TITLE OF PRESENTATION GOES HERE ESG 投資と 日本企業を取り巻く環境 投資判断に活用される ESG データとグローバルに比較される日本企業 ブルームバーグ ESG アナリスト黒崎美穂 mkurosaki3@bloomberg.net 8 DEC 2014
本日のアジェンダ 2 1. 世界の投資家の動向 2. 日本の投資家の動向 3. 投資家のESG 情報使用例 4. ブルームバーグのESG
TITLE OF PRESENTATION GOES HERE 世界の投資家の動向 >>>>>>>>>>>>>
地球温暖化問題と投資家 4 総額 826 兆円の資産を運用する投資家が今温暖化問題を投資決定プロセスに採用し始めた この変化は 2014 年の株主総会で 72 の温暖化問題に関連した議案を決議するよう株主が提案したことに象徴される 左のグラフより 毎年その数が増えていることからも関心の深さが伺える 例 )Environmental Impacts of Using Non-Recyclable Packaging 2014 General Mills, Inc. http:www.onlineethicalinvestor.org/eidb/wc.dll?eidbproc~reso~11757
世界の ESG マーケット資産残高 香港 :ESG 情報開示促進台湾 :CSR レポート義務化 米国 : SASB Source: Global Sustainable Investment Alliance, 2012 Global Sustainable Investment Review, 2012.
ESG のメインストリーム化 6 ヨーロッパの運用資産残高の 49% が ESG 投資 (2012 年時点 ) 現在の海外株主 またはターゲットにしている潜在的海外株主は ESG 投資をしている可能性が高い
年金基金の ESG 投資 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 世界年金基金 TOP200 基金のうち 46 基金が PRI 署名機関 = 運用資産総額 : 3.8 兆ドル (30%) トップ 20 基金のうち 10 機関 ( 赤字 :PRI 署名機関 ) 年金基金国資産総額年金基金国資産総額 Government Pension Investment Government Pension Fund ABP National Pension Federal Retirement Thrift California Public Employees Canada Pension National Social Security Central Provident Fund PFZW Japan Norway Netherlands South Korea U.S. U.S. Canada China Singapore Netherlands 1,221,501 858,469 415,657 405,521 375,088 273,066 206,173 205,168 200,376 196,933 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 Employees Provident Fund Local Government Officials California State Teachers New York State Common Florida State Board New York City Retirement Ontario Teachers Texas Teachers GEPF Pension Fund Association Malaysia Japan U.S. U.S. U.S. U.S. Canada U.S. South Africa Japan 182,216 179,820 172,424 164,008 146,266 143,925 132,445 119,706 117,681 117,636 運用資産総額出典 :Towers Watson, The Worlds 300 Largest Pension Funds Year End 2013, September 2014 http:www.towerswatson.com/en/insights/ic-types/survey-research-results/2014/09/the-worlds-300-largest-pension-funds-year-end-2013 7
ノルウェー政府年金基金 NORGES BANK 8 日本株は米国 英国 スウェーデンに次いで 4 番目に多く保有 ( 時価総額ベース ) 自社株に占めるノルウェー政府年金基金の保有率上位銘柄
ESG 投資家数 9 ブルームバーグ端末のユーザーの中で ESG データを活用しているユーザー数 2009 年より 300% の伸び率 弊社 サステナビリティレポート 2013 より http:www.bloomberg.com/bcause/content/themes/sustainability-2014/report/bloombergsustreport2013.pdf
TITLE OF PRESENTATION GOES HERE 国内の投資家 >>>>>>>>>>>>>
日本のスチュワードシップ コード 11 ESGメインストリーム化 スチュワードシップ コード署名機関数 署名機関名 機関数 信託銀行等 6 投信 投資顧問会社等 109 生命保険会社 17 損害保険会社 4 年金基金等 17 議決権行使助言会社等 7 合計 160 GPIF を含む 目的 : 投資家が対話を通じて企業の状況を把握し 議決権行使を行う
3 つのポイント 12 1. モニタリング ( 状況把握 ) 短期の業績だけではなく 投資先企業のガバナンス 企業戦略 業績 資本構造 リスク ( 社会 環境問題に関連するリスクを含む ) への対応など 非財務面の事項を含む様々な事項 2. エンゲージメント ( 目的を持った対話 ) 面談者 :IR だけでなく 経営層や SR(Shareholder Relationship) 内容 : 上記のモニタリングにて決定した事項 3. 議決権 投資家は環境 社会に関するリスク 非財務面の事項に関して調べ 対話にて理解を深める
ガバナンスコード 11 月 25 日付コーポレートガバナンス コードの策定に関する有識者会議 ( 第 7 回 ) 議事次第より抜粋 http:www.fsa.go.jp/singi/corporategovernance/siryou/20141125/01.pdf 13 原則 2 株主以外のステークホルダーとの適切な協働 近時のグローバルな社会 環境問題等に対する関心の高まりを踏まえれば いわゆる ESG ( 環境 社会 統治 ) 問題への積極的 能動的な対応をこれらに含めることも考えられる 原則 2-31 上場会社の取締役会は サステナビリティー ( 持続可能性 ) を巡る課題への対応は重要なリスク管理の一部であると認識し 適確に対処するとともに 近時 こうした課題に対する要請 関心が大きく高まりつつあることを勘案し これらの課題に積極的 能動的に取り組むよう検討すべきである 原則 3 適切な情報開示と透明性の確保 法令に基づく開示であれそれ以外の場合であれ 適切な情報の開示 提供は 上場会社の外側にいて情報の非対称性の下におかれている株主等のステークホルダーと認識を共有し その理解を得るための有力な手段となり得るものであり 責任ある機関投資家の諸原則 ( 日本版スチュワードシップ コード ) を踏まえた建設的な対話にも資するものである 原則 5 株主との対話 経営陣幹部または取締役 ( 社外取締役を含む ) が面談に臨むことを基本とすべきである 株主との対話全般について 統括を行い 建設的な対話が実現するように目配りを行う経営陣または取締役の指定 企業は ESG 問題へ能動的に対応し それに関する情報を開示し 経営幹部または取締役の中から面談者を指定して 投資家との対話に臨む => 経営陣が ESG 問題を理解しなければいけない
TITLE OF PRESENTATION GOES HERE 投資家のESG 情報使用例 >>>>>>>>>>>>>
1) レーティングの活用 ブルームバーグ ESG パフォーマンススコアを企業別 ポートフォリオ別などに表示し ESG パフォーマンスと財務パフォーマンスをチェック 15 Bloomberg ESG パフォーマンススコア
2) ESG 分析ツールの活用 16 スコアカードの利用により 定量的な分析を効率的に カスタマイズ可能 => 差別化 DJ Sustainability World 強み 弱み
3) ガバナンス分析ツール 17 役員交代と株価 ガバナンス評価項目 支配株主 役員報酬データ 役員報酬と業績連動 買収防衛策 ISS QuickScore
4) 水リスク分析 投資している銘柄の工場が水リスクの高い地域にあるかどうか分析可能 例 ) 日産の工場 18 水リスクデータは WRI(World Resource Institute) より提供
5)ESG データ収集 企業が様々なレポートで開示する非財務データ 環境 社会 ガバナンスデータをご確認いただけます 19
データとレポートとのリンク : データをクリックすれば 原書の該当箇所を参照できます 20 例 ) 買収防衛策の詳細 社外取締役の独立性の判断の確認など
TITLE OF PRESENTATION GOES HERE 6) 同業他社比較 21 ビジネスセグメントごとのグローバル比較が可能 ビジネスセグメントごとに分析 グローバル同業他社との ESG パフォーマンス比較表が簡単作成
7) サプライチェーンリスク 22 サプライチェーン分析ではサプライヤーのサプライヤーまで追って分析を行うことができ どのサプライヤーが依存度が高いかなども確認できます
8) 不祥事ニュースモニター 投資銘柄のリスクにかかわる情報をリアルタイムでモニター 素早い投資判断に活用 23
TITLE OF PRESENTATION GOES HERE ブルームバーグとESG >>>>>>>>>>>>>
ブルームバーグと ESG 25 基本情報 > 1981 年に従業員 4 名で発足 > 現在 世界 72 か国で計 15,000 名以上の社員が勤務 > ブルームバーグのモバイル機器向けサービスの利用者は月間 800 万人以上 > 元ニューヨーク市長のマイケル ブルームバーグが創始者 2014 年より国連の特別温暖化大使 SASB の会長も務める > 環境を含む ESG 情報を金融 経済情報と共に世界の投資家へ向けて提供 > UNGC, PRI ともに署名 2014 年より自然資本宣言に賛同 またモントリオールカーボン宣言にも署名 * 投資家 ユーザーからのリクエスト 企業としての持続性志向 Bloomberg ESG * Montreal Carbon Pledge: http:www.unpri.org/whatsnew/investors-take-montreal-carbon-pledge-to-footprint-portfolios/
ESG データ企業数 26
日本の開示のレベル 環境 : アジアの中ではトップだが グローバル比較では? 社会 : アジアの中でも最低ランク グローバル平均以下 27
TITLE OF PRESENTATION GOES HERE その他詳細はこちらまで CONTACT ESG: 黒崎美穂 mkurosaki3@bloomberg.net