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2. 各部材寸法と材質 床版の主桁は材質A7N01S-T5の押出形材で デッキプレートは縦リブと一体になった材質A7N01S-T5の 押出形材で横リブも材質A7N01S -T5の押出形材の溶接構造である 図 2 3 1 床版構造図 2 部材断面図 図 2 床版詳細図 図 3 アルミニウム合金製床版と防護柵の設置状況 - 158 - - 158 -

3. 腐食状況 (1) 外観評価外観評価結果を表 -1に示す. 外観評価は, 土木研究所資料第 2735 号,p5(1988 年 ) の外観観察 さび発生度評価基準 1) に則って実施した. 評価基準を表 2に示す. 外観評価はJIS Z 2371レイティングナンバー標準図表により評価を実施した. 軒天位置となる歩道橋床版部分は, 全ての部材が全面腐食 (R.N.=0) となっている. 一方, 雨水により洗浄される主桁上面, デッキ端部板材の上面, 防護柵等の大気ばく露部は変色しているものの金属光沢が残存しており, 孔食もほとんど見られない. 一方溶接部熱影響部や鋼製ボルト ナット締結部においては比較的顕著な剥離腐食が観察された. 多くの部位において肉厚方向への侵食は軽微であり, ワイヤブラシで擦ると肉厚方向への侵食はほとんど観察されない. 今後さらに長期間使用されたとしても耐久性を大きく損なう危険性は小さいと考えられる. 表 -1 外観評価結果 部 位 位置 変化の形態 種類 状態 評価点 R.N 備 考 主桁 A-4 上面 b, i,j w Ⅲ 極めて軽微 光沢残存軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 全面腐食 主桁支柱取付ボルト部 A-10 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 デッキ A-5 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 全面腐食 B-1 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 全面腐食 横リブ A-7 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 全面腐食 A-6 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 デッキ溶接部 A-9 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 B-2 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 デッキ熱影響部 A-8 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食デッキ端部板材 A-1 上面 b, i,j w Ⅲ 極めて軽微 光沢残存 A-2 軒天 b, e, i, w Ⅳ 1 0 A7N01に剥離腐食 ブラケット 上弦材 C-1 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 ( 軽 ) ブラケット 溶接部 C-2 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 ( 軽 ) ブラケット 斜め材 C-3 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 ( 軽 ) ブラケット ボルト穴 C-4 軒天 b, i,j w Ⅳ 1 0 剥離腐食 高欄 笠木 D-1 上面 b, i,j w Ⅳ 13 9.8-6 極めて軽微 光沢残存 高欄 支柱 D-2 横面 b, i,j w Ⅰ 12 9.5-6 軽微 光沢残存 表 -2 外観評価基準 項目 記号 内 容 項目 記号 内 容 a 異常なし W 白さび種類 a 変化なし R 赤さび b 変退色 Ⅰ 点状さび c 白亜化 Ⅱ 糸状さび状態 d ふくれ Ⅲ むら状さび 外観 e われ Ⅳ 全面さび 観察 f はがれ 14 0% R.N.10 g ゆず肌 13 0 ~0.02% R.N.9.8 h かび 12 0.02~0.05% R.N.9.5 i しみ 11 0.05~0.07% R.N.9.3 j 汚れ 10 0.07~0.10% R.N.9.0 k ひび 9 0.10~0.25% R.N.8 さび発生面積 8 0.25~0.50% R.N.7 7 0.50~1.00% R.N.6 6 1.00~2.50% R.N.5 5 2.50~5.00% R.N.4 4 5.00~10.0% R.N.3 3 10.0~25.0% R.N.2 2 25.0~50.0% R.N.1 1 50% 以上 R.N.0-159 - - 159 -

(2) 各部位の腐食状況詳細 a) 主桁主桁の腐食状況を図 -4に示す. 上面で雨による洗浄効果が得られる上面では極めて軽度の孔食が見られるものの, 金属光沢が残っており, 良好な表面が維持されている. 一方, 軒天に当たる下側では全面腐食となっているが, 肉厚方向への侵食は0.1mm 以下と極めて軽微であり, 腐食形態も全面腐食に近い. (1) 主桁側面 (2) 下面 ( 軒天 ) (3) 軒天腐食部断面ミクロ写真 図 -4 主桁の腐食状況詳細 b) 主桁防護柵支柱取付ボルト部 A7N01 地覆の防護柵支柱取り付けボルト近傍の腐食状況を図 -5に示す. 腐食はボルト穴内部とボルト 周辺に相当する部位に集中している. 腐食が集中している部位では 鋼製ボルト ナットとの接触による 異種金属接触腐食が生じ腐食を促進させたと考えられる. 腐食形態は層状の剥離腐食であるが未だ十分な 肉厚が残存していることより 強度に及ぼす影響は小さいと考えられる. (1) デッキ裏面取付ボルト外観 (2) 取付穴断面 (3) 腐食部断面ミクロ写真図 -5 主桁防護柵支柱取付ボルト部の腐食状況詳細 c) デッキ A7N01デッキの腐食状況を図 -6に示す. 軒天に当たる下側では全面腐食となっている. 上面舗装との接着界面には, 接着剤が付着していたが隙間に侵入した水分により隙間腐食形態も見られたが, 表裏とも肉厚方向への侵食は0.1mm 以下と軽微である. (1) デッキ外観 (2) 上面接着剤接触面 (3) 軒天腐食部断面ミクロ写真 図 -6 デッキの腐食状況詳細 - 160 - - 160 -

d) デッキ溶接部 A7N01デッキ突合せ溶接部の腐食状況を図 -7に示す. 溶接ビードのすぐ近傍, 溶接入熱により再溶体化された部位に局部的な剥離腐食が発生している. しかしながら腐食程度は比較的軽微で肉厚方向への侵食は小さい. (1) デッキ溶接部外観 (2) 溶接部断面 (3) 剥離腐食部断面ミクロ写真 図 -7 デッキ溶接部の腐食状況詳細 e) デッキ横リブデッキ横リブの腐食状況を図 -8に示す. 軒天環境であり, 全面腐食となっている. しかし表裏とも軽度孔食の集合体で, 肉厚方向への侵食は0.1mm 以下と極めて軽微である. (1) デッキ横リブ外観 (2) 上面腐食部断面ミクロ写真 (3) 下面腐食部断面ミクロ写真 図 -8 デッキ横リブの腐食状況詳細 f) デッキ溶接熱影響部 A7N01デッキに配線用カバーが隅肉溶接されている裏面側の腐食状況を図 -9に示す. 溶接部裏面のデッキには局部的に激しい剥離腐食が見られた. 一方で溶接熱影響部以外では軽微な全面腐食となっている. 剥離腐食が生じている部分には組成の異なる溶接ビードは無いことより 母材の溶接熱による局部的な再溶体化が生じたことが, 激しい剥離腐食の原因と考えられる. (1) デッキ裏面溶接熱影響部 (2) 溶接部断面の腐食部ミクロ写真 (3) 剥離腐食部断面ミクロ写真図 -9 デッキの熱影響部腐食状況詳細 - 161 - - 161 -

g) ブラケットブラケット上弦材の腐食状況を図 -10 示す. 外観腐食状況は桁と同様全面腐食となっている. 上弦材 (A7N01-T4) の腐食形態は軽微な剥離腐食となっている. 相対的に軽微で, 肉厚方向への侵食深さは0.1mm 程度と極めて浅い. ブラケット上弦材と斜材 (A7N01-T5) 溶接部の腐食状況は, 斜材ではビードに沿った溝状の腐食痕が見られた. 一方上弦材ではビード近傍で溶接熱の影響を受けていない部位と比較するとやや激しい剥離腐食が見られたが, デッキ等の溶接部と比較すると剥離腐食の局部集中傾向は見られず比較的軽微である. また 上弦材 斜材ともビード周辺の割れは無く 継ぎ手強度は十分維持されていると推察される. ブラケット斜材の腐食状況は剥離腐食ではなく孔食が集合したように見える. 肉厚方向への侵食深さは0.3mm 程度で他材の通常部位と比較するとやや深い. (1) ブラケット上弦材 (2) 上弦材 斜材溶接部 (3) ブラケット斜材 (4) 上弦材剥離腐食部ミクロ写真 (5) 上弦材剥離腐食部ミクロ写真 (6) 斜材腐食部断面ミクロ写真図 -10 ブラケットの腐食状況詳細 h) ブラケット本橋取付ボルト部ブラケット本橋取付部のボルト近傍の腐食状況を図 -11に示す. 本橋取付部は2 枚の板が溶接で貼り合わされており 腐食はボルト穴内部とボルト周辺に集中している. ボルト穴内部から層状に伸びる割れは 材料組織に沿って進行しており 溶接残留応力による応力腐食割れの可能性も否定できないが ボルト ナット構造体としての主応力方向とは垂直方向の割れであり 強度低下に繋がるものではないと考えられる. (1) ブラケット取付部外観 (2) ボルト穴部断面ミクロ写真 (3) ボルト穴腐食部断面ミクロ写真図 -11 ブラケット本橋取付ボルト部の腐食状況詳細 - 162 - - 162 -

i) 防護柵防護柵の腐食状況を図 -12に示す. 防護柵には表面処理として陽極酸化処理が施されているが詳細は不明である. 外観状況は極めて良好で金属光沢が残存し 孔食の発生もほとんど無い. 笠木裏面でも腐食は軽微であり軽度な孔食が見られる程度である. 支柱も外観状況は極めて良好で金属光沢が残存している. 支柱外面側には孔食の発生もほとんど無く, 支柱内面側には軽度の孔食が見られたが, 肉厚方向の侵食は 0.1mm 以下と軽微である. (1) 防護柵笠木外観 (2) 支柱外観 (3) 腐食部断面ミクロ写真図 -12 防護柵の腐食状況詳細 4. 構成部材の化学分析 各部位より採取したアルミニウム合金材料の発光分光分析法による組成分析結果は図面と同じであった. 歩道橋端の道路との繋ぎ部分がA5083P-H112, 歩道橋防護柵笠木がA6063S-T5 材であった 桁とブラケットに使用されている押出形材, 圧延材ともA7N01 合金であった. 5. 表面の蛍光 X 線分析 各部材表面の機械的剥離による付着物厚さと蛍光 X 線による付着物元素の分析結果を表 3に示す. 付着物厚さと位置的な関係は明らかではないが上面は付着物が薄く軒天部は厚い. また軒天部ではT5 材よりもT4 材の表面付着物が厚い傾向が見られたが剥離腐食を生じているためと考えられる. 各部材の付着の主成分はO, C, Alであり, 腐食性イオンであるS, Clは検出されたものの低い値であった.B3 部分の付着物は Caを多量に含んでいることから, コンクリート抽出液が大気中の炭酸ガスと反応して固着 ( いわゆる酸性つらら ) したものと判断される. 表 -3 床版及び防護柵等各部材の蛍光 X 線分析による付着元素測定結果 部位 合金品種 部位 付着物厚蛍光 X 線分析による付着元素測定結果 (wt%) さ (μm) O Ca Na C S Cl Al Si Fe Zn K A-1 端デッキ A5083P-H112( 生地 ) 上面 27 43.4 0.68 0.51 9.77 0.62 0.68 31.3 10.3 0.22 0.03 0.18 裏面 20 38.9 0.48 0.46 16.0 0.76 0.43 29.7 9.43 0.25 0.02 0.19 A-4 主桁 A7N01S-T5( 生地 ) 上面 29 31.5 0.10 0.61 19.5 0.77 0.31 36.4 3.76 0.20 1.82 0.10 裏面 63 48.6 0.12 2.15 12.0 0.07 0.74 28.9 0.92 0.14 0.05 4.86 A-5 デッキ A7N01S-T5( 生地 ) 軒天 52 51.6 0.16 8.13 0.71 0.27 29.9 0.78 0.14 2.61 0.03 A-7 横リブ A7N01S-T5( 生地 ) 軒天 107 47.7 1.39 23.3 0.46 0.32 19.5 2.89 0.23 2.22 0.63 B-3 横リブ A7N01S-T5( 生地 ) 付着物 粉体 42.4 36.8 0.04 17.1 0.01 0.00 0.77 0.42 0.07 0.03 0.02 C-1 ブラケット上弦材 A7N01P-T4( 生地 ) 125 55.8 0.06 0.70 11.3 0.19 0.20 17.3 0.95 0.18 2.08 0.66 D-1 防護柵笠木 A6063S-T5( 陽極酸化 ) 上面外 23 28.7 0.03 0.25 49.3 1.97 0.19 17.7 1.15 0.06 0.00 0.04 D-2 防護柵支柱 A7N01S-T5( 陽極酸化 ) 側面外 3 36.9 0.07 1.04 11.5 2.13 0.92 40.2 1.57 0.16 2.06 0.09 * 付着物厚さは付着物を機械的に除去し前後の板厚測定から求めた. - 163 - - 163 -

6. 剥離腐食部の EPMA による分析 A7N01-T5 突合せ溶接部近傍剥離腐食部のEPMAによる面分析を行った. 金属部分からは合金元素 Al,Zn 及びMgが検出された. 剥離部隙間からはOが多く検出され,Al, Sも比較的多かった. 最も剥離腐食を促進させると考えられるClは検出されたものの検出量が比較的少なく, 海からの距離が比較的遠いこともあって, 今町大橋付近の金属腐食性はあまり厳しくないと推察される. しかしながら剥離腐食を加速するのには十分なCl 量である. この部位は硫酸アルマイトが施されていないため,S 量が多かった理由は不明である. 環境の影響を受けるとすれば自動車の排気ガスや大気中の汚染物質が付着した可能性が考えられる. 7. 引張試験による材料強度測定 各部材よりJIS13B 試験片を切り出し, そのままの状態 ( 有姿 ) 及び腐食が生じていない初期強度を推定するため表面腐食層を切削除去した試験片の引張試験も行った. 各材質別に引張強さ, 耐力及び伸びの平均値をJIS 規定値, 腐食状態 ( そのままの状態 ) 切削後の比較を図 -13に示す. いずれの材質においては引張強さ, 耐力, 伸びとも表面腐食層を切削除去した試験片に近い値が得られており, 腐食による強度劣化はほとんど認められない. (1) A5083P-H112( デッキ端 ) (2) A7N01S-T4( 主桁リブ ブラケット上弦材 ) (3) A7N01S-T5( 主桁 デッキ 横リブ (4) A6063S-T5( 防護柵笠木 ) ブラケット斜材 防護柵支柱 ) 図 -13 材質別引張試験結果 - 164 - - 164 -

8. 考察 今町大橋アルミ側道橋にはA7N01 材溶接部近傍の剥離腐食と, 鋼製ボルナット締結部近傍の異種金属接触腐食が見られたため腐食挙動についての考察を行った. (1) 溶接部の腐食 A7N01S-T5 材は溶接ビード近傍で局所的な剥離腐食が見られた. その傾向は溶接ビードが大きく 溶接入熱が大きかったと推察される部位ほど激しくなる傾向が見られた. 一方 A7N01S-T4 材はビード近傍の腐食が僅かに激しくなる傾向があるもの局部的に激しく腐食される傾向は無い. A7N01S-T5 材突合せ溶接部近傍の断面硬度分布を図 -14に示す. 溶接部近傍は断面硬度分布図で示したように溶接入熱により 再溶体化された部位と過時効となる部位が生じる. 再溶体化された部位ではその後の室温時効による析出で強度が上昇するが 過時効部位では強度は上昇しない. 溶接部近傍の剥離腐食はビード直近の硬度が高い部位で発生しており 再溶体化された部位と一致する. 硬度 (Hv200 g) 160 150 140 130 120 110 100 90 80 70 60 母材ビ-ド母材 -50-40 -30-20 -10 0 10 20 30 40 50 図 -14 ビード中央からの距離 (mm) A7N01S-T5 デッキ突き合わせ溶接部近傍の断面硬度 A7N01 再溶体化部はT4 材と同様腐食形態は金属組織に沿った層状 剥離腐食となりT5 材と比較すると電気化学的にも卑となる.T5 材の溶接熱による再溶体化部位は周囲との間や組成の異なるビード部との間で電気化学的に腐食が促進される. 今回の今町大橋側道橋のA7N01-T5 溶接部の局部的な剥離腐食はこのような機構により促進されたものと推察される. 一方 T4 材では溶接部近傍と母材間の固溶析出状態の差異が小さく溶接部近傍の腐食促進作用も小さかったと推察される. 今回の事例から推察すると溶接構造材として使用されるA7N01 材は室温時効材 (T1, T4) が高温時効材 (T5,T6) より適していると考えられる. (2) 鋼製ボルト ナット締結部の異種金属接触腐食今町大橋にも部材の締結に鋼製のボルト ナットが使用されていた. ボルト ナットには表面処理が施されていたと考えられるがすでに皮膜は消失し錆が発生していた. 締結部近傍のアルミニウム部材には図 -15に示すように異種金属接触腐により促進された局部的な腐食 - 165 - - 165 -

が見られた. アルミニウム土木製品の締結に鋼製のボルト ナットの使用は必須である. 今町大橋側道橋の異種金属接触部はアルミニウム部材の肉厚が厚く強度に影響するほどの腐食ではなかったが さらに長期間使用されることを想定すると何らかの対応が必要になってくる. ボルト ナットの防食処理のみならず定期的なメンテナンスも考慮することが必要と思われる. (1) 本橋とブラケット取付部 1 (2) 防護柵支柱と主桁取付部上面 (3) ブラケットと主桁取付部 1 (4) 本橋とブラケット取付部 2 (2) 防護柵支柱と主桁取付部裏面 (3) ブラケットと主桁取付部 2 図 -15 鋼製ボルト ナット締結部腐食状態 9. まとめ 今町大橋側道橋の解体に伴い各部位から試験片を採取し腐食状況の調査を行った. アルミニウム合金製側道橋の腐食は全体的に軽微で十分な耐久性を示していたが, 一部に課題も明らかになった. 調査結果を取りまとめて以下に示す. 1) 側道橋床版は構造物の影となる軒天部が大半であり, 直接風雨に曝される部位に比して金属腐食性は高く, 腐食面積率は大きくなる. しかしながら表面付着物除去後の肉厚方向への侵食は極めて浅い. 微小な孔食や軽度の剥離腐食が見られたが, 材料強度の低下もなく, 機能上の腐食損傷は認められない. さらに長期間の耐食性が期待される. 2) 溶接部ではA7N01-T5 材に局部的な剥離腐食の発生が見られ A5083 材との溶接部では溶接ビードと母材境界で割れが観察された. これらの問題は素材熱処理条件及び溶接入熱条件の検討, 溶加材の選定等により解決出来ると考えられる. 一方,A7N01-T4 材溶接部では一部剥離腐食が激しくなる傾向も見られたが, 腐食の促進程度は小さい.A7N01 合金溶接部の局部的な剥離腐食を抑制するためには, 高温時効材 (T5,T6) より室温時効材 (T1,T4) の使用が好ましい.A5083 材では溶接部近傍の腐食促進は見られない. 3) 異種金属との接触による腐食促進が鋼製ボルト ナット締結部周辺, 及び穴の側壁で見られた. 特に機能に影響を及ぼすほどの腐食状況ではないが, さらなる長期耐久性を維持するためには, 鋼製ボルト ナット締結部は防錆キャップの導入や絶縁ブッシュ等の採用を検討しなければならない. - 166 - - 166 -

4) 直接風雨に曝されるアルミニウム合金製防護柵は, 極めて優れた耐食性が確認された. 表面汚れは時間経過とともに増加するが, 機能に影響を及ぼすことはなく, さらに長期間の耐久性が期待される. 謝辞 : 本調査を行うにあたり, 今町大橋アルミニウム合金製側道橋の実態供試体を提供くださいました新潟県長岡地域振興局, 福田組および日本アルミニウム協会土木製品開発委員会の関係各位に心より感謝の意を表します. 参考文献 1) 土木研究所資料第 2735 号, 外観観察 さび発生度評価基準,p.5, 1988. - 167 - - 167 -