~BCP から BCM へ ~ 静岡県事業継続計画モデルプラン ( 第 3 版 ) の概要 静岡県経済産業部

Similar documents
資料 -3 事業継続ガイドラインの改定について 平成 25 年 7 月 24 日内閣府 ( 防災担当 ) 普及啓発 連携担当

金融機関の業務継続強化に向けた課題と対応

1 BCM BCM BCM BCM BCM BCMS

静岡県事業継続計画モデルプラン ( 第 3 版 ) ~ BCP から BCM へ ~ 静岡県経済産業部 本モデルプランは 内閣府 事業継続ガイドライン ( 平成 25 年 8 月改訂 ) *1 中小企業庁 中小企業 BCP( 事業継続計画 ) 策定運用指針 ( 平成 18 年 2 月 ) *2 及び

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

大塚製薬(株)佐賀工場

<4D F736F F D DEC90AC82CC82B782B782DF816982A982C882AA82ED94C5816A976C8EAE95D220446F776E6C6F61642E646F63>

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

<4D F736F F D C0837D836C8EE888F882AB95CA FAC8B4B96CD8E968BC68ED2816A>

【堀内分担研究添付資料2】医療機関(災害拠点病院以外)における災害対応のためのBCP作成指針

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

<4D F736F F D208AC888D F8DEC90AC B838B814089F090E095D A>

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 奄美信用組合 奄美信用組合は 奄美地区における金融の円滑化への取り組みをこれまで以上に強化するとともに その取り組み姿勢をお客様にご理解していただき 借入の条件変更等に関する ご要望 ご相談に迅速

燕市 ICT 部門の業務継続計画 < 初動版 > ー概要版ー 燕市

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

平成18年度標準調査票

安全管理規程

平成18年度標準調査票

平成18年度標準調査票

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

(資料4)運用機関とのコミュニケーションの取り方や情報開示の方法等(案).pdf

目 次 1 事業継続計画 (BCP) と位置づけ 2 東日本大震災の教訓 3 東日本大震災被災企業現地ヒアリング 4 防災の民間協力 2

社会インフラの機能停止 ( 大規模停電 通信障害等 ) テロ行為 ( 予告 脅迫 破壊行為等 ) 対企業犯罪 ( サイバー テロ 反社会的勢力の介入 役職員の誘拐等 ) なお 事業継続体制の整備に当たっては システム障害を対象とすることが考えられるが システム障害については その被害への対応策の専門


Microsoft Word - BCP-form

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

第三者評価結果表 施設名救護施設下関梅花園 評価対象 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 評価項目 a b c Na 判断の理由 1 理念 基本方針 (1) 理念 基本方針が確立されている 1 理念が明文化されている 理念は明文化され 法人の中長期計画や事業団ホームページ上にも記 載されており その内

事業継続ガイドライン改定の概要について

各部会の活動状況予定200505

パラダイムシフトブック.indb

内部統制ガイドラインについて 資料

<355F838A E837D836C B E696E6464>

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

<4D F736F F D20967B95B681698DC58F498D D8E968C888DD A2E646F63>

平成29年度     地域経済動向調査      調査報告書

<4D F736F F F696E74202D A B837D836C CA48F435F >

「標準的な研修プログラム《

PowerPoint Presentation

イノベーション活動に対する山梨県内企業の意識調査

1. 本障害の概要 2011 年 3 月 11 日 ( 金 ) に発生した東日本大震災発生に伴い 14 日 ( 月 ) における A 社の義援金口座 a 及び 15 日 ( 火 ) における B 社の義援金口座 b という特定の口座にそれぞれ大量の振込が集中したことにより 夜間バッチが異常終了したこ

P00041

スライド 1

mc_H1-H4J_06.eps

災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 事業継続マネジメントの基礎.ppt

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

防災業務計画 株式会社ローソン

お客様への約束 1. 安全の確保を最優先とします - 安全確保を最優先に 全てにおいて万全のコンディションでお客様をお迎えします 2. お客様の時間を大切にします - 欠航 遅延は最小限にします - やむを得ない場合は代替の移動手段の確保に努め お客様にご迷惑をおかけしないよう全力を尽くします -

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

平成22 年 11月 15日

Microsoft Word - RM最前線 doc

<323091E693F18FCD208E96914F959C8BBB82CC8EE F DF82E98FE382C582CC8AEE967B934982C88D6C82A695FB2D322E786477>

実現力を高める方法

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

<4D F736F F D208DBB939C97DE8FEE95F18CB48D EA98EE58D7393AE8C7689E6816A2E646F63>

FSMS ISO FSMS FSMS 18

事業継続計画における課題と対応策

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

ISO19011の概要について

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

untitled

第48章 ソフトウェアのコストモデル

知創の杜 2016 vol.10

BCPサポートローンへの取組

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

なお 検証に当たっては 特に以下の点に留意する イ.~ニ.( 略 ) 改正後 なお 検証に当たっては 特に以下の点に留意する イ.~ニ.( 略 ) ( 新設 ) ホ. 経営に実質的に関与していない第三者と根保証契約を締結する場合には 契約締結後 保証人の要請があれば 定期的又は必要に応じて随時 被保

Rev

RSS営業マン研修.ppt [互換モード]

第 3 章 保険募集管理態勢の整備と内部監査 法令等遵守態勢の確認検査用チェックリスト とは別に 保険募集管理態勢の確認検査用チェックリスト により検証する構成がとられています これは 保険募集に関する法令等遵守の重要性が高く また 着目すべきポイントが多岐に渡っていることを反映したものとも考えられ

本日のアジェンダ


Bカリキュラムモデル簡易版Ver.5.0

また 営業秘密の取扱いについても 社内の規程を整備することが秘密情報の流出時に法的保護を受ける上で重要であることから 今回の職務発明規程の整備に併せて 同期間 IN PITでは 営業秘密管理規程を含む企業の秘密情報管理体制の構築に関する情報提供や周知活動も積極的に行っていきます ( 本発表資料のお問

継続が可能な状況までの低下に抑え さらに回復時間を出来る限り短縮させ 早期に操業度を回復させることにより 事業の損失を最小限に抑え事業継続を目指すものである BCP( 事業継続計画 ) の概念 3.BCPの必要性の高まりと広がり日本において BCP( 事業継続計画 ) が注目されるようになったのは

平成23年9月29日WG後修正

3. 健康増進法や景品表示法の違反要件である 著しい という規定を早急な対応として削除すること消費者委員会の 建議 は しかるべき対応 6 項目の一つに健康増進法の違反要件である 著しく事実に相違する表示 などの 著しい という文言を法律から削除することの検討を要請しつつも 早急な対応 項目では 著

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

( イ ) 震災の発生後の最近 3 か月間の売上高等が震災の影響を受ける直前の同期に比して 15% 以上減少していること ( ロ ) 原則として震災の発生後の最近 1 か月間の売上高等が前年同月に比して 15% 以上減少しており かつ その後 2 か月間を含む 3 か月間の売上高等が前年同期に比して

スライド 1

H28秋_24地方税財源

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

ここに議題名を入力

レジリエンスの取り組みに 関わるディスカッション

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

Transcription:

~BCP から BCM へ ~ 静岡県事業継続計画モデルプラン ( 第 3 版 ) の概要 静岡県経済産業部

Ⅰ 改訂のポイント 1 BCPからBCMへ第 2 版は おおむねBCP=BCMという考え方に基づき改訂したが 今回は BC Pを 文書化された対応手順計画 と位置づけ これを包含する形で BCMという概念を掲げ 理解を促している BCMとは 効率的 効果的に企業の 事業継続能力 を磨き上げるためのマネジメントプロセスであり そこから生み出される計画がBCP となる BCP(Business Continuity Plan) BCM(Business Continuity Management) 2 東日本大震災の教訓を生かす我が国に甚大な被害を与えた東日本大震災は 緊急時対応の教訓も残した 第 3 版の改定ではこの教訓を踏まえた対応の考え方を提示している ポイントは以下のとおり 原因となる災害や事故ではなく 結果として生じる事象に着目する 中小企業は企業の枠内にとどまらず 外部との連携を含めて事業継続を考える 沿岸部に立地する企業では 最低限の責任として津波から人命を守る対策を立て 企業として存続し やり直せるだけの減災対策も検討する 自社だけではなく 取引関係も含めた対策を立て 実践する 3 経営戦略との整合を図る BCM 事業継続戦略と経営戦略の密接な結びつきを理解してもらった上で うまく整合させることで相乗効果を発揮させるという発想を提起 4 BCMの平常時における効果にも注目 BCMは災害や事故の発生時に効果を発揮するのみならず 取り組み方によっては平常時の業務でも 収益 売上の増加 業務効率化 人材育成 といった観点から効果が見込める 5 その他 資金面のチェックを促す 被害の程度を検討する 作業において 静岡県信用保証協会のBCP 特別保証申請を念頭に 資金面のチェックをしてもらう 教育 訓練の重要性を示唆 BCMは その意義や仕組みを従業員に十分理解してもらい 緊急時の行動を身に着けてもらわなければ意味がないため 定期的な教育 訓練の重要性に訴え 取組の実効性を高めることを狙う 1

Ⅱ 本モデルプランの構成 1 はじめに 1.01 企業を取り巻くリスクの増大 1.04 経営戦略と BCM の事業継続戦略の関係 1.02 東日本大震災が残した教訓 1.05 本モデルプランの構成について 1.03 BCM の概要 2 方針を定める 2.01 BCM の基本方針を定める 2.02 BCM の実施体制を決める 3 事業中断による影響を考える 4 企業が抱えるリスクを考える 3.01 重要業務の案を決める 4.01 想定されるリスクを洗い出す 3.02 目標復旧時間 レベルを検討する 4.02 被害の程度を検討する 3.03 重要業務に欠かせない資源を洗い出す 5 事業継続戦略を検討する 5.01 戦略の概要を確認する 5.02 戦略と対策を考える 見直し 改善 見直し 6 計画を立て 実施する 6.01 事業継続計画 (BCP) を立てる 6.04 点検 改善計画および見直し計画を立て 実施する 6.02 事前対策計画を立て 実施する 6.05 BCM の平常時への効果を考える 6.03 教育 訓練計画を立て 実施する 2

Ⅲ 本モデルプランの概要 本モデルプランでは まず 方針を定める でBCMの基本方針や運用体制を決める その上で 自社の事業を分析し 事業継続戦略を考えていく 具体的には 事業中断による影響を考える 企業が抱えるリスクを考える 事業継続戦略を検討する というプロセスである こうした分析や検討を踏まえた上で BCP 事業継続力向上のための事前対策 教育 訓練 点検 改善 そして見直しという各計画を作成し 実行するステップである 計画を立て 実施する に進む 各作業の検討結果は 記入様式 を参考に 使いやすい形で文書化していく ( 検討の際には適宜 別冊 BCP 策定企業事例 や 参考資料 を参照 ) 以下に 本編各章のポイントを示す ( はじめに 除く) 1 本編各章のポイント 2 方針を定める 2.01 BCMの基本方針を定める 従業員 家族や来客の安全と安心を守る 顧客 従業員のために事業の継続 早期復旧に努める 社会的責任 地域貢献を果たす 2.02 BCMの実施体制を決める 全社的な参画を前提に 計画策定後 運用段階でも機能させる 3 事業中断による影響を考える 3.01 重要業務の案を決める 重要業務の候補を考える ( 収益 売上 資金繰り 将来性等 ) 中断による利益や売上等への影響 ( 金額ベースで把握 取引先や社会への迷惑 ) 3.02 目標復旧時間 レベルを検討する 原因に関係なく重要業務が中断した場合の影響を考える ( 経済損失 取引流出 ) 社会的迷惑や取引先からの信頼などへの影響を考える 3.03 重要業務に欠かせない資源を洗い出す 重要業務の継続に欠かせないものを 漏れなく書き出す 重要業務の継続に制約となりかねないものをチェックする 3

4 企業が抱えるリスクを考える 4.01 想定されるリスクを洗い出す 発生する可能性のある災害や事故を洗い出す ( 地震や風水害 火災 感染症等 ) 沿岸部の企業は津波リスクを必ず検討 発生する可能性および発生時の影響度を検討して 対応の優先順位を決める 4.02 被害の程度を検討する 優先対応すべきリスクがもたらす影響を細かく検討 重要業務をいつまでに どのくらいのレベルで継続 復旧できるかを検討 財務面はどうなりそうかを考える ( 信用保証協会のBCP 特別保証申請を推奨 ) 5 事業継続戦略を検討する 5.01 戦略の概要を確認する 経営戦略と整合した事業継続戦略を立てる 事業継続戦略の概要について確認 ( 復旧戦略 代替戦略 ) 5.02 戦略と対策を考える 検討 分析結果を一覧化 想定される被災状況をいくつかに分け 対応する戦略を明らかにする 戦略に対応した対策を決める 6 計画を立て 実施する 6.01 事業継続計画 (BCP) を立てる 緊急時の対応体制 ( 対応体制と指揮命令系統 各担当レベルの対応体制と役割分担 ) 緊急時の対応手順 ( 事業継続に必要な項目 対応手順を時系列に整理 明文化 ) 6.02 事前対策計画を立て 実施する ボトルネック解消のために必要な事前対策を洗い出す 実施時期を明文化し できる対策から実施に移す 6.03 教育 訓練計画を立て 実施する BCMの内容や運用体制を社内教育で周知 従業員に社内外の知識習得機会を提供 訓練を通じて各自の役割や動き方を体で覚えてもらい 問題点があれば確実に改善 6.04 点検 改善計画および見直し計画を立て 実施する 最低年 1 回 BCPの内容を点検 改善するための計画をつくり実践 社内外の環境変化を織り込んで 経営者が見直すための計画をつくり実践 6.05 BCMの平常時への効果を考える BCM 上の取組みについて 平常時の業務にも生かせることはないかをチェック ( 多能工化 クラウド化等 ) BCMの取組みを 平常時にも効果があるものに積極的に変えていく (BCM 実施体制を他の課題解決の場として活用等 ) 4

2 別冊 BCP 策定企業事例 Case1 神奈川県メッキ工業組合 / 新潟県鍍金工業組合業界組合が連携して事業継続協定を締結ベースは神奈川 2 社間の連携 組合協定後に遠隔地の企業間連携へ発展信頼関係が礎 同規模 同技術水準がカギ Case2 株式会社ミダック ( 浜松市 ) 中越地震をきっかけに社会的責任を再認識 ヒト に焦点を当てた初動体制作りに注力同業者間ネットワークを構築して実効性を高める Case3 インフィック株式会社 ( 静岡市 ) 要介護者の命を救う という思い入居 宿泊系サービスを優先してBCPを策定スタッフの家族まで視野に入れた安否確認を徹底 BCP 策定支援にも注力 3 自己評価チェックリスト 参考資料 中小企業に対するBCP 策定施策 参考データ 1 静岡県第 4 次地震被害想定 2 訓練の参考事例 静岡県経済産業部商工業局商工振興課 420-8601 静岡県静岡市葵区追手町 9 番 6 号 TEL: 054-221-2846 FAX: 054-221-3216 mail: ssr@pref.shizuoka.lg.jp http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-510/bcp/index.html 5