建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

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働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

プレゼンテーションタイトル

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

2 低入札対策の拡充

PowerPoint プレゼンテーション

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

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Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

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A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

I. 担い手の確保 育成 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む現場や様々な取組の共有を図り 建設業の取り組む 働き方改革 を応援します 新規 1 整備局ホームページ内に 週休 2 日チャレンジサイト を開設し 週休 2 日の確保に取り組む企業 ( 工事 ) を紹介して

法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

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工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

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平成23年度第1回人材確保・育成部会

Microsoft Word - QandA-tyougai

平成 30 年 3 月 22 日 民間発注企業の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 建設業の働き方改革の推進について 政府の 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) においては 労働基準法の改正の方向性として 労使協定を結ぶ場合においても上回ることのできな

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

働き方改革推進の基本方針 平成 29 年 9 月 22 日 一般社団法人日本建設業連合会 政府は 平成 29 年 3 月 28 日に 働き方改革実行計画 を策定した 本計画では 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善 賃金引上げと労働生産性向上 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是

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社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について 1. 調査の目的 これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し 社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする 2. 調査の概要

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

事務連絡 平成 30 年 11 月 9 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 公共工事の円滑な施工確保について 公共工事の適正な入札及び契約を通じて建設業の健全な発達を図るとともに 平成 30 年 7 月豪雨や平成 30 年北海道胆振東部地震等の大規模災害からの復旧 復興の加速

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財営第   号

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

Microsoft PowerPoint 記者発表資料別添(セット)

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン改訂案 現行第 1 趣旨建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険 という ) について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未加入企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保障が確保さ

て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

p10 建設産業における社会保険加入の徹底について(提言)

他方で 下請企業を中心に保険未加入企業が存在している状況を改善していくためには 元請企業において下請企業の保険加入を指導する役割を担うことが求められる これについては 従来から 建設産業における生産システム合理化指針 ( 平成 3 年 2 月 5 日建設省経構発第 2 号 ) において 元請企業が下

プレゼンテーションタイトル

利用目的と共同利用

働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

工事の定義 1. 工事 建設業法等に定義なし 建設業法における用例 : この法律において 建設工事 とは 土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう ( 建設業法第 2 条第 1 項 ) 出典 意味 広辞苑 明鏡国語辞典 デジタル大辞泉 振動規制法 ( 昭和 51 年法律第 64 号 )

懸念事項

所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

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社会保険加入促進計画 平成 24 年 4 月 19 日 社団法人日本建設業連合会 1. 基本的な方針社会保険等の加入促進の実効性を確保するためには 行政 元請企業 下請企業等が一体となって推進していくことが必要である 日建連は 元請企業としての責務を果たすべく 団体が取り組むべき対策 正会員 ( 以

スライド 1

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技術者等及び現場代理人の適正配置について

Microsoft Word 自主行動計画.docx

なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

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1 これまでの社会保険加入状況 2 社会保険の加入及び賃金の状況等に 関する調査結果 3 入札契約適正化法に基づく実施状況 調査結果 4 建設業許可業者の加入率 ( 推計値 ) 1

社会保険等の未加入対策 ( 建設業 ) に関する FAQ 平成 31 年度以後 Q1 発注者として 社会保険等の未加入対策に取り組んでいるのはなぜか A1 社会保険等に加入し 法定福利費を適正に負担する建設業者を確実に契約の相手方とすること等を通じて 技能労働者の処遇の向上を図り 建設業の持続的な発

Microsoft Word 年度評価シート.docx

1 医療保険 年金保険についての確認書類 弊社が施工する建設現場に入場する協力業者および作業員の方には 作業所長の指示により 見積書提出時 新規入場時 安全書類提出時に 医療保険 年金保険の加入状況を確認する書 類 ( 下記 A~E いずれか一点 ) を提出または呈示していただきます A. 直近の保

資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

Q4 建設業の許可を有しない下請負人 ( 下請業者 ) も対象になるのか A4 本対策は 建設業許可を有する者のうち 社会保険等の加入義務を履行していない者を取組みの対象としています 建設業の許可を有しない者との一次下請契約の締結を禁止していません ( 交通誘導員等の警備業のみを行う者も対象外 )

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1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

9. システムの利用規約 Q&A Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 44

下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

JNIOSH-SRR-No.46 JNIOSH-SRR-No.46(06) (06) 図 ミュンヘンにおける足場 図 中桟が 階段 妻側にも設置してある 1 趣 サンフランシスコにおける足場 交さ筋かいの下に下桟が設置してある 旨 足場からの墜落 転落災害の防止については 平成年6月に労働安全衛生規

足場関係審議会説明資料(当日配布セット版)

Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

Microsoft Word - 修正2_建設業における社会保険未加入対策について

特定個人情報の取扱いの対応について

Ⅱ. 意見を交換するテーマ 1. 社会資本整備の進め方 (1) 公共事業予算の安定的 持続的な確保わが国経済は緩やかな回復基調にあるものの個人消費や民間投資は力強さを欠いており デフレからの完全脱却と安定的成長を実現する経済財政運営が 引き続き求められている 公共投資は内需を下支えするフローの経済効

標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

公共工事における予定価格設定時の 歩切り に関する調査の結果について 平成 27 年 4 月 28 日総務省国土交通省 昨年 6 月の公共工事の品質確保の促進に関する法律 ( 平成 17 年法律第 18 号 以下 公共工事品質確保法 という ) の改正により 予定価格の適正な設定が発注者の責務として

1. 休日 適正工期の確保について 働き方改革関連法がいよいよ今年 4 月に施行します そんな中で建設業界でも 大手ゼネコンで組織する日本建設業連合会 ( 日建連 ) が 2019 年度末までに 4 週 6 閉所以上を実現することを中間目標とし 2021 年度末までにすべての事業所で週休二日 ( 土

個人情報の保護に関する規程(案)

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建設業における総合的労働災害防止対策の基本的考え方 建設業の特徴は重層下請構造の下 所属の異なる労働者が同一場所で作業する形態であり 短期間に作業内容が変化するという事業の性質から 工事現場における元方事業者による統括管理の実施 関係請負人を含めた自主的な安全衛生活動の推進を基本に 工事現場を管理す

1. 生産性向上について建設現場での週休二日を拡大 定着させるためには 一層の生産性向上を進め 工期の延伸をできる限り抑制する必要などがあります このため 日建連では 2020 年までを対象期間とした 生産性向上推進要綱 を策定し 発注者 設計者 コンサルタントも巻き込んで生産性向上に取り組むことと

建設業における社会保険未加入問題への行政の取り組み

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

4 受注者による社会保険等の加入状況の確認 (1) 確認方法 1 下請負契約の締結前に, 相手方の社会保険等への加入状況を, 保険料の領収済通知書等により確認してください ( 適用除外の場合, 除外事由を相手方から資料等で確認してください ) 2 下請負契約の締結後, 施工体制台帳等を作成し, 工事

別添

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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様式 3 社会保険等一括管理届 ( 一括適用 継続事業一括 ) 11 ページ 本社や支社等ごとに適用されている適用事業所について 本社で人事 給与等が集中的に管理されており 事業主が同一である等 一定の基準を満たすときは 本社において支社等を含めた一つの適用事業所とされる場合があります ( 健康保険

Microsoft PowerPoint - 【資料6】業務取り組み

別紙 1 事故データベースへ登録する事故報告書の提出対象事故について 事故の定義は以下のとおりとする 事故の分類 事故の定義 労働災害 ( 工事作業が起因して 工事関係者が死傷した事故 ) もらい事故 ( 第三者の行為が起因して 工事関係者が死傷した事故 ) 死傷公衆災害 ( 工事作業が起因して 当

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(2) 法定福利費の算出方法 1 法定福利費 = 労務費総額 社会保険料率法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料を乗じて

雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項 第 1 趣旨 この留意事項は 雇用管理分野における労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 以下 安衛法 という ) 等に基づき実施した健康診断の結果等の健康情報の取扱いについて 個人情報の保護に関する法律についての

( 別紙 ) 施工体制台帳に係る書類の提出に関する実施要領 1 目的公共の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 平成 12 年法律第 127 号 ) 及び建設業法 ( 昭和 24 年法律第 100 号 ) に基づく適正な施工体制の確保等を図るため 発注者から直接建設を請け負った建設業者は 施工

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建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

目 次 はじめに建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する現状と課題 1 建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に必要な環境整備 1 2 一人親方等への対処の必要性 1 3 建設工事従事者の処遇の改善等を通じた中長期的な担い手の確保 1 第 1 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策についての基本的な方針 1 適正な請負代金の額 工期等の設定 2 2 設計 施工等の各段階における措置 2 3 建設業者等及び建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の向上 2 4 建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上 3 第 2 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し 県が総合的かつ計画的に講ずべき施策 1 建設工事の請負契約における経費の適切かつ明確な積算等 4 (1) 安全及び健康の確保に関する経費の適切かつ明確な積算等 4 (2) 建設工事従事者の安全及び健康に配慮した工期の設定 4 2 責任体制の明確化 4 3 建設工事の現場における措置の統一的な実施 5 (1) 建設業者間の連携の促進 5 (2) 一人親方等の安全及び健康の確保 5 (3) 特別加入制度への加入促進等の徹底 5 4 建設工事の現場の安全性の点検等 5 (1) 建設工事の現場の安全性の点検 分析 評価等に関する建設業者等による自主的な取組の促進 5 (2) 建設工事従事者の安全及び健康に配慮した設計 建設工事の安全な実施に資するとともに省力化 生産性向上にも配意した工法や資機材等の開発 普及の促進 6 5 建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発 6 (1) 建設工事従事者の従事する業務に関する安全衛生教育の促進 6 (2) 建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発に係る自主的な取組の促進 7 第 3 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 1 建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上を図るための施策 (1) 社会保険の加入の徹底 8

(2) 建設キャリアアップシステムの活用推進 8 (3) 働き方改革 の推進 8 2 墜落 転落災害の防止対策の充実強化 9 (1) 労働安全衛生法令の遵守徹底等 9 (2) 墜落 転落災害防止対策の充実強化 9 3 計画の推進体制 9 4 施策の推進状況の点検と計画の見直し 9

はじめに建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する現状と課題 1 建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に必要な環境整備本県の建設業における労働災害の発生状況は 三重労働局の調査によると 災害発生状況 ( 休業 4 日以上の死傷者数 ) は 長期的には減少傾向にあるものの 平成 28 年は 294 人 平成 29 年は 296 人であり このうち死亡者数においては 平成 28 年は6 人 平成 29 年は7 人となっている また いわゆる一人親方や自営業主 家族従事者 ( 以下 一人親方等 という ) を含めた建設工事従事者全体では 墜落災害をはじめとする建設工事の現場での災害により 平成 28 年は9 人 平成 29 年は 10 人もの尊い命が失われている これら建設業における重大な労働災害の発生状況を重く受け止め 建設業における災害の撲滅に向けて一層の実効性のある取組を推進する必要がある 建設工事従事者の安全及び健康の確保については 公共工事のみならず全ての建設工事について 労働安全衛生法令に基づく最低基準の遵守徹底に加え さらに建設業者等による取組を促進していくこと等が重要であるが その前提として 請負契約において適正な請負代金や工期等が定められること 建設工事従事者の処遇の改善や地位の向上が図られること等が強く求められている 2 一人親方等への対処の必要性一人親方等は 労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 ) 上の労働者には当たらないため 同法の直接の保護対象には当たらない しかしながら 建設工事の現場では 他の関係請負人の労働者と同じような作業に従事しており 厚生労働省三重労働局の調査によると 平成 29 年には本県で3 人の一人親方等が労働者以外の業務中の死亡者として把握されている その業務の実情 災害の発生状況等からみて 技能を持った建設工事の担い手である一人親方等の安全及び健康の確保について 特段の対応が必要である 3 建設工事従事者の処遇の改善等を通じた中長期的な担い手の確保建設業においては 近年技能労働者の賃金水準は上昇傾向にあるものの 未だ他産業の労働者と比べて低い水準にある また 他産業では一般的となっている週休二日の確保が十分ではないなど 総労働時間が長くなっている 建設工事従事者の高齢化が進行している中 建設業を魅力的な仕事の場とし 処遇の改善や技能 技術の振興を含めた地位の向上を図りつつ 中長期的な担い手の確保を進めていくことが急務である 1

第 1 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策についての基本的な 方針 1 適正な請負代金の額 工期等の設定建設業の請負契約において 仮に不当に低い請負代金や不当に短い工期で締結されれば 受注者に工事の施工方法 工程等について技術的に無理な手段等を強いることになり 適正な施工が確保されず 労働災害や公衆災害等の発生につながるおそれがある そのため 請負代金については 市場における労務及び資材等の取引価格 施工の実態等を的確に反映し 建設工事従事者の安全及び健康に関する経費を適切に確保する必要がある 労働安全衛生法は 建設工事の現場において 元請負人及び下請負人に対して それぞれの立場に応じて 労働災害防止対策を講ずることを義務づけている 従って 当該対策に要する経費は 元請負人及び下請負人が義務的に負担しなければならない費用であり 建設業法 ( 昭和 24 年法律第 100 号 ) 第 19 条の3に規定する 通常必要と認められる原価 に含まれるものである また 工期については 工事の性格 地域の実情 自然条件等による不稼働日等をふまえ 週休二日の確保等をした上で 工事を施工するための日数を適切に設定することが必要である 特に 年度末にかかる工事を変更する際には 年度内完了に固執することなく 必要な日数を見込む等 工事施工に必要な日数を確保することが必要である 2 設計 施工等の各段階における措置建設工事は 屋外で施工されることが多いため 気候 地形 地質等の自然条件に大きく左右されるほか 騒音 振動等に対する社会的条件の配慮から 工事現場ごとに施工方法が異なる そのため 設計段階においても 建設工事の現場の施工条件を十分に調査した上で 建設工事従事者の安全及び健康の確保に配慮した施工方法等を検討することが重要である また 施工段階においては 元請負人の統括安全衛生管理のもと 関係請負人がそれぞれの役割分担により漏れなく安全措置を講ずる必要がある その際 労働安全衛生法令に基づく最低基準の措置だけでなく 建設工事の現場における危険性 有害性を評価 ( リスクアセスメント ) して 当該リスクを低減し 安全及び健康を確保するための措置を 自主的に講ずることが重要である 3 建設業者等及び建設工事従業者の安全及び健康に関する意識の向上元請負人及び下請負人の安全及び健康に関する意識が低い場合 例えば一人の建設工事従事者が不安全な状態にあったとしても 請負代金や工期の制約 現場作業の多忙等から それが看過され 適切な作業手順を踏まないと 2

いった不安全行動を誘発するおそれがある 近年では 過去に比べれば相対的に建設工事の現場における労働災害が減少していることによって 作業に潜む危険に対する感受性が低下していることを指摘する声もある 従って 建設工事従事者の安全及び健康に関する建設業者等及び建設工事従事者の意識を高める教育の実施や 建設業界全体として 安全文化 すなわち 建設業者等及び建設工事従事者が安全及び健康を最優先にする気風や気質をさらに醸成していくための取組を促進していくことが必要である 4 建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上建設工事従事者の安全及び健康の確保については 労働安全衛生法令に基づく最低基準の遵守徹底に加え 建設業者等による建設工事の現場の状況に即した取組を促進していくこと等が重要であるが その前提として 課題を解決するため所要の環境整備を進め 適切な賃金水準の確保 社会保険の加入徹底 休日の確保や長時間労働の是正等の働き方改革の推進等の処遇の改善や地位の向上が図られること等が必要である 3

第 2 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関し 県が総合的かつ計画的に 講ずべき施策 1 建設工事の請負契約における経費の適切かつ明確な積算等 (1) 安全及び健康の確保に関する経費の適切かつ明確な積算等建設工事従事者の安全及び健康の確保は 建設工事の請負契約において適正な請負代金の額が定められ これが確実に履行されることが重要である 一方 安全衛生経費については 建設工事の工種 工事規模 施工場所等により異なるため 適切かつ明確な積算がなされ下請負人まで確実に支払われるよう 国が検討 実施する施策をふまえ 必要な対策を行う 加えて 労働安全衛生法は 元請負人及び下請負人に対して それぞれの立場に応じて労働災害防止対策を講ずることを義務づけていることから 安全衛生経費は 建設業法第 19 条の3に規定する 通常必要と認められる原価 に含まれるため 講習会や立入検査等を通じ法令遵守の徹底を図る (2) 建設工事従事者の安全及び健康に配慮した工期の設定公共 民間を含め 全ての建設工事において 働き方改革に向けた生産性向上や適正な工期設定が行われるよう 平成 29 年 8 月 国において 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン が策定された 建設工事従事者の健康保持 災害防止等の観点から 週休二日の実現や労働時間の削減に向け 同ガイドラインをふまえ 休日等の日数を確保するなど適正な工期設定や 予定された工期での工事完了が困難な場合の適切な工期変更等が行われるなどの環境を整備する 公共工事においては 一時期に工事が過度に集中することを避けるため 債務負担行為の積極的な活用等により施工時期を平準化する等 計画的な発注を実施する 2 責任体制の明確化建設工事の適正な施工を行うためには 元請負人 下請負人それぞれが請負契約の内容に基づき 求められる役割を適切に果たすことが必要である このため 立入検査等を通じ 一括下請負の禁止 技術者の専任配置 元請負人と下請負人との間の対等な関係に基づく適正な契約締結等に関して 法令遵守の徹底を図る また 下請契約において 各建設業者が自らの役割に応じた適切な安全衛生対策を講ずるよう 中小の建設業者の安全衛生管理能力の向上に向けた教育等の支援を行う 4

3 建設工事の現場における措置の統一的な実施 (1) 建設業者間の連携の促進作業間の連絡調整 下請負人への指導 安全衛生教育への支援 現場内の設備 機械等の安全確保や職業性疾病の防止等 労働安全衛生法に基づく元請負人による統括安全衛生管理が徹底されるよう 関係団体 機関等と連携して制度の周知等を図る (2) 一人親方等の安全及び健康の確保一人親方等の安全及び健康の確保を促進するためには 労働者だけでなく一人親方等を含めて建設現場における措置を統一的に実施することが必要である このため 一人親方等が業務中に被災した災害を的確に把握するとともに 国による一人親方等の災害に関する分析等の情報を収集し 災害防止対策の基礎資料として活用する また 一人親方等に関しては労働安全衛生法の直接の保護対象には当たらないため 一人親方等に仕事を注文する立場の建設業者による一人親方等の安全及び健康への配慮や 一人親方等に対するその業務の特性や作業の実態をふまえた安全衛生に関する知識習得等の支援がなされるよう 関係団体 機関等と連携し その促進を図る (3) 特別加入制度への加入促進等の徹底一人親方については 労働法制上の保護の対象となる労働者ではないため 本来の労災保険の対象とならないことから 労災保険への加入を希望する場合 特別加入者として任意加入する必要がある 現場において労働者としての実態がある者については 労働者として扱うよう改めて周知を行うとともに 一人親方の安全及び健康の確保とあわせて 関係行政機関等が連携し 元請負人等を通じて一人親方で特別加入していない者の実態を把握し 一人親方に対する労災保険の特別加入制度への加入の積極的な促進を徹底する 4 建設工事の現場の安全性の点検等 (1) 建設工事の現場の安全性の点検 分析 評価等に関する建設業者等による自主的な取組の促進建設工事の現場の安全衛生水準を高めていくためには 労働安全衛生法に基づく法定の措置を講ずるだけでなく 建設業者がリスクアセスメントを実施し さらには自社の安全衛生に関する対策について計画 実行 評価 改善する仕組み ( マネジメントシステム ) を構築することが重要である このため リスクアセスメント等の基礎情報となる災害事例に関する情報や 建設業者及び関係団体による安全衛生活動の取組等の発信を通じ 建設業者の 5

活動に対する支援を効果的に実施するとともに 建設工事の完了時等における建設業者の安全衛生管理を評価する取組を促進する また 安全性の点検等に関する建設業者や関係団体の自主的な研修会 講習会等の取組を一層促進する さらに 建設工事の現場における安全性の点検 パトロール等の自主的な取組を一層活発にするため 点検 パトロールを行う者の能力向上や労働安全 衛生コンサルタント等十分な知識経験を有する者の活用 元請負人と下請負人との立場の違いを超えた連携等を促進する なお これらの取組に当たっては 建設工事の現場における安全衛生対策を強化していくことについて 県民の関心と理解を深めていくことも必要であり 安全衛生対策やその効果等をわかりやすく 見える化 することが重要である (2) 建設工事従事者の安全及び健康に配慮した設計 建設工事の安全な実施に資するとともに省力化 生産性向上にも配意した工法や資機材等の開発 普及の促進建設工事従事者の安全及び健康に配慮した建築物等の設計の普及を推進するため 施工の安全性に配慮した建築物等の設計に係る先行事例の収集 普及を促進する また ICT 建機やUAVを活用することで重機回りの丁張り作業や法面測量など危険を伴う作業等を減少させるi-Constructionを推進するとともに 生産性向上にも配意した安全な工法等の普及を推進する さらに 国の各種ガイドラインをふまえた安全な施工の普及を図るとともに 公共工事のみならず民間工事にも活用できる 国の 公共工事等における新技術活用システム 等を周知することにより新技術の効果的な活用を促進する この他 建設工事従事者の高齢化が進行していることをふまえ 高齢者に配意した作業方法や熱中症対策など作業環境の改善を図る 5 建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発 (1) 建設工事従事者の従事する業務に関する安全衛生教育の促進労働安全衛生法で定められた法定の教育の実施とともに 安全衛生管理の能力向上教育など建設工事従事者の経験 能力 立場等に応じた教育を促進する また 災害の多くが中小規模の建設工事の現場で発生していること等をふまえ 中小の建設業者が建設工事従事者に対して行う 不安全行動の防止や安全衛生管理に係る教育への支援を行う 6

(2) 建設工事従事者の安全及び健康に関する意識の啓発に係る自主的な取組の促進建設業者等や建設工事従事者が安全及び健康に関して高い意識を持ち 建設工事の現場の安全を高めるための自主的な取組を促進する必要がある このため 各建設工事の現場に関し建設業者等が実施している 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する意識啓発に係る創意工夫事例をはじめとした建設業者等の安全衛生活動の取組や災害対応事例について積極的に情報発信し 水平展開を図る また 各建設工事の現場において 建設工事従事者のメンタルヘルス対策や熱中症対策等 心身の健康を確保するための自主的な取組を促進するとともに 建設工事従事者が利活用できる健康相談窓口について 現場レベルでの周知と活用促進を図る 7

第 3 建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する施策を総合的かつ計画的 に推進するために必要な事項 1 建設工事従事者の処遇の改善及び地位の向上を図るための施策 (1) 社会保険の加入の徹底社会保険の加入については 労働者の処遇の改善と 法定福利費を適正に負担する企業による公平で健全な競争環境の構築のため 建設業許可更新時の加入の確認及び指導 公共工事における未加入業者の排除等の対策を進めてきた結果 加入率は着実に上昇してきている 一方で 未だ未加入の建設業者及び建設工事従事者も存在し 十分な法定福利費が確保できていないとの声もあるため 関係団体 機関等と連携し 引き続き 法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用等による法定福利費の適切な確保及び建設業者並びに建設工事従事者の社会保険の加入の徹底について実効性のある対策を推進する また 契約の形態が一人親方との請負契約であっても 実態として労働者に該当する場合には 社会保険の加入の必要や労働基準関係法令が適用されることについて 建設業者等及び建設工事従事者に対し周知を徹底する なお 未加入対策を行う際には 適切な保険に加入 ( 社会保険の適用除外など ) しているにも関わらず 元請負人等により誤った加入指導が行われることがないよう周知を図る (2) 建設キャリアアップシステムの活用推進建設工事従事者の資格や社会保険の加入 就業実績等を業界統一のルールにより蓄積することにより 建設工事従事者がそれぞれの経験と技能に応じた育成と処遇が受けられ 適切な労務管理ができるよう 官民一体となって建設キャリアアップシステムの活用を推進する (3) 働き方改革 の推進国の 働き方改革実行計画 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン 及び 建設業働き方改革加速化プログラム をふまえ 関係団体 機関等と連携し 適正な工期設定 週休二日の推進等の休日確保 労働環境の特性をふまえた長時間労働の是正 適切な賃金水準の確保等 公共工事のみならず民間工事でも実施されるよう 公共工事の取組事例を収集して必要に応じて水平展開するなど 建設業における働き方改革を進める また 過重な仕事やストレスは メンタルヘルスの不調等心身の健康上の問題の観点からも改善する必要があるため メンタルヘルスケアの充実等の取組を推進する 8

2 墜落 転落災害の防止対策の充実強化 (1) 労働安全衛生法令の遵守徹底等建設工事の現場においては 今なお墜落 転落災害が最も多い 過去 5 年間の労働災害においても 死亡事例の三分の一以上を墜落 転落災害が占めている このため墜落 転落災害のさらなる減少に向けて 関係団体 機関等と連携し 労働安全衛生規則 ( 昭和 47 年労働省令第 32 号 ) に基づく措置の遵守徹底の促進を図る 加えて 足場からの墜落 転落災害については 厚生労働省が公表している 足場からの墜落 転落災害防止総合対策推進要綱 に示されている 労働安全衛生規則に併せて実施することが望ましい より安全な措置 等の一層の普及の促進を図る (2) 墜落 転落災害防止対策の充実強化公共工事のみならず全ての建設工事について建設工事従事者の安全及び健康の確保を図ることが等しく重要であることに鑑み 墜落 転落災害の発生状況や関連する施策の実績等をふまえつつ 墜落 転落災害防止対策の充実強化に向けた国の調査 検討をふまえた上で 関係団体 機関等と連携し 墜落 転落災害防止対策の促進を図る 3 計画の推進体制建設工事従事者の安全及び健康の確保については 施工時期の平準化や週休二日制等の労働環境の改善等に取り組んでいくことが重要であることから 県の公共工事では三重県建設産業活性化プランに基づき計画的に推進していくとともに 市町発注工事に関しては 発注者協議会を通じて促進を図る また 民間工事や一人親方等への対応を含めた本計画全体の推進に関しては 三重県建設工事従事者安全健康確保推進会議 を通じて 国による施策の着実な波及 浸透とともに 本県の実情をふまえた施策について検討を行うなど 本県の実情に即した取組を推進していく 4 施策の推進状況の点検と計画の見直し 本計画に定める施策について 政府の基本計画の変更等があった場合には 見直し 検討を行い 必要があれば 速やかにこれを変更する 9

建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する三重県計画 平成 31 年 4 月三重県 ( 事務局 : 三重県県土整備部建設業課 ) 514-8570 三重県津市広明町 13 番地 TEL:059-224-2660 FAX:059-224-3290 E-mail:kengyo@pref.mie.lg.jp 10