< 様式 3> 平成 27 年 11 月 12 日 一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト 理事長 福岡正博殿 所属機関 職 千葉大学医学部附属病院 看護師長 研修者氏名 藤澤陽子 平成 27 年度研究助成に係る 研修報告書の提出について 標記について 下記のとおり報告いたします 記 1 研修

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看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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H28_クリニカルラダー研修

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介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

一般看護師領域 キャリアレベル ミドル (Ⅲ) 退院支援看護師育成プログラム ~ 希望を地域へつなぐ ~

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高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

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平成18年度標準調査票

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表. 認定看護師認定更新者活動状況調査分野別調査対象及び回収状況 配布数 回収数更新 回目更新 回目更新回数不明計 回収率 (%) 救急看護 8 0. 皮膚 排泄ケア 集中ケア 8. 緩和ケア.0 がん化学療法看護. がん性疼痛看護 感染管理.9 糖尿病看護 0.0 不妊症看

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日本臨床麻酔学会 vol.36

ンパ浮腫外来業務および乳腺外来業務で全日および半日をそれぞれ週に 2 日に変更する さくら 9 は現状の外来業務として平日の全日に 4 名を助勤しているが これに加え さらに輸血業務として 1 名を助勤し 計 5 名を助勤していきたいと考えている さくら 8 は新たに児童精神科外来業務として全日を週

がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

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チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

Ⅰ. クリニカルラダー ( 看護師の実践能力段階的システム ) について クリニカルラダーは 看護の質の向上 を目的に 臨床ナース一人ひとりが臨床における看護実践能力を高められるよう支援していくシステムであり 看護実践能力は 基礎教育で学習して知識 技術をもとに 実際に臨床で経験する中で知識を積み重

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Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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2 2

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個人情報の取り扱いについて 公益財団法人岩手県予防医学協会 個人情報保護管理責任者常務理事 公益財団法人岩手県予防医学協会 ( 以下 協会 という ) は 健康診断等で取得した個人情報 を協会の個人情報保護基本規程に従って適正に管理し 以下のとおりお取り扱いさせていただき ますので 個人情報の提供

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目標管理の実際

訪問審査当日の進行表 審査体制区分 1: 主機能のみ < 訪問 2 日目 > 時間 内容 8:50~9:00 10 分程度休憩を入れる可能性があります 9:00~10:30 薬剤部門 臨床検査部門 画像診断部門 地域医療連携室 相談室 リハビリテーション部門 医療機器管理部門 中央滅菌材料部門 =


ける臨床実習指導者と病棟看護師の役割分担を明確にして協力体制を整えることで 病棟 全体で学生指導に携わるという実習環境を整えることができると考え 実践計画を立案す ることとした II. 計画内容 1. 目的臨床実習指導における臨床実習指導者と病棟看護師の役割分担を明確にし 臨床実習指導体制を整える

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報告書 新規

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はじめに 平成 27 年の日本医療機能評価機構創立 20 周年を機に 病院機能評価事業のさらなる発展を目指すため 次世代医療機能評価のアジェンダ ( 以下 アジェンダ ) を取りまとめた アジェンダでは (1) 地域医療の質向上に寄与するための評価 の実現に向け 以下 2 点の施策について検討するこ

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

(目的)

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山梨県社会福祉士会地域包括支援委員会アンケート調査結果 (43 部回収 22 事業所 ) 問 1 あなたの性別を教えてください 1) 男性 2) 女性 問 2 あなたの現在のご年齢をお答え下さい 1)20 代 2)30 代 3)40 代 4)50 代 5)60 代

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平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

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系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

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Transcription:

< 様式 3> 平成 27 年 11 月 12 日 一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト 理事長 福岡正博殿 所属機関 職 千葉大学医学部附属病院 看護師長 研修者氏名 藤澤陽子 平成 27 年度研究助成に係る 研修報告書の提出について 標記について 下記のとおり報告いたします 記 1 研修課題 MD Anderson Cancer Center Japanese Medical Exchange Program JME Program 2015 2 研修期間平成 27 年 9 月 17 日 ~ 平成 27 年 10 月 24 日 3 研修報告書別紙のとおり

平成 27 年 11 月 12 日 平成 26 年度オンコロジー教育推進プロジェクト 研修報告書 研修課題 MD Anderson Cancer Center Japanese Medical Exchange Program JME Program 2015 所属機関 職 千葉大学医学部附属病院看護師長 研修者氏名 藤澤陽子

研修を経て創出した Mission and Vision Mission: ( 日本語 ) がんに罹患した若い人々とそのケア提供者に対して コミュニケーション 教育 研究を通してエンパワーする ( 英語 ) My mission is empowering young adult cancer survivors and their caregivers through communication, education and research. Vision: ( 日本語 ) 若いがんサバイバーたちが自律して過ごせるような社会をつくる ( 英語 ) My vision is to create a society with young adult cancer survivors who have autonomy in their lives.

Ⅰ 目的 方法 Page. 1 目的 1. MD Anderson Cancer Center(MDACC) における Multidisciplinary team のありようと看護師の役割について学ぶ 2. これまでのキャリアの振り返りと MDACC での学びをもとに 自己の Mission/Vision を立案する 3. 上記をもとに 自部署 自施設 地域における自己の役割の追求と今後のキャリアプランを立案する 方法 1. MD Anderson Cancer Center Japanese Medical Exchange Program に参加し 各部署における専門職者の働きの見学や講義の聴講 ディスカッションを行う 2. Program のメンバーである 医師 薬剤師 看護師のチームにより チーム医療の実践および改革に向けたプロジェクト立案を行う 3. 研修における学びやメンターとのディスカッションを通して 自己の役割や Mission/Vision を洗練 具体化させる

Ⅱ 内容 実施経過 Page. 2 1. 部署の見学以下の部署において 見学を行い また Multidisciplinary team の働きに関して 医師 薬剤師 看護師 フィジシャンアシスタントやナースプラクティショナーなどそれぞれの立場から診療の見学や役割に関する話を伺う機会を得た 見学部署 Breast clinic (medical oncology, surgery): 乳腺外来 乳腺外科外来においては 複数回の見学機会があり Multidisciplinary team のそれぞれの職種の活動や協働の様子について見学 話を伺う機会を得た GI clinic: 消化器外来における 主に薬剤師の役割について見学 Gynecology clinic: 婦人科外来における 薬剤師の役割について見学 Stem cell transplantation survivorship clinic, GVHD clinic: 造血幹細胞移植後の NP が中心となって行っているサバイバーシップクリニック メンターである Joyce の行っている外来の見学を行った Ambulatory treatment center: 外来治療室にて 外来化学療法投与の現場での看護師の役割を見学した Hematology unit, Stem cell transplantation unit (nursing rounds, Clinical Nurse Leader rounds): 血液内科病棟 造血幹細胞移植病棟にて Multidisciplinary team の活動 病棟看護師の活動 Clinical Nurse Leader の活動の見学を行った また Charge nurse による移植前の患者家族へのオリエンテーション教室の見学も行った Radiation: 放射線治療に関するカンファレンス 外来での照射計画 診察の様子を見学した Pathology: 病理学に関するレクチャーの受講 病理検査の現場を流れに沿って見学 多職種協働の様子を見学した Wound ostomy care nursing rounds:woc NS の役割に関するレクチャー 実際の活動の様子の見学 Operation room (breast surgery, bone marrow harvest): 乳がん切除術 血縁ドナーの骨髄採取術を見学 Pharmacy (inpatient, outpatient, pharmacy patient resources): 薬剤部の組織についてのレクチャー 病棟 外来における薬剤の取り扱いや薬剤師の役割 薬剤に関する患者サービスについてのレクチャーを受けた Integrative medicine: マッサージや鍼治療などを行う施設の見学 Blood center: 献血の採取 保存方法や様々な血液療法に関する見学とレクチャー Proton therapy center: 施設見学 治療の流れや多職種の役割に関するレクチャー Rehabilitation: 外来における理学療法 作業療法の実際の見学

( つづき ) Ⅱ Page. 3 Houston Hospice (MDACC 外 ): 施設の見学 医師 チャプレン ボランテイアなど多職種の方々による活動内容のレクチャー 2. 各専門職者との discussion 部署の見学以外にも 各専門職者から直接 彼らの活動内容や役割について話を伺ったり 関係するテーマに関するレクチャーの受講 ディスカッションを行ったりする機会を得た Social worker MDACC における Social worker の役割と主な活動内容 Case manager MDACC における Case manager の役割と主な活動内容 Child support (Child life specialists, Martha Aschenbrenner) 小児や思春期 若年がん患者へのケアについて親ががんに罹患した子供へのケアについて Palliative care team (NP, Psychologist) 緩和ケアチームの活動 役割の実際について若年がん患者への心理的サポートについて 3. 講義 看護 Joyce のマネジメントにより アメリカの看護師のキャリア 教育について Advance Practice Nurse Clinical Nurse Leader Research Nurse などの役割 研究に関する体制などに関するレクチャーを受けた 統計 倫理 Shen による統計の基本的講義 グループごとプロジェクトに関するアドバイスを受けた また Richard による医療 研究倫理に関する講義を受けた リーダーシップ論 Janis のマネジメントによる リーダーシップ論に関する講義を受けた MBTI リーダーシップに必要な要素 SPIKES などである 4. conference への参加 Cancer Survivorship conference:mdacc スタッフ ボランティアにより開催されている Survivor サポート団体によるブース設置 様々な専門職による症状マネジメント 保険や社会資源 survivor による体験談などの講演が行われた 19 th Annual Interdisciplinary Conference on Supportive Care, Hospice and Palliative Medicine: 痛みなどの身体症状 コミュニケーションなどに関する講演が行われた Nursing ethics rounds:joyce による 移植病棟での看護倫理に関するカンファレンス

( つづき ) Ⅱ Page. 4 を見学した 参考資料としての文献の提示 病棟で抱えている事例に関するディスカッションが行われていた 他病棟においては Joyce が Clinical Nurse Leader たちを教育し 広めているとのことであった Joyce はさらに看護大学の授業においても倫理を担当し 倫理的課題に関する取り組みのシミュレーションを行っていた Nursing practice congress: 看護実践における様々な課題への取り組みの活動に関する発表会であり その計画や成果を 多職種を招いて発表 ディスカッションを行っていた Palliative, rehabilitation and integrative medicine grand rounds: 毎週開催されており 睡眠障害 ラテンアメリカにおける緩和ケアの状況 ホスポスから退院する患者に関する課題などに関しての講演があった その他 5. 自己の Mission/Vision 研修前の時点で 自らの Mission/Vision やこれまでのキャリアを振り返るところから始まった 毎週 メンターとのミーティング 上野先生とのミーティングの機会があり 示唆に富む多くのアドバイスをいただき 内省し Mission/Vision をより焦点化したものに洗い直し MDACC での学びも自己の Vision に沿って強化することができた

Ⅲ 成果 Page. 5 1. 自己の Mission/Vision の構築研修前の時点で 自らの Mission/Vision やこれまでのキャリアを振り返るところから始まった 昨年の JTOP アカデミーでもその機会を得ていたが それから時間が経ったのちに改めて向き合い 上野先生からの細やかで深みのあるアドバイス また 普段と異なる状況に日々接し メンターをはじめとした関心分野におけるスペシャリストとのディスカッションを通して 本当に多くの示唆を得ることができた これまでは様々な分野を転々としながら その場で自分のやりがいや役割を見いだすことはできていた しかし 自分の Mission/Vision を持つということは 受け身ではなく 自らの Vision を目指して必要なことを積極的に追求していくこととなる 研修の後半になるにつれて より必要なものを得るという姿勢になり これから進めていくための手がかりが少しずつ見つかり 世界のみえかた 関係する人々への接しかたが違ってくるのを実感した そして 自分の目指す Vision を達成するためには Shared vision にすること 周囲を効果的に巻き込むことができるだけの根拠とパッションが必要である そのためには 知識 実践におけるスキル 研究で成果とエビデンスを示すことが重要であると改めて感じた MDACC において世界の広さとこれまで自分の見てきた世界の小ささを感じたが まずは自分の手の届くところから始めていきたい 私は 若年がんサバイバー 患者本人 ケアギバー 看護師をはじめとした医療従事者にとってよりよい社会に貢献できればと考えている そのために 自分自身に何が必要なのか 何ができるのか 今回の研修で得たエッセンスを広げるべく研鑽を積みながら一歩ずつ前進していきたい 2. スペシャリストによる現場のケアの質およびスタッフのモチベーションの向上における役割に関する学び本研修で最も感銘を受けたのは スペシャリストがいることによる多くの効果である 研修前は スペシャリストが多いと少し複雑なことは全ておまかせしてしまい 現場が育たないのではないか かえって現場との差ができてしまうのではないかという懸念も感じていた しかし 実際の MDACC では 多岐にわたるスペシャリストが活躍していた Nurse Practitioner Clinical Nurse Leader 看護管理者 PhD 学会認定資格などがあり それぞれは名札にも明示され 給与への反映もされている 看護師としてのキャリアを考える上で キャリアアップを具体的なかたちとして考えやすく モチベーションにつながり また それが周囲からもきちんと認められる仕組みとなっていた Clinical Nurse Leader は 医療における error の増加や看護師不足を背景に 質に責任を持ち 現場を変えていく役割を期待されて育成されるようになってきているとのことであった MDACC では 各病棟のフロアごとに配置され 転倒 褥瘡 感染率の減少 患者満足

( つづき ) Ⅲ Page. 6 度 ( コミュニケーション 疼痛マネジメント ) の向上に関して責任を持って活動していた 基本的に日勤には毎日いるので 病棟の患者の状況 看護師の力量も把握しており 看護チーム内および他職種との連携にも大きな役割を果たしていた 一方で Clinical Nurse Specialist は MDACC においてはその役割の価値が認められず そのポジションは Clinical Nurse Leader に取って代わられてきているという状況もあり それぞれの役割の存在意義 アウトカムをきちんと示していく必要性も痛感した 高度な知識やスキルを持つスペシャリスト達は 臨床 研究や教育において自らが質の高い実践をすることはもちろんであるが 周囲の人々に対しても惜しみないサポート力を発揮していた MDACC には Nursing Practice Congress という 看護師が実践現場での気づきから何か取り組みたいと考えたことへのサポートがある Professional Action Coordinating Team(PACT) があり 活動内容や方法 興味関心を持つ関係者を巻き込むなどのサポートを行っている そして その活動の計画や成果を Nursing Practice Congress において発表している そこには 多職種からも選抜されたメンバーを巻き込んでいる Nursing Practice Congress に多職種を巻き込んでいることは 看護師による実践改善活動に多職種と協働するためにも有効であり また 看護師の意向や機能を示すことにもつながっていると考えられる あるリサーチナースは 倫理カンファレンスにおいて 臨床試験を受ける患者の advance directive における看護師の役割について考えたいという相談をしていた 第一相臨床試験を受けに来る患者は 病状としても厳しい状況にある場合が多く advance directive を考えていることもあるが ソーシャルワーカーに任せきりな現状があり 看護師として果たすべき役割を検討 現場に広めたいと話していた また ある病棟看護師は VRE などの感染率の低下を目指した家族へのスタンダードプリコーションの推奨や 移植病棟で長期に患者のケアにあたる家族を癒すことができるようなカフェの開催を企画していた その看護師は その活動を勤務時間外にも費やしているとのことであった 活動へのモチベーションはどこから来るのかと尋ねると 学会で発表すると同じようなことに関心がある人たちと出会いディスカッションすることができる ( しかも次の学会はハワイで行われるということも ) 病院が活動を認めて給与に反映する ということを挙げていた このように 現場で働く看護師の気づきを PACT が専門的な知識やスキルを使ってサポートするというシステムは 現場の看護師のモチベーションを高め 質向上につなげ さらにキャリアアップへの支援にもなっていると考えられた 自施設では 現場の看護師の気づきを研究的な活動につなげるためのサポートは少ないのが現状であり 負担が大きく せっかくの気づきが日々に流されてしまっている MDACC ほどのスペシャリストの質と数を持つのは大変なことだとは思うが 自施設でも専門 認定看護師や 教育 研究分野に長けた

( つづき ) Ⅲ Page. 7 看護師の数を増やし アウトカムを示し もっとリソースとして活躍できるようなシステム を作っていきたいと感じた 3. チーム医療における看護師の役割本研修を通して さまざまな場面で さまざまなポジションで働く看護師たちに出会うことができた その経験により 看護師はやはり患者家族の生活に近いところにいること そこでこそ役割を発揮する責任があることを感じた 私は昨年まで緩和ケアチームで専従看護師をしていたが そこでの役割は MDACC の Multidisciplinary team での看護師と近いところも見受けられた 外来では 医師や MLP に混じり RN が一人でチームに属していた 若手が育つためのサポートを管理者は考えており また そのような環境で育つと チームの中で果たす自己の役割に関して責任を感じ 向学や自律のためのモチベーションにもつながると考えられる 多職種の中で 対等に力を発揮できるためには それだけの責務を果たし 認められる必要がある 自分自身がそのための能力を高める努力を続けるとともに 看護師として役割を果たすことの重要性とおもしろさを後輩に伝えていきたいとより強く感じた

Ⅳ 今後の課題 Page. 8 1. 自己の Mission/Vision の発展 JTOP アカデミーから 本研修を通して 自己のキャリアにおいて Mission/Vision を持つことの重要性を改めて感じ メンターの方々の力を借りてそれと向き合い これまであいまいにしてきたところを この貴重な機会に深く見つめ直すことができた これからも 現時点での Mission/Vision から 具体的なゴールを一つずつ達成していくことを目指し また さらに具体化し 発展させ続けていきたい そのためには shared vision にし 周囲と協働すること チームの発展に働きかけること チームにおける自己の役割を発揮すること より積極的に取り組んでいきたい 私は 若年がんサバイバーのケアに力を入れたいと考えている 今回の研修を通じて 様々な方々からアドバイスをいただけた その方々と今後もつながりを続け アドバイスを活かしていることを伝えていけるように 研究 実践で示していきたい 2. がん看護専門看護師としてスペシャリティを追求し チームでの役割を果たすこれまでは 自分が与えられた状況の中から興味関心を見出し 自分なりに取り組んできた 本研修を通して Multidisciplinary team や看護師の活動を外から眺めてみると やはり看護師は患者の生活に一番近いところにいる存在であるということを改めて実感した その立場で何ができるのか 何をすべきなのかを常に追求していきたいと考える 看護師は 広い活動範囲がある一方で その専門性を他者に示すのが難しいとも言われている そのあいまいさがよさでもあると思うが 今後の発展のためには 自身のスペシャリティを深め 何かしらのかたちで示せるようにしていきたい また コミュニケーションに関する講演などでよく聞かれた Tell me more というマインドは 相手のことをより深く知ろうとする姿勢であり それに応えたいと思っている その準備があるという姿勢を示していると考えられた ぜひそのマインドを持ち続け よりよい協働に向けて発展していきたい 3. つながり続けること本研修を通して 上野先生 Joyce Theresa をはじめとしたメンターの方々 MDACC のすばらしいスタッフたち そして JME のメンバーたちに出会い 多くの刺激 感銘を受けた それが感想だけで終わってしまわないように 今後もつながり続けていきたい そのためには 得た学びを活かした活動を報告できるように精進していきたいと考える