各学校の奨学金説明会等における取組事例 ~ 平成 28 年度奨学金説明会実施状況調査 回答より ~ 本取組事例は 平成 29 年 2 月に実施した 平成 28 年度奨学金説明会実施状況調査 から 各学校が開催する奨学金説明会等において行われている取組から参考となる取組をまとめたものです 返還意識の涵養に加え 返還困難となった際に利用できる制度の周知など 延滞状態に陥りにくくするための様々な工夫が行われています < 目次 > 1. 学生への周知 2. 返還意識の涵養 3. 経済的アドバイス 4. 返還負担軽減策の周知 5. 学内連携 学生連絡の体制 平成 30 年 7 月独立行政法人日本学生支援機構
1. 学生への周知 平成 28 年度より 返還説明会に本学独自のスライドを使用し わかりやすさを求めた説明会を実施している また 説明会の内容を動画にまとめてホームページに掲載し 欠席者に対するフォローも行なっている さらに QR コードを利用し スマートフォン等で上記の動画を確認できるよう案内を行なっている 和歌山大学 入学式の式終了後 多数の保護者も同席しているその場で 奨学金についての基本的説明を実施している この実施によって 保護者からの電話問い合わせが激減 出願時の不備書類の説明等も保護者にスムーズに通じるようになった 今後も内容を工夫しながら実施を続ける予定である 国際医療福祉大学 リレー口座加入申込書 ( 写 ) について期限までに未提出の学生にはメール 電話等による督促をし全員提出させている 日本赤十字看護大学 進学届の間違えやすい箇所に注意書きをしたものをコピー 配布している また 貸与奨学金返還確認票に 〇年 10 月 27 日から 〇か月 ( 〇年〇か月 ) の間 毎月〇円がリレー口座に登録した口座から引落しされる とメモをつけている A 短期大学 各種手続きの内容に関する資料を学校独自で作成し 奨学生へ配布している また返還誓約書等重要書類の案内は 保護者住所へ書留等の送付手段を用いて通知し 学生本人 保護者 学校が一体となって手続きに臨めるよう努めている 沼津工業高等専門学校 1
2. 返還意識の涵養 奨学金は 貸与 であること 学生本人が貸与者であることを再認識させるために 返還誓約書に記載の 返還総額 等を確認し 貸与額が適しているのか 貸与が必要なのかを今一度家庭で話しあうよう指導している 福井県立大学 返還説明会では 返還の義務や返還金が後輩の奨学金へと循環していくこと 返還を円滑に行うことなどを説明している 口座振替の手続きは 本人及び保護者とも連絡を取り徹底させている また 返還が困難になった場合は早目に対応し放置することがないよう注意を促している 卒業時には返還についての資料を改めて配布している 神戸女子短期大学 返還説明会の最後に理解度テストを行い その答案用紙を翌年の返還開始月に合わせて本人に郵送している B 短期大学 返還意識を涵養するため まずは奨学生の自覚を再認識させ 本校卒業生の延滞率を示し 返還の際には延滞をする前に減額返還や返還猶予といった制度を利用するようすすめている 函館工業高等専門学校 奨学生証などは校長室に全員呼び出し 校長自ら手渡すと共に 奨学生としての自覚を高めるよう話をしている 旭川医療情報専門学校 貸与と返還 そして次年度への予算との結びつきを話し 返還への意識づけを行っている C 専修学校 返還できずにそのまま放置した場合 自分や連帯保証人 保証人がどのような不利益を被るかよく伝えている とにかく 困ったら日本学生支援機構にまず相談するよう伝えている 減額返還制度等については返還 DVD を見て確認させている D 専修学校 2
3. 経済的アドバイス 有利子奨学金貸与者は 利子が少なくなる方法を知りたがっているので 将来の負担を軽減する方法 ( 繰り上げ返還の活用法 ) について個別に相談にのっており 学生及び保護者から好評を得ている 群馬大学 継続手続説明会時に 初任給の一例を示し 卒業後の収支を考えて現在の貸与額を見直すように指導している他 地方公共団体等による返還支援制度の周知を行っている 島根大学 日本学生支援機構奨学金と併せて 大学独自の貸与奨学金を利用している場合の返還額を試算した表を配付し 可能であれば減額するよう促している 兵庫医療大学 授業料免除制度についても説明し 授業料免除を受けられる学生はまず免除を受け それでも足りない金額を借りるよう指導している また 初任給の金額と 1 か月にかかる生活費について説明し 月々の返還額が 1.5 万円程度でもけっこうな負担になるので 安易に借りようとせず 必要な金額のみ借りるよう指導している E 大学 授業料や施設整備費 授業料など学校でいくら支払ったのかわかる項目については 学校側で計算し一人ひとりに教えている また 卒業後の返還への意識と借り過ぎ防止を促すため 就職した際の初任給平均等の話をしている F 短期大学 借り過ぎ防止のため 希望貸与額が大きい学生に対しては貸与 返還シミュレーションを利用して併用貸与や減額等について個別に指導している 函館工業高等専門学校 初任給や将来かかる費用の話をし 貸与 返還シミュレーションの使用をすすめている また 奨学金の使い道について 本人が責任をもって把握するよう指導している 減額指導対象にはならないが 収支差が 20 万円を越えているものに関しては 面接し 本人に月額が適切か考えさせるようにしている また 返還説明会では返還終了までに どんな時に 何の手続きが必要か? ライフイベントを通してポイントを確認し 具体的にイメージできるようにしている 九州医学技術専門学校 継続願提出時に改めて収入 支出のバランスを再確認させ 開きが大きい場合は減額をすすめている 借りすぎ防止の為であることも再度伝えている G 専修学校 3
4. 返還負担軽減策の周知 辞退 退学の場合 窓口に来た学生に対しては 在学生については在学届の提出指導や 退学をして 返還が困難な場合は救済措置があることを説明し 手続きをきちんとしないと学生自身が困ることを説明している 徳島大学 DVD やホームページ スカラネット パーソナルを利用し 救済制度や手続き方法について詳しく説明している また 第二種貸与者には在学中の繰上返還を 機関保証者には繰上返還を利用することのメリットについても説明している 返還シミュレーションを利用し 説明会時点での利率で実際計算してみることにより 返還計画のイメージを持たせている 福井県立大学 在学中に返還に関する制度があることを知らせるため 本学ホームページの 奨学金について ( 奨学金制度の紹介ページ ) の記載内容に 返還について を追記した 奨学金返還相談センター の案内と 返還が難しい事情が生じた場合に利用できる制度として日本学生支援機構ホームページの減額返還 返還猶予についての紹介をリンクさせている H 大学 奨学金返還の延滞については 初回の引き落としが特に重要であるので 卒業後 機構から 8 月に送付される 奨学金返還のお知らせ 等の見本を資料として配布し この通知が届いたら返還口座と預金残高の確認をするよう説明 また 返還困難および延滞した場合の機構への連絡先 奨学金返還相談センター ( ナビダイヤル ) の電話番号を各自の携帯電話に登録することと 問い合わせ時には奨学生番号が必要であること スカラネット パーソナルからの各種届出と 機構からのお知らせ等が確認できることをまとめ資料として配布し 説明している 長野女子短期大学 進学の場合は在学猶予制度があること 返還が困難になった場合にはそのままにせず 減額返還などの制度を活用するようアドバイスしている 北九州工業高等専門学校 学生が全員女性なので返還をしていくうえで 今後予想される結婚 妊娠 出産時等で仕事が出来なくなった場合の猶予制度を特に重点を置いて説明している 池見札幌歯科衛生士専門学校 就職の機会を逸した奨学生には返還猶予手続や減額返還の手続について助言を行っている 進学予定の奨学生には進学先に提出する在学届の内容を卒業までに調えるよう指導している 愛仁会看護助産専門学校 転居や婚姻等 延滞となりがちなケースを具体的にあげて説明し 手続きや返還の重要性を理解できるよう工夫している また 繰上返還や減額返還といった制度をよく説明し 在学中や据え置き期間中の返還を推奨し 手続きのサポートをする等 できるだけ早期にスムーズに返還できるよう意識させている 大阪歯科衛生士専門学校 4
5. 学内連携 学生連絡の体制 大学より配布しているメールアドレスを卒業後 1 年を使用可能とし 学生への連絡手段として活用している I 大学 10 月返還開始者へ向けて 本学ホームページ上に返還についての依頼文書を掲載するとともに 第二種奨学金貸与終了者へは同内容の文書を送付した J 短期大学 奨学生の学籍異動や住所変更等の情報を教務担当係と連携し 情報共有している 沼津工業高等専門学校 奨学事務担当者と各学科クラス担任等との間において 奨学金を希望する新入学生等の情報を共有し 各学生が進学届の提出 申込及び採用時における事務手続きを適切かつ円滑に行えるサポート態勢を整えている 札幌医療リハビリ専門学校 今年度から情報配信システムの導入により 説明会への参加誘導がスムーズになった 長野救命医療専門学校 卒業年度の 10 月 27 日以降 奨学金の初回引落の有無を学校に連絡する事をシステム化している 昨年度の連絡状況は 90% 残りの卒業生にも連絡をとり全員の返還スタートの確認が出来た 別府大学附属看護専門学校 5