9102-17420014 1 級建築士学力チェックテスト法規第 4 回解答 問題 1 解説正答 3 道路斜線制限 1) 前面道路幅員が12m 以上でないので 法 56 条 3 項 4 項の住居系地域の緩和はない [P.199] 2) セットバック ( 法 56 条 2 項 ) の距離は 2mなのでA 点から道路の反対側の境界線までの水平距離は [P.197] 2m+6m+2m+2m=12m となる 3) 適用距離 ( 法 56 条 1 項一号 法別表第三 ( は ) 欄 ) において A 点は 同表の最小値である20mの範囲内にあるので 明らかに道路斜線制限の適用を受ける [P.196] 4) 住居系地域の斜線勾配 ( 法 56 条 1 項一号 法別表第三 ( に ) 欄 ) は 1.25 であり [P.195] 12m 1.25=15m 5) 前面道路と敷地に高低差がある場合 ( 令 135 条の2 第 1 項 ) 地盤面が前面道路より1m 以上高い場合 緩和を受け その前面道路は 高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるとみなされる 設問の高低差は 1mであるが (1m-1m) 1/2=0mとなり 実質的に緩和はなく 道路斜線の高さの算定 ( 令 2 条 1 項六号 ) は 道路の中心からなので 地盤面から は [P.203] 15m-1m=14m 1 である 隣地斜線制限 住居系地域の隣地斜線 ( 法 56 条 1 項二号 ) は 20mを超える部分に適用されるので 道路斜線の結果 1から 検討しなくてよい [P.204] 北側斜線制限 北側斜線 ( 法 56 条 1 項三号 ) の適用は 低層 中高層の住居専用地域であり 第一種住居地域に制限はない [P.206] したがって 地盤面からの A 点における建築物の高さの最高限度は 14m となる H29 1 学力法 4 解 -1
問題 2 解説正答 3 道路斜線制限 1) 2 以上の前面道路 + 反対側に公園 水面等がある場合 ( 令 134 条 2 項 ) の緩和により A 点は 南側道路境界線から公園 水面等の反対側境界線 (13m) の2 倍以内かつ35m 以内にあるので A 点に対する東側 (8m) 道路の反対側境界線までは13mとみなす [P.203] 2) セットバック ( 法 56 条 2 項 ) の距離は 南側 東側道路ともに1m A 点から各前面道路の反対側の境界線までの水平距離は 南側道路 1m+13m+1m+(12m-2m)=25m 東側道路 1m+13m+1m+(12m-1m)=26m となり 厳しい方の南側道路による斜線制限を検討する [P.197] 3) 適用距離 ( 法 56 条 1 項一号 法別表第三 ( は ) 欄 ) において 指定容積率 (60/10) と前面道路幅員による容積率 (8 6/10=48/10) のうち小さい方をとり 基準容積率は48/10となり 適用距離は25mとなる A 点は 2) より ちょうどこの範囲内にあるので 道路斜線制限の適用を受ける [P.196] 4) 商業系地域の斜線勾配 ( 法 56 条 1 項一号 法別表第三 ( に ) 欄 ) は 1.5 であり 道路斜線の最高限度は 25m 1.5=37.5m 1である [P.195] 隣地斜線制限 商業系地域の隣地斜線 ( 法 56 条 1 項二号 ) は ( 隣地境界線までの水平距離 + 高さ31 mを超える部分の後退距離 ) 2.5+31mであり 西側 < 北側なので [P.204] (1m+1m+1m) 2.5+31m=38.5m 2が隣地斜線の最高限度である したがって 地盤面からの A 点における高さの最高限度は 1 の 37.5m となる H29 1 学力法 4 解 -2
問題 1 2は 高さの制限 の計算問題である まず 高さの限度の考え方 を 次に 道路斜線制限 の計算の基本的な手順を把握する その後に 1 道路斜線制限において 2 以上の前面道路がある場合の緩和 ( 法 56 条 6 項 ) 2 住居系用途地域内における道路斜線制限の緩和 ( 法 56 条 3 4 項 ) 3 前面道路の反対側に公園 広場 水面等がある場合 ( 令 134 条 ) 4 道路と敷地に高低差がある場合 ( 令 135 条の 2) 等の条件について 過去の本試験問題により計算手順を整理 把握すること チェック! 法令集で確認しましょう! 空欄に各部分の高さの制限 ( 斜線制限 ) の 適用の有無を で埋め 整理する 用途地域別の斜線制限の適用 ( 法 56 条 1 項 ) 用途地域 道路斜線 隣地斜線 北側斜線 第 1 2 種低層住居専用地域 第 1 2 種中高層住居専用地域 その他 問題 3 解説正答 1 1. 法 68 条の2 第 2 項 令 136 条の2の5 第 1 項六号 地区計画の条例による 建築物の高さの最高限度 は 地階を除く階数が2である建築物の通常の高さを下回らない数値であることであり 建築物の階数の最高限度 は 定められていない [P.223] 2. 法 68 条の2 第 2 項 令 136 条の2の5 第 1 項二号 地区計画等の条例による 建築物の容積率の最高限度 は 5/10 以上の数値とする [P.223] 3. 法 68 条の2 第 2 項 令 136 条の2の5 第 1 項五号 地区計画等の条例による 壁面の位置の制限 は 建築物の壁 柱 建築物に附属する門 塀で高さ2mを超えるものの位置の制限とする [P.223] 4. 法 68 条の2 第 1 項 法 6 条 1 項 法 6 条の2 第 1 項 地区計画等の条例による建築物の制限は 建築基準法に基づく条例の規定である したがって 建築基準関係規定に該当し 建築主事又は指定確認検査機関は 適合の確認をしなければならない [P.222 23 30] 問題 3 4は 建築協定 地区計画等 の問題であり 本試験においては 融合問題で出題されることが多い 建築協定 の該当条文は 法 69 条 ~77 条 地区計画等の区域 に関しては 市町村の条例に基づく制限 : 法 68 条の2 令 136 条の2の 5 再開発等促進区等内の制限の緩和等: 法 68 条の3 予定道路の指定: 法 68 条の7 の出題頻度が高い いずれも法令集における掲載箇所がわかれば 十分対応できる程度の難易度なので 過去の本試験問題により 法令集のセットアップを行うこと H29 1 学力法 4 解 -3
チェック! 法令集で確認しましょう! 空欄に該当号数を埋め 整理する 地区整備計画における建築物等の制限と条例化の制限内容 地区整備計画の内容 用途の制限 容積率の最高限度 容積率の最低限度 ぺい建蔽率の最高限度 敷地面積の最低限度 建築面積の最低限度 壁面の位置の制限 高さの最高限度 高さの最低限度形態又は色彩などの意匠の制限 さく垣又は柵の制限 条例に定める制限内容 適正な用途構成街区ごとの良好な環境 10 分の5 以上とする 高度利用を促進するに足りる数値 10 分の 3 以上とする 敷地の細分化防止 密集化防止 環境維持 増進となる数値高度利用を促進するに足りる数値建築物に付属する門 塀は高さ2mを超えるものが対象 2 階建ての通常の高さを下回らない数値 高度利用を促進するに足りる数値 屋根又は外壁を形状又は材料で定めた制限 建築物に付属する門 塀を高さ 形状又は材料で定めた制限 令 136 条の 2 の 5 1 項 ( 号 ) ( 一号 ) 問題 4 解説正答 1 1. 法 70 条 3 項ただし書 建築協定書については 原則として 土地の所有者等 ( 土地の所有者及び借地権を有する者 ) の全員の合意がなければならない ただし 借地権の目的となっている土地がある場合は その土地の借地権を有する者の合意があれば足りる この場合 その土地の所有者の合意は要しない [P.232] 2. 法 74 条 1 項 2 項 法 70 条 3 項 建築協定の内容の変更には 法 70 条 ~73 条が準用され 原則として 土地の所有者等の全員の合意が必要である [P.233] 3. 法 71 条 市町村の長は 建築協定書の提出があった場合においては 遅滞なく その旨を公告し 20 日以上の相当の期間を定めて これを関係人の縦覧に供さなければならない [P.233] 4. 法 73 条 1 項三号 規則 10 条の6 第二号 建築協定区域隣接地の区域は 建築協定区域との一体性を有する土地の区域でなければならない [P.233] H29 1 学力法 4 解 -4
問題 5 解説正答 2 1. 法 87 条 3 項二号 令 137 条の19 第 1 項二号 法 3 条 2 項により 法 35 条の2( 内装制限 ) の適用を受けない建築物の用途を変更する場合 原則として現行の規定の適用を受けるが 類似の用途 ( 令 137 条の19 第 1 項 ) かつ 建築物の修繕 模様替をしない場合又は大規模の修繕 模様替でない場合は除かれる 有料老人ホームは 児童福祉施設等 ( 令 19 条 1 項 ) であり 病院も令 137 条の19 第 1 項二号に該当するので 類似の用途となる したがって 現行の内装制限の適用を受けない [P.245] 2. 法 86 条の7 第 1 項 令 137 条の12 第 1 項 既存不適格建築物に対する 大規模の修繕 模様替 の際 建築物の構造耐力上の危険性が増大しない の条件に適合すれば 現行の構造耐力の規定は適用されない [P.242] 3. 法 86 条の7 第 1 項 令 137 条の6 第一号 非常用の昇降機における既存不適格建築物に対する 増築 の際 増築に係る部分の建築物の高さが31mを超えず かつ 増築部分の床面積が既存部分の延べ面積( 基準時 ) の1/2 以下 の条件に適合すれば 既存部分については 現行の規定は適用されない 設問の増築面積は 基準時の1/2を超えているので 設置が必要である [P.241] 4. 法 86 条の7 第 2 項 令 137 条の13 令 137 条の14 三号ロ 既存不適格建築物に対する 増築等( 増築 改築 大規模の修繕 模様替 ) の際 排煙設備の規定( 令 5 章 3 節 ) については 所定の防火設備により区画された部分は ひとつの既存不適格建築物を別々の建築物 ( 独立部分 ) とみなして 増築等をする独立部分以外には 現行の規定は適用されない [P.244] 問題 5は 建築基準法の融合問題であり 既存不適格建築物の緩和 に関するものである 横断的に問うものなので 難易度は比較的高い 関係する条文が判断できるように テキストの一覧表などを参照し 法令集にマーキングをすること 問題 6 解説正答 4 1. 建築士法 3 条 1 項三号 木造以外の建築物で 延べ面積 300m2を超える新築等の場合は 一級建築士でなければ その設計又は工事監理をしてはならない [P.253] 2. 建築士法 5 条 1 項 同法施行規則 3 条 一級建築士名簿に登録する事項は 規則 3 条に列記されており 登録番号等 設問の通りである [P.254] 3. 建築士法 7 条五号 同法 9 条 1 項四号 ( 虚偽又は不正の事実に基づいて免許を受けたことが判明したとき ) 又は士法 10 条 1 項 ( 業務に関して不誠実な行為をしたとき等 ) の規定により免許を取り消され その取消しの日から起算して5 年を経過しない者等には 一級建築士 二級建築士又は木造建築士の免許を与えない [P.255] 4. 建築士法 9 条 1 項四号 虚偽又は不正の事実に基づいて免許を受けたことが判明したとき 国土交通大臣は 一級建築士の免許を取り消さなければならない 義務 がある 裁量の余地 のある業務停止命令や免許を取り消すことができるのは 同法 10 条よる懲戒処分事由に該当した場合である [P.255] H29 1 学力法 4 解 -5
EEAEEAm2 AEE AEE AEEAm2 AEE AEE AEEAm2 AEE AEE AEEAm2 EEAEEAm2 AEE AEE AEEAm2 AEE AEEAm2 AEE AEEAm2 AEE AEEAm2 AEE AEEAm2 チェック! 延べ面積 A 法令集で確認しましょう! 空欄に数値を埋め 整理する 建築士でなければできない設計 工事監理 ( 木造 ) 構造 木造 階数 階数 階数 以上 高さ 13m 超又は軒高 9m 超 A まる まる まるm2 <A A EE <A A EE <A A EE 建築士でなくても可 1 2 級 木造建築士でなければ不可 1 2 級建築士でなければ不可 1 2 級建築士でなければ不可 1 級建築士でなければ不可 <A 学校 病院等の特殊建築物で 500 m2超のものは 1 級建築士でなければならない 延べ面積 A 建築士でなければできない設計 工事監理 ( 木造以外 ) 構造 RC 造 鉄骨造など階数 以下階数 以上 高さ 13m 超又は軒高 9m 超 A まる まる まるm2 <A A EE <A 建築士でなくても可 1 2 級建築士でなければ不可 1 級建築士でなければ不可 問題 7 解説正答 2 1. 建築士法 20 条 3 項 同法施行規則 17 条の15 建築士は 工事監理を終了したときは 文書 ( 工事監理報告書 ) で建築主に報告しなければならない なお 文書に代えて 建築主の承諾を得て 電子情報処理組織 (Eメールなど) 等により報告することもできる ( 同法 20 条 4 項 ) [P.257] 2. 建築士法 18 条 3 項 建築士は工事監理を行う場合 工事が設計図書どおりに施工されていないときは 直ちに施工者に指摘して設計図書どおりにするよう求め 施工者が従わないときは 建築主 に報告しなければならない [P.256] 3. 建築士法 20 条の3 設備設計一級建築士の関与は 設備設計 における階数 3 以上で床面積 5,000m 2 を超える建築物に義務づけされている 工事監理については 関与を義務づける規定はない [P.257] H29 1 学力法 4 解 -6
4. 建築士法 20 条 2 項 建築士は 構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合 原則として その旨の証明書を設計の委託者に交付しなければならないが 同項ただし書により 構造設計一級建築士の関与が 義務づけられている建築物 で 構造設計一級建築士が 設計又は法適合確認 ( 同法 20 条の2 第 1 項 2 項 ) を行い その旨の表示 がされた場合は 交付の義務は除かれている したがって 用途 構造 規模により構造設計一級建築士の関与が義務づけられていない建築物の場合は 構造設計一級建築士であっても 構造計算によって建築物の安全性を確かめた旨の証明書 を設計の委託者に交付しなければならないことがある [P.256~257] 問題 8 解説正答 4 1. 建築士法 22 条の3の3 第 1 項 3 項 延べ面積が300m2を超える建築物の新築に係る設計受託契約又は工事監理受託契約の当事者は 契約の締結に際して所定の事項を書面に記載し 署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない 建築物を増築し 改築し 又は建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をする場合においては 当該増築 改築 修繕又は模様替に係る部分の新築とみなして この規定を適用する [P.259] 2. 建築士法 22 条の2 第一号 同法施行規則 17 条の36 定期講習の受講期間は 直近の定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して3 年以内である [P.258] 3. 建築士法 24 条 2 項 管理建築士は 建築士として3 年以上の設計等の業務に従事した後 登録講習機関が行う別表第三講習の欄に掲げる講習 ( 管理建築士講習 ) の課程を修了した建築士でなければならない したがって 一級建築士 二級建築士の区分がないので 改めて管理建築士講習を受ける必要はない [P.261] 4. 建築士法 23 条 同法 23 条の2 建築士事務所について登録を受けようとする者は 所定の事項を記載した登録申請書をその建築士事務所の 所在地を管轄する都道府県知事 に提出しなければならない したがって 業務範囲に係るそれぞれの都道府県知事の登録を受ける必要はない [P.259~260] 問題 9 解説正答 3 1. 建築士法 24 条の3 第 2 項 建築士事務所の開設者は 延べ面積が300m2を超えるすべての建築物の新築工事については 委託者の許諾を得た場合においても 委託を受けた設計又は工事監理を それぞれ一括して他の建築士事務所の開設者に委託してはならない [P.261] 2. 建築士法 24 条の8 第 1 項 建築士事務所の開設者は 設計又は工事監理受託契約を締結したときは 締結後に遅滞なく 所定の事項を記載した書面を委託者に交付しなければならない なお 同法 22 条の3の3 第 5 項により 設計又は工事監理受託契約の当事者が 契約の締結に際して書面を相互に交付した場合は 同法 24 条の8 第 1 項の規定は 適用しない [P.262~263] H29 1 学力法 4 解 -7
3. 建築士法 24 条の7 第 1 項 建築士事務所の開設者は 設計又は工事監理 の受託契約を建築主と締結しようとするときは 建築主に対しあらかじめ管理建築士等をして 重要事項を記載した書面を交付して説明をさせなければならない したがって 他の建築士事務所の開設者への重要事項説明は 不要である [P.262] 4. 建築士法 23 条の5 第 2 項 建築士事務所の開設者は 同法 23 条の2 第五号 ( 所属建築士の氏名及びその者の一級 二級 木造建築士の別 ) の事項について変更があつたときは 3 月以内に都道府県知事に届け出なければならない [P.260] 問題 6~9は 建築士法に関する出題頻度の高い枝で構成された標準的な問題 建築士法においては 近年 特に出題数が多いので 問題集 テストの選択枝については 一枝ごとに法令集で確認し セットアップすること 問題 10 解説正答 1 建築士法 10 条 1 項 国土交通大臣又は都道府県知事は 免許を受けた建築士が 1 建築士法若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反したとき 2 業務に関して不誠実な行為をしたときは 建築士に対し 戒告し 若しくは1 年以内の期間を定めて業務の停止を命じ 又は免許を取り消すことができる 設問のイは建築士法 24 条 3 項の違反 ロは同 18 条 3 項の違反 ハは同 21 条の3の違反に該当し 免許取消 業務停止の懲戒処分の対象となる [P.271~275] 職業倫理に関する問題 国土交通省のホームページを確認するなど情報収集が必要であるが 過去の職業倫理に関する問題は 常識的な判断で解答できる内容である H29 1 学力法 4 解 -8