制度改正の概要について

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老齢年金の繰下げ支給に係る支給開始時期の見直し 70 歳に達した後に繰下げ支給の申出を行った場合に 年金額は 70 歳の時点で申出を行った場合と変わらないにもかかわらず 申し出のあった月の翌月以降の年金しか支払われない扱いとしていることについて 繰下げの申出を行うまでの期間の給付も行うこととする (

被用者年金一元化法

スライド 1

(差し替え)【概要】年金機能強化法

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

強制加入被保険者(法7) ケース1

第14章 国民年金 

国民年金

高齢者福祉


平成 27 年 10 月から全国市町村職員共済組合連合会 ( 以下 市町村連合会 1 ) が年金の決定 支払いを行います ~ 各種届出等の手続き及び各種相談は 今までどおり共済組合で行います ~ 平成 24 年 8 月 22 日に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部

Taro-1-国民年金編2015  作成 

強制加入被保険者(法7) ケース1

1 2

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

99321-FP知年金_-D-_[本文].indb

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

社会保障 税一体改革大綱(平成24 年2月17 日閣議決定)社会保障 税一体改革における年金制度改革と残された課題 < 一体改革で成立した法律 > 年金機能強化法 ( 平成 24 年 8 月 10 日成立 ) 基礎年金国庫負担 2 分の1の恒久化 : 平成 26 年 4 月 ~ 受給資格期間の短縮

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

Microsoft Word -

Microsoft Word ①概要(整備令)

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1

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

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強制加入被保険者(法7) ケース1

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

年金・社会保険セミナー

第9章 国民年金制度について

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

社会保障 国民年金 問題 第 3 号被保険者とは 性別を問わず 第 2 号被保険者 ( 厚生年金保険の被保険者及び各共済組合等の組合員 加入者 ) の被扶養配偶者であって 20 歳以上 60 歳未満の者である 2 第 1 号被保険者の場合は 日本国内に住所を有する必要があるが 第 2 号

【資料8】振替加算の総点検とその対応について

第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

問 28 保険医療機関等 保険医等 (1) 難度 B 64 問 29 保険医療機関等 保険医等 (2) 難度 B 68 問 30 保険医療機関等 保険医等 (3) 難度 B 70 問 31 療養の給付の一部負担金難度 C 74 問 32 入院時食事療養費難度 B 76 問 33 入院時生活療養費難度

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

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事務取扱通知

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

強制加入被保険者(法7) ケース1

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

「公的年金からの特別徴収《Q&A

年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

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0 表紙

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

260401【厚生局宛て】施行通知

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

スーパー答練 解説

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

年金・社会保険セミナー

Microsoft Word - 概要

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時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

年金・社会保険セミナー

図表 1 年金改革関連法案の概要 国民年金法改正案 ( 未成立 ) (1) 主要改正項目 2012 年度及び13 年度について 国庫は 年金特例公債 ( つなぎ国債 ) により基礎年金国庫負担割合 2 分の1と36.5%( 現在財源が手当てされている国庫負担割合 ) の差額を負担する 2012 年度

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

スライド 1

公的年金制度について 制度の持続可能性を高め 将来の世代の給付水準の確保等を図るため 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく社会経済情勢の変化に対応した保障機能の強化 より安全で効率的な年金積立金の管理及び運用のための年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し等の

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

ブック 1.indb

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

Microsoft Word - 概要

2 社会保障協定のねらい 社会保障協定とは 国際間の人的移動の活発化に伴う年金等における課題の解決 協定発効前 二重負担の課題 在ルクセンブルク日本企業勤務の日本人 厚生年金保険料の徴収 ルクセンブルク年金保険料の徴収 年金受給資格の確保の課題 ルクセンブルク年金の最低加入期間である10 年を満たさ

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Q1 社会保険とはどのような制度でしょうか 会社などで働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い いざというときの生活の安定を図る目的でつくられた制度のことで 一般的に健康保険や厚生年金保険のことを 社会保険 といいます 健康保険法第 1 条では 労働者の業務外の事由による疾病 負傷若しくは死亡又は出

平成16年年金制度改正における年金財政のフレームワーク

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2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

の合計 ( ただし 20 歳以上 60 歳未満の期間 ) なお 保険料免除期間がある場合 本人は保険料を支払っていなくても 一定の期間が分子に加算される A さんの場合 保険料納付済月数は 国民年金保険料納付済期間 35 月 + 厚生年金保険被 保険者期間 398 月 + 厚生年金保険被保険者期間

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

年金・社会保険セミナー

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

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無年金・低年金の状況等について

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Microsoft Word - 児扶法改正(Q&A)

Microsoft Word - 6 八十歳までの保証がついた終身年金

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スライド 1

再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

共済年金は厚生年金に統一されます 平成 27 年 10 月から被用者年金が一元化されます 目次 Ⅰ 被用者年金制度の一元化 2 改正の趣旨 公務員等も厚生年金に加入し 2 階部分の年金は厚生年金に統一されます 制度的な差異については基本的に厚生年金に揃えて解消します 保険料率は厚生年金の保険料率に統

150130【物価2.7%版】プレス案(年金+0.9%)

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

消費税 5% 引上げによる社会保障制度の安定財源確保 消費税率 ( 国 地方 ) を 2014 年 4 月より 8% へ 2017 年 4 月より 10% へ段階的に引上げ 消費税収の使い途は 国分については これまで高齢者 3 経費 ( 基礎年金 老人医療 介護 ) となっていたが 今回 社会保障

Ⅰ 改正について 児童扶養手当法の改正 Q&A ( 公的年金等と合わせて受給する場合 ) Q1 今回の改正の内容を教えてください A: 今回の改正により 公的年金等 * を受給していても その額が児童扶養手当の額 より低い場合には 差額分の手当が受給できるようになります 児童扶養手当 は 離婚などに

Transcription:

資料 3 制度改正の概要と対応について Ⅰ 制度改正の概要 1 年金機能強化法 平成 24 年 8 月 22 日公布 1 遺族基礎年金の父子家庭への支給 平成 26 年 4 月 ( 消費税第 1 段階施行の日 ) 施行予定 1 国民年金に加入していた配偶者 ( 夫 ) が亡くなった場合 妻に遺族基礎年金が支給されるが 改正後は国民年金に加入していた配偶者 ( 妻 ) が亡くなった場合にもその夫に遺族基礎年金を支給する 平成 23 年 3 月機構改正要望 2 受給資格期間の短縮 平成 27 年 10 月 ( 消費税第 2 段階施行の日 ) 施行予定 2 老齢年金を受け取るためには 原則 25 年の資格期間 ( 保険料納付済期間 保険料免除期間等 ) が必要となるが 改正後 はこれを 10 年に短縮する 平成 23 年 3 月機構改正要望 3 短時間労働者に対する厚生年金 健康保険の適用拡大 平成 28 年 10 月施行 厚生年金 健康保険は労働時間が週 30 時間以上ある方が加入の対象となっているが 改正後は従業員が 501 人以上の企業に勤める週 20 時間以上の短時間労働者 ( いわゆるパート アルバイト労働者 ) についても対象とする 一部平成 23 年 3 月機構改正要望 従業員 501 人以上の企業 ( 同一事業主の企業の合計 ) が適用拡大の対象となっているため その把握 判定方法等 ( 規模要件の認定日 同一事業主の範囲等 ) について 現在 厚生労働省年金局と調整を行っている 4 未支給年金の請求範囲の拡大 平成 26 年 8 月までの政令で定める日施行 年金を受け取ることができる方が亡くなった場合 まだ受け取っていない年金 ( 未支給年金 ) がある時は その方の遺族 が請求して受け取ることができるが 改正後は請求できる遺族の範囲を生計を同じくする 3 親等以内の親族 ( これまでの配

偶者 子 父母 孫 祖父母 兄弟姉妹に加え 甥 姪 子の配偶者 叔父 叔母 曾孫 曾祖父母など ) まで拡大する 平成 23 年 3 月機構改正要望 5 産休期間中の保険料免除 平成 26 年 8 月までの政令で定める日施行 育児休業中の保険料免除と同様に 改正後は産前産後休業期間中 ( 産前 6 週間 ( 多胎妊娠の場合 14 週間 ) 産後 8 週間のうち 被保険者が労務に従事しなかった期間 ) の厚生年金保険料等を免除する ( 年金給付は 休業開始前の標準報酬月額により年金額を計算する ) ( 参考 ) その他の改正事項については 別紙 1 年金機能強化法におけるその他の改正事項 を参照 2 被用者年金制度一元化法 平成 24 年 8 月 22 日公布 平成 27 年 10 月施行 公務員や私立学校教職員は厚生年金とは別の年金制度 ( 共済制度 ) にそれぞれ加入していたが これらの年金制度を厚生年金に統一する これにより 支払う保険料の率 ( 上限 18.3%) や受ける年金の額が一般のサラリーマン等と同じになり 官民格差の解消が図られる 記録の管理及び適用徴収については 従来どおり機構及び各共済組合等で行う 年金支払については 厚年被保険者期間分については機構で行い 共済加入期間分については各共済組合等で行う 年金相談や届書等の受付については できる限りワンストップサービスを実施し 全ての窓口 ( 機構及び各共済組合等 ) において対応を行う 具体的なワンストップサービスの対象範囲については 現在 関係省庁及び共済組合等と調整を行っている

3 年金生活者支援給付金法 平成 24 年 11 月 26 日公布 平成 27 年 10 月施行予定 2 所得の額が一定の基準を下回る老齢基礎年金等の受給者に 老齢年金生活者支援給付金等を支給する 所得の判定については 市町村から所得情報の提供を受けて行うことを予定しており 現在 関係省庁及び関係団体等と調整を行っている 老齢年金生活者支援給付金の給付額 : 月額 5 千円に納付済期間 ( 月数 )/480を乗じて得た額障害 遺族年金生活者支援給付金の給付額 : 月額 5 千円 (1 級の障害基礎年金受給者は月額 6.25 千円 ) ( 注 ) 所得の逆転を生じさせないよう 所得基準を上回る一定範囲の者にも支給する 4 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法 平成 24 年 11 月 26 日公布 1 基礎年金国庫負担 2 分の1 平成 24 年 11 月 26 日施行 平成 24 年度及び25 年度の国民年金保険料の免除期間について 基礎年金国庫負担割合 2 分の1を前提に年金額を計算する 国民年金保険料免除期間の年金額は 国庫負担分に連動して設定されている (20 年度 :3 分の1 21 年度 ~23 年度 :2 分の1) 2 特例水準の解消 平成 25 年 10 月施行 老齢基礎年金等の年金額の特例水準 (2.5% いわゆる溜まり分) について 平成 25 年度から平成 27 年度までの 3 年間で解消する 現在支給されている年金額は 平成 11 年から 13 年までの間に 物価が下落したにもかかわらず 年金額を特例的に据え置いた影響で 法律が本来想定している水準 ( 本来水準 ) よりも 2.5% 高い水準 ( 特例水準 ) となっている 解消のスケジュールは H25.10 1.0% H26.4 1.0% H27.4 0.5% となる

( 注 ) 1 2 の施行日は 消費税改正法 の施行日と連動して規定されているが 消費税改正法の施行は それぞれ の施行日前に経済状況等を総合的に勘案すること とされているので 消費税の引き上げが停止された場合には 1 2 の施行についても見直しが行われることになる 備考主婦年金追納法案 平成 24 年 11 月廃案 国民年金の 第 3 号被保険者記録不整合問題 に対処するため 不整合期間について 老齢基礎年金の受給資格期間に算入することができる期間とするほか 本人の希望により当該不整合期間に係る保険料を納付することを可能とすることに加え 現に年金を受給している人への配慮措置を講じる 不整合期間とは 第 3 号被保険者として記録されていた期間のうち その後 第 1 号被保険者期間に記録が訂正された期間であって 訂正時に保険料の徴収時効が成立しているものをいう

Ⅱ 制度改正への対応 平成 23 年 9 月より 日本年金機構内に制度改正 PT を発足させ事務処理内容等の検討を進め 順次 に着手し ているところ 1 スケジュール ( 別紙 2 参照 ) (1) 年金機能強化法実施時期が四段階 ( 平成 26 年 4 月 平成 26 年 8 月までの政令で定める日 平成 27 年 10 月 平成 28 年 10 月 ) に渡っているため 実施時期が早いものから事務処理の検討 に係る調達準備を進めているところであり 平成 25 年 4 月から順次に着手する予定 (2) 被用者年金制度一元化法 事務処理内容 ( 業務仕様 ) の検討を終え 平成 24 年 11 月よりに着手したところであり 並行して 残さ れた課題について 厚生労働省 各共済組合と調整を行いつつ 解決を図っていく予定 (3) 年金生活者支援給付金法 平成 25 年 10 月からの着手に向け 厚生労働省年金局と調整を行いつつ 事務処理内容の詰めを行ってい るところ

2 課題 (1) 制度の内容確定と事務処理フローの構築 ( 年金局調整 ) 事務処理フローの作成 を行うためには 細部を含めた制度内容の確定が必要 とりわけ 年金生活者支援給付金法は福祉系統の法律仕立てのため 多くの事項が政省令に委任されている ( 法律だけでは内容が不明確な事項も多く 政省令が示されないと事務処理の検討が進まない ) ( 注 ) 今回改正は これまでの大改正に比しても膨大かつ複雑であり 機構本部 ( 各部 ) 及び厚生労働省年金局の企画体制の強化が必要 (2) 関係共済組合との調整 被用者年金制度の一元化後は 日本年金機構のほか 各共済組合が厚生年金事業の実施機関として 記録の管理や年金の支払いを行うことになるため 年金の支給決定等に際して 実施機関間で正確かつ円滑な情報交換を行うことが必要 ( 例 ) 年金決定時に各実施機関の記録を通算 老齢年金の在職支給停止は 各制度の年金額を合算した後に 加入している制度の標準報酬月額を基に停止する額を決定 この停止額を基に 各制度の本来額に按分して 各制度が年金を支給 また 年金相談や届書等の受付については お客様の負担を軽減するため できる限りワンストップサービスを実施することが必要 ( 注 ) このため 機構及び各共済組合並びにその監督省庁の担当者打合せ会議 ( 原則週 1 回 ) を実施し 調整を行っているところであるが この調整を急ぐ必要がある

(3) 社会保険オンラインシステムは 大規模かつ複雑なシステムであり その修正には膨大な費用と期間を要する 今後 事務処理誤り対応や ICT 化など多くのシステム修正を並行して行う必要があるが 制度改正事項が最優先 (4) 人員増 今回の一連の改正では 対象者数の増や審査時間の増を必要とする事項が多く含まれているため 相当数の人員増が必要となる ( 注 1) 受給資格期間の短縮 短時間労働者の適用拡大 年金生活者支援給付金等においては 施行時に いわゆる たまり分 の処理を行う必要があるため 一時的にはさらに人員を必要とする ( 注 2) 年金生活者支援給付金制度は 結果として給付金の支給対象となる者だけではなく 全年金受給者 3000 万人を対象にインカムテストを行うことになる また 年金とは別給付となったため 給付決定や通知等はそれぞれ行う必要がある

( 別紙 1) 年金機能強化法におけるその他の改正事項 ( 平成 26 年 8 月までの政令で定める日施行 ) 給付関係 改正事項繰下げ支給の取扱いの見直し 国民年金任意加入者の未納期間の合算対象期間への算入 障害年金の額改定請求に係る待機期間の一部緩和特別支給の老齢厚生年金の支給開始に係る障害特例の取扱いの改善 所在不明高齢者に係る届出義務化 改正事項の概要 70 歳に達した後に繰下げ支給の申出を行った場合は 申出のあった月の翌月以降から年金が支給されるが 改正後は70 歳時点から増額された年金を支給する 国民年金の任意加入被保険者 (60 年改正 ( 基礎年金制度 ) 前のサラリーマンの妻や 60 年改正後の海外在住者など ) が保険料を納付しなかった期間については未納期間とされるが 改正後は当該期間については合算対象期間 ( いわゆるカラ期間 ) とする 障害年金の受給者の障害の程度が増進した場合 1 年の待機期間を経た後でなければ年金額の改定請求が行えないが 改正後は明らかに障害の程度が増進したことが確認できる場合には 1 年を待たずに請求を可能とする 障害等級の1 級 ~3 級に該当している者については 本人からの請求があれば請求の翌月から特別支給の老齢厚生年金の定額部分 ( 障害特例 ) が支給されているが 改正後は障害状態にあると判断されるときに遡って障害特例を支給する 年金受給者が所在不明となった場合は 親族等にその旨の届け出を行う規定がないが 改正後はその受給者の属する世帯の世帯員に対して 所在不明である旨の届け出を義務化する ( 年金支給を一時差止する ) 免除期間に係る保険料の取扱いの改善保 険料保険料免除に係る遡及期間の見直し関係付加保険料の納付期限の延長 は平成 23 年 3 月機構改正要望 国民年金保険料の法定免除に該当した場合 当該免除期間については保険料を納めることができないが 改正後は本人の申出により保険料納付を可能とする 国民年金保険料は 申出前直近の7 月以降の免除が可能であるが 改正後は過去 2 年分まで遡及して保険料を免除する 国民年金の付加保険料については 納期限日 ( 翌月末日 ) までに保険料を納付しなかった場合は 加入を辞退したとみなされるが 改正後は国民年金保険料と同様に 過去 2 年分まで納付を可能とする

制度改正の実施に向けた作業スケジュール ( 別紙 2) 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 遺族基礎年金の父子家庭への支給 事務処理の検討 26.4 施行予定 年金機能強化法 未支給年金の請求範囲の拡大等 受給資格期間の短縮 事務処理の検討 事務処理の検討 26.8 までの政令で定める日施行 27.10 施行予定 短時間労働者に対する適用拡大 事務処理の検討 28.10 施行 被用者年金一元化法 27.10 施行 事務処理の検討 関係省庁及び共済組合等との調整 年金生活者支援給付金法 27.10 施行予定 事務処理の検討 関係省庁及び関係団体等との調整