平成 30 年度不動産鑑定士論文式試験 ズバリ的中 民法 問題 1 (50 点 ) 一戸建て住宅 ( 以下 甲建物 という ) を所有するAは Bとの間で 甲建物を代金 1,000 万円でAがBに売却する旨の契約 ( 以下 本件売買契約 という ) を締結した 以上の事実を前提として 次の設問 ⑴ 及び⑵のそれぞれに答えなさい なお 各設問は独立した別個の問である ⑴ 本件売買契約の締結後 甲建物の引渡し 移転登記と代金の支払がなされる前に Aの火の不始末により甲建物に火災が発生し 甲建物は滅失した この場合において AとBの法律関係について 論じなさい 2018 論文直前ファイナル模試問題 1 平成 30 年 3 月 16 日に A 不動産会社はBとの間で 自社の所有する甲建物につき 引渡し及び登記の移転を同年 4 月 2 日 代金の支払いを同年 5 月 5 日とする売買契約を締結した 以上の事実を前提として 以下の各設問に答えなさい なお 各設問は それぞれ独立しているものとする ⑴ 平成 30 年 4 月 1 日に A 不動産会社の従業員 Cのタバコの火の不始末 ( 軽過失 ) によって甲建物が全焼した この場合 BはA 不動産会社に対して債務不履行責任を追及できるか 履行補助者の故意 過失で出題 2018 必修論点総ざらい講座問題 12 以下の各設問に答えなさい なお, 各設問はそれぞれ独立しているものとする また, 失火責任法については考慮しなくてよい ⑴ 個人で宅建業を営むAは, 自己の所有する甲建物をBへ売却した しかし, 後日, 甲建物の引き渡し直前にAの従業員 Cの焚火の不始末により, 甲建物が焼失してしまった この場合 Bは, Aに対して売買契約に基づく債務不履行責任を追及できるか 履行補助者の故意 過失で出題
問題 1 (50 点 ) 一戸建て住宅 ( 以下 甲建物 という ) を所有するAは Bとの間で 甲建物を代金 1,000 万円でAがBに売却する旨の契約 ( 以下 本件売買契約 という ) を締結した 以上の事実を前提として 次の設問 ⑴ 及び⑵のそれぞれに答えなさい なお 各設問は独立した別個の問である ⑵ 本件売買契約に基づき 甲建物の引渡し 移転登記と代金の支払がなされた後に Bは C との間で 存続期間を 5 年 賃料を月額 12 万円として 甲建物をBがCに賃貸する旨の契約 ( 以下 本件賃貸借契約 という ) を締結し 甲建物をCに引き渡した 本件賃貸借契約の締結から 2 年後 Cは 仕事上の都合で 1 年ほど 外国に出張することになった そこで 甲建物を不在にする間 旅行者に甲建物を使わせ 旅行者から対価の支払を受けることを考えた そして それから 1 年の間に Cは Bに無断で 合計 120 日間 さまざまな旅行者を甲建物に宿泊 滞在させ それらの旅行者から対価の支払を受けた なお 旅行者が甲建物に宿泊 滞在した際に 騒音やゴミ処理等に関して近所から苦情が来ることはなかった 本件賃貸借契約の締結から 3 年後 Bはこれらの事実を知った この場合において Bは 本件賃貸借契約を解除することができるかについて 論じなさい なお 解答に当たっては 民法以外の法律に関わる事項に言及する必要はない 2018 必修論点総ざらい講座問題 19 Aは, 自己所有の甲建物をBに一時使用でなく賃貸し引き渡した この事実を前提として, 以下の各設問に答えなさい なお各設問はそれぞれ独立しているものとする ⑴ その後,BはAに無断で甲建物を知人のCに転貸し( 期間 1 ヵ月 ), 引き渡した 転借後 Cは, 頻繁に友人を甲建物に招いては夜中まで騒ぐことが多く, 近隣からの苦情も絶えなかった この場合,AはBとの賃貸借契約を解除しうるか
問題 2 (50 点 ) Aは 甲土地及びそれに隣接する乙土地を所有しており ともにA 名義での所有権の登記がなされている 以上の事実を前提として 次の設問 ⑴ 及び⑵のそれぞれに答えなさい なお 各設問は独立した別個の問である ⑴ Bは 翌年海外駐在から帰国する予定の長男の家族と同居するために 三階建の住宅を建築するに適した土地を探していたところ A 所有の甲土地が売りに出ていることを知った Bは Aの代理人である宅地建物取引業者と交渉を行い Aに対しても上記土地利用の目的について伝えた上 1,500 万円で買い受ける旨の申込みをしたところ Aはこれを承諾し Bは代金 1,500 万円をAに支払った ところが 売買契約に先立ち Aの同席のもと宅地建物取引業者より行われた重要事項の説明が誤っており 甲土地の容積率 建蔽率ともに三階建ての住宅を建築するには不足するものであった この場合において Bは Aに対し 売買代金として支払った 1,500 万円の返還を請求したいと考えているが Bの請求の根拠を示したうえで その当否について論じなさい 2018 論文的中答練第 2 回問題 2 平成 30 年 7 月 1 日に,A は自己の所有する甲建物をBに 1,000 万円という廉価で売却 ( 以下この問において 本件売買契約 という ) した 以上を前提に, 以下の各設問に答えなさい なお, 各設問はそれぞれ独立しているものとする ⑵ 本件売買契約の背景には, 甲建物の近所に近い将来汚物処理場が建設されて環境が悪くなるので手放すなら今のうちであるという不動産業者 Cのウソがあった Aはかかるウソを真に受けて, 甲建物を Bに上記の通り 1,000 万円という廉価で売却し, 引き渡すと共に, 登記も Bに移転した その後 Cのウソに気付いたAは, 甲建物は自分が生まれ育った家であったことから, 何とかしてBから甲建物を取り戻したい 考えうるAの手段を複数挙げたうえで, その可否を論じなさい
2018 論文実戦答練第 1 回問題 1 Aは,B に騙されて, 自己の所有する甲土地の全部が市街化調整区域内に存するため予定していた建築物を建築できないと誤信し, 甲土地を時価よりも格安の代金でCに売却し, 登記も移転した 後日, 実際には甲土地の一部が市街化調整区域内に含まれているにすぎず, 予定建築物を建築できることを知ったAは, 甲土地を取り戻したいと考えている しかし,C は, すでに善意 有過失の Dに甲土地を転売し, 引渡しを済ませるとともに登記も移転していた この場合,A は,D に対し, 甲土地の返還を請求できるか 2018 分野別過去問解析 +α 答練第 1 回問題 2 Aは,B との間で,A の所有する土地 ( 以下この問において 本件土地 という ) をBに売却する旨の契約を締結した その契約によれば,AのBに対する所有権移転登記手続と同時に,B が売買代金の全額をAに支払うことになっていた しかるに,Bは, 当初より代金を支払う意思はなく, 約束の期日に代金の一部を支払っただけでAに所有権移転登記手続をさせ, 登記がBの名義となったことを確認すると直ちに本件土地をCに転売した この場合に,AがBとの売買契約を解消して本件土地を取り戻すための根拠となりうる法的主張を3つ指摘しなさい また, 各主張の当否を,Cを保護する規定の有無,Cの主観的要件(AB 間の事情についての善意 悪意 ),C の登記の有無及び消滅時効に関する規定の有無の観点から, 比較検討しつつ論述しなさい
問題 2 (50 点 ) Aは 甲土地及びそれに隣接する乙土地を所有しており ともにA 名義での所有権の登記がなされている 以上の事実を前提として 次の設問 ⑴ 及び⑵のそれぞれに答えなさい なお 各設問は独立した別個の問である ⑵ Cは 居住用の建物を立てる目的で土地の購入を計画していたところ Aと旧知の仲である Dから乙土地を紹介され Cは Aとの間で 乙土地を 代金 2,500 万円で買い受ける旨の売買契約を締結した ところが Cは当初予定していた融資が受けられなかったため 代金のうち 1,500 万円のみの支払いしかできなかった このため Aは Cに対し 乙土地の引渡しは行ったものの 移転登記は行わなかった その後も Cは資金繰りのめどが立たず 残代金の支払は行われていない Aからこのような状況を聞かされていたDは 乙土地の登記がまだCに移転されていないことを奇貨として 自己が銀行から融資を受ける際に利用しようと考え Aには決して迷惑をかけないようにするとの念書を差し入れたうえで Aから乙土地を譲り受け 登記を経由した その後 銀行との交渉が不調に終わったDは 乙土地を Eに転売することにし 登記も移転した なお 転売の時点においてEは AC 間の売買の存在については認識していなかった この場合において Cは Eに対し 不動産移転登記手続き請求をすることができるかについて 論じなさい 2018 合格基礎答練第 2 回問題 2 Aは, 自己所有の甲土地をBに売却したが,A からBへの所有権移転登記はなされていない そこで,C は,B が所有権移転登記を経由していないのに乗じて, 専らBに対して損害を加える目的でAから甲土地を譲り受け,A からCへの所有権移転登記を済ませた その後,D は, このような事情を知らずに,Cから甲土地を買い受け,CからDへの所有権移転登記を済ませた この場合, Bは甲土地の所有権の取得を,Dに対して対抗できるか
2018 必修論点総ざらい講座問題 6 以下の各設問に答えなさい なお, 各設問はそれぞれ独立しているものとする ⑴ Cは,AがB 所有の甲土地を購入したものの, いまだ移転登記をしていないことを奇貨として,Aに高値で売りつけてやろうと思い,Bから甲土地を買い受け, 登記を備えた この場合, AはCに対して登記なくして甲土地の所有権を主張できるか また,CがBから甲土地を購入した目的を全く知らずに後日 Cから甲土地を買い受けたDに対して,Aは登記なくして甲土地の所有権を主張できるか 2018 論文実戦答練第 2 回問題 1 以下の各設問に答えなさい なお, 各設問はそれぞれ独立しているものとする ⑴ Aは平成 29 年 11 月 3 日に自己の所有する甲土地につきBと売買契約を結び, 同日,BはA に対して本件売買代金の一部を支払った その際, 残代金は, 同年 11 月 10 日に甲土地の引渡し及び登記の移転と同時に支払うことが約定された ところが, 同年 11 月 5 日にAの債権者 C が裁判所にAの財産に対する差押の申立てを行ったため,Aはその差押を免れるために慌てて友人のDと通謀して甲土地を友人のDに仮装譲渡し, 引渡しを済ませるとともに登記も移転してしまった 後日 Dの存在を知ったBは, 登記なくして甲土地の所有権をDに主張できるか