背景 ペルフルオロ化合物類(PCs) 琵琶湖 淀川水質保全機構 平成28年度 調査研究成果報告会 2/28 217//22 全有機ハロゲン分析手法を用いた 未知の有機フッ素化合物類の汚染分布調査 特に問題されている有機フッ素汚染物質 難分解性 高蓄積性 毒性 (Lau et al., 27 水環境中に幅広く存在 写真 本研究で使用した 燃焼-イオンクロマトグラフィー装置 (Saito et al., 24 C H S H 水道水について新たな健康指針値が発表 216年5月 U.S.EPA 216 May: New Drinking Water Health Advisory) 7 ng/l 京都大学大学院 地球環境学堂 鈴木 裕識 https://www.epa.gov/sites/production/files/215/documents/drinkingwaterhealthadvisories_pfoa_pfos_5_19_16.final_.1.pdf 同時検出の場合 両方の濃度値と7ng/Lとの比較が必要 近年の汚染の動向 様々な有機フッ素化合物が存在 /28 対策の強化 ストックホルム条約 Stewardship Program 21/215 (UNEP, 29) 製造 使用の制限 (U.S.EPA, 26 排出量の削減 PCs PSAs (スルホン酸) 環境への排出低減が期待される PBuS (n =4,6,7,8,1) PHxS PHpS S H n PDS 汚染状況の変化 過去12年の淀川 安威川における濃度推移 濃度 ng/l, 安威川 淀川 PCAs (カルボン酸) PBA PPeA PHxA PHpA PNA (n =4 1) PDA PUnDA C H PDoDA PTrDA n-1 1, 1 主要な化合物のみに着目しても 水道原水中の濃度は同程度 近年使用されているPCsが変化 多様化 汚染が低減された とは言えない 1 (本研究グループ昨年度の調査研究成果報告会 田中, 216 年 その他の有機フッ素化合物 PCsを生成する前駆体 CH2C2C2C2C2C2C2C2C PCs PCs 既知前駆体 CAS No. を持つ化合物 9,29種類 fluoro で検索してhitした化合物 6,81種類 既知の前駆体で種類以上 http://www.guidechem.com で検索 8-1
量として測定( 全有機フッ素) 未知の有機フッ素汚染状況の評価 6/28 総 近年の用途別フッ素出荷量 淀川下流におけるPCs 経年変化 未知の有機フッ素汚染が懸念 5/28 出荷量 ( 1 t) 14 8 4 2 その他表面処理 洗浄 二次製品 フルオロカーボン 8' 9' 1' 11' 12' 1' 濃度 (ng/l) ( 鉱物資源マテリアルフロー,214) 8 4 2 その他 8 種合計 PHxA 8' 1' 11' 12' 1' 14' 15' ( 年 ) - 全有機フッ素?(T) に関する既存研究 - ( 数値はT 中のPCs 割合 ) 海水:1-% (Miyake et al,214) 湖の底質:44% (Garry et al,212) エビ:11% (Eva et al,211) 人間の血液:-85% (Leo et al,28) 有機フッ素化合物 PCs 河川における知見が少ない 使用量に大きな変化なし 潜在的な汚染の可能性 研究の目的 7/28 1 全有機フッ素の分析法の検討 8/28 1 全有機フッ素 (T) の分析法の検討 精度と確度 迅速性 定量下限 燃焼イオンクロマトグラフィー (Combustion Ion Chromatography) 2 水環境中 ( 琵琶湖 淀川流域 ) における全有機フッ素とその構成化合物類の汚染現況の把握 - 研究のイメージ図 - 全有機フッ素 (Total rganic luorine:t) この割合を把握したい 前処理の検討 活性炭の吸着率 無機フッ素除去 WAX カートリッジの利用 底質試料 測定法の検討項目 有機フッ素の燃焼効率の検討 吸収効率の検討 PCs 前処理 - 燃焼 - 吸収 - イオクロ導入プロセスの至適化 9/28 検討項目吸収装置の回収率有機フッ素の燃焼効率の検討 活性炭への吸着率の検討 無機フッ素除去の検討 PCs との一斉分析の検討 底質の測定法の検討 Run 導入導入フッ素量その他導入物質媒体 (ng) 条件 n 1-1 燃焼なし水フッ化物イオン (-) 5 1-2 燃焼あり 2-1 フッ化物イオン (-) 燃焼なし 2-2 水 5 2- 有機フッ素 () 燃焼あり 2-4 MeH -1 水 有機フッ素 () -2 通水 1mL - 5 通水 ml PPC 有機フッ素 () -4 通水 5mL -5 溶液 :MeH 4-1 フッ化物イオン (-) 5 4-2 PPC 有機フッ素 () 5 4- フッ化物イオン (-) + 有機フッ素 () +5 5-1 MeH WAXカートリッジ 5-2 活性炭溶出液 6-1 底質 6-2 MeH PCs 前処理底質試料 6- PPC 6-4 PPC 底質量増加 燃焼 - 吸収プロセスの至適化 1. 吸収ユニットの検討点 吸収時間 / 吸収液濃度の検討 適切な時間 / 濃度を選定 2. 燃焼ユニットの検討点 どの形態で燃焼させるのが良いか? 有機溶媒の場合 容量が限られる 活性炭への抽出を検討 有機フッ素の標準は を使用. クロマトグラムの確認 ピーク面積 2 1.5 1.5 R ² =.9929 11/28 活性炭に吸着させた ( 標準 ) を燃焼させた時の検量線 2 4 導入 量 (ng) 8-2
活性炭による抽出効率の検討 11/28 活性炭による抽出効率の検討 12/28 実験フロー 5 ng 添加 固相抽出活性炭 残留無機フッ素除去 5 ng 活性炭1 ml ml 5 ml 測定燃焼イオンクロマトグラフィー 1 2 4 使用したカートリッジ 活性炭に 5 ml 通水可能で 高い濃縮率を実現 得られたの分析フローと分析 (~5 ml) 固相抽出活性炭 無機フッ素除去 NaN 12 mmol/l 測定燃焼イオンクロマトグラフィー 活性炭の利用 WAX カートリッジの利用 無機フッ素除去 燃焼効率 吸収効率 5 ng- 導入時のピーク 検出下限 1/28 定量下限 装置測定値 (ng) 14 46 (ng/l) 28 92 底質試料 (ng/g-dry) 11 7 得られた分析フローを琵琶湖淀川流域において適用 2 琵琶湖 淀川流域調査 調査概要対象実施日 (216 年 ) 西高瀬川 6 月 1 日琵琶湖 8 月 9-11 日淀川流域 1 月 18 日安威川 12 月 17 日試料河川 (n =45) 湖 (n =9) 下水処理場 (n =14) 1 PCs の分析方法 15/28 下水処理場 ( 琵琶湖 ) 16/28 前処理 測定の手順 215 年 9 月 57.5 55.8 <PCs 前駆体 > 溶存態 固相抽出 (asis WAX) 溶出 定容 (.1%NH 4H MeH +MeH) ろ過 (G/B:1µm) 分析 HPLC-MS/MS 懸濁態 振とう抽出 (MeH) クリーンアップ (ENVI-carb) 濃縮 ( 窒素パージ ) <PCs 生成ポテンシャル> 溶存態 ろ過 (G/B:1µm) 酸化分解処理 固相抽出 (asis WAX) 分析 HPLC-MS/MS 懸濁態振とう抽出 (MeH) クリーンアップ (ENVI-carb) Milli-Q でメスアップ 溶出 定容 (.1%NH 4H MeH +MeH) 生成ポテンシャル分析 酸化分解処理 酸化剤(K 2 S 2 8 mm) アルカリ条件 (NaH 15 mm) 95 24 時間 ( オートクレーブ ) 定量限界値 (LQ) PCs:.12~.64 ng/l 前駆体:.72~4. ng/l 検出限界値 (LD) PCs:.4~.19 ng/l 前駆体:.22~12.9 ng/l 1.2 1.1 11.9 18.5 1.1 4.9 4.9.5 15.9 28.7 4.9 12 種 PCs 8-
下水処理場 ( 琵琶湖 ) 17/28 18/28 216 年 1 月 ( 単位 : ng/l) 58.7 57.6 78.8 215 年 9 月 7.7 1.7 1.4. 1.6 11.5 12.8 12.1.7 5.8 1.4 75. 71.2 1.7 1.7 51.7 12 種 PCs 14.1 12 種 PCs や 以外の PCs 排出量が多 19/28 湖水 2/28 216 年 1 月 215 年 9 月 66. 4.6 27.8 58.8.9.7 4.9 6.6.1 5.6 11. 6.7. 19.5 6.8 2.5 8.1 1. 11.8 96.6 76.7 12 種 PCs 6.6 5.4 5.8 6.9 7.5.2 4.8 12 種 PCs 濃度は減少したが 12 種 PCs の合計値は増加傾向 湖水 21/28 全有機フッ素 (T) 濃度分布 22/28 216 年 1 月 5.1 14.5.5 5.4 4..9 4.2.9 1.4 1. 2.1.6 1. 1.2..8.5 2.6 27. 21.6. 9.5 2.5 7.1 25.6 18.8 12 種 PCs 12 種 PCs の合計値は数十 ng/l オーダー汚染が多様化 有機フッ素濃度 (ng-/l) 全 68 地点のうち 54 地点で定量 67 地点で検出, 1, 1 97~29 1~2,9 78~, 淀川流域河川 : : 淀川流域河川 : 安威川 大阪湾 8-4
全有機フッ素とPCsの構成 2/28 琵琶湖への負荷量 (14 河川 ) 2 T 中の PCs の構成比 (%) T (PCs) ng/l 琵琶湖 (n =7): 189 (2) 淀川 (n =2): : 665 (82) 安威川 (n =8): 26,2(4,) ( 中央値 ) 5 PCsの割合は2.4~67.1% その他の有機フッ素 PCs 琵琶湖淀川安威川 PCs の約 1 倍のその他有機フッ素の存在が明らかに 216 年 1 月 (g-/day) 12 種 PCs 166 全有機フッ素 (T) 河川から琵琶湖への合計負荷量 12 種 PCs 約 5. 倍 T 88 g-/day < 441 g-/day 96 66 T (g-/day) 18 15 9 12 種 PCs (g-/day) 淀川の負荷量 25/28 まとめ 26/28 濃度 (g-/m ) 流量 (m /day) = 負荷量 (g-/day) 工場の多い安威川流域において大きな負荷 流下するに従って負荷量増加 分析法の検討 開発 で定量下限値 92 ng/l の測定が可能に 琵琶湖 淀川流域調査 PCsの汚染が多様化している現況を確認 水環境中でPCsの約 1 倍のその他の有機フッ素の存在を確認汚染現況を把握 今後の課題 2 割の地点で定量不可 定量下限の改良 底質や生物試料などへの応用 未知の有機フッ素の構造の特定や負荷源の探索 今後の展望 27/28 種々の環境媒体中の有機フッ素汚染 PCs に関する知見がほとんど PCs 生成ポテンシャル 全有機フッ素の汚染データの蓄積が必要 有機フッ素化合物の包括的な健康 生態リスク評価手法の確立 得られた汚染データの評価が困難 未知の化合物を含む ( 全有機フッ素 ) リスク評価手法の導入が必要 謝辞 28/28 本研究は 琵琶湖 淀川水質保全機構さまからの援助を受けました 採水や流量情報の御提供などについて 下水処理場 河川事務所のみなさまから協力を受けました 現地での調査サポートに関して 帝人エコサイエンス株式会社の協力を受けました 採水 流量観測 化学物質濃度測定を京都大学の大学院生の雪岡聖さん 北尾亮太さん 学部生の仲田雅俊さんにご協力いただきました ご清聴ありがとうございました 8-5