Ⅰ 事業規制の強化

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改正労働者派遣法 平成24年10月1日施行

雇用政策の現状・課題と労働者派遣制度

(2)3 年以内の有期プロジェクト型業務 ( 同項第 2 号イ ) 事業の開始 転換 拡大 縮小または廃止のために必要な業務で 一定期間内で完了することが予定されている業務への派遣については その業務が完了するまでの期間であれば 受入期間の制限はありません (3) 日数限定業務 ( 同項第 2 号ロ

労働者派遣制度の概要 1

2 正社員 契約社員 アルバイトの場合 ( 直接雇用の場合 ) 賃金の支払い仕事上の指揮命令 直接雇用の場合 労働者と労働契約を結ぶのは ( 雇用主は ) 労働者派遣とは 自己の雇用する労働者を その雇用関係の下に 他人の指揮命令を受けて その他人のために労働に従事させることをいいます 直接雇用の場

労働者派遣とは て その他人のために労働に従事させることをいいます 正社員 契約社員 アルバイトの場合 ( 直接雇用の場合 ) 賃金の支払い仕事上の指揮命令 派遣の場合派遣契約 A 社派遣先 A 社約労働者派遣とは 自己の雇用する労働者を その雇用関係の下に 他人の指揮命令を受け 働契勤務労労働者

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派遣先の皆さまへ 派遣社員を受け入れるときの主なポイント 労働者派遣の流れ 労働者 派遣元事業主 派遣先 派遣登録 ( 登録型派遣の場合 ) 適切な事業運営 派遣依頼 抵触日通知 1 期間制限チェック事業所単位 個人単位の期間制限を理解している労働契約申込みみなし制度を理解している 2 派遣契約の締

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法律 ) 及び派遣元指針 ( 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針 ) 派 遣先指針 ( 派遣先事業主が講ずべき措置に関する指針 ) が定められ 派遣元と派遣先がそれぞれ講ずるべき措置等を示しています 派遣労働は 労働者の契約形態によって 常用型 と 登録型 の二つに分けられます 登録型派遣労働者

の業務について派遣先が九の 1 に抵触することとなる最初の日 六派遣先への通知 1 派遣元事業主は 労働者派遣をするときは 当該労働者派遣に係る派遣労働者が九の 1の ( 二 ) の厚生労働省令で定める者であるか否かの別についても派遣先に通知しなければならないものとすること ( 第三十五条第一項関係

平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

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条件画面報告対象期間報告年月日 (6 月 1 日現在 ) 得意先 NO 部門出勤区分ファンクションキーヘルプ (F1) プレビュー (F8) 印刷 (F9) 終了 (F12) 年度報告する期間の開始年月日と終了年月日を指定します システム日付の年とシステム固定で持つ決算年月日の日付により 初期値をセ

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厚生労働省 需給調整課 - 改正派遣法説明会 

シルバー派遣事業のご利用を検討されているお客様へ Ⅰ 労働者派遣事業と請負の違いについて 労働者派遣と請負の違いについて 労働者派遣 労働者派遣契約 請負 請負契約 センター派遣先センター発注者 雇用契約指揮命令センターの指揮命令なし 派遣労働者 構成員 シルバー会員 雇用主は派遣会社 派遣先が派遣

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Microsoft PowerPoint - 2の(別紙2)雇用形態に関わらない公正な待遇の確保【佐賀局版】

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契約の終了 更新18 無期労働契約では 解雇は 客観的に合理的な理由を欠き 社会通念上相当であると認められない場合 は 権利濫用として無効である と定められています ( 労働契約法 16 条 ) 解雇権濫用法理 と呼ばれるものです (2) 解雇手続解雇をする場合には 少なくとも30 日前に解雇の予告

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Q&A Q1: 例外要件のエ. 主たる生計者でなく 世帯の年間収入の額が 500 万円以上である場合 の 主たる生計者でなく とは どのような場合を指しますか? A1: 世帯収入にあなたの収入が占める割合が 50% 未満である場合を指します Q2: 例外要件のエ. 主たる生計者でなく 世帯の年間収入

第 7 派遣元事業主の講ずべき措置等 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針 ( 平成 11 年労働省告示第 137 号 ) ( 最終改正平成 29 年厚生労働省告示第 210 号 ) 第 1 趣旨この指針は 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 ( 以下 労働者派遣法

●労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案

年度報告(報道発表資料)

目次 Ⅰ 労働者派遣事業の許可制への一本化 2 Ⅱ 労働者派遣の期間制限の見直し 4 Ⅲ キャリアアップ措置 14 Ⅳ 均衡待遇の推進 17 Ⅴ 労働契約申込みみなし制度 19 Ⅵ その他の内容

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今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書(その1)

(1) 学校等の卒業証明書 (2) 生年月日を証明する書類 ( 免許証等公的機関が発行する証明書 なお 卒業証明書に生年月日が記載されている場合は 省略できる ) 3 要綱第 9 条第 2 項第 1 号イに該当する労働者を雇用した場合は 次の各号いずれかの書類を提出するものとする (1) 雇用保険受

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① 年度報告(確報) かがみ

(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

① 年度報告(報道発表資料) かがみ

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等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

9-1 退職のルール 職することは契約違反となります したがって 労働者は勝手に退職することはできません 就業規則に 契約期間途中であっても退職できる定めがある場合には それに従って退職できることになりますが 特段の定めがない場合には なるべく合意解約ができるように 十分話し合うことが大切です ただ

ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

登録用 ③2603 年度報告(確報)P3~18(差替・見え消し版)

1 なぜ 同一労働同一賃金 が導入されるのか? 総務省統計局労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 30 年 (2018 年 )7~9 月期平均 ( 速報 ) によると 非正規労働者数は 2,118 万人 ( 前年同期比 68 万人増加 ) 正規労働者数は 3,500 万人となっています 役員を除く雇用

派遣添付書類一覧(30年1月訂正)

2. 様式の改正については平成 25 年 4 月 1 日付けで行う予定としているが 4 月以降も当面の間は改正前の様式を引き続きご利用できること 3. 改正後の新様式で届出を行う場合の記載方法等については別添 1 改正前の様式で届出を行う場合の記載方法については別添 2のとおりリーフレットを作成した

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

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工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

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企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

当初からの改正趣旨 理由 (3 つの問題点とその対応策 ) 問題点雇用の不安定な形態不透明な待遇違法派遣の増加 対応規制強化待遇改善迅速な対処と強化 具体策 ( 登録型派遣の原則禁止 ) ( 製造業務派遣の原則禁止 ) 日雇派遣の原則禁止 グループ企業内規制 1 年以内離職者の受け入れ 有期から無期

審議するものとする 2 前項の審議は 当該任期付職員の在任中の勤務態度 業績等の評価及び無期労働契約に転換した場合に当該任期付職員に係る退職日までの人件費の当該部局における措置方法について行うものとする 3 教授会等は 第 1 項の審議に当たり 必要に応じて 確認書類の要求 対象者への面接等の措置を

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一公職の候補者となる労働者の雇用の継続の確保のための立候補休暇に関する法律案目次第一章総則 ( 第一条 第二条 ) 第二章立候補休暇 ( 第三条 第六条 ) 第三章雑則 ( 第七条 第九条 ) 附則第一章総則 ( 目的 ) 第一条この法律は 立候補休暇の制度を設けることにより 公職の候補者となる労働

市報2016年3月号-10

2016年 弾丸メールセミナー № 33 雇用保険法 高年齢再就職給付金

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株式会社フロンティアビジネス 別紙 1 1 処分内容 (1) 労働者派遣法第 21 条第 2 項に基づく労働者派遣事業停止命令 ( 労働者派遣事業停止命令の内容は 3 のとおり ) (2) 労働者派遣法第 49 条第 1 項に基づく労働者派遣事業改善命令 ( 労働者派遣事業改善命令の内容は 4 のと

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Microsoft Word - 様式第1号 キャリアアップ計画書 記入例

延長保育実施要綱

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

補助事業等の実施に要する人件費の算定等の適正化について 平成 22 年 9 月 27 日 22 経第 960 号大臣官房経理課長から大臣官房総務課長 大臣官房政策課長 大臣官房厚生課長 大臣官房地方課長 大臣官房環境バイオ マス政策課長 大臣官房国際部長 大臣官房統計部長 各局 ( 庁 ) 長 沖縄

01 【事務連絡】疑義解釈資料(施術管理者の要件関係)

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個人情報の保護に関する規程(案)

(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

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採用者数の記載にあたっては 機械的に採用日の属する年度とするのではなく 一括 採用を行っている場合等において 次年度新規採用者を一定期間前倒しして雇い入れた 場合は 次年度の採用者数に含めることとしてください 5 新卒者等以外 (35 歳未満 ) の採用実績及び定着状況採用者数は認定申請日の直近の3

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

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社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

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問 1-2 法第 5 条の3 第 1 項で義務付けられている労働条件明示は いつまでに行わなければならないのか 労働条件明示は 求職者等と最初に接触する時点までに 労働条件に関する全ての事項を明示することが原則です 指針第 3の1(4) イ 例えば ホームページへの募集要項の掲載や求人広告の掲載等を

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【全文】就業規則(今井保育園H29.1.1)

規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

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ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

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要領統一型紙

派遣法改正に向けた動きが本格化 失業率が 5% を上回るなど厳しい雇用情勢が続く中 政府は労働者派遣事業の規制強化に乗り出している 2009 年 12 月 28 日 労働政策審議会は労働者派遣法 ( 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律 ) 改正原案を取り纏め

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

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Transcription:

特定社会保険労務士岡西淳也 1

2

日雇派遣の問題点 あまりにも短期の雇用 就業形態 派遣元 派遣先双方で必要な雇用管理責任が果たされていない 1 日雇派遣の原則禁止日々又は 30 日以内の期限を定めて雇用する労働者 ( 日雇労働者 ) について 労働者派遣を禁止 1 ヶ月毎の更新依頼は不可 (30 日以内の月もあるため ) あくまで 契約期間 であり 就業日数 ではない 2 原則禁止の例外 ( 労働者がいずれかに該当する場合 ) a. 日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがな いと認められる業務 ( b. 雇用機会の確保が特に困難な労働者等を派遣する場合 ( 注 ) 日雇派遣は原則禁止となるが 直接雇用による日雇就労が禁止されるわけではない 3

日雇派遣の原則禁止の例外となる 業務 日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼす おそれがないと認められる業務 ( 併せて号数の変更も記載 ) ソフトウェア開発 (1 号 ) 貿易(11 号 9 号 ) 広告テ サ イン (20 号 16 号 ) 機械設計 (2 号 ) テ モンストレーション (12 号 10 号 ) OAインストラクション 事務機器操作 (5 号 3 号 ) 添乗 (13 号 11 号 ) (23 号 17 号 ) 通訳 翻訳 速記 (6 号 4 号 ) セールスエンシ ニアの営業 秘書(7 号 5 号 ) 受付 案内 (16 号 12 号 ) 金融商品の営業 ファイリンク (8 号 6 号 ) 研究開発 (17 号 13 号 ) (25 号 18 号 ) 市場調査 (9 号 7 号 ) 事務企画立案 (18 号 14 号 ) 財務(10 号 8 号 ) 制作 編集 (19 号 15 号 ) ( 注 ) 改正後の条番号は全て政令第 4 条 1 項である 4

日雇派遣の原則禁止の例外となる 場合 1.60 歳以上の者 日雇い労働者が以下のいずれかに該当する場合 2. 雇用保険の適用を受けない学生 ( いわゆる昼間学生 ) 3. 生業収入が 500 万円以上の者 ( 副業 ) 4. 生計を一にする配偶者等の収入により生計を維持する者であり 世帯収入の額が 500 万円以上 ( 主たる生計者以外の者 ) 例外の業務 と 例外の場合 はどちらかを満たせば例外として認められる 5

要件の確認方法 以下の書類によることが基本 60 歳以上の者年齢が確認できる公的書類等 いわゆる昼間学生 学生証等 収入要件 (500 万円以上 ) 本人 配偶者等の所得証明書 源泉徴収票の写し等 確認結果の記録 ( 派遣元事業主における対応 ) 上記書類の写しを保存するまでの必要はない ただし どのような種類の書類により確認を行ったかが 分かるようにすることが必要 ( 例 : 派遣元管理台帳へ記録 ) 6

グループ企業派遣の問題点 同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占めるような場合 派遣元事業主が第二人事部的に位置付けられ 労働市場における需給調整機能が果たされない 1 グループ企業内派遣の制限 (8 割規制 ) あるグループ企業内の派遣会社が該当グループ企業に派遣する割合を 8 割以下に制限 ( 注 ) 派遣割合は労働時間で計算 また 定年退職者は算定から除外 ( 注 )8 割を超過した場合は指導 助言 勧告 許可取消等の措置が順次講じられる 2 派遣割合の実績報告派遣元事業主に対して 事業年度終了後 3 ヶ月以内の グループ企業内派遣の派遣割合 の報告を義務化 7

派遣割合が 8 割以下に制限される グループ企業 の範囲は 以下のとおり 派遣元事業主が連結子会社の場合 ( 連結決算を導入している企業グループに属する場合 ) グループ企業の範囲 派遣元事業主の親会社 派遣元事業主の親会社の子会社 ( 注 ) 親子関係は 連結決算の範囲により判断 派遣元事業主が連結子会社でない場合 ( 上記以外の場合 ) 派遣元事業主の親会社等 派遣元事業主の親会社等の子会社等 ( 注 ) 親子関係は 外形基準 ( 議決権の過半数を所有 出資金の過半数を出資等 ) により判断 8

グループ企業への派遣割合の計算方法 毎事業年度終了後 以下の計算式により算出 派遣元事業主は 計算結果を事業年度終了後 3 ヶ月以内に報告 ( 全派遣労働者のグループ企業での総労働時間 - 定年退職者のグループ企業での総労働時間 ) 派遣割合 = 全派遣労働者の総労働時間 ( 注 1) 定年退職者が退職後に派遣労働者として就労する場合には 派遣元事業主のグループ会社に派遣された場合であっても 分子 ( グループ企業への派遣 ) には含まれない ( 注 2) 定年退職者 には 継続雇用後に離職した者や継続雇用中の者も含まれる 退職前の企業が自社か他社かは不問 ( 注 3) ここでいう 労働時間 とは 派遣就業の労働時間をいう ( 注 4)% 表記にした場合の小数点第 2 位以下を切り捨て 9

離職前の事業者への労働者派遣の問題点 本来直接雇用とすべき労働者を派遣労働者とすることで 労働条件を切り下げている可能性 常用代替の典型例であり 労働者派遣法の趣旨に反する 離職後 1 年以内の労働者派遣の禁止 離職した労働者を離職後 1 年以内に離職前事業者へ派遣労働者として派遣することを禁止 ( 派遣元事業主の義務 ) また 派遣先となる事業者が離職後 1 年以内の労働者を派遣労働者として受け入れることを禁止 ( 派遣先の義務 ) ( 注 ) 定年退職者は禁止対象から除外 ( 注 ) 派遣先を離職する前の雇用形態は不問であるため アルバイトやパートでの雇用も禁止対象に含まれる 10

派遣先派遣元事業主 ( 離職前の事業者 ) 離職派遣労働者として雇用 離職前の事業者に派遣労働者として派遣 離職後 1 年間は 離職前の事業所に当該労働者を派遣することを禁止 禁止対象となる派遣先 事業者 単位 ( 事業所 単位ではない ) 禁止対象から除外される派遣労働者 60 歳以上の定年退職者 ( 注 ) 定年退職者 には 継続雇用後に離職した者や継続雇用中の者も含まれる 派遣先は 当該派遣労働者が離職後 1 年以内であるときは 書面等によりその旨を派遣元事業主に通知 11

12

有期雇用の派遣労働者等の取り巻く課題 能力開発の機会が得にくい 就業経験が評価されない やむを得ず派遣で働いているにもかかわらず固定化 無期雇用になるための機会が少ない 無期雇用への転換推進措置一定の有期雇用派遣労働者等について 労働者本人の希望に応じ 無期雇用への転換推進措置を講ずるよう 派遣元事業主に対して努力義務化 13

対象となる労働者 ( 一定の有期雇用派遣労働者等 の範囲 ) 派遣元事業主との雇用期間が通算して 1 年以上である 有期契約の派遣労働者 派遣元事業主との雇用期間が通算して 1 年以上である労働者を 派遣労働者 として雇用する場合 ( 登録型派遣で 登録中の労働者を新たに雇用する場合をイメージ ) 無期雇用への転換推進措置の内容 ( 派遣元事業主が講ずべき措置 ) 無期雇用の派遣労働者又は無期雇用の通常の労働者として雇用する機会の提供 紹介予定派遣の対象とすることで 直接雇用を推進 無期雇用の労働者への転換を推進するための教育訓練等の実施 1 派遣元事業主は 労働契約の締結 更新の機会やメールの活用等により 対象となる労働者の希望を把握するよう努める必要がある 2 派遣元事業主が講ずべき無期雇用への転換推進措置は 上記のいずれかの措置でよい 14

派遣契約の中途解除に関する課題 労働者派遣契約の中途解除に伴い 派遣労働者の雇用が 失われる 派遣契約の中途解除に当たり講ずべき措置の明確化 派遣先の都合により派遣契約を解除する場合には 派遣労働者の新たな就業機会の確保 休業手当等の支払いに要する費用の負担等の措置を講ずるよう 派遣先に対して義務化 以前は 努力義務 とされていたものが義務化される 派遣契約に 派遣契約の解除時に講ずる派遣労働者の新たな就業機会の確保 休業手当等の支払いに要する費用の負担等に関する事項を盛り込むことを明示 15

派遣労働者の待遇に関する課題 派遣労働者の働きに見合った待遇がなされていない 事業運営が不透明 均衡を考慮した待遇の確保 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者等との均衡を考慮した賃金決定や 教育訓練 福利厚生の実施等に配慮 ( 派遣元事業主の義務 ) 派遣元事業主による均衡待遇の確保に向けた措置が適切に講じられるよう 必要な情報を派遣元事業主に提供する等の協力を努力義務化 ( 派遣先の義務 ) 16

均衡待遇の確保に向けて派遣元事業主 派遣先が講ずべき措置は それぞれ以下のとおり 派遣元事業主 以下の要素を勘案して 派遣労働者の賃金を決定するよう努めること 1. 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準 2. 派遣労働者と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準 3. 派遣労働者の職務内容や成果等 教育訓練 福利厚生等についても 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮するよう努めること 派遣先 派遣元事業主の求めに応じ 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準 教育訓練等に関する情報を提供するよう努めること 派遣元事業主の求めに応じ 派遣労働者の職務の評価等に協力するよう努めること 17

派遣労働者の待遇に関する課題 ( 再掲 ) 派遣労働者の働きに見合った待遇がなされていない 事業運営が不透明 マージン率等の情報提供の義務化派遣元事業主に対して 事業所ごとの 派遣労働者数 派遣先数 労働者派遣に関する料金額と派遣労働者の賃金額の差額の派遣料金に占める割合 ( いわゆるマージン率 ) 教育訓練に関する事項 等の情報提供を義務化 18

マージン率の計算方法 毎事業年度終了後 以下の計算式により算出 派遣元事業主は 計算結果をインターネット等により情報提供 マージン率 = ( 労働者派遣に関する料金額の平均額 - 派遣労働者の賃金額の平均額 ) 労働者派遣に関する料金額の平均額 ( 注 1) マージン率の計算は事業所ごとに行うことが原則であるが その事業所が労働者派遣事業を行う他の事業所と一体的な経営を行っている場合には その範囲内で算定することも妨げない ( 注 2)% 表記にした場合の小数点第 2 位以下を四捨五入 19

情報提供すべき事項事業所ごとに 以下の情報を提供することが必要 1. 派遣労働者の数 2. 派遣先の数 3. マージン率 4. 教育訓練に関する事項 5. 労働者派遣に関する料金額の平均額 6. 派遣労働者の賃金額の平均額 7. その他参考となると認められる事項 ( 注 1) 教育訓練に関する事項 とは 派遣元事業主で実施している教育訓練の内容 実施期間 費用負担の有無等をいう ( 注 2) その他参考となると認められる事項 とは 派遣元事業主の判断に委ねられるが 例えば 福利厚生に関する事項等が考えられる 20

いわゆる マージン とは 以下の算式により計算した結果のことマージン = 派遣料金額 ( 派遣元事業主の収入 ) 派遣労働者に支払った賃金額 派遣元事業主は マージン 相当分から 法定福利費 法定外福利費 教育訓練費 事業経費等を支払う従って 教育訓練や福利厚生に力を入れている派遣元事業主の場合には そうでない派遣元事業主と比べて マージン率が高めに出る可能性がある 情報提供の際には 教育訓練やその他参考となると認められる事項 ( 福利厚生等 ) についても可能な限り分かりやすく記載することで 派遣元事業主の取組が労働者や派遣先に正確に伝わるようにすることが重要 また 労働者や派遣先も マージン率だけで評価するのではなく その他の情報と組み合わせて総合的に評価することが重要 21

派遣労働者の待遇に関する課題 ( 再掲 ) 派遣労働者の働きに見合った待遇がなされていない 事業運営が不透明 待遇に関する事項等の説明の義務化 派遣元事業主に対して 派遣労働者として雇用しようとする労働者への 派遣労働者として雇用した場合の賃金額の見込み 等についての説明を義務化 22

説明すべき事項 1. 派遣労働者として雇用した場合における賃金額の見込みその他の待遇に関する事項 2. 事業運営に関する事項 3. 労働者派遣制度の概要 ( 注 1) その他の待遇に関する事項 とは 例えば 想定される就業時間 就業場所 教育訓練等が考えられるが その時点で説明可能な内容を説明すればよい ( 注 2) 事業運営に関する事項 とは 派遣元事業主の会社概要等をいう 説明の方法 書面 FAX メールその他の方法により実施 ただし 賃金額の見込みについては 書面 FAX メール のいずれかによる 説明の時期 労働契約の締結前 ( 注 ) 登録型派遣の場合の登録中の労働者に対して説明するようなイメージ 23

派遣労働者の待遇に関する課題 ( 再掲 ) 派遣労働者の働きに見合った待遇がなされていない 事業運営が不透明 労働者派遣に関する料金額の明示の義務化派遣元事業主に対して 雇入時 派遣開始時 派遣料金額の変更時における派遣労働者への 労働者派遣に関する料金額 の明示を義務化 24

説明すべき派遣料金額以下のいずれかとする 1. 当該派遣労働者本人の派遣料金額 2. 当該派遣労働者が所属する事業所における派遣料金額の平均額 明示の方法書面 FAX メールにより実施 ( 口頭等による明示は不可 ) 明示の時期 1. 労働契約の締結時 2. 実際の労働者派遣時 3. 明示した派遣料金額を変更する時 ( 注 ) ただし 労働契約の締結時 (1.) に明示した派遣料金額と実際の労働者派遣時 (2.) の派遣料金額が同じである場合 実際の労働者派遣時 (2.) の派遣料金額の明示は省略可 25

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違法派遣の是正に伴う労働者への影響等 違法派遣の是正が派遣労働者の不利益 ( 派遣労働者の雇止め 解雇等 ) に繋がる場合がある 同じ事業主の下 違法を繰り返す派遣先の増加 労働契約申込みみなし制度の創設派遣先が一定の違法派遣を受け入れている場合 違法状態が発生した時点において 派遣先が派遣労働者に対して 当該派遣労働者の派遣元事業主における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす ( 注 ) 違法派遣について派遣先に過失がない場合を除く ( 注 ) 労働契約申込みみなし制度の施行は 平成 27 年 10 月 1 日 27

派遣先派遣元事業主派遣労働者を違法派遣 違法派遣が行われた時点で 派遣先が当該労働者に労働契約を申し込んだものとみなす ( 違法派遣であることを派遣先が知らず かつ そのことに 過失がない場合を除く ) 派遣労働者が希望する場合 1 労働契約申込みみなし期間は 1 年間 申込みを承諾 ( 派遣先は 1 年間は申込みを撤回できない ) ( 承諾するかどうかは 派遣労働者の希望による ) 2 その場合の労働条件は 労働契約申 込 込みみなし時点における派遣元事業主との 派遣労働者 労働条件と同一 労働契約申込みみなし制度の対象となる 違法派遣 労働者派遣の禁止業務に従事させた場合 禁止業務 港湾運送業務 建設業務等 無許可 無届の派遣元事業主から労働者派遣を受け入れた場合 派遣可能期間を超えて労働者派遣を受け入れた場合 いわゆる偽装請負の場合 ( 請負等の名目で 派遣契約を締結せずに労働者派遣を受け入れた場合 ) ( 注 ) 労働契約申込みみなし制度の施行は 平成 27 年 10 月 1 日 28

法違反の増加 処分逃れを画策する事業主の現出 欠格事由の整備 ( 追加 ) 以下のケースを 労働者派遣事業の許可等に関する欠格事由に追加する 1. 許可を取り消された法人等の役員であった者で 取消しの日から 5 年を経過しないもの 2. 許可取消等の手続が開始された後に事業廃止の届出をした者で 届出の日から 5 年を経過しないもの等 29

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日雇派遣の原則禁止 離職後 1 年以内の労働者派遣の禁止施行日 ( 平成 24 年 10 月 1 日 ) 以後に締結される労働者派遣契約に基づき行われるものから適用 グループ企業内派遣の制限施行日 ( 平成 24 年 10 月 1 日 ) 以後に開始される事業年度分から適用 ( 例 ) 事業年度終了が 3 月期の場合 平成 25 年 4 月以降の事業年度分から適用 マージン率等の情報提供施行日 ( 平成 24 年 10 月 1 日 ) 以後に終了する事業年度分から公表すれば可 ( 例 ) 事業年度終了が 3 月期の場合 平成 25 年 4 月以降 速やかに公表 31