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平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

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参考資料 5 ( 平成 26 年 10 月 24 日合同専門家会合第 1 回資料 4-1 より抜粋 データを最新のものに更新 ) 温室効果ガス排出量の現状等について 平成 27 年 1 月 23 日


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れまでの交渉経緯という一連のCOP/CMP 決定が採択された こQ1. 今年のカタール ドーハでの COP18 の焦点は何ですか? 今年のカタール ドーハでの COP18 では, 昨年の COP17 で合意されたダーバン合意を着実に前に進めることが重要であり,1 ダーバンプラットフォーム特別作業部会

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間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

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図表 02 の 01 の 1 世界人口 地域別 年 図表 2-1-1A 世界人口 地域別 年 ( 実数 1000 人 ) 地域 国 世界全体 2,532,229 3,038,413 3,69

1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

2(1) 総量削減義務と排出量取引制度のポイント (2010 年度 ~) 大規模事業所向け制度の主な変更点等 旧制度 ( 地球温暖化対策計画書制度 ) 新制度 ( 排出総量削減義務と排出量取引制度 ) 温室効果ガス排出量の削減対策推進義務 排出総量の削減義務と排出量取引制度の導入 計画書等の作成 提

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内の他の国を見てみよう 他の国の発電の特徴は何だろうか ロシアでは火力発電が カナダでは水力発電が フランスでは原子力発電が多い それぞれの国の特徴を簡単に説明 いったいどうして日本では火力発電がさかんなのだろうか 水力発電の特徴は何だろうか 水力発電所はどこに位置しているだろうか ダムを作り 水を

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4.1 はじめに 二酸化炭素 (CO 2 ) メタン (CH 4 ) 一酸化二窒素 (N 2 O) ハイドロフルオロカーボン (HFCs) パーフルオロカーボン (PFCs) 六ふっ化硫黄 (SF 6 ) 三ふっ化窒素 (NF 3 ) について 温室効果ガス別 部門別に 以下のとおり 2020 年度

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正誤表 ( 抜粋版 ) 気象庁訳 (2015 年 7 月 1 日版 ) 注意 この資料は IPCC 第 5 次評価報告書第 1 作業部会報告書の正誤表を 日本語訳版に関連する部分について抜粋して翻訳 作成したものである この翻訳は IPCC ホームページに掲載された正誤表 (2015 年 4 月 1

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

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番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

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2007年12月10日 初稿

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タイトル

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1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

京都議定書以降の国際枠組み

(2) ベースラインエネルギー使用量 それぞれの排出起源のベースラインエネルギー使用量の算定方法は以下のとおり 1) 発電電力起源 EL BL = EL ( 式 1) 記号定義単位 ELBL ベースライン電力使用量 kwh/ 年 EL 事業実施後のコージェネレーションによる発電量 kwh/ 年 2)

バイオマス比率をめぐる現状 課題と対応の方向性 1 FIT 認定を受けたバイオマス発電設備については 毎の総売電量のうち そのにおける各区分のバイオマス燃料の投入比率 ( バイオマス比率 ) を乗じた分が FIT による売電量となっている 現状 各区分のバイオマス比率については FIT 入札の落札案

A.3 排出削減量の算定方法 A.3.1 排出削減量 ER EM BL EM PJ ( 式 1) 定義単位 数値 4 ER 排出削減量 1 kgco2/ 年 0 t<1 年 年 t<2.5 年 年 <t EM BL ベースライン排出量 2 kgco2/

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ベトナム社会主義共和国 Socialist Republic of Vietnam

なぜ日本はODAを行うのか

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図 表 2-1 所 得 階 層 別 国 ごとの 将 来 人 口 の 推 移 ( 億 人 ) 開 発 途 上 国 中 間 国 先 進 国

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Transcription:

2009 年 12 月 11 日環境効率アワード 2009 表彰記念セミナー COP15 と環境効率の市場化 東京大学大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻 教授足立芳寛 1

国際交渉のスケジュール (2009 年 ) 気候変動枠組条約 2008 年 12 月 COP14 ( ホ ーラント ホ ス ナン ) 3/28 ~4/8 ト イツ ホ ン 次期枠組み合意に向けた交渉 条約 議定書特別作業部会 6/1 ~12 ト イツ ホ ン 8/10 ~14 ト イツ ホ ン 9/28 ~10/9 タイ ハ ンコク 11/2 ~6 スヘ イン ハ ルセロナ G 8 9/22 国連気候変動首脳会合主 ( ニューヨーク ) 要経済 4/22-24 7/8-10 国 G8 環境大臣会合 G8サミット 主要経済国フ ( イタリア フォーラム (MEF) 首脳会合ォシラクーサ ) ( イタリア ラクイラ ) ーラ東京大学大学院工学系研究科ムマテリアル工学専攻環境マネジメント工学講座 2009 年 12 月 COP15 ( テ ンマーク コヘ ンハーケ ン ) 11 月 COP15 閣僚級準備会合 ( テ ンマーク ) 2

世界全体の CO2 排出量と今後の予測 CO2 排出量 ( 炭素換算 10 億トン ) 25 ブラジル 1.2% 南アフリカ 1.2% その他 20.7% 中国 21.0% 20 今後の CO 2 排出量の予測 サウジアラビア 1.2% インドネシア 1.3% オーストラリア 1.4% メキシコ 1.5% イラン 1.6% 韓国 1.7% カナダ 2.0% EU15 ヶ国は COP3( 京都会議 ) 開催時点での加盟国数である 日本 4.3% インド 4.6% EU その他 3.7% 2007 年全世界のCO 2 排出量 290 億トン ロシア 5.5% EU 旧 15ヶ国 11.0% ドイツ 2.8% フランス 1.3% イタリア 1.5% 出典 :IEA KEY WORLD ENERGY STATISTICS 2009 を元に環境省作成 アメリカ 19.9% イギリス 1.8% 中国 米国は世界の約 5 分の 1 を排出 中国は世界最大の排出国 インド等の途上国もかなりの排出量であり 急激な経済成長に伴う増加も懸念されている 15 10 5 0 開発途上国 先進国 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 出典 : Kainuma et al., 2002: Climate Policy Assessment, Springer, p.64. 途上国 先進国 年 京都議定書第 1 約束期間後 (2013 年以降 ) の次期枠組みについては 京都議定書を批准していないアメリカや 京都議定書上 削減約束のない中国 インドなどの主要排出途上国にも東京大学大学院工学系研究科最大限の排出削減努力を促す実効ある枠組みを構築する必要 マテリアル工学専攻環境マネジメント工学講座 3

温室効果ガス安定化シナリオと気温上昇 区分 温室効果ガス安定化濃度 (CO2 換算 ppm) CO2 排出のピーク 2050 年の CO2 排出量 (2000 年比 %) 産業革命前からの 気温上昇 ( ) Ⅰ 445-490 2000-2015 -85 to -50 2.0 2.4 Ⅱ 490-535 2000-2020 -60 to -30 2.4 2.8 Ⅲ 535-590 2010-2030 -30 to +5 2.8 3.2 Ⅳ 590-710 2020-2060 +10 to +60 3.2 4.0 Ⅴ 710-855 2050-2080 +25 to +85 4.0 4.9 Ⅵ 855-1130 2060-2090 +90 to +140 4.9 6.1 出所 :IPCC 第 4 次評価報告書 4

IPCC 第 4 次評価報告書の複数の排出パス シナリオカテゴリー A-450ppm (CO 2 換算 ) 地域 2020 2050 先進国 ( 附属書 Ⅰ 国 ) 途上国 ( 非附属書 Ⅰ 国 ) 90 年比 25%~ 40% 90 年比 80%~ 95% ラテンアメリカ 中東 東アジア及びアジアの中央計画経済国におけるベースラインからの相当の乖離 すべての地域におけるベースラインからの相当の乖離 B-550ppm (CO 2 換算 ) C-650ppm (CO 2 換算 ) 先進国 ( 附属書 Ⅰ 国 ) 途上国 ( 非附属書 Ⅰ 国 ) 先進国 ( 附属書 Ⅰ 国 ) 途上国 ( 非附属書 Ⅰ 国 ) 90 年比 10%~ 30% 90 年比 40%~ 90% ラテンアメリカ 中東及び東アジアにおけるベースラインからの乖離 ほとんどの地域 特にラテンアメリカ及び中東におけるベースラインからの乖離 90 年比 0%~ 25% 90 年比 30%~ 80% ベースライン ラテンアメリカ 中東及び東アジアにおけるベースラインからの乖離 出所 :IPCC 第 4 次評価報告書第 3 作業部会報告書 5

米国下院 クリーンエネルキ ー及び安全保障法案の概要 6 月 26 日 米国下院は ワックスマン エネルギー及び商業委員長と マーキー エネルギー及び環境小委員長の提出 した クリーンエネルギー及び安全保障法案 The American Clean Energy and Security Act of 2009 と題する地 球温暖化及びエネルギー問題に関する法案を可決した 今後は上院にて審議される予定 主な内容は以下のとおり 国全体の削減目標 : 2005 年比で 2020 年に 17% 2025 年に 30% 2030 年に 42% 削減 地球温暖化対策 : 下記 3 つの措置の併用により 2005 年比で 2020 年に 28~33% 2050 年に 83% 削減可能 1 排出量取引の導入 2012 年からの導入を予定 主に発電所 製鉄所等の大口排出者を対象 全米排出量の約 85% を占めるこれらの排出源から総排出量を 2005 年比で 2020 年に 17% 2050 年に 83% 削減 2 熱帯雨林減尐の防止 排出枠収入の 5% 分を途上国における熱帯雨林保全約束履行に活用 これにより 2005 年比で 2020 年までに 10% の追加的削減が可能 3 オフセット 上記 1 の排出量取引対象者に対し 非対象者のオフセットによる排出枠増加を認容 これにより 2005 年比で 2020 年までに 5% の追加的削減が可能 CCS 推進のための規制 優遇措置の実施 2020 年以降の新設石炭火力発電所に対する CCS 利用義務付け等 排出枠収入の活用 排出量取引実施に伴う消費者保護 ( 電気 天然ガス 家庭暖房用石油料金値上がり対策 低中所得者対策等 ) 国際競争にさらされた産業 エネルギー多消費産業の保護 クリーンエネルギー 省エネルギーへの投資 国内外適応対策の推進 熱帯雨林保護 就業者支援 ジョブトレーニングの実施等 省エネルギーの促進 新たな省エネ建築 電気機器 溶融炉基準の設置等 6

欧州気候変動 エネルキ ーハ ッケーシ の概要 2008.12.17 欧州議会採択 20:20:20 目標 2020 年までに 1990 年比で 20% 削減 ( 他の先進国が相応の約束をし 経済的に発展した途上国が適切な貢献をするのであれば 1990 年比 30% 削減 ) 2020 年までに最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を 20% 以上に向上 2020 年までにエネルギー効率を 20% 向上 キャップ アンド トレード方式の排出量取引制度 (EU-ETS) EU-ETS 対象セクターで 2020 年までに排出量を 2005 年比で 21% 削減 航空分野を含め EU-ETS 対象分野を拡大 2013 年以降オークションによる排出枠割当を年々拡大 国際競争にさらされている産業部門や 1 人当たり GDP の低い加盟国の石炭火力発電所に対する配慮措置を規定 オークションによる収入の半分以上を気候変動対策に使用 非 EU-ETS 分野の加盟国の排出削減努力の分担 ( エフォート シェアリング ) 非 EU-ETS 対象セクターで 2020 年までに排出量を 2005 年比で 10% 削減 一人当たり GDP を考慮して各国間で排出削減努力を分担 二酸化炭素回収 貯留 (CCS) CCS による環境影響を防止するための法的枠組みを整備 2013 年以降 EU-ETS の下で排出源と見なさないこととし 12 の商業実証プロジェクトの建設 操業を目指す その他の主な政策 2012 年までに自動車産業全体の平均 CO2 排出量を120g/km 2020 年までに95g/km 東京大学大学院工学系研究科 2020 年までに燃料生産に伴う温室効果ガス排出量をマテリアル工学専攻 6% 環境マネジメント工学講座削減 7

中国の気候変動政策 気候変動に対する基本的な立場 共通だが差異のある責任 に基づき 気候変動の緩和のため排出削減措置をとる 地域の枠組みによる取組にも積極的に関与する 先進国はまず率先して削減行動をリードするとともに 途上国への資金提供と技術移転を確実に実施し 条約 議定書の義務を果たすべき 国際社会は気候変動への適応能力 途上国能力向上をより重視すべき 国全体の削減目標 : 2005 年比で 2020 年に最大 45% 削減 2010 年までの主な目標 (2007.6.4 中国気候変動計画より ) GDP 単位当たりエネルギー消費量を2005 年比で20% 削減 一次エネルギー供給全体に占める水力等の再生可能エネルギー比率を10% に向上 森林被覆率を20% へ向上 (2005 年は18.2%) 森林吸収源を2005 年比で0.5 億 CO2トン分増強 エネルギー生産の転換等による CO2 排出削減 (2010 年まで ) 1 水力発電の推進 (5 億トン ) 2 原子力発電の推進 (0.5 億トン ) 3 火力発電の改善 (1.1 億トン ) 4 炭層メタンの活用 (2 億トン ) 5 バイオマスエネルギーの推進 (0.3 億トン ) 6 風力 太陽光 地熱エネルギー等の開発 利用 (0.6 億トン ) 10 大省エネ事業の推進 (06~10 年 ) により5.5 億トンのCO2 排出削減を実現 1 石炭火力ボイラーの改造 2 地域のコジェネレーション 3 余熱余圧利用 4 石油の節約 代替 5 電機系統の省エネ 6エネルギー系統の改善 7 建築物の省エネ 8 環境にやさしい照明 9 政府機関の省エネ 10 省エネ監視と技術サービス体系作り 8

環境効率の市場化 : CDM( クリーン開発メカニズム ) の動向 ホスト国 ( 途上国 ) には総排出枠がない ホスト国内の特定のサイト ホスト国内の特定のサイト CER 投資国側参加者へ移転 投資国 ( 先進国 ) の総排出枠 CER 取得分が増える ホスト国側に分配 プロジェクト実施前 プロジェクト実施後 環境省 : 図説京都メカニズム第 2 版 2003 p4 9

排出量取引の国内統合市場の試行的実施について 1 試行排出量取引スキーム 企業が自主削減目標を設定 目標達成のため 排出枠 クレジットが取引可能 国内統合市場 総量目標 原単位目標など様々なオプションが選択可能 2008 年 10 月より実施 2 国内クレジット 大企業等が技術 資金等を提供して中小企業等が行った排出抑制の取組を認証 自主行動計画と整合的な目標 妥当性を政府で審査 削減量 削減目標 協働 ( 共同 ) 事業 資金 技術 国内クレジット 排出削減 C 社 ( 中小企業等 ) 実排出量 B 社 A 社 実排出量 排出量の算定 報告 検証等を実施 3 京都クレジット 海外における温室効果ガス削減分 自主参加型国内排出量取引制度 (JVETS) は 1 の参加類型の一つ 自主行動計画への反映等を通じて京都議定書目標達成に貢献 参加申請企業等参加者合計 715 社排出量取引試行協議会会員会員合計 1,304 社 (1) 目標設定参加者 521 社 ( 目標設定主体数 392) (2) 取引参加者 68 社 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻経済団体連合会 日本商工会議所が運営環境マネジメント工学講座 ) (3) その他参加者 126 社 ( 国内クレジット制度参加者 ) 試行実施の運営等について官民の関係者間で協議を行い 併せて普及 課題の抽出 評価 情報交換等を行う官民共同での組織 ( 政府及び日本 10

CDM 方法論 2009 年 6 月 24 日現在 承認方法論 65 件 統合法論 14 件 小規模方法論 45 件 植林 再植林方法論 9 件 統合植林 再植林方法論 2 件 小規模植林 再植林方法論 6 件 東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 http://www.kyomecha.org/cdm.html#method 環境マネジメント工学講座 11

方法論別プロジェクト件数 方法論番号 件数 AMS-I.D. グリッド接続の再生可能発電 549 ACM0002 再生可能資源を利用したグリッド接続発電のための統合方法論 485 AMS-III.D. 家畜糞尿管理システムにおけるメタン回収 132 ACM0004 廃ガス 廃熱利用発電のための統合方法論 112 ACM0001 埋立処分場ガスプロジェクト活動のための統合方法論 98 AMS-I.C. 利用者のための熱エネルギー ( 電力の有無に関わらない ) (ver.12 での個別詳細 ) ACM0006 バイオマス残渣からの発電のための統合方法論 58 AM0034 硝酸工場のアンモニア燃焼設備内での触媒利用による N2O 削減 43 AM0016 畜舎内家畜飼養における家畜廃棄物処理システムの改善による GHG 排出削減 AMS-II.D. 産業施設でのエネルギー効率化及び燃料転換の手法 38 その他 437 81 40 12

CDM プロジェクトの登録状況 登録済み 1836 件 2009 年 10 月 5 日現在 排出削減量予測合計 :320,848,605 トン (CO2/ 年 ) ホスト国別プロジェクト件数 ホスト国別削減予定量 ( 百万トン ) インドネシア 2% 韓国 2% チリ 2% フィリピン 2% タイ 1% その他 13% 中国 34% ナイジェリア, 4.1 インドネシア, 3.6 マレーシア, 4.4 アルゼンチン, 4.1 チリ, 4.7 メキシコ, 9.1 韓国, 14.9 その他, 28.6 マレーシア 4% メキシコ 6% ブラジル 9% インド 25% ブラジル, 20.8 インド, 36.6 中国, 189.9 登録申請中 71 件 13

UNFCCC CDM プロジェクト 指定運営組織 ( 28 のうち登録件数 10 位 ) 指定運営組織 (DOE) 名 登録フ ロシ ェクト数 リシ ェクトフ ロシ ェクト数 リシ ェクト率 DNV 780 56 6.7 TüV SüD 444 12 2.6 SGS UK 227 22 8.8 TüV NORD 94 2 2.1 Bureau Veritas Certification Holding 80 11 12.1 TüV-Rheinland Japan 43 2 4.4 Japan Consulting Institute 31 0 0.0 Spanish Association for Standarisation 20 3 13.0 JQA 17 4 19.0 KEMCO 17 1 5.6 14