グラベルドレーン工法 グラベルドレーン工法研究会 グラベルドレーン工法 ( 間隙水圧消散工法 ) 概要 : 地盤中に造成した砕石柱により 地震時に発生する過剰間隙水圧を早期に消散させ 液状化を防止する 突棒 投入ホッハ ーアースオーカ ー 投入ホッパー アースオーガーケーシングパイプ ケーシンク ハ イフ グラベルドレーン 砕石ドレーン 砕石杭砕石柱 1 2 3 4 5 1
振動レベル (db) グラベルドレーン工法 ( 間隙水圧消散工法 ) グラベルドレーン工法の特徴 施工時の騒音 振動が小さく 施工機近傍においても法規上の騒音規制値 (85dB) や振動規制値 (75dB) を十分満足し 都市部での施工に適している 騒音レベル (db) ミニコンポーザー工法 100 80 60 サンドコンパクションパイル工法 騒音規制値 85dB ディープバイブロ工法締固め砕石ドレーン工法 グラベルドレーン工法砕石ドレーン工法 40 1 10 距離 (m) 100 1000 施工時の騒音 100 サンドコンパクションパイル工法ミニコンポーザー工法 80 60 40 振動規制値 75dB ディープバイブロ工法締固め砕石ドレーン工法 グラベルドレーン工法砕石ドレーン工法 20 1 10 100 1000 距 離 (m) 施工時の振動 2
グラベルドレーン工法の特徴 施工にともなう周辺地盤の変状が極めて小さいため 既設構造物近傍での施工に適している 集合住宅近傍での施工 ( 千葉県浦安市 ) 既設岸壁での施工 ( 東京都品川区 ) 構造物直近部での施工 ( 千葉県市川市 ) グラベルドレーン工法の特徴 大規模地震に対する液状化防止効果が多数実証されている 場所 地震名 発生年月 マク ニチュート 対象構造物 適用箇所等 釧路港 釧路西港 釧路沖地震 H5 年 1 月 7.8 北海道東方沖地震 H6 年 10 月 8.1 十勝沖地震 H15 年 9 月 8.0 港湾施設 ( 岸壁背面地盤等 ) 同一地点で 3 度液状化防止 八戸港三陸はるか沖地震 H6 年 12 月 7.5 穀物サイロの基礎地盤 大阪市酉島地区 兵庫県南部地震 ( 阪神淡路大震災 ) H7 年 1 月 7.2 高規格堤防 ( 盛土前 ) およ び集合住宅基礎地盤 ( 地 盤改良直後 ) 福岡市百道浜地区 福岡県西方沖地震 H17 年 3 月 7.0 高速道路 ( 掘割道路 ) の基 礎地盤 効果 3
東日本大震災で確認された液状化防止効果 千葉県浦安市集合住宅の液状化対策 ( 事例 1) 千葉県香取市小見川河川堤防の液状化対策 ( 事例 2) 事例 1 浦安マリーナイースト及び周辺部の地震後状況 グラベルドレーン施工箇所 [A] ( 液状化被害無し ) グラベルドレーン : φ500 1,800~1,850mm L=15.0~15.1m ( 平成 4 年 6 月 ~ 平成 7 年 3 月施工 [20 工区 ]) 最大加速度 :174.3gal( 防災科学技術研究所 浦安市内 ) 震度 :5 強 拡大範囲 グラベルドレーン施工箇所 [B] ( 液状化被害無し ) 境川堤防 グラベルドレーン施工箇所 [A] グラベルドレーン施工箇所 [C] ( 液状化被害無し ) 小学校周辺 グラベルドレーン施工箇所 [B] グラベルドレーン施工箇所 [D] ( 液状化被害無し ) グラベルドレーン施工箇所 [C] 周辺道路 公園 グラベルドレーン施工箇所 [D] 地図出典 : 国土地理院電子国土基本図 http://portal.cyberjapan.jp/index.html 4
周辺の液状化被害 浦安市明海地区 グラベルドレーン配置 浦安市明海地区 平面図 断面図 5
グラベルドレーン工法の効果 浦安市明海地区 グラベルドレーン施工箇所 ( 液状化の痕跡なし ) 事例 2 小見川堤防対策箇所及び周辺地域の状況 グラベルドレーン : φ500 1,000mm L=9.0m ( 平成 8 年 4 月 ~ 平成 8 年 12 月施工 [2 工区 ]) 拡大範囲 最大加速度 :310.3gal( 防災科学技術研究所 香取市内 ) 震度 :5 強 2 対策箇所 未対策箇所 グラベルドレーン施工箇所 2 (L=600m) 堤体の変形なし 噴砂や亀裂は認められず 堤体の損傷 グラベルドレーン施工箇所 1 (L=370m) 未対策箇所 堤体下端の噴砂跡 1 対策箇所 堤体の損傷 堤内地側道路の損傷 地図出典 : 国土地理院電子国土基本図 http://portal.cyberjapan.jp/index.html 噴砂や亀裂は認められず 堤体の損傷 ( 亀裂 段差の発生 ) 6
周辺の液状化被害 小見川堤防 グラベルドレーン配置 小見川堤防 断面図 7
グラベルドレーン工法の効果 小見川堤防 グラベルドレーン施工箇所 ( 液状化の痕跡なし ) 実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ) 調査箇所 北海道東方沖地震平成 6 年 10 月 4 日マグニチュード 8.1 釧路沖地震平成 5 年 1 月 15 日マグニチュード 7.8 今回の地震十勝沖地震平成 15 年 9 月 26 日マグニチュード 8.0 8
実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ) グラベルドレーン発掘による目詰まり防止確認調査 実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ) グラベルドレーン発掘による目詰まり防止確認調査 9
実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ) グラベルドレーン発掘による目詰まり防止確認調査 目視による目詰まりは認められない 実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ) グラベルドレーン発掘による目詰まり防止確認調査 グラベルドレーンφ400mm グラベルドレーン地山半径方向の通過質量百分率は一定であり ドレーン周辺から砂が入り込んでいるような傾向は認められない 10
実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ) 鉱物分析 (X 線回折 ) による 1 2 3 目詰まり防止確認調査 試料主要鉱物含有量 長石類石英リンケイ石 1 砕石相対的に中相対的に中相対的に少 2 砕石中の 2mm 以下の試料相対的に中相対的に中相対的に少 3 地山砂相対的に中相対的に多検出されず 砕石中の砂分と地山砂とは成分が異なることから ドレーン内部に地山砂の混入はないものと判断できる 実地震における液状化防止効果確認事例 1 ( 釧路沖地震 ~ 北海道東方沖地震 ~ 十勝沖地震 ) 1 西港第二ふ頭 ( 南側 ) 2 西港第一ふ頭 ( 西側 ) 3 西港第一ふ頭 ( 南側 ) 4 フィッシャーマンス ワーフ前 ( 平釧成路五沖年地一震月後 ) 液状化発生 グラベルドレーンによる対策工実施 液状化発生 グラベルドレーンによる対策工実施 被害なし 被害なし ( 平東成方六沖年地十震月後 ) ( 平成十十勝五沖年地九震月後 ) 被害なし被害なし被害なし被害なし 被害なし 被害なし 被害なし 被害なし 11
実地震における液状化防止効果確認事例 2 ( 阪神淡路大震災 ) グラベルドレーン施工箇所 実地震における液状化防止効果確認事例 2 ( 阪神淡路大震災 ) グラベルドレーン施工箇所 グラベルドレーン Φ500mm 1.8m グラベルドレーン Φ500mm 1.25m 12
実地震における液状化防止効果確認事例 2 ( 阪神淡路大震災 ) 地震にともなう地盤変状 地中変位測定データ 10m 20m 地下水位測定位置 30m グラベルドレーン施工箇所 10m 20m 実地震における液状化防止効果確認事例 2 ( 阪神淡路大震災 ) 地震時の地下水位変動 0.8m 地震発生 水位上昇は 80cm 程度に止まり 間隙水圧の上昇を抑制して液状化を防止 13
主な液状化対策工法のコスト比較 工法名振動締固め工法グラベルドレーン工法深層混合処理工法 概要 コスト比率 バイブロハンマーによりケーシングを地中へ貫入し 引抜き時に打ち戻しを行うことで材料 ( 砂等 ) を柱状に圧入する 地盤の密度を高めて ( 締固めて ) 液状化を防止する 地盤中に造成した砕石柱により 地震時に発生する過剰間隙水圧を早期に消散させ 液状化を防止する 地中に挿入した撹拌翼先端部にセメントスラリーなどの改良材を圧送し 撹拌翼の回転範囲内の軟弱土と改良材を撹拌混合させながらロッドを引抜き 円柱状に地盤を固結させて液状化を防止する 1.0 1.8 2.0 工費 1,500 円 /m 3 2,700 円 /m 3 3,000 円 /m 3 ( 格子状 ) 工費は目安値設計条件等に大きく影響されることに留意が必要 グラベルドレーン工法 ご清聴ありがとうございました グラベルドレーン工法研究会 14