感染症対策

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第51回日本小児感染症学会総会・学術集会 採択結果演題一覧

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講義資料(1)

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48小児感染_一般演題リスト160909

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

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2. 定期接種ンの 接種方法等について ( 表 2) ンの 種類 1 歳未満 生 BCG MR 麻疹風疹 接種回数接種方法接種回数 1 回上腕外側のほぼ中央部に菅針を用いて2か所に圧刺 ( 経皮接種 ) 1 期は1 歳以上 2 歳未満 2 期は5 歳以上 7 歳未満で小学校入学前の 1 年間 ( 年

(病院・有床診療所用) 院内感染対策指針(案)

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も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

Microsoft Word - B-2 感染経路別防止対策(2018.8)

ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

1

10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 014 年 10 月 1 日版日本小児科学会 乳児期幼児期学童期 / 思春期 ワクチン 種類 直後 6 週 以上 インフルエンザ菌 b 型 ( ヒブ )

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はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

Microsoft PowerPoint - ™mfiIfl�™B‘á−QŁfl›ï.ppt

Microsoft Word - WIDR201839

横浜市感染症発生状況 ( 平成 30 年 ) ( : 第 50 週に診断された感染症 ) 二類感染症 ( 結核を除く ) 月別届出状況 該当なし 三類感染症月別届出状況 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月計 細菌性赤痢

Microsoft Word - tebiki_51-60.doc

6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

生ワクチン 不活化ワクチン ジフテリア 百日咳 破傷風 不活化ポリオ混合ワクチン の接種から20~24 週あけて3 回目を接種 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 27 日 ( いわゆる4 週間 ) 以上あけて受けます 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 6 日 ( いわゆる1 週間 ) 以


H30_業務の概要18.予防接種


<B 型肝炎 (HBV)> ~ 平成 28 年 10 月 1 日から定期の予防接種になりました ~ このワクチンは B 型肝炎ウイルス (HBV) の感染を予防するためのワクチンです 乳幼児感染すると一過性感染あるいは持続性感染 ( キャリア ) を起こします そのうち約 10~15 パーセントは

神戸市感染症予防実務者講習会

名称未設定

耐性菌届出基準

後などに慢性の下痢をおこしているケースでは ランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどの原虫が原因になっていることが多いようです 二番目に海外渡航者にリスクのある感染症は 蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの疾患で この種の感染症は滞在する地域によりリスクが異なります たとえば デング熱は東南アジアや中南米で

平成29年度感染症対策研修会(基礎編)

第1 入間市の概要

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

インフルエンザ(成人)

A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 50 週の報告数は 前週より 39 人減少して 132 人となり 定点当たりの報告数は 3.00 でした 地区別にみると 壱岐地区 上五島地区以外から報告があがっており 県南地区 (8.20) 佐世保地区 (4.67) 県央地区 (4.67) の定点当たり報告数は

次の人は 医師が健康状態や体質に基づいて 接種の適否を判断します 心臓や血管 腎臓 肝臓 血液の障害や発育の障害などの基礎疾患がある人 他のワクチンの接種を受けて 2 日以内に発熱があった人や全身性の発疹などアレルギーが疑われる症状が出たことがある人 過去にけいれんをおこしたことがある人 過去に免疫

報告風しん

ヒブ ( インフルエンザ菌 b 型 ) 対象者 : 生後 2ヶ月から5 歳未満までのお子さん標準的な接種開始期間は 生後 2ヶ月から7ヶ月未満です 生後 2ヶ月を過ぎたら 早目に接種しましょう 接種方法 : 接種開始時の年齢により接種方法が異なります 接種開始が生後 2ヶ月から7ヶ月未満の場合 (

学校歯科健診器具の消毒に関するガイドライン

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スライド 1

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの主な変更点 2014 年 1 月 12 日 1)13 価結合型肺炎球菌ワクチンの追加接種についての記載を訂正 追加しました 2)B 型肝炎母子感染予防のためのワクチン接種時期が 生後 か月 から 生直後 1 6 か月 に変更と なりました (

<報道資料>

インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

重症急性呼吸器症候群 (SARS) 削除. 新興感染症対策を Xに新設. 5. ウエストナイル熱 空気感染する可能性があり, かつパンデミッ これらは改定版 2 刷発行当時 (2004 年 ), クになった際の透析施設の対応を Xに移行. 新興 再興感染症として問題とされてい 4. ウ

42 HBs 抗原陽性で HBe 抗原陰性の変異株が感染を起こした場合は, 劇症肝炎を起こしやすいので,HBs 抗原陽性 HBe 抗原陰性血に対しても注意が必要である. なお, 透析患者では, 感染発症時にも比較的 AST(GOT),ALT(GPT) 値が低値をとること,HCV 抗体が出現しにくいこ

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H30資料:15_① 感染症予防等.pptx

熊本県感染症情報 ( 第 14 週 ) 県内 165 観測医の患者数 (4 月 4 日 ~4 月 10 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 10 8 ヘルパンギーナ 6 5 咽頭結膜熱 A 群溶血性連鎖球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

彼を知り己を知れば 百戦殆うからず 彼 = 感染症 己 = カラダの仕組み取り巻く環境など 百戦殆うからず は少し言い過ぎですが 感染症を未然に防ぐことや重症化を防ぐには非常に重要です

熊本県感染症情報 ( 第 31 週 ) 県内 170 観測医の患者数 (7 月 28 日 ~8 月 3 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 0 1 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 7 0 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

年生体と微生物 (Microbiology) 責任者: 筒井ひろ子主任教授 2 病原微生物学 筒井ひろ子主任教授 奥野壽臣教授 林周平講師 三室仁美非常勤講師 1. 教育目標 (1) 各種微生物の基本的性状 病原性とそれによって生じる病態を理解する (2) 病原体 宿主関係を理解する 2. 行動目標

9 予防接種

(案の2)

感染対策マニュアル


定点報告疾患 ( 定点当たり報告数の上位 3 疾患の発生状況 ) (1) インフルエンザ 第 51 週のインフルエンザの報告数は 1025 人で, 前週より 633 人多く, 定点当たりの報告数は であった 年齢別では,10~14 歳 (240 人 ),7 歳 (94 人 ),8 歳 (

Microsoft Word - WIDR201826

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

放射線部

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インフルエンサ 及び小児感染症の疾病別推移グラフ 平成 年 京都市 _ 本年 全国 _ 本年 京都市 _ 過去 5 年平均値 全国 _ 過去 5 年平均値 6 インフルエンザ 8 手足口病 RS ウイルス感染症

第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日


Microsoft PowerPoint - 【配布資料】28予防接種従事者研修

Q&A(最終)ホームページ公開用.xlsx

スライド タイトルなし

今週前週今週前週 2/18~2/24 インフルエンザ ヘルパンギーナ 4 4 RS ウイルス感染症 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 7 4 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に


第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

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感染拡大攻略法 ~流行前から備えるべし~

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2018 年 47 週 (11 月 19 日 ~11 月 25 日 ) 2 類感染症 3 類感染症 都道府県 結核 ジフテリア 重症急性呼吸器症候群 中東呼吸器症候群 鳥インフルエンザ (H5N1) 鳥インフルエンザ (H7N9) コレラ 細菌性赤痢 総数北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨


第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア

保育所における感染症対策ガイドライン 厚生労働省 平成 21 年 8 月

褥瘡発生率 JA 北海道厚生連帯広厚生病院 < 項目解説 > 褥瘡 ( 床ずれ ) は患者さまのQOL( 生活の質 ) を低下させ 結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります そのため 褥瘡予防対策は患者さんに提供されるべき医療の重要な項目の1 つとなっています 褥瘡の治療はしばしば困難

Ⅰ 第 30 週の発生動向 (2017/7/24~2017/7/30) 1. 手足口病については むつ保健所管内で警報が発令されました 東地方 + 青森市保健所管内 弘前保健所管内 上十三保健所管内で警報が継続しています 三戸地方 + 八戸市保健所管内では 定点当たり報告数の増加が続いており 警報レ

Microsoft Word - 感染症の説明と調査2012.doc

会計 10 一般会計所管課健康推進課款 4 衛生費事業名インフルエンザ予防接種費項 1 保健衛生費目 2 予防費補助単独の別単独 前年度 要求段階 財政課長内示 総務部長 市長査定 最終調整 予算計上 増減 1 当初要求 2 追加要求等 3 4( 増減額 ) 5( 増減額 ) 6=

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ロタテック内用液ワクチン接種を受ける人へのガイド

総合生支援センター カムさぁ

2017 年 25 週 (06 月 19 日 ~06 月 25 日 ) 2 類感染症 3 類感染症 都道府県 結核 ジフテリア 重症急性呼吸器症候群 中東呼吸器症候群 鳥インフルエンザ (H5N1) 鳥インフルエンザ (H7N9) コレラ 細菌性赤痢 総数北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨

Transcription:

利用規約 提供している資料は 同じ会社内 施設内での研修 や 高校生 大学生のプレゼンテーション参考資料 市民向けの教材をボランティアで作成するため などを想定しています つまり 当サイトの資料の利用は 教育に対して 無償で貢献するために使用すること が大前提です そのため 社外や施設外の研修にこのサイトの資料を利用することは基本的にできません 例えば 製薬企業や医薬品卸が医療機関へ行う得意先研修としての利用は禁止します 得意先から金銭を受け取っていなくても 間接的な営業支援となり 売上に貢献します 当サイト内の資料を使用することによる利益獲得は禁止です 営利目的で使用する場合 有償にて承っています なお このサイトで提供するパワーポイントはノート部分に原稿を載せてあります 参考にして頂ければと思います : http://kusuri-jouhou.com/

感染症対策

感染症とは 感染症成立の三大要因 病原菌 感染経路 感受性宿主 病原菌 感染症を引き起こす原因微生物 感染経路 病原体が新たに感染を起こす経路 感受性宿主 宿主の免疫力が関与小児の感染症年齢などの要因も

病原菌への対策 症状が出ている患者さんには 当然ながら注意が払われる注意すべき点病原菌が潜伏期間中に体外へ排泄されている場合症状が落ち着いても 病原菌が体外に排泄され続ける場合 血液 かくたん 喀痰 便 HIV C 型肝炎ウイルスなど 結核菌 インフルエンザウイルスなど O-157, ノロウイルスなど 患者 保菌者の排泄物 汚染物の消毒が重要

感染経路 感染経路の種類 飛沫感染 空気感染 接触感染 感染疾患 : インフルエンザなど 結核 麻しんなど ノロウイルス O-157 など

飛沫感染と空気感染 ( 飛沫核感染 ) 飛沫 水分 飛沫核 微粒子 水分の蒸発 微粒子 飛沫とは 直径 5 mm より大きい すぐに床面に落下 ( 約 1 m) 飛沫核とは 直径 5 mm 以下 長時間空中を浮遊 飛沫 飛沫感染を起こす 飛沫核 空気感染を起こす

感染経路への対策 手洗い 手指消毒の実践 マスクや手袋の使用 これら備品の確保が重要 血液 体液 喀痰 尿 糞便など 触れる恐れ 床にこぼれたら 触れるときは あらかじめ手袋を着用 手袋等を着用し 次亜塩素酸ナトリウムで処理 必ず使い捨て手袋を着用手袋を外した後も手洗い

感受性宿主への対策 小児への衛生教育の啓蒙と実践手洗い うがい 歯磨きなど生活習慣の改善規則正しい睡眠と十分な栄養ワクチンによる予防接種免疫を与え 未然に感染症を防ぐ定期接種百日咳 ジフテリア 破傷風 日本脳炎 麻疹 結核など任意接種水痘 インフルエンザ ロタウイルスなど

標準予防策の実施 標準予防策 感染経路への対策 病原体への対策 感受性宿主への対策 感染症予防の基本は標準予防策!! ( 患者全員に対し 標準予防策を実施 ) 具体的には : 患者さんと接するときにはマスクをする 使用済み針はキャップをするなど

問題となる病原菌 飛沫感染インフルエンザウイルス風しんウイルスマイコプラズマなど インフルエンザウイルス 結核菌 接触感染ノロウイルス腸管出血性大腸菌 MRSA など 空気感染結核菌麻しんウイルス水痘 帯状疱疹ウイルスなど ノロウイルス

インフルエンザウイルス [ 潜伏期間 ] 1~3 日間 [ 熱 ] 38~40 [ 感染様式 ] 飛沫感染 [ 主な症状 ] 悪寒 発熱 筋肉痛 関節痛 予防方法 うがい 手洗い マスク インフルエンザワクチン

インフルエンザによる入院者数 ( 人 ) 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 ( 歳 ) 厚生労働省新型インフルエンザ対策関連情報

インフルエンザによる死亡者数 ( 人 ) 60 50 40 30 20 10 0 ( 歳 ) 厚生労働省新型インフルエンザ対策関連情報

結核菌 [ 潜伏期間 ] 数ヶ月から年単位 [ 感染様式 ] 空気感染 [ 主な症状 ] 咳 痰 発熱 [ 治療方法 ] 3~4 種類の薬を 6~9 ヶ月 毎日内服 予防方法 BCG ワクチン 免疫力の維持 栄養状態 睡眠 ストレスなど

結核の発病予防 [ 結核菌の感染力 ] 非常に強い ( 感染者との接触における予防は極めて難しい ) 感染しても 発病するとは限らない : 10 人に 1~2 人程度 感染 菌の増殖 z z z 冬眠状態 体内で何十年を過ごす 発病 ( 初感染結核 ) 発病 ( 内因性再燃 ) 栄養状態 睡眠など 免疫力の維持が重要

ノロウイルス [ 潜伏期間 ] 24~48 時間 [ 発生時期 ] 冬季 (11 月 ~3 月 ) を中心 [ 感染様式 ] 接触感染 [ 主な症状 ] 悪心 嘔吐 下痢 腹痛 予防方法 消毒 ( 次亜塩素酸ナトリウム ) 有効な薬 ワクチンはない 輸液などの対症療法

ノロウイルス感染の概要 腸管で増殖 ウイルス感染 悪心 嘔吐 下痢 腹痛 ウイルスが口の中に 環境中へ排出 カキなどの二枚貝 嘔吐物の飛散 消毒不十分

感染症と起因菌 状況 アルコール依存症 二週間以上続く咳 笛声様咳 頻度の多い起因菌 肺炎球菌 結核菌 アシネトバクター 百日咳菌 インフルエンザの流行地域 誤嚥 静脈内薬物投与 気管内閉塞 インフルエンザウイルス 肺炎球菌 黄色ブドウ球菌 ヘモフィルス グラム陰性腸内細菌 口腔内嫌気性菌 肺炎球菌 結核菌 黄色ブドウ球菌 肺炎球菌 黄色ブドウ球菌

感染症に罹らないために うがい 手洗い マスク病原菌からの感染 他人への感染を防ぐ感染経路への対策消毒薬の活用病原菌の感染力をなくす病原体 感染経路への対策ワクチンの接種病原菌への免疫力を強める感受性宿主への対策

医療用マスク : サージカルマスク サージカルマスクとは病気の予防に用いる医療用マスクサージカルマスクの性能 BFE : 細菌ろ過効率細菌を含む粒子 ( 約 3 mm) が除去された割合 (%) PFE : ポリエチレン粒子ろ過効率微粒子 ( 約 0.1 mm) が除去された割合 (%) 鼻の周り 頬のセンター部分に隙間ができやすい 自分の顔に合うマスクを選ぶ

医療用マスク : N95 マスク N95 マスクとは 元々は製造現場などで使用 粒子用のマスク 塩化ナトリウムの試験粒子 (0.3 mm) を 95 % 以上除去 結核 SARS などの感染防止に効果医療現場でも使用されるように 粒子の大きさ比較 PFE の基準 N95 の基準 BFE の基準 0.01 0.05 0.1 0.5 1 5 10 50 100 500 1000 (mm) 鳥インフルエンザ 細菌 花粉 ノロウイルス 結核菌 飛沫 人が認識できる大きさ

サージカルマスクと N95 マスクの違い サージカルマスク 他人にうつさないために使用 手術時など 医療従事者が患者さんに飛沫を飛ばさないため どうしても隙間ができ 自分への感染を防ぐには限界 N95 マスク 自分を守るために使用 医療従事者が患者さんからの飛沫 細菌を吸い込まないため サージカルマスクより規格が厳しい

消毒薬の分類 分類 高水準 中水準 低水準 成分名 一般細菌 M R S A 緑膿菌 抗微生物スペクトル 結核菌 真菌 芽胞 中型サイズ ウイルス 小型サイズ H I V 金属 器具 非金属 適応対象 グルタラール - - - フタラール - - - 過酢酸 - - - 次亜塩素酸ナトリウム - ポピドンヨード - - - - 消毒用エタノール - - - イソプロパノール - - - - 塩化ベンザルコニウム - - - - - - 塩化ベンゼトニウム - - - - - - グルコン酸クロルヘキシジン - - - - - - - 塩酸アルキルジアミノエチルグリシン H H C B V V - - - - - - 環境 手指 皮膚 粘膜 : 有効 : やや有効 -: 無効

消毒薬 一般細菌の消毒 どの消毒薬を使用しても良い 消毒薬を使い分ける病原菌の例インフルエンザウイルスの消毒 消毒用アルコール イソプロパノール ポピドンヨードノロウイルスの消毒 次亜塩素酸ナトリウム

ワクチンの歴史 1796 年 : 天然痘ワクチンが開発世界初のワクチンその後 1879 年 : コレラのワクチンが開発 1881 年 : 炭疽菌のワクチンが開発 1882 年 : 狂犬病のワクチンが開発 1890 年 : 破傷風のワクチンが開発 天然痘 : 最後の患者 (1977 年 ) 根絶宣言 (1980 年 ) ぎゅう えき 牛疫 : 最後の発生 (2001 年 ) 根絶宣言 (2011 年 ) ワクチンは感染症予防に大きな効果

ワクチンの種類 生ワクチン BCG 麻しんワクチン風しんワクチン水痘ワクチンロタウイルスワクチンなど 不活化ワクチンインフルエンザワクチン Hib ワクチン HPV ワクチンなどトキソイド破傷風トキソイド よくある Q & A Q. ワクチンを接種した後 次のワクチンはいつから打ってよいか A. 生ワクチンを接種した後 27 日以上あける 不活化ワクチンを接種した後 6 日以上あける

MR( 麻しん 風しん ) ワクチンの効果 100 % 90 % 80 % 70 % 健康小児に一回接種 効果の判定基準予防に必要な抗体が十分に作られている ( 陽性基準抗体価 :8 倍 ) 60 % 50 % 40 % 30 % 20 % 10 % 0 % 中和法麻しん抗体 HI 法 HI 法 風しん抗体 MR ワクチンを二回接種する理由 麻しん 風しんの流行が減少 先天性風疹症候群の危険性 麻しんは理論上 天然痘と同じように撲滅可能 MR ワクチン ( 麻しん 風しん混合ワクチン ) インタビューフォーム

まとめ 1 感染症には三つの成立要因病原菌感染経路感受性宿主どれか一つでも防げば 感染症に罹らない 2 病原菌の種類によって 特徴が異なる特徴が異なる例感染経路飛沫感染 : インフルエンザウイルスなど空気感染 : 結核菌など接触感染 : ノロウイルスなど感染症によって 予防策が異なる

まとめ 3 うがい 手洗い マスク 消毒薬が有効予防したい感染症によって マスクを使い分け一般細菌の消毒では どの消毒薬を使用しても良い消毒薬は病原菌によって使い分ける必要も例 ) インフルエンザウイルス : 消毒用エタノールノロウイルス : 次亜塩素酸ナトリウム 4 ワクチンの活用天然痘はワクチンによって撲滅重篤な感染症を未然に防ぐ