10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

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H28秋_24地方税財源

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1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

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奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

4 被災生活の環境整備主な修正概要 避難所毎に運営マニュアルを作成し 避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準等を明確にしておく 避難所運営マニュアルの作成 訓練等を通じて 住民の避難所の運営管理に必要な知識の普及に努める 県 DMAT( 災害時派遣医療チーム ) の活動終了以降の医療提供体制

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( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

防災業務計画 株式会社ローソン

☆配布資料_熊本地震検証

事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

国の法令改正等の反映近年行われた国の法令改正や防災基本計画の修正内容を反映しました 市町村が 指定緊急避難場所及び指定避難所の指定を進めることを追加 市町村が 被災者の被害状況 配慮事項等を一元的に集約した被災者台帳を作成し 総合的かつ効果的な支援の実施に努めることを追加 首都直下地震対策特別措置法

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

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熊本地震検討WG方向性について(案)

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

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目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

2. 防災拠点の代替施設の指定防災拠点施設が被災し使用不能となれば 災害対策本部等が設置できず 活動体制全体に遅れが生じ 迅速な災害対応を指揮することが困難となるとともに 災害対応以外の業務 ( 通常業務 ) を行うことも困難となるため 代替施設での対応が必要となります そのため 防災拠点施設におい

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

. ポイント 火山活動の変化を的確に検知し 迅速に登山者等に伝達できる 観測体制強化 関係機関への情報伝達迅速化 屋外放送 携帯端末 パトロールから伝達等 予測不能な突発的噴火の際 避難できる施設が整備されている 噴石等に耐えられる堅牢施設 避難すべき施設を登山者が認知等 噴火警報発表時 噴火時に登

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

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1 検査の背景 平成 23 年 3 月の東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故後 原子力防災の体制が見直され 原子力災害対策の内容が拡充されるとともに 原子力災害対策に係る施設等の整備等を実施する立地道県等に対する国の財政支援の規模が拡大している そして 27 年 8 月に九州電力株式会社

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人的応援 研修 訓練の実施 県受援マニュアル及び災害時緊急連絡員活動マニュアルを踏まえた研修 訓練の強化 () マニュアルに基づく研修 訓練県が策定する 応援職員における奈良県への受入及び市町村への短期派遣マニュアル 及び 災害時緊急連絡員活動マニュアル に基づき 災害時に役立つ実働的な訓練や研修を

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験をいかし 地域防災力充実強化計画のような形で 地方公共団体や関係団体の事業まで含む関連施策を網羅した総合計画を作成し 関係者がその実施状況を点検しながら 状況に応じて必要な修正を加えつつ 粘り強く全体を着実に実行するという いわば施策実行のシステムを確立して 地域防災力充実強化の実をあげるようにす

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

14個人情報の取扱いに関する規程

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

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第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

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目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

本ワーキンググループにおけるこれまでの検討事項

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

Transcription:

10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え 国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため 国と一丸となって国土強靱化に取り組み 防災 減災の徹底を図ることが求められている このため 住民の生命及び財産に係る被害を最小限にとどめるための地震対策等を推進していくことが必要である よって 次の事項について特段の措置を講じられたい 1 地域の国土強靱化の取組への支援国土の強靱化を確実に進めていくため 地域の実情に応じた国土強靱化地域計画に盛り込まれた事業の着実な推進が図られるよう 財政上の支援措置を講ずること また 防災 減災機能を充実させながら 沿岸 都市部 と 内陸 高台部 の資源を生かし 産業の創出 基盤整備を行い 安全 安心で魅力ある地域づくりを実現するための規制緩和や税制 財政等の支援措置を講じること 2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ沿いの地震観測 評価に基づく防災対応のあり方について ( 報告 ) で示された 不確実な地震予測に基づく情報発表時の防災対応を検討するためのガイドラインを早期に策定し 当該対応を速やかに実施するための地殻変動や地震活動の常時観測 即時の分析 評価体制を構築すること - 31 -

(2) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転 迅速な復旧 復興に必要な土地境界情報の整備及び無電柱化の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置等を講じること (3) 耐震診断が義務付けられたホテル 旅館などの大規模建築物の耐震化を促進するため 耐震化工事期間中の従業員への休業手当を対象とするよう国の雇用調整助成金の適用範囲を拡大するなど 事業者の負担を軽減するための制度改善を行うこと (4) 大規模災害時に地域防災力の中核となる消防団の充実強化を図るため 大規模災害時に限定して出動する大規模災害団員制度の導入支援や消防団活動に協力する事業所への減税措置に対する財政支援など消防団員の活動環境の整備や確保のための取組に対し 財政支援施策等を更に講じること 3 災害時における物流体制の充実 強化発災直後から 支援物資を個々の避難所まで迅速かつ円滑に輸送することができるよう 物資の発注から集荷 輸送 到着までの物流に関する情報を 国 地方公共団体及び民間物流事業者等が共有し 連携して物流管理を行う仕組みの構築を国において引き続き進めること 4 避難所運営体制の充実 強化 (1) 自主防災組織が自助 共助の機能を発揮し 市町村と適切に役割分担を行い また男女共同参画の視点に立って避難所運営ができるよう 住民の意識啓発や 自主防災組織の育成に係る財政上の支援措置を講じること - 32 -

(2) 障害者 高齢者及び乳幼児等の要配慮者の避難行動や避難生活の支援並びに福祉避難所の指定拡大及び円滑な運営体制確保のため 施設や資機材 物資の整備等に係る財政上の支援策及び福祉人材の派遣などの支援に係る制度上の整備を講じること (3) 増加する外国人へ対応するため ハザードマップや避難経路等の災害情報の多言語による発信や災害時の避難所における通訳の確保や食文化への配慮等について支援策を講じること 5 災害時における広域応援 受援体制の確立 (1) 国における広域応援の実施に対応する専属組織の設置と被災地への応援の調整 指示の一元化を行うこと (2) 都道府県と市町村が一体となって実施する広域応援 受援体制の確立に向けた支援を行うこと (3) 被災した地方公共団体の支援を実施した地方公共団体に対して その応援に要した経費の全額を国が負担する制度の創設を行うこと 6 被災者生活再建支援の充実 強化 (1) 住家被害認定調査及び罹災証明書の発行業務は 各種の被災者生活再建支援業務に不可欠であるため これらの業務に要する経費を災害救助費の対象とすること (2) 支援漏れや支援の重複を防ぐなど被災者支援を効率化するため 地方公共団体の区域を越えた広域避難等にも対応できる 被災者台帳システム の導入及び運用のための技術支援及び財政支援を行うこと (3) 被災者生活再建支援基金については 基金残高が僅少となっていることから 基金の追加拠出が必要となっており 基金 - 33 -

への都道府県による追加拠出にあたっては これまでの拠出 と同等以上の財政支援を講じること 7 火山噴火対策の充実 強化 (1) 水蒸気噴火を含め火山噴火の予兆現象を的確に把握し 噴火警戒レベルの引き上げ等の運用改善に結びつけられるよう 常時観測火山における常設の観測拠点や観測項目を増やし 観測体制の充実 強化を行うこと また 常時観測火山以外の活火山についても活動状況の変化を効果的に覚知できるような対策を講じること さらに 国からの火山関連情報を迅速かつ効果的に住民や登山者等に情報伝達できる対策を講じるとともに 平常時の活動状況についても広く周知に努めること (2) 火山研究人材の育成と確保を推進すること (3) 避難計画の策定にあたっては 国職員等を火山地域に派遣し 避難経路や避難場所の設定等に関する具体的な検討について技術的な助言を実施するなど 計画完成まで支援を継続すること (4) 噴火による広域的かつ甚大な被害が想定される火山については 住民避難が円滑かつ迅速に実施できるよう 大規模噴火を見据え 国が主体となって ハザードマップや広域避難計画の作成 改訂を行うこと また 大規模噴火に伴う降灰によって 健康被害や交通 電力などインフラへの甚大な影響が考えられることから 降灰の範囲や降灰量に応じた被害想定を行うとともに 大量降灰の除去 処分方法や資機材 処分場所の確保等の対応策を早期に検討し 進めること (5) 住民はもとより 登山者や観光客等の生命を守るため 地方公共団体及び民間が行う山小屋や登山道での携帯電話不感 - 34 -

地域の解消 Wi-Fi 環境整備 シェルターなどの避難施設や避難路の整備及びハザードマップ 火山防災マップの作成 改訂や避難訓練の実施など 実効性のある警戒避難体制の整備について 必要な技術的 財政的な支援の充実を行うこと なお 国立公園のうち特別保護地区及び第一種特別地域においては 国が避難施設等の整備を積極的に推進すること (6) 富士山や浅間山等で現在実施している直轄の火山噴火緊急減災対策砂防計画に基づく砂防事業については 着実な事業の推進を図るとともに 事業が行われていない火山についても 早期に事業化すること 8 原子力発電所の安全確保及び防災対策の強化 (1) 原子力発電施設に係る新規制基準については 徹底した福島第一原子力発電所事故の原因の究明を行い 最新の知見を 適切に規制基準に反映するとともに 新規制基準への適合性に係る審査申請に対しては 科学的知見に基づいた厳正な審査を行うこと さらに 政府の要請により停止している浜岡原子力発電所については 政府が停止要請をした文書において実施するとしている事業者の対策についての厳正な評価 確認を行い その結果を文書により提示すること (2) 原子炉の廃止措置については 厳格な審査の下 安全確保に万全を期すとともに 使用済燃料やその再処理に伴い発生する高レベル放射性廃棄物 原子炉の解体に伴い発生する廃棄物の最終処分方法を早期に確立すること (3) 原子力防災対策の基本となる原子力災害対策指針については 最新の知見を踏まえ 今後も継続的に改定するとともに 地方公共団体等の意見を適切に反映していくこと なお U - 35 -

PZ 外において必要に応じ実施するとされている防護対策について 改めて検討を行うこと また 同指針において 最も基本的な防護措置としている屋内退避について 長期に亘る場合や大規模地震との複合災害時も含め 具体的な実施方針をあらかじめ示すこと (4) 広域避難計画の策定や避難ルート等の検討 モニタリングの実施などには放射性物質の拡散を予測する情報が必要と考えられるため 拡散計算も含めた情報提供の在り方 を検討する国の分科会の報告等があったが 引き続き関係地方公共団体の意見を十分聴いた上で 具体的な検討を進め 必要な対策を講じること また 民間事業者との協力体制の確立について 民間事業者の協力 を検討する国の分科会の報告等を踏まえ 民間事業者等が原子力災害に対応する際の被ばく線量限度の法制化など 引き続き具体的な検討を進め 必要な対策を講じること (5) 広域避難計画に基づく他都県への避難を円滑に行うため 国が積極的かつ主体的に 避難先 避難経路 避難手段の確保や 避難退域時検査の体制整備 並びに避難に係る道路等のインフラの整備を行い 広域的な防災体制を整備すること 併せて 国が前面に立ち 事業者 防災関係機関 関係地方公共団体等と連携した実践的な訓練を行い 広域的な防災体制の検証を行うこと (6) 安定ヨウ素剤の予防服用体制の整備に当たり 事前配布する住民の範囲については 地方公共団体の判断を尊重し P AZの内外にかかわらず必要な支援を行うこと なお 配布体制の整備に当たっては 説明を行う医師の確保 育成や説明資料の作成等について 国の責任において十分な支援を行い 住民や地方公共団体の負担を軽減できる方法を早急に示 - 36 -

すこと (7) 地方公共団体が防災対策に要する経費については 原子力災害対策重点区域外での対策に要する経費や職員の人件費も含め 確実に財源措置を行うこと なお 原子力発電施設等緊急時安全対策交付金については 防災資機材の効率的な整備を行うため 都道府県から市町村に対する間接交付を認めるなど 運用の改善を図ること (8) 上記 (1)~(7) の措置等を講じるに当たっては 国民に対し その過程も含めて徹底的に情報を開示するとともに 説明会やシンポジウムを開催し 国民の理解を得るよう最大限の努力をすること - 37 -