資料 3-1 国際コンテナ戦略港湾政策について 平成 30 年 11 月 6 日関税 外国為替等審議会関税分科会国土交通省港湾局
世界各地域の港湾におけるコンテナ取扱個数の推移 2006 年から 2016 年までの 10 年間で世界の港湾におけるコンテナ取扱個数は 1.7 倍に増加している ( 億 TEU) 7.5 7.0 6.5 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 港湾におけるコンテナ取扱個数の推移 2006 年 2016 年全世界 4 億 1675 万 TEU 1.7 倍 7 億 142 万 TEU 日本 アジア 1 億 8,874 万 TEU 1.8 倍 3 億 4,473 万 TEU ( 日本含まず ) 4.2 0.9 0.7 1.9 1,847 万 TEU 1.1 倍 2,026 万 TEU 4.9 1.2 5.2 1.3 4.7 1.3 0.7 0.4 2.2 2.4 2.2 5.5 1.5 5.9 1.6 2.6 2.8 3.0 3.1 3.3 3.4 3.4 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13 '14 '15 '16 地域区分 2006~16 年 アジア : 韓国 中国 香港 台湾 タイ フィリピン マレーシア シンガポール インドネシア 北米 : アメリカ カナダ 欧州 : イギリス オランダ ドイツ イタリア スペイン ベルギー フランス ギリシャ アイルランド スウェーデン フィンランド デンマーク その他 : 上記以外 ( 日本除く ) 6.1 1.7 6.4 1.7 6.8 6.9 1.8 1.8 7.0 1.9 0.9 0.9 1.0 アジア日本北米欧州その他 TEU(twenty-foot equivalent unit) 国際標準規格 (ISO 規格 ) の 20 フィート コンテナを 1 とし 40 フィート コンテナを 2 として計算する単位 出典 : THE WORLD BANK Container port traffic (TEU: 20 foot equivalent units) 及び UNCTAD(Container port throughput,annual) より国土交通省港湾局作成 1
コンテナ船の大型化の推移積載個数 スケールメリットによる輸送コスト低減のため コンテナ船が大型化 現在 世界で就航しているコンテナ船の最大船型は 2 万 1 千個積みであり 我が国に寄港しているコンテナ船の最大船型は 1 万 3 千個積み (TEU25,000 20,000 15,000 最大船型の推移 10,000 )5,000 738 752 1,096 日本に就航中の最大級船 写真 : MaritimeTraffic.com HP より 船名 : MSC VEGA 船長 : 365m 最大積載量 : 13,169TEU 2,500 4,700 4,258 4,300 4,600 現在就航中の世界最大級船 写真 : MaritimeTraffic.com HPより 船名 : OOCL Hong Kong 船長 : 400m 最大積載量 : 21,413TEU 7,060 8,468 4,950 6,400 12,508 16,020 22,000 21,413 18,000 19,500 建造中 0 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 注 :TEU (twenty-foot equivalent unit): 国際標準規格 (ISO 規格 ) の 20 フィート コンテナを1とし 40 フィート コンテナを2として計算する単位出典 :2004 年まで海事産業研究所 コンテナ船の大型化に関する考察 2004 年以降はオーシャンコマース社及び各船社 HP 等の情報をもとに国土交通省港湾局作成 2
2M アライアンス ( 船腹シェア 28%) Maersk Line( デンマーク ) 船社間アライアンスの再編 2015 年末以降 アライアンスの枠を超えた船社の再編の発表が相次ぎ 2017 年 4 月以降は 3 大アライアンスに再編されている 2017 年 7 月には 邦船三社がコンテナ船事業を統合し ONE(Ocean Network Express) を設立 2018 年 4 月からサービスを開始 G6 アライアンス ( 船腹シェア 17%) CKYHE ( 船腹シェア 16%) (2015 年 1 月よりサービス開始 ) (2012 年 3 月よりサービス開始 ) (2014 年 4 月よりサービス開始 ) (2015 年 1 月よりサービス開始 ) APL( アメリカ ) OOCL( 香港 ) COSCO( 中国 ) Evergreen( 台湾 ) OCEAN THREE ( 船腹シェア 15%) CMA CGM( フランス ) MSC( スイス ) Hapag-Lloyd( ドイツ ) 日本郵船 ( 日本 ) 商船三井 ( 日本 ) Hyundai( 韓国 ) 川崎汽船 ( 日本 ) Yang Ming( 台湾 ) Hanjin( 韓国 ) 経営破綻 (2016 年 8 月 ) CSCL( 中国 ) UASC(UAE) 存続 ( 拡大 ) 再編 2M アライアンス ( 船腹シェア 33%) オーシャンアライアンス ( 船腹シェア 29%) ザ アライアンス ( 船腹シェア 17%) (2017 年 4 月よりサービス開始 ) (2017 年 4 月よりサービス開始 ) Maersk Line( デンマーク ) MSC( スイス ) CMA CGM( フランス ) Evergreen( 台湾 ) ONE(Ocean Network Express; 日本 ) Hapag-Lloyd( ドイツ ) 戦略的協力関係 Hyundai( 韓国 ) COSCO( 中国 ) OOCL( 香港 ) Yang Ming( 台湾 ) 3
国際基幹航路 の 定期コンテナ船 について 定期コンテナ船 とは 予め定められた港湾に定期的に決まった曜日 時間に寄港し コンテナ貨物を積卸しする運航形態のコンテナ船 国際基幹航路 とは アジアと欧州といった地域間を 各地域の主要な港湾に寄港しながら結ぶ 国際海上物流の幹線として機能する航路 国際基幹航路の例 FE1 の航路図 ( 現在 日本に寄港する欧州航路 ) ( 参考 ) 韓国航路の例 サウサンプトンハンブルグロッテルダムルアーブル 1 ループの所要日数 : 70 日隻数 : 10 隻 ( 約 9,100TEU) 1 ループの所要日数 : 7 日隻数 : 1 隻 ( 約 600 TEU) ジェッダ 名古屋 清水神戸東京 釜山 新潟伏木富山金沢 シンガポール 4
我が国港湾とアジア主要港との欧米基幹航路寄港便数の比較 100 90 80 寄港便数 / 週 アジア主要港に寄港する欧我が国に寄港する欧米基米基幹航路の便数は増加幹航路の便数は減少または横這い 北米航路欧州航路 70 2017 年 2017 年京浜港阪神港 60 25 便 8 便 60 57 58 57 55 52 50 50 47 48 45 46 44 45 44 40 40 37 36 41 34 40 40 31 32 41 30 30 35 36 41 42 45 24 24 25 34 24 39 42 29 36 20 15 28 28 14 22 22 23 20 10 7 22 9 10 21 21 19 8 18 17 12 10 11 11 8 8 8 9 8 8 7 6 6 5 5 4 4 2 2 2 2 4 4 0 2 2 1 1 98 03 08 13 15 16 17 98 03 08 13 15 16 17 98 03 08 13 15 16 17 98 03 08 13 15 16 17 上海釜山京浜阪神 5 出典 : 国際輸送ハンドブックより国土交通省港湾局作成 寄港便数は当該年の 11 月の値
府計画への位置づ整備を推進する 政国際コンテナ戦略港湾政策の深化と加速 政策目的 : 国際基幹航路の我が国への寄港を維持 拡大すること 国際基幹航路の我が国への寄港を維持 拡大することにより 企業の立地環境を向上させ 我が国経済の国際競争力を強化 雇用と所得の維持 創出 京浜港 阪神港を 国際コンテナ戦略港湾 として選定し ハード ソフト一体の施策を展開 国際コンテナ戦略港湾への 集貨 国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社が行う国内外からの集貨活動に対する支援 国際コンテナ戦略港湾背後への産業集積による 創貨 国際コンテナ戦略港湾背後に立地する物流施設の整備に対する支援 国際コンテナ戦略港湾の 競争力強化 コンテナ船の大型化や取扱貨物量の増大等に対応するための 大水深コンテナターミナルの機能強化 AI IoT 自働化技術の組み合わせによる 世界最高水準の生産性を有し 労働環境の良いコンテナターミナル ( AI ターミナル ) の実現 国際コンテナ戦略港湾の港湾運営会社に対する国の出資 総合物流施策大綱 ( 2017 年度 ~ 2020 年度 ) ( 平成 29 年 7 月 28 日閣議決定 ) Ⅲ. 今後の物流施策の方向性と取組 3. ストック効果発現等のインフラの機能強化による効率的な物流の実現 (= 支える ) ~ハードインフラ ソフトインフラ一体となった社会インフラとしての機能向上 ~ (2) 道路 海上 航空 鉄道の機能強化 2 海上輸送の機能強化 ( ア ) 港湾施設の整備国際コンテナ戦略港湾において 我が国への基幹航路の維持 拡大を図るため ( 中略 ) 未来投資戦略 2018 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) Ⅰ. Society 5.0 の実現に向けて今後取り組む重点分野と 変革の牽引力となる フラッグシップ プロジェクト 等 [3 ] 行政 インフラ が変わる 2. 次世代インフラ メンテナンス システムの構築等インフラ管理の高度化 (2) 政策課題と施策の目標我が国の国際競争力を強化し 経済成長を促進するため ( 中略 ) 国際コンテナ バルク戦略港湾等の早期整備 活用を通じた産業インフラの機能強化を図るとともに ( 中略 ) 生産性向上や民間投資の喚起等のインフラのストック効果が最大限発揮される取組を進める け6
国際基幹航路の寄港の維持 拡大を図るための所要の措置 ( とん税 特別とん税 ) 要望の概要 国際コンテナ戦略港湾政策の政策目的である国際基幹航路の我が国への寄港の維持 拡大を実現するため 国際基幹航路を運航する定期コンテナ船に係るとん税 特別とん税について 所要の措置を講じる ポイント 世界的なコンテナ船の大型化 船社間のアライアンスの進展により 国際基幹航路の寄港地の絞り込みが進行している このような中 国際基幹航路の我が国への寄港を維持 拡大するためには 我が国港湾への入港に係るコストの低減が必要 〇長距離のコンテナ航路等定期的に同港へ入港する航路においては 当該航路へ充てる船舶隻数を多くする必要があるが このような長距離のコンテナ航路等を運航している定期コンテナ船を対象とするとん税 特別とん税の減免をすることで 入港に係るコストの低減を図ることが可能となり 国際基幹航路の寄港の維持 拡大に資する 関係者の意見 船会社からは 船舶の大型化の結果 港費も非常に高くなっている とん税は非常に負担が大きい 競争力強化のためには 入港コスト低減のための持続可能な措置が必要 との意見がある 港湾管理者からも 港湾コスト低減のため基幹航路に就航するコンテナ船の寄港促進に資するとん税 特別とん税の見直しが必要 との要望がなされている 7