我が国中小企業の課題と対応策

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一企業当たりの事業所数は 14. 事業所 ( 前年度差.6 事業所減 ) 常時従業者数 499 人 ( 前年度比.8% 減 ) 売上高は 23.4 億円 ( 同 2.9% 減 ) 製造企業の一企業当たりの売上高は 億円 ( 前年度比 3.9% 減 ) 営業利益は 1 億円 ( 同.6%

Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 30 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 30 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 30 年 1~3 月期 来期平成

Ⅱ 用語等の説明 今期の状況 来期の状況 前年同期 ( 平成 28 年 4~6 月期 ) と比べた今期 ( 平成 29 年 4~6 月期 ) の状況 前年同期 ( 平成 28 年 7~9 月期 ) と比べた来期 ( 平成 29 年 7~9 月期 ) の状況 前期平成 29 年 1~3 月期 来期平成

第2章 食品卸売業の経営指標

平成 21 年経済センサス 基礎調査確報集計結果 (2) 産業分類別 - 従業者数 ( 単位 : 人 %) 北海道 全国 従業者数従業者数 (*2 (*2 A~S 全産業 A~R 全産業 (S 公務を除く )

連絡問合先財務総合政策研究所調査統計部調査統計課 TEL ( 内線 ) 直通 財務省ホームページアドレス 報道発表 法人企業統計調査結果 ( 平成 26 年度 ) 平成 27 年 9 月

1 概 況

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 金 25, 2, 15, 12, 営業利益率 経常利益率 額 15, 9, 当期純利益率 6. 1, 6, 4. 5, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 8 社 214 年度 215 年度前年度差 ( 単位 : 億円 ) 前年

別紙2

事業所

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

結  果  の  概  要

中小企業の動向

(Microsoft PowerPoint \201y\221\3461\216l\224\274\212\372_\225\361\215\220\217\221HP\224\305\201z.pptx)

最適電源構成モデルを用いた卸電力取引市場の経済厚生の評価分析

再生可能電力の送配電・蓄電費用措置制度に関する経済的考察

H24/08/00

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

Factsheet_2018_1Q_ xlsx

経済センサス活動調査速報

2015 年 6 月 19 日 ジェトロバンコク事務所 タイ日系企業進出動向調査 2014 年 調査結果について ~ 日系企業 4,567 社の活動を確認 ~ 1. 調査目的 タイへの日系企業の進出状況については 2008 年当時の状況について ( 独 ) 中小企業基盤 整備機構が タイ日系企業進出

「法人企業統計調査」及び「法人企業景気予測調査」に関する意見交換会

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

製造業3. 東北の産業構造 ( 製造業 ) (1) 製造業 1 概況 製造品出荷額等は 16 兆 7,600 億円で前年比 6.2% の増加 平成 26 年の東北地域の製造品出荷額等は 16 兆 7,600 億円で前年比 6.2% と3 年連続の増加となった また 全国に占める割合は5.5% と前年

(Taro-\222\262\215\270\225[.A4\207B.jtd)

1999

経済センサス活動調査速報

第2部

2018年夏のボーナス見通し

6. データ集 2) 国内金融事業 1 日本保証 主要残高 貸借対照表 日本基準に基づく単体数値 ( 連結調整前 ) で作成しています ( 単位 : 百万円 ) 2015/ / / / / / /03 (a) 現金及び預金 1,

各資産のリスク 相関の検証 分析に使用した期間 現行のポートフォリオ策定時 :1973 年 ~2003 年 (31 年間 ) 今回 :1973 年 ~2006 年 (34 年間 ) 使用データ 短期資産 : コールレート ( 有担保翌日 ) 年次リターン 国内債券 : NOMURA-BPI 総合指数

年次別法人企業統計調査概要 - 平成 28 年度 - ( 金融業 保険業を除く ) Financial Statements Statistics of Corporations by Industry, Annually The fiscal year 2016 平成 29 年 9 月 1 日 S

第 2 章 我が国における IT 関連産業及び IT 人材の動向 1. IT IT IT 2-1 IT IT 大分類 A 農業, 林業 B 漁業 C 鉱業, 採 業, 砂利採取業 D 建設業 E 製造業 F 電気 ガス 熱供給 水道業 G 情報通信業 H 運輸業, 郵便業 I 卸売業, 小売業 J

( 図表 1) 平成 28 年度医療法人の事業収益の分布 ( 図表 2) 平成 28 年度医療法人の従事者数の分布 25.4% 27.3% 15.8% 11.2% 5.9% n=961 n=961 n= % 18.6% 18.5% 18.9% 14.4% 11.6% 8.1% 資料出所

ecuador

26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

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FY00 ソニー連結業績概要

製造業 ページ 303 調査対象数 1,695 調査対象数 1,541 調査対象数 971 調査対象数 464 総資本経常利益率 (%) 自己資本経常利益率 (%)

平成28年版高齢社会白書(概要版)

売上高 経常利益 設備投資前年度比の推移 ( 全産業 ( 金融業 保険業を除く )) 売上高経常利益設備投資 ( 注 ) 設備投資は平成 14 年度以降ソフトウェア投資額を含む

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

第2章_プラントコストインデックス

推計結果 - 1 -

平成22年7月30日

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目次はじめに 1. 賃金上昇動向とその要因 賃金上昇の影響 最後に はじめに CLMV RIM 213 Vol.13 No.48 51

2. 療養型病院 (1) 機能性の状況 療養型病院 施設数 ( 施設 ) 470 病床数 ( 床 ) 利用率 90.3 在院日数 ( 日 ) 92.7 入院外来比 0.52 新患率 日平均患者数 ( 人 ) 入院 外来 床当たり医業収益 ( 千円 )

現代資本主義論

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

売上高 経常利益 設備投資前比の推移 ( 全産業 ( 金融業 保険業を除く )) 売上高経常利益設備投資 40.0 % 元

スライド 0

第2部

厚生労働省告示第六十四号中小企業等経営強化法平成十一年法律第十八号第十二条第一項の規定に基づき職業紹介事業 ( ) 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指針を次のように定めたので同条第五項の規定に基づき公 表する平成三十一年三月十四日厚生労働大臣根本匠職業紹介事業 労働者派遣事業分野に係る事業分野別指

拡大する企業の「投資」

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活

2018年度の雇用動向に関する道内企業の意識調査

政策目的に対する租税特別措置等の達成目標実現による寄与 中小企業の中でも 特に規模の小さい企業においては 経理担当の人員が少なく 適時適切な経営状況の把握もままならない状況である 資金調達環境や新規顧客開拓に困難を有する中小企業においては 少ない経理体制の中で効率的な事務を行うことが非常に重要であり

( 億円 ) 売上高 ( 億円 ) 15, 1, 金 12, 8, 額 9, 6, 営業利益 売上高営業利益率 経常利益 売上高経常利益率 当期利益 売上高当期利益 1.% 8.% 6.% 6, 4, 4.% 3, 2, 2.% '13- 上 '13- 上 '13- 上 '13- 上.% 売上高につ

2017 年度決算概要 Ⅰ 年度連結業績概要 Ⅱ 年度連結業績予想 Ⅲ. 補足資料 シャープ株式会社 2018 年 4 月 26 日 見通しに関する注意事項 本資料に記載されている内容には シャープ株式会社及び連結子会社 ( 以下 総称して シャープ という ) の計画 戦略

平成22年7月30日

平成 21 年第 1 回 ( 平成 21 年 2 月 1 日実施 ) 鳥取県企業経営者見通し調査報告 目次ヘ ーシ 御利用にあたって 1 1 業界の景気判断 3 2 自己企業の売上高判断 5 3 自己企業の経常利益判断 7 4 生産数量の判断 9 5 在庫水準の判断 10 6 生産設備の規模判断 1

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第45回中期経済予測 要旨

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

タイトルを入力

事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 262, , ,075

景況 貴社の景況 平成 3 年 期の 貴社の景況判断 BSI を全産でみると 大企 中堅企は 上昇 超 中小企は 下降 超となっている 先行きを全産でみると 大企 中堅企は 上昇 超で推移する 中小企は 下降 超で推移するとなっている 貴社の景況判断 BSI( 上昇 - 下降 社数構成比) ( 単位

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事業所規模 5 人以上 (1 表 ) 月間現金給与額 産 業 ( 単位 : 円 %) 現金給与総額 きまって支給する給与 所定内給与 特別に支払われた給与 対前月増減差 対前年同月増減差 全国 ( 調査産業計 確報値 ) 278, , ,036

Microsoft Word 決算短信修正( ) - 反映.doc

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目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

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エコノミスト便り

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第 60 回法人企業景気予測調査 ( 平成 31 年 1-3 月期調査 ) 福島県の概要 平成 31 年 3 月 12 日財務省東北財務局福島財務事務所 調査要領 1. 調査の目的と根拠我が国経済活動の主要部分を占める企業活動を把握することにより 経済の現状及び今後の見通しに関する基礎資料を得ること

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雇用の現状_季刊版2014年夏号

資料2

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

10年分の主要財務データ

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The effect of smoking habit on the labor productivities

平成29年度     地域経済動向調査      調査報告書

2017(平成29)年度第1四半期 決算説明資料

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トラック運送事業の経営実態 全日本トラック協会は全国のトラック運送事業者 2,188 社 ( 有効数 ) の平成 25 年度事業報告書に基づき集計 分析した 経営分析報告書 ( 平成 25 年度決算版 ) をまとめた 全日本トラック協会が平成 4 年度から発行しているこの報告書は 会員事業者が自社の

平成27年版高齢社会白書(全体版)

労働力調査(詳細集計)平成24年平均(速報)結果の要約

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Ⅰ 調査目的 総合研究所では 新規開業企業の実態を把握するために 1991 年から毎年 新規開業実態調査 を実施し 開業時の年齢や開業費用など時系列で比較可能なデータを蓄積すると同時に 様々なテーマで分析を行ってきた 今年度は 高齢化が進展するなか開業の担い手として注目を集めているシニア起業家 (

別 前年同期比増減率 単位 : 社 % 母集売上高経常利益純利益集計団 18/3 期従来 19/3 期 18/3 期従来 19/3 期 18/3 期従来 19/3 期社数社数実績予想予想実績予想予想実績予想予想 繊維製品

Transcription:

資料 3 我が国中小 小規模企業を取り巻く環境と現状 平成 24 年 月 8 日 中小企業庁

本資料は 第 回法制検討ワーキンググループでの 2000 年以降の中小企業を取り巻く環境についての分析を行う必要があるのではないか との委員のご指摘等を受けて 経済社会環境の中長期的な動向 中小 小規模企業の財務 経営を中心とした状況をまとめたもの

目次. 中小 小規模企業を取り巻く経済社会環境 p. 2. 中小 小規模企業の位置付け 重要性 p.7 3. 中小 小規模企業が抱える諸課題 p.0

. 中小 小規模企業を取り巻く経済社会環境 ( ポイント ) 中小 小規模企業を取り巻く経済社会環境は 以下に見られるような状況 我が国の生産年齢人口及び総人口はピークアウトし さらなる減少が見込まれている 我が国の所得水準は 90 年代以降横這い傾向 長期化する需要停滞とデフレ 90 年以降 需要の停滞 が経営上の大きな問題 国内を上回る海外の収益率

生産年齢人口及び総人口の推移と将来推計 生産年齢人口は 995 年の 8,77 万人をピークに減少傾向にあり 200 年でピークに比べ 63 万人の減少 また 総人口 (200 年で 億 2,806 万人 ) は 205 年には 億 2,659 万人へと減少に転ずることが見込まれている ( 百万人 ) 40 20 生産年齢人口 (5~64 歳 ) 予測値 28 27 総人口 00 80 87 8 77 87 60 40 44 20 0 950 60 70 80 90 2000 0 20 30 40 50 60 資料 : 国立社会保障 人口問題研究所 ( 注 ) 推計は中位推計値による 2

各国の一人当たり名目 GDP の趨勢 ( 中長期トレンド ) 米国 EU アジア主要国では所得水準 ( 一人当たり名目 GDP) の成長が継続 他方 我が国では 990 年代以降 所得水準の横這い傾向が続いている 一人当たり名目 GDP の趨勢 ( 各国比較 ) ( 千ドル ) 00 日本 42.5 45.9 ( 千ドル ) 00 米国 48.4 ( 千ドル ) 00 ユーロ圏 39.3 0 0 0 5.0 2.0 2.2 0. 970 75 80 85 90 95 2000 05 0 0. 970 75 80 85 90 95 2000 05 0 0. 970 75 80 85 90 95 2000 05 0 ( 千ドル ) 0 中国 5.4 ( 千ドル ) 00 韓国 22.4 ( 千ドル ) 00 シンガポール 46.2 0 0 0.9 0. 0.3 0. 0. 970 75 80 85 90 95 2000 05 0 970 75 80 85 90 95 2000 05 0 資料 : 世界銀行 ( 注 ) 各国通貨を市場レートでドルに換算している 0. 970 75 80 85 90 95 2000 05 0 3

GDP ギャップと消費者物価指数の推移 990 年代以降 実際の GDP が潜在 GDP を下回る状況が長期間継続 消費者物価も 2000 年代には前年比マイナスが長期にわたって続いている ( 前年同期比 潜在 GDP 比 %) 4 GDP ギャップ CPI 総合 ( 除く食料 エネルギー ) 2 0-2 -4-6 -8 90 9 92 93 94 95 96 97 98 99 00 0 02 03 04 05 06 07 08 09 0 2 資料 : 内閣府試算 ( 注 )GDP ギャップ =( 実際の GDP- 潜在 GDP)/ 潜在 GDP 4

今期直面している経営上の問題点 かつては 製品等ニーズの変化への対応 を経営上の問題点として挙げる企業の割合が高かったが 90 年代以降 需要の停滞 の割合が増加 ( 構成比 %) 50 45 40 35 30 25 20 5 0 5 0 35.5.9 今期直面している経営上の問題点として 需要の停滞 及び 製品 消費者 利用者ニーズの変化への対応 を一位に挙げた中小企業の割合 ( 全国 全産業 ) 需要の停滞 製品 消費者 利用者ニーズの変化への対応 7.9 35.3 9.2 4.4 45.2 3.7 4.9 808 82 83 84 85 86 87 88 89 90 9 92 93 94 95 96 97 98 99 00 0 02 03 04 05 06 07 08 09 0 2 資料 : 中小企業庁 中小企業基盤整備機構 中小企業景況調査 ( 注 ). 需要の停滞 は 製造業 ( 需要の停滞 ) 建設業 ( 官公需要の停滞 民間需要の停滞 ) 卸売業 ( 需要の停滞 ) 小売業 ( 需要の停滞 ) 及びサービス業 ( 需要の停滞 ) の合計 2. 製品ニーズの変化への対応 は 製造業 ( 製品ニーズの変化への対応 ) 小売業 ( 消費者ニーズの変化への対応 ) 及びサービス業 ( 利用者ニーズの変化への対応 ) の合計 ( 年度 ) 5

国内と海外の収益率 国内投資収益率に比べ 海外の投資収益率の方が高くなっており これが 我が国企業の海外展開の増加の要因の一つとなっていると考えられる (%) 0 9.9 9 8 国内企業の ROA 海外直接投資収益率 7 6.9 6 5 4.9 4 4. 3.3 3 3.0 2.8 0 97 98 99 00 0 02 03 04 05 06 07 08 09 0 資料 : 財務省 日本銀行 国際収支状況 財務省 法人企業統計季報 ( 注 ). 海外直接投資収益率は 直接投資収益 ( 受取 )/ 直接投資資産残高 00 2. 国内企業のROAは 営業利益 / 総資産 00 全規模全産業合計( 金融業 保険業を除く ) 6

2. 中小 小規模企業の位置付け 重要性 ( ポイント ) 中小 小規模企業の雇用 付加価値 中小 小規模企業は地域の雇用の担い手 中小企業の中には 大企業を上回る高い一人当たり付加価値額を実現している企業が多数存在 7

規模別 地域別雇用者数 三大都市圏を除く地域の雇用の約 8 割を中小 小規模企業が担っている 規模別 地域別雇用者数 (2009 年 ) ( 単位 : 人 ) ( 構成比 %) 00 中小企業 小規模企業 大企業 8.7 東京都愛知県大阪府 左記以外 計 80 60 53.8 28.5 中小企業 ( 小規模企業以外 ) 6,476,6 2,746,75 9,222,29 40.8 小規模企業 2,226,296 6,894,633 9,20,929 20 34.4 52.8 大企業 0,6,400 4,52,538 4,628,938 0 東京都 愛知県 大阪府 資料 :202 年版中小企業白書 ( 注 ) 中小企業 には小規模企業を含まない 左記以外 計 8,88,82 24,53,346 42,972,58 8

一人当たり付加価値額と平均従業者数の関係 ある一定規模までは 一人当たり付加価値額が多いほど平均的な従業者数も多くなる傾向 ただし 一人当たり付加価値額が 3 千万円を超える企業になると 付加価値額が多くなるほど従業者数は減少 その中には 多くの中小企業が含まれる 一人当たり付加価値額と平均従業者数 (200 年全産業 ) ( 平均従業者数人 ) 32 ; 24 00 0 ; 7 37 ; 3 52 ; 6 67 ; 35 82 ; 32 2 ; 27 42 ; 28 ; 6 0 0 00 ( 一人当たり付加価値額百万円 ) 資料 : 中小企業庁 中小企業実態基本調査 企業活動基本調査 再編加工 ( 注 ). グラフ中の数字は左が一人当たり付加価値額を 右が平均従業者数を示している 2. 平均従業者数とは 横軸の一人当たり付加価値額の各区間に含まれる企業の従業者数の合計を当該企業数で除したものである 3. 農林水産 鉱業 不動産関連 金融関連 電気 ガス 水道関連 放送関連の各業種は含まない 4. 付加価値額は 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費 + 労務費 + ( 売上原価中の ) 減価償却費 + 人件費 + 地代家賃 + ( 販売費 一般管理費中の ) 減価償却費 + 租税公課 5. 企業活動基本調査の調査対象企業は従業者数 50 人以上かつ資本金 3 千万円以上の会社である 6.Yoshikawa,Iyetomi,Aoyama Equilibrium Distribution of Labor Productivity, RIETI Discussion Paper Series2-E-04 を参考に作成 9

3. 中小 小規模企業が抱える諸課題 ( ポイント ) 中小 小規模企業の経営指標 中小 小規模企業の収益力 財務安定性及び労働生産性指標は 従業者数規模が小さい企業で特に低くなっている 0

従業者規模別にみた中小企業の収益力 売上高営業利益率は 製造業等 卸売業等とも従業者数 0 人以下では 半数以上の企業がマイナス ( 営業赤字 ) となっている 売上高経常利益率でみても 0 人以下の規模で利益率が特に低い (%) 3 従業者規模別の売上高営業利益率 (200 年中央値 ) (%) 3 従業者規模別の売上高経常利益率 (200 年中央値 ) 2.2 2.9 2.6 0.9.0 0 0 0. 0.8 2 製造業 建設業 運輸業 その他 2.5 製造業 建設業 運輸業 その他 卸売業 小売業 サービス業 卸売業 小売業 サービス業 3 2.8 3 4 ~5 ~0 ~5 ~20 ~25 ~30 ~35 ~40 ~45 ~50 ~55 ~60 ~65 ~70 ~75 ~80 ~85 ~90 ~95 ~00 資料 : 中小企業庁 中小企業実態基本調査 ( 再編加工 ) ( 注 ). 法人企業 ( 甲票及び乙票 ) のみについて集計 2. 売上高営業利益率 = 営業利益 / 売上高 00 ( 人 ) 4 ~5 ~0 ~5 ~20 ~25 ~30 ~35 ~40 ~45 ~50 ~55 ~60 ~65 ~70 ~75 ~80 ~85 ~90 ~95 ~00 資料 : 中小企業庁 中小企業実態基本調査 ( 再編加工 ) ( 注 ). 法人企業 ( 甲票及び乙票 ) について集計 2. 売上高経常利益率 = 経常利益 / 売上高 00 ( 人 )

従業者規模別にみた中小企業の財務安定性 自己資本比率については 製造業等 卸売業等とも 0 人以下で半数以上の企業が 5% を下回る (%) 40 従業者規模別の自己資本比率 (200 年中央値 ) 35 30 30.0 30.0 25 20 5 4.6 3.3 0 7.3 製造業 建設業 運輸業 その他 卸売業 小売業 サービス業 5 0 2.5 5 0 ~5 ~0 ~5 ~20 ~25 ~30 ~35 ~40 ~45 ~50 ~55 ~60 ~65 ~70 ~75 ~80 ~85 ~90 ~95 ~00 資料 : 中小企業庁 中小企業実態基本調査 ( 再編加工 ) ( 注 ). 法人企業 ( 甲票及び乙票 ) について集計 2. 自己資本比率 = 純資産 / 資産合計 00 ( 人 ) 2

従業者規模別にみた中小企業の労働生産性 労働生産性 ( 一人当たり付加価値額 ) について 従業者規模の小さい企業でみると 従業者数が少ないほど労働生産性が低く ( あるいは 労働生産性が高いほど従業者数が多く ) なる傾向 ( 百万円 ) 従業者規模別の一人当たり付加価値額 (200 年中央値 ) 5.5 5.4 5.0 4.6 4.7 4.5 4.3 4.0 3.5 3.3 3.0 製造業 建設業 運輸業 その他 2.8 卸売業 小売業 サービス業 2.5 2.0 ~5 ~0 ~5 ~20 ~25 ~30 ~35 ~40 ~45 ~50 ~55 ~60 ~65 ~70 ~75 ~80 ~85 ~90 ~95 ~00 ( 人 ) 資料 : 中小企業庁 中小企業実態基本調査 ( 再編加工 ) 注 :. 法人企業 ( 乙票 ) について集計 2. 一人当たり付加価値額 = 付加価値額 / 従業者総数 ( 日雇い 派遣を含む ) 付加価値額 = 売上高 ( 営業収益 )- 売上原価 - 販売費及び一般管理費 + 労務費 + 減価償却費 ( 売上原価 )+ 人件費 + 地代家賃 + 減価償却費 + 租税公課 3