患対策基本法 また昨年策定されましたアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針を踏まえまして 本年 3 月でございますが東京都アレルギー疾患対策推進計画を策定いたしました この計画では アレルギー疾患対策を総合的に進めていくために12の取り組みについて記載をしてございますが そのうちの一つといたしまして花粉症対策の推進を掲げてございます 本日は 限られた時間ではございますが さまざまな観点からご意見をいただければありがたく存じます どうぞよろしくご審議のほどお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長申しおくれましたが 私は当センター健康危機管理情報課長の秋場でございます 議事に入りますまでの間 進行を務めさせていただきます どうぞよろしくお願いいたします まず 配布資料の確認をさせていただきます 本日配布しました資料 まず次第 名簿 座席表と設置要綱 これがA4 1 枚のものになりまして その後にいずれもホチキスどめの資料 1 2 3 4 5がございます 最後に資料 6としましてまたA4 1 枚のものがございますが 不足等ございませんでしょうか よろしいようなので 続きまして委員の皆様をご紹介させていただきます お手元の名 1

簿をごらんください 名簿順に 浅香委員でございます 浅香委員よろしくお願いします 秋場健康危機管理情報課長井上委員でございます 井上委員井上です 秋場健康危機管理情報課長大久保委員でございますが 本日は所用によりご欠席と連絡いただいております 続きまして 川上委員でございます 川上委員川上です よろしくお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長桜山委員でございます 桜山委員桜山でございます よろしくお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長佐橋委員でございます 佐橋委員佐橋です よろしくお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長弘岡委員でございます 弘岡委員弘岡です どうぞよろしくお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長星山委員でございますが 本日は所用により欠席ということです 続きまして 堀委員でございます 堀委員堀でございます よろしくお願いします 秋場健康危機管理情報課長村山委員でございます 村山委員村山です よろしくお願いします 秋場健康危機管理情報課長横山委員でございます 横山委員横山です よろしくお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長委員の皆様におかれましては 今年の4 月からの2 年間新しい任期でお願いしております どうぞよろしくお願いいたします 事務局の紹介につきましては お手元の名簿にかえさせていただきたいと思います 会長の選出 秋場健康危機管理情報課長それでは ここから議事に入ります前に 東京都花粉症対 2

策検討委員会設置要綱第 5の2に基づきまして 委員の先生方の互選により会長をご選出いただきたいと思います どなたかご推薦ございますでしょうか 佐橋委員 佐橋委員桜山委員にお願いしたいと思います 秋場健康危機管理情報課長ただいま佐橋委員から桜山委員に会長をとのご推薦がございましたが 皆様いかがでしょうか ( 拍手 ) ありがとうございます それではご了承ということで 桜山委員に会長をお願いいたします それでは 続きまして本日関係者としてお越しいただいております西端先生のご出席につきまして 同委員会設置要綱の第 8に基づきまして桜山会長にご了承の確認をしたいと思います 桜山会長 西端先生のご出席の件 よろしいでしょうか 桜山会長皆さん よろしゅうございますよね よろしいと思います 秋場健康危機管理情報課長ありがとうございます それではご了承いただいたということで 本日西端先生には花粉症患者動向調査の結果につきまして後ほどご説明をお願いいたします それでは 議事の進行を桜山会長にお願いいたします 桜山会長改めまして 会長にご指名いただきました桜山でございます どうぞよろしくお願いいたします 2 議事 (1) 平成 30 年春のスギ ヒノキ花粉飛散状況等の検証ア平成 30 年春の東京都におけるスギ ヒノキ花粉飛散状況イ気象条件と飛散花粉数に関する検証ウ花粉症患者動向調査エ花粉自動測定 予報システムの検証 桜山会長まず初めに 議事 (1) 平成 30 年春のスギ ヒノキ花粉飛散状況等の検証 についてでございます ア 平成 30 年春の東京都におけるスギ ヒノキ花粉飛散状況 これについては佐橋委員でよろしいですか 佐橋委員からご説明をいただきます 3

佐橋委員それでは 資料 1 等に基づきまして 今年の春のスギ ヒノキ花粉の飛散状況について説明いたします まず 資料 1に沿いまして 表と図を主に使って説明いたしますが 最初の初観測日 飛散開始日については表 1をごらんいただきます 初観測日はスギ ヒノキに分けてありますけれども スギにつきましては23 区の5 地点と多摩地区の7 地点に分けまして説明いたします スギ花粉のほうの初観測日は杉並を除きまして1 月の上旬 それから多摩地区は町田を除きまして1 月上旬か あるいは1 月下旬となりました ヒノキのほうですが こちらは23 区が3 月の上旬 多摩地区は小平が3 月 1 日ですけれども3 月中旬で ヒノキは1 旬 23 区のほうが早く初観測をしております それと 初観測に関しましてはスギを初観測して次のヒノキの初観測まで約 2か月かかっていることになります 飛散開始日ですけれども こちらも23 区ではスギ花粉は2 月 14 日を中心にしまして 2 月中旬 それから多摩地区のほうも全部 2 月中旬になっています 2 月中旬に両方とも飛散開始しており ほぼ平年並みであった それから ヒノキ花粉のほうは3 月中旬が2 3 区 多摩地区も3 月中旬が多いのですが 町田 府中 小平は3 月の下旬になっております つまりスギ花粉が飛散開始してからヒノキ花粉の飛散開始までほぼ1か月ということですが これは過去のデータでもほぼ同じような結果が観測されておりますので 今年の春の初観測 飛散開始というのはほぼ平年並みであるということが言えると思います それから飛散総数のほうですが 今度は図 1のほうをごらんいただいて これでスギとヒノキの飛散総数等を説明します まず 図 1の左側 これはスギ ヒノキの両方を足して棒グラフにしたものですけれども 青梅がやはり一番とびぬけて多く 3 万を超えています 左側が23 区内 これは杉並がちょっと多いですけれども 平均するとそれでも1 万は超えているわけですので かなりの飛散になります 青梅も含めた多摩地区ですけれども こちらは平均すると1 万 4,000 個ぐらいになります ただ青梅がかなり多いので 平均も高くなっているわけですけれども 小平が12 地点の中で一番少なく 約 6, 000 個になっております それでも6,000 個飛んでおりますので 相当今年は多かったということになります ちなみに青梅は昨年の約 6 倍 正確にいうと5.7 倍飛散をしております 今度は スギ ヒノキを分けて見ます 右側が分けたグラフです これを見ますと やはり青梅がスギもヒノキも多いのですが しかし八王子ですね ここのヒノキが問題で 4

わずかですけれどもヒノキでは青梅を抜いております 他ももちろん多く5,000 個を超えるような飛散であったわけですが 注目して見ていただきたいのは 特に5 地点 2 3 区では北を除きまして4 地点ともヒノキが多い それから 多摩地区ではヒノキが多かったのが八王子 町田 小平ですね 平均すると多摩地区はやはりスギが多いのですけれども 23 区では平均するとヒノキがスギよりも1,000 個までいきませんが多くなっております 次に 月別飛散数の比較です 図 2のほうを見ていただきたいのですが これはもう見て明らかなように スギのほうは3 月に集中して飛散をしております 表 5の5a ですが この表は各月ごとの飛散数とその割合を示しております 例えば3 月だけは欄外に出しておりますけれども 5 地点では全体の87.8% 飛んでいます 前年が78.1% だったので 少し3 月に集中しているのがわかります 多摩地区のほうは7 地点平均で全体の9 2.0% 飛んでおり 前年が75.6% ですから いかに3 月に集中したかがわかるかと思います 次にヒノキのほうですけれども 図 3にも示しましたが 表 5bで見ていただくと23 区のほうは4 月が48% 50% までいきませんでした 逆に3 月が51.6% 飛んでいまして 3 月と4 月でとほぼ半分に分けたような感じです 多摩地区のほうは平均ですと 4 月に32.9% 3 月が67% ですので こちらは3 月のほうがやや多かったということになります 今度は図 4です ダーラム型による千代田の日々の飛散変動ですけれども これは過去に例が余りないのですが 見ていただくと スギとヒノキの飛散が明らかにきれいに2つに分かれたようになっております 多少スギは3 月後半も尾を引いておりますけれども ヒノキがとにかく多かったので このようにきれいにスギとヒノキが分かれたような感じになっております スギのほうはブルーの折れ線を見てみますと 飛散開始が2 月 14 日で 100 個以上飛び始めた日を 最大飛散日 と呼んでいるのですが それは2 月下旬の27 日から始まり 3 月 30 日の百個以下になる前日まで32 日間 ( 大飛散期間 ) 続きました この間に19 日間も百個以上のピークを観測し 3 月 13 日に432 個の最大飛散日が観測されています ヒノキのほうもさらにスギの飛散数を追い越しまして 最大飛散日は4 月 4 日に805 個となっております 3つ大小山が出ておりますけれども ここでも大飛散期間 つまり 100 個以上の飛散期間というのは3 月 24 日から4 月 21 日の29 日間に及ぶというこ 5

とで いかに患者さんが苦しんだかはこの飛散パターンからもわかると思います 次に図 5のほうです 八王子ですが ここはヒノキの最大飛散日のピークが大きかったので 少なく見えるスギは図の下のほうに500 個以内の大きなピークが見られない横長の飛散パターンとなっています ヒノキの大飛散日は3 月 29 日に4,244 個 スギのほうが最大飛散数でも3 月 13 日の545 個 ヒノキに比べれば約 1/8 と大変少なく 全体の飛散パターンはやはり多少ぎざぎざといった多峰性の山になっております 100 個以上飛んだのが3 月 1 日から30 日の間 22 日間も続いており 八王子でも大変な飛散であったことは間違いないと思われます 特にヒノキ花粉の飛散は八王子では過去に例を見ないような大飛散になりましたので ヒノキの大飛散期間は3 月 24 日から4 月 7 日までの15 日間ですが 連続 14 日間 100 個以上の日が集中して飛んだこの期間というのがまれに見る飛散があったということで マスコミも大騒ぎをしたところであります 以上で 時間が長くなりますので あとはグラフを見ていただきたいと思います 終わります 桜山会長ありがとうございました なかなか興味深いデータですけれども ご質問等に関しましては 1のアからエが終わりましてからまとめて時間をとりたいと思います よろしくお願いいたします では 続きまして イの 気象条件と飛散花粉数に関する検証 でございますが 村山委員のほうからお願いをいたします 村山委員資料 2をごらんください 最初のページから 2 月から3 月 4 月にかけての日本列島の気候の分布を示したものです 当初委員会で発表した飛散開始日は2 月上旬の前半ということだったのですが 1 月が予想よりやや低温だったために少し後ろにずらして2 月 15 日前後にしました この 2 月の気温それから1 月の気温を思い出していただくと 結構マスコミから問い合わせがあったのは こんなに寒いのになぜスギの花粉がいつもと同じ年に飛ぶのだということですが 飛散開始日については毎回委員会でお話ししているように これは11 月以降の気温も入れてやっております 昨年は11 月からかなり低温の期間が続きまして 休眠に入るのが早いとか 休眠覚醒が例年より早くなっています 一方で 飛散開始の準備に入っている期間 12 月末から1 月ですけれども この期間は平年よりやや低いという状態です 1 も低くないのですけれども これがプラスマイナスになります 昨年の11 月以降の気温が低い場合には飛散開始日が早くなる 1 月から2 月初めの気温が低ければ遅く 6

なると このプラスマイナスゼロということで 予想はいつもと同じ2 月 15 日前後という予想をしたわけです 2 月の気象条件で見ますと 2 月全体としては関東地方は例年よりやや低いという気温ですけれども 実はこのマイナス0. 何度という気温は昔に比べると平年よりやや高いという気温になるのです 30 年ぐらい前に比べると平年並みと考えています 気温は 東京の場合にはこの100 年で3 余り高くなっていますので それを差し引くとマイナス 1 というのは昔でいうと平年より暖かいということになります 次のページが3 月と4 月の気候を示しています 図 -2の中段は日本列島の雨量の分布ですが 関東地方から北は3 月に大変雨の量が多かったのですが 実は一番下の段の 日照時間平年比 というのを見ていただくと 東京の周辺は30% ぐらい日照時間が多いですね しかも気温も高いと 簡単に言ってしまうと降るときはどしゃぶりで それ以外は晴れていると そういう極端な気候になりました 先ほど佐橋先生がご説明になった資料の中で どうしても今年の春はヒノキが多かったというイメージになっているのですが 実はスギも多かったのです スギの花粉数も4, 000~6,000ぐらいということで 実はスギ花粉自体も例年より多いという状況でした それを上回ってヒノキがということで スギのシーズンの3 月に雨が多かったからスギが少なくなったという意見を言う人もいるのですが 実は3 月としてはスギ花粉の非常にはっきりしたピークが出ていると その3 月だけで例年を上回るスギ花粉が飛んでいます 3 月以降 3 月の下旬になってヒノキ花粉が増大してくるわけですが ついでに話の流れなのでここで説明してしまいたいと思うのですが 資料 5の1 枚前のページです この図です ここは 年度が変わったのであえて4 月のものを載せてありますけれども 実はヒノキ花粉が非常に多くなった原因というのが 3 月の末から4 月の初めにかけて毎日同じような状況になっているのです 一番上の図が4 月 4 日の朝 6 時の状態で この時点ではもうほとんどがヒノキ花粉です 色が赤いほど濃いのですが 濃いところの中心が多摩地区の東それから八王子 奥多摩にあって 奥多摩が最も濃くなっています その濃い部分が奥多摩から動かないまま八王子のほうがさらに濃くなってきて この状態が9 時ですが 一番下の12 時まで全く同じような状態が続きます これで23 区と多摩地区の間にちょっと帯ができてしまっていますけれども この奥多摩方面からやってくるヒノキ花粉の高濃度域が中心が動かないまま つまりヒノキの花粉を放出し続けたまま濃い部分が八王子付近 そしてその一部が多摩地区全体あるいは23 区に流れ込んでいくと こう 7

いう状態です はっきりしたデータがあるのは ヒノキの雄花の目視調査をやっている神奈川県と千葉県だけですが 神奈川県では目視調査の結果が去年の2 倍くらいで 過去 5 年間では最もヒノキの雄花が多いという状態で ただこの分布図を見ると神奈川県の北部で特に多くて 多摩地区それから秩父方面も相当量のヒノキの雄花がついていたと推定できると これがほとんど動かないまま来るものですから 先ほど佐橋先生のご説明にあった八王子のヒノキ花粉の極端な量 つまり高濃度の一番先端部分が常に八王子付近にあると こういう形でヒノキ花粉が非常に多くなったと もう一つ 3 番目の一番下の図に注目いただきたいのですが 全体のグラフで見るとちょっとわからなくなってしまうのですが 実は今年も三多摩 青梅 八王子を除く多摩地区は23 区より花粉が少なくなっているのです ほとんどの人が気づいていないと思いますけれども もう連続してこういうことが起こっております これができるというのが 23 区と多摩地区の間に花粉濃度の低い部分ができてしまうと これが毎年のように起きるわけですけれども これが原因で23 区のほうが多いという ちなみに では都内のヒノキ花粉がどこから来たかというと やはり神奈川県と千葉県から来ているのですが 品川区の遠藤先生のデータではヒノキの花粉が4,000 個に行っていないですね だから 神奈川県から南西方向 そちらの方向から飛んできたヒノキというよりも多摩地区から東に移動してきたヒノキと考えられるという面もあります そういったことで 今年は特徴的なものになりました 次の飛散開始前後の気温と東京千代田の花粉数を見たものですが 2 月の下旬から急激に 飛散開始後も本当は非常に数の少ない状態が続いて その後一気に50 個を超えるという状態になっています 平均すると都内では飛散開始から1 週間ぐらいで10 個を超えて 10 日 ~2 週間後ぐらいに30 個を超えるというのですが 最近は一気に50 個とかこういうレベルになるケースが大変多くなっていると 気温の上昇とともに花粉量がふえると 下の表 -1に今年の春の 一番左側各地の飛散開始日と1 回目の予測 1 回目の予測では小平だけが14 日でほかは10 日から12 日ぐらいに予想していましたが 1 月末までの気温の経過を見て2 月の頭に2 回目の予測としてここのホームページで発表しております その予想は 2 月 13 日 ~17 日ぐらい この2 回目の予測と実際の飛散開始日の誤差をそこに示していますが 誤差 2 日以内ということで大体許してもらえるかなという予想です 8

次のページをごらんください まず 東京都の花粉の予測に関しては 気象条件だけではなくて前の年の花粉量 それから関東周辺の ここには茨城県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県のスギの雄花調査 それから静岡県も影響するために静岡県の雄花調査のデータも入れて予想しています この図 -5のグラフは 左から平成 28 年 平成 29 年 過去 10 年の平均を示していますが 埼玉 茨城 それからこの表には載せてありませんが 群馬県も実は平成 28 年より少なくなっていたのです スギの雄花調査の結果では 一方で千葉県 東京 神奈川のほうは平成 28 年に比べると2 倍からそれ以上に増えていて 特に神奈川県が多くなっています 静岡県は平成 28 年よりかなり少なくなったのですが 過去 10 年の平均並みということで いずれにしてもスギの雄花だけを見てもスギの花粉自体は前年より増えるだろうと 実際に多くなっているわけです 一方で ではヒノキはどうかというと データとしてあると これはまだ非公開のデータですが 神奈川県の調査では全年に比べるとかなり多いと 神奈川県は非公開というか ヒノキに関して過去 5 年間で一番多くなるだろうという予測を県の発表として出しておりますので 過去 5 年よりは多くなるだろうという予測があったわけです ただ 同じヒノキを調べている地域でも 北関東では前の年より少ないという全く逆の結果になっていて これを平均化してしまうと神奈川県のものがちょっと薄まってしまうという前提になりました その結果として 次のページの表 -2に予測を出していますけれども 実は平成 30 年予測は私が出したもので その隣 横山 と書いてあるのが横山先生の出したもので 数値的には三多摩ではほぼ同じぐらい 都心部では私のほうが多いという予想になっています これは静岡と神奈川の重みが23 区で強くなるからこういう結果になるのですけれども 結果としては 千代田でいうと6,000 個弱という予想ですが 実際には倍近くとれました では何を予想していたかというと 統計による予測値ですから 今までの例からいうとヒノキというのは総数の最大でも20% ぐらいにしかならないのです これを予測すると このスギに総数の20% 少しプラス実際にはここに足すのは15% ぐらいになるのですが せいぜい6,500とか7,000 個程度の予想しか出てこないので そういう面ではヒノキの異常な大飛散があって これは今までの統計手法では予測ができないということになります このような大量の飛散が何回か起きれば自動的に上のほうに引っ張られていくのですけれども こういうデータがあるとすごく誤差の範囲が広がってしまうというおそれがあります 9

次のページを見てください 図 -6は予測値と実測値で 大体どこも倍近く飛んでいる この差の分がほとんどヒノキということになってしまうわけです その下の 実際に予測と実測の散布図 を見るときれいに直線状に並んでいます これは実測値に比べて予測のほうがはるかに小さいということを示しているのですが 相関係数だけは見た目には高くなります なぜこうなるかというと 基本的な考え方は間違っていないけどヒノキがどこの地域も同じような割合で上積みされたということを示している 単純に地域によってばらつきがあるのだったらここから外れた点がもっと出てくるはずですけれども 同じような直線に乗っているということは同じような割合で上積みになった この上の図 -6を見ていただいても 予測値自体がもう既に今年の春あたりからは多摩地区の町田から小平までは23 区と同じ程度の予測になっています それだけ23 区が増えて逆に多摩地区が余り多くなっていないということです もう一つは次のページの図 -8ですが これは横山先生の予測と私の予測を重ねたものなので これもほぼ直線上に乗っていて 今までの予測のやり方の考え方としては基本的には間違っていなかったのですけれども なぜこんなにヒノキが多くなってしまったのかということが問題になるわけです そこで 次のページをごらんください まず下の図を見ていただけますか これは今回のデータを入れまして スギとヒノキの花粉数にどの期間の気象が影響しているかと これは日照時間で見たものですが 濃い青がスギ 赤いほうがヒノキになります そうすると ヒノキの相関係数が高くなるのは5 月の下旬から6 月の上旬にかけてのごく短い期間で 6 月の中旬から下旬 むしろマイナスになってしまいます 7 月の上旬 中旬も低くて その後 7 月の下旬から8 月の上旬にかけてまた上がっていると つまり 今までの予測ではある長期の気象データを用いて全体量を予測していたのですが 考え方として横山先生ともご相談したのですけれども まずスギもヒノキも最初に雄花が分化するという過程があって その後一旦成長がお休みになって 7 月の下旬から8 月の上旬以降にかけて成長をすると 今まで使っていた8 月の中旬から下旬といった気象条件というのは 成長を早くするか遅くするかには影響するけど 雄花数つまり花粉数にはほとんど関係ないと言えるということになるわけです 一方スギのほうは ヒノキがごく短期間に雄花をつくるのと比べて6 月の上旬 中旬 下旬と同じぐらいの数値になっていますので 比較的のんびりと雄花が分化しているということが予想できるわけです そうすると ではなぜ今年多かったのかという問題があり 10

ます その前に この東京の花粉数のこれが正しいのかということで 図 -11は横浜のヒノキの花粉数と東京のヒノキの花粉数を見たものです 赤いほうが横浜のヒノキ 濃い青が東京のヒノキですけれども やはり最も影響するのは6 月の上旬であって 横浜のデータを見ると5 月の下旬から6 月の上旬ということがわかります 似た地域ですけれども ほぼこの5 月の末から6 月の上旬というのがすごく影響しているのだなということがわかるわけです その下に表 -3 東京における2016 年と2017 年の平年値 前年差 平年差 2 018 年と書いてありますけれども まず5 月下旬の2017 年の日照時間を見てください およそ83 時間 平年より20 時間も長くなっています 6 月の上旬は65 時間で 平年より10 時間以上長いと ここのところが物すごくきいたのだろうと 以前もお話ししましたけれども スギもヒノキももう95% 前後 スギはもっと比率が高いのですけれども 樹齢が30 年以上になっていて雄花生産量が非常に多い時期になっています そこへ昨年は5 月の下旬から6 月の上旬に極めて日照時間が多いと その前の年もヒノキの花粉数は余り多くなかったので これがぴったりはまって今年の春ヒノキの大飛散になったのだろうということが推定できるわけです もう一つ思い出していただきたいのは この表 -3の2017 年 8 月上旬 中旬 下旬ですが 8 月の上旬日照時間 27.6 時間 中旬が8.8 時間と平年に比べて大幅に少なくなっています 今まで8 月の分を入れていて これはある面では7 月に打ち消されていたと思うのですけれども はっきり言えばあれだけ8 月が日照不足 冷夏になったのに花粉がこれだけ多くなったということは 花粉の計算に8 月の少なくとも中旬を入れるのは意味がないというか 入れないほうがいいのではないかという気がします 入れるとすれば8 月全体の平均値にするとかということになってくるわけです 今のところ 気象条件からはそういうことになります では2018 年どうだろうかというと ここには8 月の上旬までしか書いていませんけれども 5 月の下旬日照時間は61.7 時間で これは平年よりやや少ないです 6 月の上旬の日照時間は72.2 時間で これは平年より多いと ただし スギに影響する中旬は15.6 時間で平年よりかなり少なくなっていますが 6 月の下旬よりは多いと 来年は 今年物すごく多くついたということもあってヒノキがそんなに多くはならないだろうという感じになっております 11

最後のページは 6 月の上旬というのをメインにして これは千代田のものですが予測式を見直してみると 6 月上旬の日照時間に7 月下旬から8 月上旬の日照時間 これで計算するとこのようになります 今年の数値に対しての予測というのが大体 8,000 個ぐらいのオーダーになってくるわけですが それでもやはりたった1つ1 万数千個では追いつかないということになります その下は さらに前年の花粉数による予測ですが やはりこれでもまだ8,000 個前後 つまり 極端に多いデータが1つぐらいでは 統計的な予測式ではより多いというもの 1 万 5,000とかという予測はなかなか難しい もうちょっと1 万 2,000 個とか1 万 3,000 個というデータがそろわないとこの回帰曲線の傾きが上に向いてこないということになりますので 当面予想できる範囲は上限が1 万個ぐらいかなというところになるかと思います あとは雄花調査を入れて それをどこまで上げられるかと ただ 雄花調査は今のところ有効に使えるのがスギだけになっていますので ヒノキが一番長いところで5 年間ですね もう少し8 年分とか10 年分ぐらいデータを積み上げてもらわないと細かいところがわからないので そこまではこういった方向で予測をしていく方法しかないかなと考えています 以上です 桜山会長ありがとうございました それでは 続いてウ 花粉症患者動向調査 につきまして これは西端先生 お願いいたします 西端先生西端です 花粉症患者動向調査 について 資料 3を中心にお話ししたいと思います これは毎年お話ししているのですけれども 一応ここはもう一回復習ということで 調査期間は1 月の初めから5 月 13 日 その間にうちの有楽町交通会館ですけれども 耳鼻科 私のクリニックを受診した患者数を調査して 東京都に送って集計していただいている調査です 実は これは平成 2 年からやっていて今年で29 年目になるのですが 1 月の初めから調査を始めたのは平成 7 年以降ということになるので あとで平成 7 年以降それから平成 2 年からと2つ出てくるのはそういう理由からになっています 調査を始めたころは 1 月中になんか患者は来ないよねというような 2 月の要するに飛散開始日前には患者が来ないのではないかという状況でやっていたのですが これはやっていくうちにだんだんも 12

っと早くから来るということがわかってきたと この調査の特徴は 症状が出ていない人は数えないということです ですから 要するに初期治療で薬をとりにきて症状がない人はそこでは数えない その人は次に来たときにもし症状が出ていれば そのときが初診日となると 1 回初診としてカウントされた人は その後症状がなくても再診としてカウントするという方法でずっと続けております 詳しいことはグラフのほうを中心にお話ししたいと思いますので 2 枚めくっていただくと図 1というのがあると思います これは平成 2 年から今年までの初診患者 再診患者 花粉数を見たものです ざっと見ていただくと 一番大きいのは 最初は初診より再診のほうが多かったのがだんだん初診のほうが 特に平成 17 年以降は初診患者のほうが多くなっていると これは単純に薬が長期に処方できるようになったからだと思いますが だんだん再診患者数が減ってきているのがわかると思います 今年は 花粉数がここにある中で一番多いですね 過去 10 年で最大だったのですが 初診患者数は過去 10 年で見ると平成 23 年 平成 25 年に次いで3 番目に多いという年でした これは 実は毎日毎日の患者数で見ていると休診日の影響があるので 1 週間ごとにまとめて患者動向を調べています それが図 2から5になります これは平成 27 年から3 0 年 週ごとの患者数と花粉数ですね この白抜きの矢印というのは 初診患者 症状を出して来た人が週 30 人以上になった初めての週で これを 患者の立ち上がり と称しています そして 黒塗りの下向きの矢印は30 人以下になって それ以降は30 人以上来なかったという これを患者の終息としてその週として調査しています 下向きの破線の矢印は そこが初診患者のピークとなっています 今年を見てもわかるように右下の図 5ですけれども 3 月の花粉のピークよりも3 月後半から4 月にかけて これはほとんどヒノキだと思うのですが そこのピークが多いですが 初診患者のピークは3 月の初めでスギの花粉が多くなって 30 50 個 / cm2になったときの週ぐらいにピークが来るのが例年です 今年は少し遅目というか そんなに遅いわけではないですが 12 日の週ぐらいがピークになっています その後 1 回落ち込んでヒノキのピークで増えてはいますが スギの最初のピークほどは初診患者は増えていないと この4 年間を見ていただきますと 平成 29 年も4 月にヒノキがぽんと飛んだのですけど そのときには初診患者は増えていません 平成 27 年は3 月の後半にピークがあったときに少し増えていますけど 今年みたいにはっきりと上がっているのはないので やはりこれはヒノキが非常に多かったのが影響しているのかなという感じはします 13

その次のページをお願いします 図 6から図 9までまとめてですが まずこれは年ごとの初診患者数と花粉数の関係を示したもので 図 6は調査の初め 平成 2 年からの29 年間です これは直線回帰で有意に相関があって 花粉が多ければ患者数が多いという傾向があります その右側の図 7は 先ほど言った要するに1 月 1 日から調査を始めた平成 7 年以降に限って見てみますと これも対数回帰それから直線回帰ともに有意な相関があって ここのところしばらくは直線回帰のほうが相関係数はよかったのですが 今年平成 30 年青印が少し下に来ているので 今年のデータでは対数回帰のほうが相関係数がよかったということになります そして今度は 下にスギとヒノキに分けて相関をとっています スギだけに絞ったほうが相関係数は高いですので r=0.92ですから ヒノキのほうは相関係数が一応有意な相関はありますが r=0.67ですので やはりヒノキよりもスギのほうに患者数としては相関が高いと その次に 再診患者数との相関をとっています 図 8-1です 再診患者数と飛散花粉数 というのは これは相関は見られません ただし 平成 16 年までと平成 17 年以降の2つに分けたのが2と3になりますが そうしますと前期では直線回帰 対数回帰ともに有意な相関が見られます ただ 後期のほうでは直線回帰で3% ですから 0.2ですから辛うじて有意な相関が見られる 期間を区切ると最新患者数も花粉の影響を受けるということがここで言えます 最後の図 9ですが これは初診 再診比 下に患者数 飛散花粉数とかありますけど 一番見ていただきたいのは折れ線グラフで これは初めて初診とカウントされた人がその後何回再診で来るかと 平均再診回数をあらわしているのですが 調査初期は2ぐらいだったものがどんどん下がっていって 平成 17 年ぐらいですか そこで1を切っています 最近は0.5ぐらいで横ばいということで 1 回来た患者さんはもうその後 半分ぐらいしか受診してこないということです ただ これは症状が出たときからカウントしているので シーズンを通してというわけではないです 薬をもらっている方は例えば3 月の終わりぐらいが初診になってしまうこともあるので そういう方はその後は来ないということも入っていると思います 次のページです 10と11 これは先ほど言いました30 人以上初めて来たという初診患者の立ち上がりの時期に何が影響するかということで 飛散開始日との相関は全くな 14

いですね ところが 患者の立ち上がりと1 月に少量飛ぶ1 月の花粉数とは上にありますように有意の相関が見られて 1 月の花粉数が多いと患者の立ち上がりが早くなるという傾向があります ここにはグラフを出していないのですが 1 月の花粉数というのは1 月の患者数とは全く相関が見られません ですから 1 月の花粉数というのは患者を発症はさせないけれども過敏性を亢進させているという可能性が考えられるのではないかと思います その次です その次ページ 表 3は 今度は逆に患者の終息の時期が花粉数とどういう影響があるかと これは当然といえば当然ですが 花粉が多ければ終息がおくれるという傾向が見られます ただし スギとヒノキに分けますと スギには相関があるのですが 図 14というのはヒノキの総花粉数と患者終息時期ですが これはpが4% ぐらいだから辛うじて5% にはなっていますが そんなにいい相関ではない スギのほうが関係していると これは見ていただくと 今年の平成 30 年のヒノキの相関がすごく上に飛んでしまっていますので こういうデータはこういう統計的にはどうやって処理をするか もう一度星山先生と相談しないといけないかなと思います あと最後 参考資料になります これは今までお話しした患者調査とは違うのですが 毎年ここのところで10 年目になりますけど シーズンが終わった後にカルテから調べたもので そこにあります上の15と16です 15が今年 16が去年で まず花粉数が棒グラフであるのとピンクがその花粉の累積パーセントですね それと上にある紫というのは 症状があるなしにかかわらず受診した人の累積パーセントです そして 緑はカルテから調べた発症日のわかる人の発症日の累積パーセントです ブルーが症状を出してから受診した患者調査での初診の累積パーセントになります ここで幾つか見ていただきたいのは 飛散開始日それぞれ示していますが 実は飛散開始日のときには初診の患者さんが既にもうかなり出ているということですね 特に今年は比較的飛散開始日に発症した人は20% 発症していると思いますね 去年も30% ぐらいはもう飛散開始日には発症しているというのがわかります 紫の線とグリーンの線がクロスした後は ほとんど受診してきた人はもう症状が出ているということで その位置がどれくらい遅くなるかで初期治療がうまくいくかどうかがわかります なるべく早く受診して薬をもらってほしいなというのが我々の希望になってくると思います そして最後の 参考 1 というのがありますが これは平成 21 年から30 年までの これは先ほどの同じ色ですけれども ブルーというのは総患者数 要するに初診としてカ 15

ウントするしないではなく うちを受診した花粉症患者さんの総数です その中で白抜きの患者さんは初診としてカウントした患者さん そして黄色い斜線が初期治療群 すなわち症状が出る前に薬をもらった人の数です これを見ていただくと だんだん黄色のグラフが伸びてきていて初期治療が増えていったと そして 上の折れ線グラフが総患者数のうちで初診とカウントされた方のパーセントです 21 年には来た人の84% は症状が出ていますけれども 最近では6 割 ~6 割 5 分ぐらいしか症状が確認できていないという状況になっています この下の破線のパーセントが初期治療の割合になります ですから この2つの数字上と下 例えば今年の場合 64 と43を足した107% になりますから 全患者の7% は白と黄色両方に数えられているということで 初期治療をしたけど発症を確認できた人の割合です だんだんそれが少なくなっているのがわかると思います それで 過去 10 年で今年は初診は3 番目と言いましたけれども 受診患者はここで見る限りやはり過去 10 年で一番患者数としては多かったということがわかると思います 今年患者数が少なかったのは ヒノキがすごく多かったというのが影響していて ヒノキがスギに比べて影響が少ないのか あるいはヒノキの患者さんというのはもう東京の場合は100% スギと合併していますので スギのピークのときにもう既に薬をもらってしまっているので ヒノキの時期になったら薬を持っているから来ないのか その辺はちょっともう少し検討しないとわからないかもしれません 実は私 3 月の前期まで委員をやっていたのですが 3 月いっぱいで委員をやめまして 今度浅香委員が後を継いでくださるということで この患者数の調査については浅香委員に引き継いでいただきたいと思うのですが どうでしょうか 桜山会長浅香委員の引き継ぎの件は後でまたお諮りしたいと思います それでは 先ほどちょっとご説明いただいた部分もありますが 議事 (1) のエですね 花粉自動測定 予報システムの検証 について 村山委員からお願いしたいと思います 村山委員今年もたしか5 月の15 日までだと思いましたけど とうきょう花粉ネット を運用して ふだんですと新年度 4 月以降はアクセス数が急激に減るのですが 4 月の上旬いっぱいまでヒノキが物すごく多かったものですから 比較的アクセス数が多いという年になりました 先ほどちょっとご説明しましたけれども それぞれの地域に対してこの とうきょう花粉ネット で観測したものを日平均にして それをダーラムに換算したもの この数値で 16

予報の成績づけを行っていますけれども 今年はちょっと悪くて千代田で65 杉並 68 立川が55 ただ この判定自体は1ランクずれてももう外れにカウントしてしまうので 一番厳しい判定方法ですが この程度でした 特に立川が去年より大分低くなったというのが事実です その3 枚の図ですが 先ほどご説明したように 4 月上旬のその特徴的なヒノキ花粉の濃度がこの3 枚に凝縮されて 実は3 月の末から毎日のようにこんな同じような状況が続いて 普通だと例えば一番上の八王子の高濃度域あるいは多摩東部の高濃度域というのは時間とともに東に移動するか薄れていくのですが 薄れないまま次のものが西あるいは南から重なるような形で結局一日中同じようなところがヒノキ花粉が多いというのが今年の現実でした 次のページに とうきょう花粉ネット の4 月と5 月 14 日までのアクセス数ですが 4 月 13 日までずっと1 万件以上を超えています このころまでヒノキの影響でアクセス数が多くなって 4 月いっぱいずっと多い状態が続きまして 結果的には月合計 31 万件余りで さすがに5 月に入ると少なくなってくるのですが それでも5 月 14 日まででほぼ9 万 8,000 件ぐらいですから 今年の とうきょう花粉ネット のアクセス数は非常に多かった その反響も多いと 何人かから来たのですけど 4 月になるとこの赤いマークがどうしてこんなに濃いのだと言われて 現実にヒノキの花粉が非常に多かったのでそういうことになったわけですけれども こういう形で今年の とうきょう花粉ネット を終了しました 3 月末から私も報告書を書くためにずっとデータを見ていて データをコピーしたりしたのですけど 本当に全く高濃度域が動かないまま次から次へとやってくるというパターンは今年初めて見たような気がします 以上です 桜山会長ありがとうございました アからエまで各委員にご説明いただきましたが 非常に興味深いご発表だったと思います これらにつきましてご質問 ご意見等がございましたらお願いしたいと思いますが いかがでしょう 川上委員 お願いいたします 川上委員すみません 西端先生にお伺いしたいのですけれども 患者の動向調査を行うに当たって これは平成 2 年からすごく積み重ねていたり興味深いのですけれども その間に保険診療のあり方が変わったりしてかなり長期投与が可能になったと思うのですが それはこの患者数の動向には数値としては影響は受けないものでしょうか 17

西端先生まとめのところにも書いてありますけれども 最新患者が減ってきている一番の原因は長期投与なのです 昔は2 週間だったので 2 週間で必ずとりにきてくれたのが うちの場合は原則 4 週間までしか出さないようにはしているので それでもその影響は大きいと思います それと 初診患者数自体が花粉数に関して減ってきている要因もそれがあると思って 実は3 月の初めぐらいに薬をとりにきてしまうと そこで1か月出すと もう症状は出たけどまだ薬があるからいいやといって来ない人も多分増えてきているので だんだん患者数が花粉数の割に減ってきているというのは長期投与が可能になったのが一番大きいと思います 川上委員投与期間もそうですし うちなんかでも処方していて 点鼻薬が格段によくなりましたよね ですから そのあたりも最新患者が減って 今年うちの患者 小児科ですけど 花粉の飛散数の割に症状が軽いという印象があったのは ひとえにお薬が眠気が少ないものとかあるいは点鼻薬のステロイドを上手に使えたりコンプライアンスがよくなるとやはり効きがよくなるので 症状がすごく軽くなっているというような形で受診者数が大分違うかなと思うのですけど 西端先生おっしゃるとおりだと思います 私のところも15 年前ぐらい前からだんだん初期治療を局所ステロイド剤に変えているのです 今多分 8 割か9 割ぐらいステロイド先行でやっているのです 点鼻ステロイドです 悪くなったら内服を加えるというような形でやっていると 全然薬を飲まなくて症状が出なかったという人が何人も何年か前から出てきているので やはりそういう使い方のほうがいいのではないかなとは思っています ですから 治療法の変化も当然影響は出てきていると思います 川上委員花粉の数と患者数がだんだん比例しなくなってきたというか 先生の統計でも相関係数が余りよくなくなってくる一つの要因に 単なる花粉の飛散数だけでなくて治療要因が相当にこのデータに影響するのではないかなという印象を持ってお話を伺っていたのですけれども 西端先生確かに 本当はそうなるのが理想であって やはり花粉数が多いと患者数が増えてしまうということは治療がまだ100% うまくいっていないということだと思うのですけれども ただこの調査を始めたときに皆さんに言われたのは花粉数と患者数なんて関係ないよと言われたのです 要するに1 回症状が出てしまえば あとは花粉数に関係なくみんな悪いのだから そんな調査したって何も出るわけないよ と言われたのですが 18

実際にやってみるとこれだけ相関係数が高いというのは この調査をやってみるまでわからなかったと思うのです それでも やはり多い年は患者さんが多く症状が出ていますので 本当は花粉が多くても全く症状が出ないというのに持っていけるのが理想だと思うのですけれども 川上委員今後につなげるに当たって今まで全く診断されていない 全くの未診断という 本当の初診 初発の患者さんと既にあなた花粉症あるわよとわかっている人とちょっと分けて統計をとってみたほうが花粉数と相関性がよくなるのでないかなという気がするのですが 西端先生今の分けてそういう数字を出すというのが 花粉の診療中にやっているのでなかなか難しいのですが ただ今回はカルテで調べて今年初めて発症した人というのは別にわかるようにしてデータとしては送って 今回出してはいただいてないですけど 初発者が何人いたかというのは調べれば何年かはさかのぼってわかるかもしれません 川上委員ありがとうございました 桜山会長弘岡委員 お願いします 弘岡委員私は 800 人ぐらいの花粉症の患者さんを診ていて アレルギー科として診ておりまして 大人の患者さんが多いのですけど 減感作治療を割と25 年ぐらいまえからやっております スギの免疫療法ですね 昨日数えましたら127 名の人にやっていますから 16% ぐらいやっているのです 非常に有効な治療で 重症だった人とかそういう人もマスクだけで大丈夫とか そうなっている人がすごく多いのです 今度気づいたことは 減感作でスギはよくなっているのです ところが 3 月の下旬から4 月にかけてまたわあっとひどくなって 先生 これ絶対ヒノキなんです ということを言う人が私の場合は目立ちました そして もう少しヒノキに注目していきたいというか ヒノキの ちょっと大久保先生がいたらお聞きしたいと思ったのですけど 患者さんからの要望で何でヒノキの減感作療法 免疫療法がないのだということを長年言われていたのですけど 今年は特に言われまして スギがこんなに効いているのにヒノキですごくひどくなってしまうのでということで ヒノキの抗原免疫療法というのを強く患者さんは望まれているのではないかという やはり先生 多いときにヒノキで見やすいですね スギでひどい人はコントロールしていますから ヒノキ 今年極端に多かったですよね 例えばスギを除いて 遠藤先生の統計だとスギが75 個ぐらいだと 800 個とか 何かもう10 倍以上みたいなヒノキが散 19

っているときがあって 患者さんをずっと診ているとやはり多いときにひどいですね 相関が その人はもうスギの治療はしているのですけど していないのです 減感作でマスクぐらいだった 飲んでいない人が多いですね だからひどくなったのだと やはり抗原数とすごく一致して 臨床症状すごくひどかったです 西端先生どうもありがとうございます 私のところも舌下免疫を今 40 人ぐらいやっているのですけど そういう人たちから言われたのが 今年は本当にスギは楽だったのだけどヒノキはだめで 逆にスギがこんなに効いているのだというのが初めてわかったと 薬がなくてもいけているけど ヒノキになったら薬がないとだめという 逆にいうと まだ私のところは 今年で1,600ぐらいでしたか そのうちで20 例ぐらいしかやっていないので スギで薬を出してしまっているので その薬がずっとヒノキのときまであるからヒノキのときにばんと上がらなかったのかなというのはあるかもしれない だから 逆に減感作をいっぱいやっている先生は これだけヒノキが多いと今度はそこがピークになってパニックになる可能性があるかなという気はします 桜山会長きょうの発表でありましたけど ヒノキがこんなに多かったというのが今まで余りなかったと思いますので 今後例えば毎年毎年ヒノキが多くてヒノキの患者さんが増えてくれば当然次のことも 今弘岡委員がおっしゃったようなことが問題になってくると思いますが 何か今の各委員のご質問などを踏まえて追加とかございますか 井上委員 お願いします 井上委員ヒノキのことが非常に問題になって ちょっと横山先生に聞きたいのですけれども 日本全体でいったらスギの木の量とヒノキと今どのようになっているのか あるいは関東周辺 それから樹齢とか その辺はどうなっているのでしょうか 横山委員日本全体で見ますと 花粉を非常にたくさん出し始める樹齢 専門用語では林齢といいますが 30 年に到達したスギはもう10 年ぐらい前からそうですが ヒノキがここのところ急にそういうレベルに達する面積が増えておりまして そのこともこの背景にあるのだろうと思いますね ヒノキの花粉を生産できる状態になっていってきたというのが大きくきいていると思います 井上委員ヒノキの植林面積は増えているのですか スギのほうは減ってきて 横山委員面積そのものは増えてはいないです スギもヒノキも その同じヒノキ林の 20

面積の中で花粉を生産し得る年齢に達したヒノキの割合が8 割ぐらいだったですか そのぐらいになっていると 井上委員ヒノキのほうは成長が遅いのですか スギに比べて 横山委員 10 年ぐらい遅いし ヒノキがたくさん植えられたというのがスギより遅いという両方が関係していたと 井上委員まだヒノキは全体としては増えているところがあるのですか 横山委員いえ もうこれ以上はふえないと思いますね ヒノキのほうもそうですし 花粉を生産できるだけの年齢に達しているヒノキ林の割合というのはもうちょっと上がりますけど もうほぼピークに近いだろうと思います 桜山会長横山委員 そうすると 今年のような状況は来シーズンも同じようにヒノキが多い可能性は高いと 横山委員はい 気象条件によってはそうなる可能性があります ただし 2 年連続してということは今までの経験からだとないわけですし 花芽をつくるヒノキの木の葉っぱの状態とか そういうのから見ても連続というのはまずないであろうと思います 桜山会長ありがとうございました 弘岡委員 どうぞ 弘岡委員佐橋先生にちょっとお聞きしたいと思うのですけど 本当にヒノキに今年は懲りまして 本当に臨床医としてはヒノキの免疫療法とか そういうのがどこまで研究が進んでいるのかわからないのですが どうして進まないのかわからないし やっているのでしょうか 大久保先生に聞きたいと思うのですけど ですから 先生にお聞きしたいのは スギとヒノキの樹木としての特徴とか花粉としての特徴というか そういうものは何かすごく違いがあるのでしょうか ヒノキをもうちょっとスギと同じように研究して治療につなげるというか スギ スギと言われていてヒノキがちょっと片方に追いやられていたような気がして 今年はとにかくひどいと思ったので そういう治療に同じ関心を持って免疫療法なんかにつなげられないかなと思って 何か特徴があるのでしょうか 佐橋委員まず スギとヒノキの花粉の形態的な特徴ですけれども スギは遺伝子による解析が進んで ヒノキの仲間であるということがわかっているのです だから スギもヒノキも兄弟同士なのです 実は花粉の中身もそう変わってはいないと思うのですけれども 個々に遺伝子レベルで調べればもちろん違いは出てくるわけですが 花粉の形態そのものは電子顕微鏡で見る限りは 外部形態に多少違いがありますね ヒノキは突起がない 21

し それから体積ですね 内容量も5µ 以上違いますので 体積で比べればもっと違いが出てくるわけです だから 一つ一つの花粉の持っているたんぱくの量なんかもヒノキのほうが少ないでしょう ですから 同じ花粉数が飛んだとしますと 花粉症を引き起こす物質の量は恐らくヒノキのほうが1 個当たりは少ないですから 同じ数飛んだらスギのほうが症状は悪くなるだろうと思います ただ 今までわかっていることは スギは非常に品種によって抗原の量がかなり違うこともわかっています だから 全ての花粉が同じ量の蛋白質を持っているのではないので なかなか花粉の量だけで患者さんの症状の発症は全く同じに出るかどうかというのは非常に疑問だと思います 弘岡委員スギとヒノキの花粉の共通抗原性というか 免疫的に共通抗原性があるからスギに減感作をしていればヒノキにもある程度効くと昔言われていたのですけれども 私の印象では今回なんかはそういう感じがしないのです スギにすごく効いている人でもヒノキにはだめだということがあるので そういうことは研究されているのでしょうか 形態だけでなくて抗原性ですね 共通抗原性というのがどのぐらいあるかとか そういうことはどうなのかなと思って そこを 佐橋委員私はアレルゲンについては深く研究しておりません ここでは話はできないのですけれども 一応スギとヒノキの症状を発症するメインの抗原物質 そういったものはもうわかっていて 当然それはスギとヒノキでは違うことはわかっているはずですね 弘岡委員似ているところもあるのですか 佐橋委員もちろん似ているところもあるのです ですけれども アレルゲンには別な名前がついておりますね ですから アレルゲン物質 ( 糖タンパクなど ) が多少異なるので発症においては全く同じく出るということはないのだろうと思います まだ純粋なヒノキの患者さんというのが報告されていませんよね その辺が非常にネックになっているのではないかと思いますね 弘岡委員 1 人もいませんね ヒノキだけになってスギにないという人は何千人私は診ていると思いますけど 1 人もいないです 佐橋委員なぜそれができないのかというのが 非常に疑問でもありますね 弘岡委員スギの花粉症の 7 割ぐらいがヒノキになります ヒノキに花粉症があります 22

桜山会長ありがとうございました 横山委員 何かご追加ありますか 今ので よろしいですか ちょっと予定の時間も来ておりますので (1) に関しましてはこの辺でちょっと討議を一旦終わらせていただきたいと思いますが 先ほど西端先生から患者動向調査について浅香委員に引き継ぎたいというご提案がございました 皆様 よろしゅうございましょうか 特にご異議がないようでしたら 浅香委員に引き継いでいただきたいと思います よろしくお願いいたします (2) 平成 30 年度スギ ヒノキ花粉飛散状況のまとめ 桜山会長それでは 議事の (2) に移ります 東京都のスギ ヒノキ花粉飛散状況のまとめについて 事務局から資料 5について説明をお願いいたします 小林健康危機管理情報課環境情報担当主任資料 5につきまして 事務局の小林のほうから説明させていただきます 資料 5をご覧ください 東京都のスギ ヒノキ花粉飛散状況のまとめ でございます こちらのほうですけれども 今シーズンの検証をするにあたりまして 花粉観測結果の多摩地域の閉庁日の部分は 閉庁日初日の前日の観測結果を 閉庁日初日の前日と閉庁日分の合計日数で割った等分処理を行っております まず最初に 花粉飛散状況 患者動向調査等 というところで 1 番目 平成 30 年春のスギ ヒノキ花粉の飛散数測定についてです (1) は 表 1 2 また図 1 4のほうをご参照ください スギ ヒノキ合計花粉数の平均ですけれども 1 万 3,260 個でした これは昨春の約 4.1 倍でございまして 過去 10 年間では2 番目に多い飛散数でございます 過去 1 0 年平均と比べますと 約 2.4 倍という結果でございました (2) こちらは表 1 図 1をご参照ください スギ ヒノキ別の飛散花粉数の平均ですけれども 昨春と比べましてスギは約 2.5 倍 ヒノキは約 10.4 倍でございました 過去 10 年間の平均と比べますとスギは約 1.5 倍 ヒノキは約 5.9 倍でございました (3) こちらは図 1をご参照ください ヒノキの飛散花粉数の平均ですけれども 6, 550 個でございました スギ ヒノキ合計と比べますと ヒノキが約 5 割を占めている状況です 過去 10 年間では ヒノキの飛散花粉数が全体に占める割合は大体 1 割 ~4 割 23

の範囲でありまして それらを平均しますと大体 2 割程度でございました (4) 表 2 図 2をご参照ください 飛散花粉数が多い日 これは1 日に30 個以上花粉が飛散した日ですけれども 区部では47 日 これは昨春より9 日多い結果でございました また多摩部ですけれども 41 日となり 昨春より14 日多い結果でございました 2 飛散開始日予測等の検証 についてです (1) 図 3をご参照ください スギ花粉の飛散開始日は区部の4 地点及び多摩部の3 地点で 2 月 14 日でした それ以外の地点では2 月 15 日 ~19 日の間で飛散が確認されております (2) 当初の予測と比べますと 7 地点が予測の範囲内での飛散開始となっております ここでいう 当初の予測 というのは 図 3にございます2 月 10 日 ~14 日までのピンク色がついている部分になります 3. シーズン総飛散数予測等の検証 ということでまず(1) シーズン総飛散予測 についてです アは 表 3 図 4をご参照ください 都全体の飛散花粉数の平均は1 万 3, 260 個でした これは予測の2.1 倍の結果でございました イは 表 3と図 5をご参照ください 地域別に見ますと 区部では予測の約 2.4 倍 多摩部では予測の約 2 倍の飛散数であり 飛散花粉数は都内 12 地点の全てで予測を上回りました 次に ウです 飛散花粉数が予測を上回った主な原因ですけれども ヒノキが総飛散数の約 5 割を占めていたということが挙げられます 予測との誤差がヒノキ花粉によって大きくなっているということが今回の検証でわかりました また ヒノキ花粉が多く飛散した原因としまして ヒノキの雄花細胞の分化する5 月下旬から6 月上旬の日照時間が長かったことと 気象条件がヒノキ雄花細胞の成長に適していたためと推測されます (2) 飛散花粉数が 多い 以上の日数 ア 表 2 図 2をご参照ください 飛散花粉数が 多い 以上に分類された日数は 予測では区部で39 日 多摩部で42 日程度としていましたが 実際は区部で47 日 多摩部で41 日でございました イ 予測と比べますと区部では8 日多く 多摩部では1 日少ない結果でした ウ 昨春と比べますと 区部で9 日 多摩部では13 日多い結果でございました 4 花粉症患者動向調査 についてです (1) は 図 6をご参照ください 昨春と比較しますと 今春の千代田区の飛散花粉数は約 2.9 倍 初診患者数は約 1.3 倍でございました 24

(2) は 図 7をご参照ください これまでの調査で初診患者数が飛散花粉数に関連する傾向が見られておりまして 今春につきましても同様の傾向が確認されております 花粉情報提供 としまして ホームページ及びテレホンサービスによる情報提供についてです (1) は 表 4 図 8 9をご参照ください 平成 30 年 2 月から5 月における健康安全研究センターのホームページへのアクセス件数ですが 42 万 5,261 件で これは昨春の約 1.3 倍という結果でございました (2) テレホンサービスの利用件数ですが 624 件で こちらも昨春の約 1.4 倍の件数でございました (3) とうきょう花粉ネット のホームページアクセス件数ですが 92 万 3,56 3 件で 昨春の約 1.1 倍という結果でございました 資料 5の説明は 以上になります 桜山会長ありがとうございました 事務局からのまとめの説明でございましたけれども 何かございますか 先ほど委員の皆様からご説明されていたようなことのまとめだと思いますが 横山委員 どうぞ 横山委員資料 5の2ページの上のほうの文章 言葉ですが ヒノキの 雄花細胞 と書かれていますけど これは 雄花 だけのほうが 細胞 をとってしまったほうがいいと思います 普通こういう言葉は余り使いませんので 桜山会長事務局 よろしいですか 小林健康危機管理情報課環境情報担当主任ありがとうございます 雄花 に訂正させていただきたいと思います 桜山会長ほかには何かございますか 西端先生 お願いします 西端先生このヒノキが多かった理由の中に ヒノキの飛散期間中の天候の要因というのはなかったのでしょうか 特に雨が全然そのとき少なかったとか そういう傾向は 天候です ヒノキの飛散期間中の天候がヒノキの飛散に適していたというような上乗せの要因がなかったのかなと思うのですが どうでしょう 佐橋委員これは村山委員が先ほどちょっと言ったと思いますけれども 3 月の20 日以降ですね 特に23 日から1 週間以上ずっと天気が続いて しかも気温も20 前後だった 一番高いときが24 ぐらいになったと思います 日中気温が高かったということと ヒノキの開花時期が一致したこと また村山委員が説明された同じ場所に花粉がとどまったというような状況ですね 全く集中豪雨みたいに集中花粉があったような そうい 25

う状況が長く続いたために一気に飛散数が上がったと考えています 例年では最大飛散数は大体 3 月の上旬 遅くとも中旬なのです 今回は下旬のほうに来てしまっているという状況がありますけど これはやはりヒノキの想定外の飛散が最大飛散数を下旬にまで持っていったということと考えています 西端先生そうすると ここに気象条件が関係すると一言入れたほうがいいようにも思うのですけど そんなことはないのですか ちょっと私はわからないのですけど 村山委員入れるとかえってややこしくなると思います というのは 佐橋先生の説明があった図 4を見ていただくとわかるのですが 実は3 月は月としての雨量は例年よりかなり多いのです ところが 3 月の上旬から中旬にかけてはっきりしたスギのピークがありまして これが出ているということは大ざっぱな天候と矛盾するのです 3 月の下旬が天気がよかったからヒノキが飛んだと言ったら 上旬 中旬どうだといったらやはりスギがたくさん飛んでいるわけですから 余り天気にこだわらないほうがいいと思います 要するに花がたくさんできてたくさん飛んだというような簡単な説明のほうがいいと思います 桜山会長なかなか気象条件は難しいような感じがいたします 井上委員 井上委員このまとめですけれども 事実がただ羅列されていて 余り関係ない人が読んでも面白くないですね メッセージとして ヒノキが今年多かった理由 スギとヒノキの抗原性の違いとか 何かディスカッションがちょっとあれば面白いのですが 桜山会長エビデンスの問題とかがいろいろあって プレス発表は明日ですか 明日までにはちょっとそこら辺は無理かもしれませんね でも 井上委員が言われましたように多少そういうディスカッションを今後プレス発表のときに加えてもいいかもしれませんので 来シーズン以降に向けてちょっと事務局でもご検討いただければと思います 確かに事実だけを重ねるとやや面白みには欠けますけれども ほかに何かございますか よろしいですか 村山委員 お願いします 村山委員多分 プレス発表するときに質問があって 今後もヒノキ多いのでしょうかと必ず聞かれると思うのですが 先ほど横山先生が言われたように ベースとしてはスギもヒノキも林齢としては十分に成長していて 花粉を生産する能力は持っていると だから 気象条件がよければ花粉が多くなると一般にはそうなってしまうのですけど そうでなくて やはり今年みたいな大量飛散の次の年は雄花がつきにくくなりますので ベースとしては多くなっているというのが事実であって それが実際に多くなるかどうかという 26

のは夏の気象条件と前の年にどのくらい花がついたか あるいは花粉が飛んだか この関係で決まってくるので その辺は注目しているという程度に 下手に言うと 今でも私たちが物すごく批判しているのは 温暖化が進んで花粉が今の 2 倍になるとかということを言っている人がいるのですが 花粉の量というのはこれは森の大きさで決まってしまうわけですよ だから どんなに暑くなろうが日照時間が長くなろうが この森の面積自体が変わらない限りは生産量というのはもう限界があるわけで それがまず全体で限界点に来てもピークに来ていると ただし ピークに来ているから夏が暑ければ毎年多いかというとそんなことはないと 覚えていらっしゃるかもしれないけど 今年の東京の花粉量は大手の気象会社でも3 倍ぐらい量が違っているのです 一番大手の会社は2,000 個台という予想を出していて 次の準大手は4,500ぐらいかな そういうものが出ている 来年の東京の予想は絶対今年の猛暑を受けて物すごく多くなるという予想を気象会社は出すはずなのです だから そういうところをちゃんと押さえておかないと東京都が言ったじゃないかと 東京都の話によれば もうスギ ヒノキの花粉の生産量がピークに達しているから来年猛暑になればまた多くなると書かれてしまうので その辺を注意してくださいということです 桜山会長貴重なご意見だろうと思います プレス発表の後の想定問答をおつくりになるのでしょうから そこでよろしくお願いしたいと思います 花粉症の対策というのは 私の記憶によれば今から30 数年前に小平の保健所でどうも公衆衛生的なアプローチが必要ではないかということで始まって それで衛生局の当時の公害保健課でやり始めて 今いらっしゃる佐橋委員や村山委員 井上委員などもお加わりいただいてやっている あのころ 確かに雄花のつき方や何かが前年の気象条件と関係するというのはたしかこの委員会が一生懸命最初にやったことですので それを多分大手の気象会社はその表面的な部分をみてやっていると思いますので 事務局よろしくお願いしたいと思います では予定した時間も参りましたので 小林健康危機管理情報課環境情報担当主任申しわけございません 1 点だけちょっと不備がございましたので 訂正させていただきたいのですが 資料 5の2ページ目になるのですけれども 真ん中あたりに (2) のウの文章があると思います こちらの最後のほうですが 多摩部で 13 日多かった というのがあるのですが これは 14 日 の間違いでしたので 申し訳ございません 訂正をお願いいたします 27

(3) その他 桜山会長それでは 次にその他の連絡ということがあるようでございますので 事務局からお願いいたします 小林健康危機管理情報課環境情報担当主任その他の連絡ということで 資料 6をご覧ください 北区における花粉観測地点の移設について という資料でございます 北区の花粉の観測地点ですけれども これまでは北区の桐ケ丘プールという屋外プールで観測をしておりました こちらがほぼ地上の高さと同じくらいの高さで観測をしてきたのですけれども このたび北区保健所の屋上に設置の了承がとれましたので そちらのほうに移設を行いたいと思います 北区保健所は 3 階建ての建物になります 北区以外の花粉の観測地点ですが 全ての場所が建物の屋上で 3 階から4 階ぐらいの高さのところで測定をしております 今回この北区保健所のほうに移設をしますと 全てのポイントで高さの条件が大体合わせられるようになります また 保健所の周囲の状況ですとか 屋上の状況に関しましては 佐橋委員と村山委員に相談させていただいておりまして 設置する上では支障ないというご意見をいただいております 保健所の位置ですけれども 桐ケ丘プールから南東に約 2.6kmの位置になります 実際の観測開始は平成 31 年 1 月からとなります 資料 6の説明は以上になります 桜山会長ありがとうございました 資料 6について何かございますか よろしゅうございますか それでは 次回の委員会の日程について 事務局のほうから説明をお願いいたします 秋場健康危機管理情報課長次回は 平成 31 年春のスギ ヒノキ花粉飛散予測を議題の中心としまして 来年の1 月 23 日 ( 水 ) に開催したいと考えております 委員の皆様におかれましてはお忙しいところまことに恐縮ですが 飛散予測の公表等の都合もございますので 何とぞこの日程でご出席いただきますようお願いいたします 桜山会長 1 月 23 日ということだそうです 皆様 よろしゅうございましょうか では よろしくお願いいたします 予定していた時間が参りましたが 特に何かございますか よろしいですか 28

それでは 議事の進行を事務局にお戻しいたします 3 閉会 秋場健康危機管理情報課長桜山会長 どうもありがとうございました 本日ご審議いただきました結果につきまして あすプレス発表を行いたいと考えております なお この後事務連絡がございますので 委員の先生方にはこの場にお残りいただきますようお願いいたします 皆様 本日は大変お忙しい中長時間にわたり貴重なご意見などをいただき ありがとうございました これをもちまして 東京都花粉症対策検討委員会を終了させていただきます どうもありがとうございました 午後 3 時 43 分閉会 29